宅地建物取引業法 第34条(取引態様の明示)
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- 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするときは、自己が契約の当事者となつて当該売買若しくは交換を成立させるか、代理人として当該売買、交換若しくは貸借を成立させるか、又は媒介して当該売買、交換若しくは貸借を成立させるかの別(次項において「取引態様の別」という。)を明示しなければならない。
- 2.宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する注文を受けたときは、遅滞なく、その注文をした者に対し、取引態様の別を明らかにしなければならない。
この条文の基本情報
取引態様の明示とは何ですか?
定義取引態様の明示とは、宅地建物取引業法第34条に定められた規定で、「宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするときは、自己が契約の当事者となつて当該売買若しくは交換を成立させるか、代理人として当該売買…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第34条(取引態様の明示)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第34条の条文原文は「宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするときは、自己が契約の当事者となつて当該売買若しくは交換を成立させるか、代理人として当該売買…」で始まります。
- 宅地建物取引業法第34条は第一節 通則に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第34条の前の条は宅地建物取引業法第33条の2です。
- 宅地建物取引業法第34条の次の条は宅地建物取引業法第34条の2です。
- 宅地建物取引業法第34条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第34条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第34条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/34
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法34条は、業者が広告をするとき及び注文を受けたときに、自ら売主・代理・媒介のいずれかという取引態様の別を明示する義務を定める規定である。
Q · 物件ページの「取引態様:売主」って、何が違うんですか?
手数料の有無と、受けられる法的保護が変わります
宅地建物取引業法34条は、業者に広告時と注文受託時の取引態様の明示を義務づけています。「売主」なら業者が当事者なので媒介報酬(46条)の発生根拠がなく、買主が一般人であればクーリング・オフ(37条の2)や契約不適合責任2年以上(40条)などの8種制限が発動します。「媒介」で売主が個人なら手数料は上限3% + 6万円 + 消費税がかかり、8種制限は適用されません。同じ物件でも支払額と保護が逆転します。
解説
SUUMO や HOME'S の物件ページを一番下までスクロールすると「取引態様:媒介」「売主」と書かれた小さな欄がある。ほとんどの人は素通りする。宅地建物取引業法34条は、その一行を業者に書かせている条文だ。1項は広告時、2項は注文を受けた時、遅滞なく取引態様を明らかにせよと命じる。国がわざわざ義務化した理由は単純で、その数文字であなたが払う金額と受けられる保護が丸ごと変わるからである。「売主」なら仲介手数料は発生しない。加えて相手が業者で買主が一般人であるため、クーリング・オフ、手付金等の保全措置、契約不適合責任を引渡しから2年以上とする縛りなど、いわゆる8種制限がまとめて発動する。「媒介」なら手数料は最大で売買代金の3% + 6万円 + 消費税、そして売主が個人であれば8種制限は一切かからない。同じ3,000万円の物件でも、この一行で100万円超と保護の有無が動く。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法34条は取引態様の明示義務を定める規定であり、宅地建物取引業者に対し、宅地又は建物の売買・交換・貸借の広告を行う際(1項)及び注文を受けた際(2項)に、自ら契約当事者となるか、代理人となるか、媒介するかの別を明示・明示することを義務づける。報酬規制および自ら売主制限の適用範囲を画する前提規定として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.物件ページの取引態様欄を最初に確認する 価格や間取りより先に、物件詳細ページの最下部にある「取引態様」欄を見る。売主・代理・媒介・貸主のいずれかを記録し、記載自体がなければその時点で34条1項違反の疑いがある
- 2.問い合わせメールで取引態様を書面照会する 初回の問い合わせメールに「取引態様の別をご教示ください」と明記する。34条2項の義務に対応する回答であり、後の紛争で証拠として残る。口頭確認では記録が残らない
- 3.態様に応じて発生する費用と保護を照合する 「売主」ならクーリング・オフ(37条の2)、手付金等の保全措置(41条・41条の2)、契約不適合責任2年以上(40条)が契約書に反映されているか確認する。「媒介」なら報酬が上限(46条・国土交通大臣告示)の範囲内かを確認する
- 4.広告の表示と契約書の当事者欄を突き合わせる 広告で「売主」とされていた業者が、契約書では媒介業者として記載されていないかを押印前に照合する。表示と実態が食い違う場合は署名を保留し、書面で説明を求める
- 5.食い違いがあれば免許権者に申し出る 広告の保存データ、メールのやり取り、契約書案を添えて、都道府県知事または国土交通大臣の宅地建物取引業担当窓口に申し出る。指示処分・業務停止処分(65条)の端緒となる
よくある質問 AI による整理
Q1取引態様の明示とは何ですか?
業者が自ら売主・代理・媒介のどの立場かを示す義務です。宅建業法34条1項が広告時、2項が注文受託時の明示を求めています。
Q2取引態様 売主 媒介 代理 の違いは?
売主は業者本人が当事者、代理は売主から代理権を得て契約、媒介は当事者を引き合わせる立場です。手数料の発生と8種制限の適用が変わります。
Q3取引態様が売主なら仲介手数料はかからない?
