宅地建物取引業法 第33条の2(自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限)
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- 宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む。)を締結してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
- 一宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得する契約(予約を含み、その効力の発生が条件に係るものを除く。)を締結しているときその他宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得できることが明らかな場合で国土交通省令・内閣府令で定めるとき。
- 二当該宅地又は建物の売買が第四十一条第一項に規定する売買に該当する場合で当該売買に関して同項第一号又は第二号に掲げる措置が講じられているとき。
この条文の基本情報
自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限とは何ですか?
定義自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限とは、宅地建物取引業法第33条の2に定められた規定で、「宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第33条の2(自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第33条の2の条文原文は「宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む。」で始まります。
- 宅地建物取引業法第33条の2は第一節 通則に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第33条の2の前の条は宅地建物取引業法第33条です。
- 宅地建物取引業法第33条の2の次の条は宅地建物取引業法第34条です。
- 宅地建物取引業法第33条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第33条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第33条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/33_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法33条の2は、業者が自ら売主となる場合に、自己の所有でない宅地建物の売買契約を原則禁止する。取得契約の締結済みか、41条の保全措置がある場合のみ例外となる。
Q · 不動産会社が、まだ自分の名義になっていない家を売る契約って結んでいいんですか?
原則禁止。取得契約済みか保全措置ありのときだけ例外です。
宅地建物取引業法33条の2により、宅建業者が自ら売主となる場合、自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約(予約を含む)は原則として締結できません。例外は二つだけで、業者が停止条件の付いていない取得契約を締結しているとき(1号)と、工事完了前の物件で41条1項の手付金等の保全措置が講じられているとき(2号)です。ただし買主自身が宅建業者である場合は、78条2項により本条を含む8種規制の適用がありません。
解説
不動産会社が、まだ自分の物になっていない土地や建物を、あなたに売る契約を結ぶ。仕入れと転売を同時に走らせる商売としては合理的だが、宅地建物取引業法33条の2はこれを原則として禁じている。民法561条の世界では、他人の物を売る契約それ自体は有効で、売主が後から取得して引き渡せば足りる。ところが売主が宅建業者で、買主があなたのような一般の消費者である場面だけは扱いが変わる。業者が元の所有者から仕入れそこねた瞬間、あなたの手付金も住宅ローンの審査も引越しの段取りも、すべて宙に浮くからだ。そこで法は業者側に「先に仕入れておけ」と命じた。例外は二つだけ。業者が取得契約(停止条件付きのものは不可)を締結済みの場合と、工事完了前の物件で41条の手付金等保全措置が講じられている場合である。裏返せば、登記名義人が売主業者でない物件を勧められたとき、業者はあなたに対して仕入れ契約の存在を説明できる立場に立たされている。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法33条の2は、いわゆる他人物売買の制限を定める規定であり、宅地建物取引業者が自ら売主となる場合に限り、自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約の締結を原則として禁止する。他人の権利の売買を有効とする民法561条に対する業法上の上乗せ規制であり、買主が宅地建物取引業者である場合には78条2項により適用されない。
手順
- 1.契約前に登記事項証明書を自分で取得する 法務局の窓口または登記情報提供サービスで、対象の宅地・建物の登記事項証明書を取得し、甲区の所有者欄と売買契約書の売主欄が一致するかを照合する。業者が用意した写しではなく、自分で取ることが重要
- 2.一致しない場合、取得契約書の写しを求める 所有者欄が売主業者でないなら、重要事項説明の場で取得契約書(予約を含む)の写しの提示を求める。締結日が売買契約日より前か、そして「効力の発生が条件に係るもの」=停止条件付きでないかを条文の文言レベルで確認する
- 3.工事完了前の物件なら保全措置の証書を確認する 未完成物件では41条1項の手付金等の保全措置(保証委託契約または保証保険契約)の証書現物を、手付金を振り込む前に確認する。証書が交付されないまま引渡しまで進む例があるため、入金は証書確認後にする
- 4.説明を拒まれたら契約を保留し免許権者に相談する 取得契約の存在を説明できない、または停止条件付きしかない状態で契約を迫られたら署名を保留する。都道府県の宅建業指導窓口(大臣免許業者なら地方整備局)に相談し、その選択肢を持っていることを交渉の場に置く
よくある質問 AI による整理
Q1他人物売買とは何ですか?
売主が所有していない物を目的とする売買です。民法561条により契約自体は有効ですが、売主が宅建業者で自ら売主となる場面では宅建業法33条の2が原則禁止しています。
Q2宅建業法の8種規制とは何ですか?
宅建業者が自ら売主、買主が業者以外という取引にだけ働く8つの上乗せ規制です。33条の2の他人物売買制限、38条の損害賠償額の予定制限、39条の手付制限、41条の保全措置などが含まれます。
Q333条の2に違反するとどうなりますか?
免許権者(都道府県知事または国土交通大臣)による指示処分・業務停止処分、悪質なら免許取消の対象になります(65条以下)。契約が自動的に無効になる規定ではありません。
Q4不動産会社が媒介の場合も33条の2は適用されますか?
