要点宅地建物取引業法 34 条の 2 は、媒介契約を結んだ業者に書面交付義務を課し、専任媒介の有効期間を 3 月以内に制限し、指定流通機構への登録と定期報告を義務づける規定である。
Q · 専任媒介契約の「3 か月」は必ず 3 か月にしないといけないんですか?
3 か月は上限。1 か月と書いても契約は有効です
宅地建物取引業法 34 条の 2 第 3 項は、専任媒介契約の有効期間は 3 月を超えることができないと定め、これより長い期間を定めても 3 月に短縮されると規定します。つまり 3 か月は法が定めた上限であって、依頼者が 1 か月と記入することを法は禁じていません。更新も同条 4 項により「依頼者の申出」が要件であり、自動更新の特約は 10 項により無効です。専任を選んだ業者側には、指定流通機構への登録(5 項)、登録を証する書面の引渡し(6 項)、2 週間に 1 回以上(専属専任は 1 週間に 1 回以上)の報告(9 項)が義務として発生します。
家を売ろうと不動産会社の応接室に座ると、三種類の紙のどれかが差し出される。一般媒介、専任媒介、専属専任媒介。担当者は「専任のほうが本気で売ります」と言う。だがこの条文を読むと、力の向きは逆に見えてくる。専任を選んだ瞬間、義務を負うのは業者側だからだ。有効期間は三か月を超えられない(3項)。指定流通機構、通称レインズへの登録義務(5項)。登録を証する書面をあなたに引き渡す義務(6項)。業務の処理状況を二週間に一回以上、専属専任なら一週間に一回以上報告する義務(9項)。買主から申込みが入れば遅滞なく報告する義務(8項)。そしてこれらに反する特約は全部無効(10項)。専任媒介は業者があなたを縛る契約ではなく、あなたが業者に義務を発生させる契約である。三か月は法が定めた上限であって、あなたが一か月と書き込むことを法は禁じていない。
宅地建物取引業法 34 条の 2 は媒介契約の規制を定める規定であり、宅地建物取引業者が宅地・建物の売買または交換の媒介契約を締結した際の書面作成・交付義務、専任媒介契約の有効期間の上限、指定流通機構への登録義務、登録を証する書面の引渡し義務、業務処理状況の報告義務を規律する。これらの規定に反する特約は無効とされる。
業者が探索した相手方以外と契約できない特約付きの専任媒介です。自分で買主を見つけても直接売れず、報告義務は 1 週間に 1 回以上に強化されます(9 項括弧書き)。
5 項が国土交通省令に委任しており、専任媒介は 7 日、専属専任媒介は 5 日(いずれも業者の休業日を除く)と定められています。
9 項により専任媒介は 2 週間に 1 回以上、専属専任媒介は 1 週間に 1 回以上です。これを下回る特約は 10 項で無効になります。
専任媒介は他社への重ねての依頼を禁ずる契約なので、期間中は原則できません。満了を待つか、契約の解除に関する事項(1 項 5 号)に従って処理します。
解除に関する事項は 1 項 5 号の必須記載事項です。媒介契約は準委任的性質を持ち、民法 651 条の任意解除権が働きますが、違約金や費用償還の定めを確認してください。
既存建物の媒介では、インスペクションを実施する者のあっせんに関する事項を書面に記載する義務があります(1 項 4 号)。あっせんの有無を明示する趣旨です。
11 項により依頼者の承諾を得れば電磁的方法で提供でき、記名押印して交付したとみなされます。登録を証する書面も 12 項で電子提供が可能です。
宅地建物取引業法 65 条により、免許権者から指示処分や業務停止処分の対象になります。免許を出した都道府県または国土交通省の担当課に申し出ることができます。
一般媒介には3項の期間制限も5項のレインズ登録義務も9項の定期報告義務も及ばない。業者に義務を負わせたいなら専任、複数社を競わせたいなら一般という選び方になる。業界裏話ヒント:一般媒介でも業者は任意でレインズに登録できる。契約書に「一般媒介であるが指定流通機構に登録する」と一文を入れてもらえば、義務のない登録を契約上の義務に変えられる。これを渋る会社は、情報を外に出したくない理由がある。
確かめられる。5項の登録をした業者は6項により登録を証する書面を遅滞なく引き渡す義務を負い、この書面には売却依頼主が登録内容を確認するための情報が記載されている。業界裏話ヒント:この書面を渡さない、あるいは「後でまとめて」と言い続ける会社は要注意である。6項違反は監督処分の対象で、渡さない動機はほぼ一つ、他社に見せず買主も自社で見つけて両手で報酬を取りたいからだ。
普通ではない。4項は更新を「依頼者の申出により」とだけ定めており、自動更新の特約は10項によって無効となる。3項から6項まで及び8項9項に反する特約は効力を持たない。業界裏話ヒント:自動更新条項が印字された媒介契約書を出す会社は、国土交通省が定めた標準媒介契約約款に基づいていない。約款欄のチェックを一緒に確認するだけで、相手の姿勢が一目で分かる。
無効にはならない。媒介契約は書面がなくても成立する契約で、1項の書面交付義務は業者に課された行政上の義務である。違反すれば指示処分や業務停止処分(宅地建物取引業法65条)の対象になるが、契約そのものは消えない。業界裏話ヒント:だからこそ書面がない状態は依頼者に不利である。期間も報酬も証拠がなく、後から「専任だった」と主張されうる。気付いた日にメールで交付を求め、その送信記録を残しておく。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 書面の名称と場面 | 34 条の 2:媒介契約書面(依頼を受けた時点) | — |
| 交付の相手方 | 依頼者(売主・買主となる依頼人) | — |
| 記名の主体 | 宅地建物取引業者が記名押印(1 項) | — |
| 特約による排除 | 3 項から 6 項まで及び 8 項 9 項に反する特約は無効(10 項) | — |
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