要点宅地建物取引業法 38 条は、業者が自ら売主となる売買で、損害賠償額の予定と違約金の合算を代金の 20 パーセントまでに制限し、超過部分のみを無効とする。
Q · 契約書に「違約金は代金の 30 パーセント」と書いてあったら、本当にその額を払うんですか?
売主が宅建業者なら 20 パーセントが上限、超過部分は無効
宅地建物取引業法 38 条 1 項は、宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約において、債務不履行解除に伴う損害賠償額の予定と違約金の合算額が代金の 10 分の 2 を超える定めをしてはならないと規定します。同条 2 項により、これに反する特約は契約全体が無効になるのではなく、20 パーセントを超える部分だけが無効です。したがって 3,000 万円の物件で 30 パーセントと定められていても、支払義務が生じるのは 600 万円まで。ただしこの上限が立つのは売主が業者で買主が業者でない場合に限られ、個人が売主の中古住宅や業者間取引(78 条 2 項)には及びません。
新築マンションの売買契約書を開くと、違約金条項はほぼ例外なく「売買代金の20パーセント」で止まっている。この数字は業界の慣習ではなく、宅地建物取引業法 38 条が引いた天井だ。売主が宅地建物取引業者である場合に限り、債務不履行を理由とする解除に伴う損害賠償の予定額と違約金は、合算して代金の 20 パーセントを超える定めができない。3,000 万円の物件なら 600 万円が上限。さらに効いてくるのが 2 項で、契約書に 30 パーセントと書かれていても契約全体が無効になるのではなく、20 パーセントを超える部分だけが無効になる。つまりサインした後でも、超過分を払う義務は最初から存在しない。ただしこの天井が立つのは、売主が宅地建物取引業者で、あなたが宅地建物取引業者でないときだけである。売主が個人の中古住宅なら、同じ 30 パーセント条項がそのまま生きる。
宅地建物取引業法 38 条は、宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約において、当事者の債務不履行による解除に伴う損害賠償額の予定および違約金の合算額を代金の 10 分の 2 に制限する規定である。民法 420 条の賠償額予定の一般則に対する業法上の強行規定であり、違反した特約は超過部分のみが無効となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約で、債務不履行解除に伴う損害賠償額の予定と違約金の合算を代金の 20 パーセントまでに制限する規定です。超過部分は無効になります。
手付金が単なる解約手付なら別枠ですが、違約罰や損害賠償額の予定を兼ねる設計であれば、実務上は違約金と合算して 20 パーセント以内かを判断します。契約書の手付条項の文言が分かれ目です。
適用されません。条文は「自ら売主となる宅地又は建物の売買契約」を対象としており、賃貸借の違約金は民法 420 条や消費者契約法 9 条で争うことになります。
上限は立ちません。宅地建物取引業法 78 条 2 項により、買主も宅地建物取引業者である業者間取引では自ら売主制限が丸ごと適用除外となり、20 パーセントを超える定めも有効です。
なりません。38 条は業者が「自ら売主」となる場合の規定です。業者が仲介に入るだけで売主が個人なら、この上限は働かず、契約書の違約金条項がそのまま効力を持ちます。
超過部分が無効になるだけでなく、免許権者による指示処分や業務停止処分(宅地建物取引業法 65 条)の対象になり得ます。買主からの免許権者への申出が端緒になることもあります。
重畳的に適用されます。まず 38 条で 20 パーセントの天井を確認し、その範囲内でも平均的損害を超える部分があれば消費者契約法 9 条で無効を主張できます。厳しい方が実際の上限になります。
なりません。38 条 2 項は「代金の額の十分の二をこえる部分について、無効とする」と定める一部無効の規定です。売買契約そのものと 20 パーセントまでの違約金条項は生き残ります。
手遅れではありません。宅地建物取引業法 38 条 2 項は、超えた部分についてのみ無効とすると定めているので、売主が業者なら 20 パーセント分だけ払えば足ります。業界裏話ヒント:業者側は「合意したはずです」と押してきますが、38 条は当事者の合意で外せない強行規定です。それでも引かない場合、免許権者である都道府県の宅地建物取引業担当課への申出が交渉を一気に動かす。監督処分は業者にとって金額よりはるかに重い
逆です。38 条が制限しているのは「定め」であって「請求」ではありません。予定額の定めがなければ民法の原則に戻り、業者は実損害を立証したうえで 20 パーセントを超える額を請求することも理論上可能です。業界裏話ヒント:買主にとっては、20 パーセントの違約金条項が「ある」契約書の方が上限が読めて安全な場合がある。条項がないことを有利だと思い込んで契約するのが、実は一番怖い
手付解除は債務不履行を理由とする解除ではないため、38 条の枠組みとは別物です。相手方が履行に着手する前に手付を放棄して解除したのであれば、それで完結し、追加の違約金請求はできません(民法 557 条 1 項、宅地建物取引業法 39 条 2 項)。業界裏話ヒント:争点は必ず「業者がいつ履行に着手したか」に移る。業者は着工写真や発注書を持ち出してくるので、解除の意思表示を出した日時をメールや内容証明で固定しておくかどうかで勝敗が決まる
なりません。38 条は売主が宅地建物取引業者である場合の制限で、個人間売買には及びません。消費者契約法 9 条も事業者と消費者の契約が前提なので、個人同士では使えず、民法 90 条の公序良俗違反などで争うしかなくなります。業界裏話ヒント:売主が個人名義でも、短期間に何戸も売っているなら実質的に「業として」の取引と評価され、業法の適用が問題になる余地がある。登記簿で売主の他の取得・売却履歴を追うと、その糸口が出てくることがある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 38 条:債務不履行解除に伴う損害賠償額の予定・違約金の「定め」 | — |
| 上限・基準 | 予定額と違約金の合算が代金の 10 分の 2 以内 | — |
| 違反の効果 | 超過部分のみ無効(一部無効) | — |
| 適用の前提 | 業者が自ら売主 + 買主が業者でない(78 条 2 項で業者間は除外) | — |
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