適用されません。本条は「自ら売主となる」場合の規制です。同じ会社が関わっていても、物件広告の取引態様が「売主」か「媒介」かで働く保護が入れ替わります。
Q5登記名義人が売主と違う物件は買ってはいけないの?
登記が移っていなくても、停止条件の付いていない取得契約が締結されていれば適法です。条文が問うのは登記名義ではなく「業者が取得できることが明らかか」です。
Q6手付金等の保全措置とは何ですか?
41条1項が定める、保証委託契約または保証保険契約により買主の支払った手付金等の返還を確保する仕組みです。これが講じられていれば未完成物件でも2号により契約できます。
Q7取得契約書の写しは見せてもらえますか?
法律上の開示義務を定めた条文はありませんが、契約前であれば業者は違反状態を突かれる立場にあるため、重要事項説明の場で求めれば応じられる例が多いです。
Q833条の2違反に刑事罰はありますか?
本条違反に直接の罰則は定められていません。制裁は監督処分(65条以下)という行政ルートであり、業務停止処分に違反した場合などに初めて罰則の問題が生じます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1業者がまだ持ってない物件を売る契約って、結局は無効になるんですか?
なりません。他人の権利の売買も契約としては有効で、売主はその権利を取得して買主に移転する義務を負う(民法561条)。33条の2違反は免許権者による指示処分・業務停止処分などの行政責任の問題で、契約の効力を直接くつがえす条文ではない。実務のポイント:業法違反イコール契約無効という思い込みで交渉すると、業者側の弁護士に一瞬で崩される。効くのは処分リスクを背景にした白紙解約交渉であって、無効主張ではない
Q2買主がこっちも不動産会社だと、この規制は関係なくなるって本当ですか?
本当である。78条2項により、買主が宅地建物取引業者である場合には33条の2を含むいわゆる8種規制が適用されない。プロ同士の取引では自衛できるという前提が置かれている。実務のポイント:自社に宅建業免許があると、この保護が丸ごと外れることを社内の購買担当が知らないケースは多い。免許を持つ法人が買主に立つときこそ、契約書で仕入れ契約の存在確認条項を自前で入れる必要がある
Q3地主と『許可が下りたら買う』という契約はしてるそうです。それでもダメなんですか?
ダメである。33条の2第1号は取得契約から「その効力の発生が条件に係るもの」つまり停止条件付きのものを明文で除外している。条件が成就するまで業者が取得できる保証がないからだ。実務のポイント:市街化調整区域や農地がからむ案件では、停止条件付きの仕入れが実務の常道になっている。物件の所在地が農地や調整区域なら、停止条件の有無を先に聞くと話が早い
Q4まだ建っていないマンションを業者から買うのは、この条文に引っかからないんですか?
工事完了前の物件の売買で、41条1項の手付金等の保全措置(保証委託契約または保証保険契約)が講じられていれば、33条の2第2号により適法に契約できる。措置が講じられていない状態で契約すれば違反になりうる。実務のポイント:保全措置の証書は買主に交付されるべきものだが、渡されないまま引渡しまで進む例がある。手付を振り込む前に証書の現物を確認するのが実務上の分水嶺(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 33条の2に違反した契約は無効になると思われがちだが、そうではない。他人物売買は民法561条により私法上は有効であり、業法違反を理由に契約を無効だと主張しても手付金は戻らない。効くのは免許権者による指示処分・業務停止処分・免許取消(65条以下)という行政ルートであって、あなたの契約を自動的に巻き戻す装置ではない
- あなたが立てている問いは「登記名義が売主業者になっているか」だが、条文が問うているのは「業者が取得できることが明らかか」である。登記が移っていなくても、停止条件の付いていない取得契約が締結されていれば適法。逆に登記の話ばかりしていると、停止条件付き契約という最も危険な類型を見逃す
- 8種規制の一つだと知っている人でも、その適用が丸ごと外れる場面の深刻さまでは押さえていない。買主自身が宅地建物取引業者である場合、78条2項によって本条を含む8種規制はすべて適用されない。業者の看板を持つ会社が買主側に立つ取引では、この保護は一行も働かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 33条の2:自己の所有でない物件の売買契約締結そのもの | 41条:工事完了前物件で受領する手付金等の保全 39条:手付の額(代金の2割)と性質の制限 |
| 守っているリスク | 業者が仕入れに失敗し引渡し不能になるリスク | 業者が倒産し前払金が回収不能になるリスク 過大な手付により買主が解約できなくなるリスク |
| 例外・連動 | 取得契約締結済み(停止条件付きを除く)または41条の措置ありで適法 | 一定額以下の手付金等は措置不要 2割超部分が無効となる(超過部分のみ) |
| 買主が業者のとき | 78条2項により適用なし | 78条2項により適用なし 78条2項により適用なし |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾でも他人の物の売買は契約として有効で、売主は権利瑕疵担保責任を負う。ただし日本の8種規制のように「業者が自ら売主のときだけ他人物売買を禁じる」という業法上の一律禁止規定は置かれておらず、規制は主として仲介業者の説明義務と預售屋(青田売り)規制の側から働く