その業者に媒介報酬の根拠はありません。ただし買主側に別の媒介業者が付けば、その業者への手数料は発生します。
Q4取引態様の記載がない広告は違法?
34条1項違反です。免許権者による指示処分、悪質なら業務停止処分(65条)の対象になります。
Q5取引態様はどこに書いてありますか?
ポータルサイトの物件詳細ページ下部、紙のチラシなら物件概要表の欄外に「取引態様」として記載されています。
Q6取引態様はいつまでに教えてもらえますか?
34条2項は注文を受けたときに「遅滞なく」明らかにせよと定めます。契約直前まで伏せる運用は義務違反の状態です。
Q7賃貸の取引態様「貸主」とは何ですか?
大家自身が直接募集している状態です。媒介ではないため、借主から仲介手数料を取る根拠がありません。
Q8取引態様が違っていたらどこに相談できますか?
免許権者である都道府県知事または国土交通大臣の宅地建物取引業担当窓口に申し出ます。監督処分の端緒になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引態様が「売主」なら、仲介手数料は絶対にかからないんですか?
その業者が売主本人である以上、媒介の報酬(46条)を請求する根拠はありません。ただし買主側に別の業者が付いて媒介すれば、その業者への手数料は発生します。実務のポイント:「売主直販」を掲げつつ、契約書では関連会社を媒介業者として挟み手数料を発生させる形が実在します。広告の取引態様欄と、契約書の当事者欄・媒介業者欄が一致しているか、押印前に必ず照合する。
Q2取引態様が書いてない広告を見つけたんですが、通報して意味ありますか?
あります。34条1項違反として免許権者の指示処分、悪質なら業務停止処分(65条)の対象です。34条自体に罰金刑はありませんが、処分は宅地建物取引業者名簿に記載され誰でも閲覧できます。実務のポイント:交渉中に「取引態様の表示が見当たらないのですが」と一言添えるだけで、相手の説明の精度が変わることがある。行政に行く前のその一言が、実務上は最も速く効く。
Q3賃貸の「仲介手数料は家賃1か月分」って、断れないんですか?
取引態様が媒介の場合、借主から受け取れるのは原則として家賃0.55か月分相当が上限で、1か月分を取るには媒介の依頼を受けるに当たっての承諾が必要です(報酬額に関する国土交通大臣告示)。実務のポイント:この承諾は依頼時点で要るとされ、契約直前の口頭確認では足りないと判断された裁判例があります。取引態様が「貸主」なら媒介ではないので、根拠自体が存在しません。
Q42項の「注文」って、内見の申込みも入りますか?
34条2項の注文は売買・交換・貸借の申込みや依頼を広く指し、条件を伝えての物件紹介依頼も含まれると運用上は解されています。業者はその時点で遅滞なく態様を明らかにする義務を負います。実務のポイント:どこまでを注文とみるかは実務上、解釈が分かれています。だからこそメールで明示的に聞き直す価値がある。返答の有無と速さが、そのまま相手の管理体制の縮図になる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「仲介手数料は法律で3% と決まっている」と思われているが、3% + 6万円 + 消費税は上限であって定価ではない(46条、報酬額に関する国土交通大臣告示)。さらに取引態様が「売主」なら、そもそも媒介していないので手数料の発生根拠自体が存在しない。値引きを交渉する前に、発生根拠があるのかを確認する方が早い。
- あなたから見れば、取引態様は「誰が窓口か」という事務的な区別に過ぎない。法律から見れば、それは8種制限(37条の2、38条から43条の2)を発動させるかどうかのスイッチである。この落差に気付かないまま契約不適合責任の免責特約に押印すると、後から出た欠陥の修繕費が全部あなたの側に乗る。
- 34条には2項があることが知られていない。広告だけでなく、注文を受けたときにも遅滞なく明示する義務がある。つまり最初の問い合わせの段階で、業者は自分の立場を明かさなければならない。契約直前まで態様を伏せたまま話を進める相手は、その時点ですでに義務違反の状態にある。契約書を読み込む前に、最初のメールの返信を見返す方が相手の姿勢は分かる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制する場面 | 34条:広告時と注文受託時の取引態様の明示 | 32条:広告内容の誇大表示の禁止 33条:広告を開始できる時期の制限 |
| 守られる利益 | 自分の法的立場(費用と保護)を事前に知る利益 | 表示内容を誤認しない利益 許認可未了物件で振り回されない利益 |
| 違反の効果 | 指示処分・業務停止処分(65条)、罰金刑の直接規定はなし | 監督処分に加え罰則(81条)が絡む 監督処分の対象 |
| 後続条文への波及 | 46条の報酬発生根拠、37条の2以下の8種制限の適用可否を決める | 景品表示法5条と重畳適用 開発許可・建築確認の取得時期に連動 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾も広告に経紀業者の名称等の表示を義務づけ、広告と実際の内容の不一致に責任を負わせる。ただし日本の8種制限に相当する「自ら売主」規制群は薄く、明示義務が保護発動スイッチとして機能する度合いは日本より低い
