要点宅地建物取引業法 33 条の 2 は、業者が自ら売主となる場合に、自己の所有でない宅地建物の売買契約を原則禁止する。取得契約の締結済みか、41 条の保全措置がある場合のみ例外となる。
Q · 不動産会社が、まだ自分の名義になっていない家を売る契約って結んでいいんですか?
原則禁止。取得契約済みか保全措置ありのときだけ例外です。
宅地建物取引業法 33 条の 2 により、宅建業者が自ら売主となる場合、自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約(予約を含む)は原則として締結できません。例外は二つだけで、業者が停止条件の付いていない取得契約を締結しているとき(1 号)と、工事完了前の物件で 41 条 1 項の手付金等の保全措置が講じられているとき(2 号)です。ただし買主自身が宅建業者である場合は、78 条 2 項により本条を含む 8 種規制の適用がありません。
不動産会社が、まだ自分の物になっていない土地や建物を、あなたに売る契約を結ぶ。仕入れと転売を同時に走らせる商売としては合理的だが、宅地建物取引業法33条の2はこれを原則として禁じている。民法561条の世界では、他人の物を売る契約それ自体は有効で、売主が後から取得して引き渡せば足りる。ところが売主が宅建業者で、買主があなたのような一般の消費者である場面だけは扱いが変わる。業者が元の所有者から仕入れそこねた瞬間、あなたの手付金も住宅ローンの審査も引越しの段取りも、すべて宙に浮くからだ。そこで法は業者側に「先に仕入れておけ」と命じた。例外は二つだけ。業者が取得契約(停止条件付きのものは不可)を締結済みの場合と、工事完了前の物件で41条の手付金等保全措置が講じられている場合である。裏返せば、登記名義人が売主業者でない物件を勧められたとき、業者はあなたに対して仕入れ契約の存在を説明できる立場に立たされている。
宅地建物取引業法 33 条の 2 は、いわゆる他人物売買の制限を定める規定であり、宅地建物取引業者が自ら売主となる場合に限り、自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約の締結を原則として禁止する。他人の権利の売買を有効とする民法 561 条に対する業法上の上乗せ規制であり、買主が宅地建物取引業者である場合には 78 条 2 項により適用されない。
売主が所有していない物を目的とする売買です。民法 561 条により契約自体は有効ですが、売主が宅建業者で自ら売主となる場面では宅建業法 33 条の 2 が原則禁止しています。
宅建業者が自ら売主、買主が業者以外という取引にだけ働く 8 つの上乗せ規制です。33 条の 2 の他人物売買制限、38 条の損害賠償額の予定制限、39 条の手付制限、41 条の保全措置などが含まれます。
免許権者(都道府県知事または国土交通大臣)による指示処分・業務停止処分、悪質なら免許取消の対象になります(65 条以下)。契約が自動的に無効になる規定ではありません。
適用されません。本条は「自ら売主となる」場合の規制です。同じ会社が関わっていても、物件広告の取引態様が「売主」か「媒介」かで働く保護が入れ替わります。
登記が移っていなくても、停止条件の付いていない取得契約が締結されていれば適法です。条文が問うのは登記名義ではなく「業者が取得できることが明らかか」です。
41 条 1 項が定める、保証委託契約または保証保険契約により買主の支払った手付金等の返還を確保する仕組みです。これが講じられていれば未完成物件でも 2 号により契約できます。
法律上の開示義務を定めた条文はありませんが、契約前であれば業者は違反状態を突かれる立場にあるため、重要事項説明の場で求めれば応じられる例が多いです。
本条違反に直接の罰則は定められていません。制裁は監督処分(65 条以下)という行政ルートであり、業務停止処分に違反した場合などに初めて罰則の問題が生じます。
なりません。他人の権利の売買も契約としては有効で、売主はその権利を取得して買主に移転する義務を負う(民法561条)。33条の2違反は免許権者による指示処分・業務停止処分などの行政責任の問題で、契約の効力を直接くつがえす条文ではない。業界裏話ヒント:業法違反イコール契約無効という思い込みで交渉すると、業者側の弁護士に一瞬で崩される。効くのは処分リスクを背景にした白紙解約交渉であって、無効主張ではない
本当である。78条2項により、買主が宅地建物取引業者である場合には33条の2を含むいわゆる8種規制が適用されない。プロ同士の取引では自衛できるという前提が置かれている。業界裏話ヒント:自社に宅建業免許があると、この保護が丸ごと外れることを社内の購買担当が知らないケースは多い。免許を持つ法人が買主に立つときこそ、契約書で仕入れ契約の存在確認条項を自前で入れる必要がある
ダメである。33条の2第1号は取得契約から「その効力の発生が条件に係るもの」つまり停止条件付きのものを明文で除外している。条件が成就するまで業者が取得できる保証がないからだ。業界裏話ヒント:市街化調整区域や農地がからむ案件では、停止条件付きの仕入れが実務の常道になっている。物件の所在地が農地や調整区域なら、停止条件の有無を先に聞くと話が早い
工事完了前の物件の売買で、41条1項の手付金等の保全措置(保証委託契約または保証保険契約)が講じられていれば、33条の2第2号により適法に契約できる。措置が講じられていない状態で契約すれば違反になりうる。業界裏話ヒント:保全措置の証書は買主に交付されるべきものだが、渡されないまま引渡しまで進む例がある。手付を振り込む前に証書の現物を確認するのが実務上の分水嶺(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 33 条の 2:自己の所有でない物件の売買契約締結そのもの | — |
| 守っているリスク | 業者が仕入れに失敗し引渡し不能になるリスク | — |
| 例外・連動 | 取得契約締結済み(停止条件付きを除く)または 41 条の措置ありで適法 | — |
| 買主が業者のとき | 78 条 2 項により適用なし | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。