韓国も他人の権利の売買を有効とし、売主に取得移転義務を負わせる構造は日本と同じ。分譲住宅については주택법の分譲保証制度が日本の41条保全措置に近い機能を果たす
ドイツも他人物売買は有効。買主保護は契約締結の禁止ではなく、MaBV による Bauträger(開発業者)の前払金受領要件と、公証人関与を必須とする不動産売買の方式規制(BGB § 311b)で担保される
フランスは最も厳しく、他人の物の売買を民法典1599条で端的に無効とする。日本のように業法で行政規制を上乗せするのではなく、私法レベルで無効という構成をとる点が対照的である
米国はクロージング時点で marketable title を提供できればよく、契約時点の所有は要求されない。売主が後に権原を取得すれば estoppel by deed により買主に移転するという処理で、契約締結自体を禁じる規制は一般的でない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 分譲住宅の契約直前に登記事項証明書を取ったら、所有者欄に売主の不動産会社ではなく見知らぬ個人の名前が入っていた。担当者は「地主さんとは話がついています」と言う。その話がついているの中身が、取得契約書なのか口約束なのかで、この契約が33条の2違反かどうかが分かれる
- もし業者が地主と「農地転用の許可が下りたら購入する」という停止条件付きの契約しか結んでいなかったとしたら、どうなるか。本条1号は括弧書きで停止条件付きの取得契約を明確に除外している。許可が下りる見込みが高くても、条件成就前にあなたと売買契約を結んだ時点で業法違反である
- あなたが不動産会社の営業担当だとする。上司から「地主とは話がまとまっているから、先にエンド客と契約を取ってこい」と指示された。仕入れ契約書がまだ一枚もないなら、指示に従った瞬間、免許権者からの指示処分・業務停止処分の引き金を自分の手で引くことになる
- リノベーション物件の内覧に行った。売主は業者、登記名義は前の持ち主のまま。営業は「今週中に手付を打てば他の申込より優先します」と急かす。あと三日で決断を迫られている状況こそ、仕入れ契約書の写しを見せてもらう最後のタイミングである
- 友人が「工事中のマンションを買った、まだ建物は建っていない」と相談してきた。売主は業者。この場合、本条2号と41条の手付金等保全措置が組み合わさっているかを確認すればよい。保全措置があるなら適法である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約前に登記事項証明書を自分で取得し、所有者欄と売主欄を照合2. 一致しないなら、業者に取得契約書の写しを求め、停止条件が付いていないかを条文の文言レベルで確認3. 工事完了前の物件なら、41条の手付金等保全措置(保証委託契約または保証保険契約)の証書を確認4. 説明を拒まれたら契約を保留し、免許権者の宅建業指導窓口に相談。すでに契約済みなら、業法違反を理由とする無効ではなく、履行遅滞・履行不能を軸に解除と損害賠償を組み立てる
訴えられた側:1. 取得契約の締結日と売買契約の締結日を書面で時系列に固め、先後関係を立証2. 条件が停止条件か解除条件かを契約文言で確認、解除条件付きであれば1号の除外には当たらない3. 買主が宅地建物取引業者であれば78条2項により本条の適用自体がない4. 工事完了前の物件なら41条の保全措置の証跡を提出5. 監督処分の手続では行政手続法上の弁明・聴聞の機会があるため、そこまでに事実関係の資料を揃える
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。監督処分(65条以下)に出訴期間の起算となるような期間制限は法定されておらず、違反の発覚時点で問題化しうる。買主側の民事請求は一般消滅時効(民法166条、権利行使できると知った時から5年または権利行使できる時から10年)、契約不適合の通知は民法566条の1年、手付解除は相手方が履行に着手するまで(民法557条)。監督処分を受けた業者が争う場合は、処分を知った日から6か月以内の取消訴訟(行政事件訴訟法14条)
学説
通説(取締規定説):33条の2は業者の営業活動を規律する取締規定であり、これに違反して締結された売買契約の私法上の効力は原則として否定されないと解されている。買主の救済は契約無効ではなく、履行不能・履行遅滞に基づく解除と損害賠償、および免許権者の監督処分を通じて図られる
8種規制の趣旨論:自ら売主となる業者と一般消費者との間には情報量と交渉力の構造的な格差があるため、民法の一般原則を修正して買主側に片面的な保護を与える必要があるとされる。買主が業者である場合に78条2項が適用除外を置くのは、この格差が存在しないことを理由とする
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:宅地建物取引業法制定。当初は免許制度と業務規制が中心で、自ら売主となる場合の8種規制はまだ整備されていなかった
- 2.昭和55年(1980年) 改正:いわゆる8種規制が本格的に整備され、自己の所有に属しない宅地建物の売買契約締結の制限として本条が置かれた。仕入れ未確定のまま消費者と契約を結ぶ取引形態への規制強化
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