韓国も表示・広告時に開業公認仲介士の情報明示を義務づけ、虚偽・誇大広告を禁止する。仲介報酬は条例で上限が定められ、日本の46条と同様の上限規制型
中国も物件情報公表時に仲介機構名や情報の真実性の担保を求めるが、行政規章レベルの規律であり、法律レベルで明示義務を置く日本と法源の階層が異なる
ドイツは仲介業者の立場開示を独立の業法条文で細かく定めるより、不正競争防止法上の情報提供義務と民法の仲介報酬規定(BGB § 652 ff.)で処理する傾向が強い
フランスは仲介業者に職業カード(carte professionnelle)と委任状(mandat)を要求し、書面の委任がなければ報酬請求権が発生しない構造。日本より報酬発生の入口が厳格
米国は州法で agency relationship(seller's agent / buyer's agent / dual agent)の書面開示を義務づける。dual agency の可否や開示時期が州ごとに大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 内見当日に「今日決めないと他の方に取られます」と言われたら、どうする? 申込書にサインする前に取引態様欄を見てほしい。「売主」であれば、事務所等以外の場所(喫茶店、あなたの自宅など)で申込みをした場合、書面で告げられた日から8日以内はクーリング・オフできる(37条の2)。「媒介」で売主が個人ならその制度は使えない。残り8日があるかないかが、その一行で決まる。
- 賃貸情報で「仲介手数料無料」を見つけた。取引態様欄には「貸主」とある。大家が自分で募集しているのだから媒介ではなく、手数料が浮くのは偶然ではなく構造である。
- あなたが不動産会社の営業でポータルサイトに物件を掲載する側だとする。入力欄を空にしたまま公開した。34条1項違反として、免許権者(都道府県知事または国土交通大臣)から指示処分、悪質なら業務停止処分(65条)を受ける。処分歴は宅地建物取引業者名簿に記載され、誰でも閲覧できる。取引先も、応募者も、それを見る。
- 買った中古マンションの雨漏りが引渡し1年後に発覚。契約書には「契約不適合責任は免責」とあった。ここで取引態様に戻る。「売主」表示だったなら、引渡しから2年未満とする特約は原則無効(40条)で、業者が責任を負う。「媒介」で売主が個人なら、免責特約は原則として有効。同じ雨漏りで、修繕費を誰が払うかが逆転する。
- 友人から「同じ物件が2つのサイトで手数料の扱いが違う」と相談された。答えは価格欄ではなく取引態様欄にある。片方が「代理」であれば、その業者は売主から報酬を受けるため買主から手数料を取らない設計になっていることがある。友人に伝えるべきは、どちらが安いかではなく、どこを見れば分かるかだ。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 広告に取引態様の記載がなければ、問い合わせ時にメールで質問し記録を残す(34条2項の義務) 2.「売主」表示なら、クーリング・オフ(37条の2)、手付金等の保全措置(41条、41条の2)、契約不適合責任2年以上(40条)が契約書に反映されているか照合3. 表示と実態が食い違っていたら、免許権者(都道府県知事または国土交通大臣)の宅地建物取引業担当窓口に申出、指示処分・業務停止(65条)の端緒になる4. 損害が出ていれば民法709条、不実告知があれば消費者契約法4条の取消しを検討
訴えられた側:1. 掲載中の全媒体(自社サイト、ポータル、チラシ、DM、動画)で取引態様が表示されているか一括点検、ポータルの入力欄は埋まっていても自社チラシで漏れるのが典型2. 態様が途中で変わった場合(媒介から自ら売主へ等)の更新フローを社内規程に組み込む3. 指摘を受けたら是正措置と再発防止策を文書化して免許権者に提出、業務停止ではなく指示処分にとどめる材料になる4. 32条(誇大広告等の禁止)違反が併存すると罰則(81条)が絡むため、広告表現全体を同時に洗う
時効(請求できる期限):34条自体に特定の時効はないが、2項は「遅滞なく」と定めており、注文受託から明示までの経過時間そのものが違反判断の材料になる。監督処分の申出に期限はない。損害賠償を求めるなら不法行為の消滅時効(民法724条、損害および加害者を知った時から3年)、不実告知を理由とする契約取消しなら消費者契約法7条(追認できる時から1年、契約締結時から5年)が別途進行する(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:34条の明示義務は、取引の相手方が報酬負担の有無と適用される保護規定を事前に判断できるようにするための情報開示規制であり、私法上の効力(契約の有効無効)を直接左右するものではなく、監督処分による行政的担保を予定した規定と解されている。
実務運用:2項の「注文」には、条件を伝えた上での物件紹介依頼など、契約申込みに至らない段階の依頼も広く含まれると運用されており、明示の時期は問い合わせへの初回応答時が実務上の目安とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:宅地建物取引業法の制定に伴い、不動産取引における業者の立場の不透明さを是正する規定として取引態様の明示義務が置かれた。
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