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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

宅地建物取引業法 第39条(手付の額の制限等)

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  1. 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の十分の二を超える額の手付を受領することができない。
  2. 2.宅地建物取引業者が、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して手付を受領したときは、その手付がいかなる性質のものであつても、買主はその手付を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。
  3. 3.前項の規定に反する特約で、買主に不利なものは、無効とする。

この条文の基本情報

手付の額の制限等とは何ですか?

定義手付の額の制限等とは、宅地建物取引業法第39条に定められた規定で、「宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の十分の二を超える額の手付を受領することができない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 宅地建物取引業法第39条(手付の額の制限等)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
  2. 宅地建物取引業法第39条の条文原文は「宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の十分の二を超える額の手付を受領することができない。」で始まります。
  3. 宅地建物取引業法第39条は第一節 通則に置かれています。
  4. 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
  5. 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 宅地建物取引業法第39条の前の条は宅地建物取引業法第38条です。
  7. 宅地建物取引業法第39条の次の条は宅地建物取引業法第40条です。
  8. 宅地建物取引業法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第39条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176
  • 本サイト収録宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/39

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点宅地建物取引業法39条は、業者が自ら売主となる売買で手付を代金の2割以下に制限し、手付は性質を問わず解約手付として、買主は放棄、業者は倍額提供で解除できると定める。

Q · 新築マンションの手付金って、いくらまで取られるんですか?後からキャンセルできますか?

業者が売主なら手付は代金の2割まで。手付放棄で解除できます

宅地建物取引業法39条1項により、宅地建物取引業者が自ら売主となる売買では、手付は代金の10分の2を超えて受領できません。超過分は違法受領となり返還を請求できます。同条2項により、受領された手付はその性質を問わず解約手付として作動し、買主は手付を放棄して、業者は倍額を現実に提供して契約を解除できます。ただし相手方が契約の履行に着手した後は解除できません。3項により、これに反する買主に不利な特約は無効です。

解説

手付を「契約書の一項目」として眺めている限り、この条文の威力は見えない。宅地建物取引業者が自ら売主になる売買では、手付は代金の2割が絶対上限であり、これを超えた受領は違法である(1項)。さらに強力なのが2項だ。受け取られた手付は「いかなる性質のものであつても」解約手付として作動し、買主は手付を放棄するだけで契約から抜けられる。業者の側から抜けるには、倍額を現実に提供しなければならない。契約書に別の性質だと書かれていても関係がない。3項が、買主に不利な特約を一律に無効にするからだ。つまりあなたの手元には、契約書の文面とは独立に作動する離脱ボタンが、署名の瞬間から握らされている。消える条件はただ一つ、相手方が履行に着手すること。見張るべきはそこだけである。

法的な位置づけ

宅地建物取引業法39条は、宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地建物の売買における手付を規律する規定である。手付額を代金の10分の2以下に制限し(1項)、受領された手付を性質のいかんを問わず解約手付として扱い、買主の放棄または業者の倍額現実提供による解除を認め(2項)、これに反する買主に不利な特約を無効とする(3項)。

手順

  1. 1.重要事項説明書で「売主が業者本人か」を確認する 重要事項説明書と契約書の売主欄を見て、宅地建物取引業者が自ら売主となっているか、それとも媒介(仲介)にすぎず売主は個人かを確認する。媒介であれば39条の2割上限も特約無効規定も適用されない
  2. 2.手付額が代金の2割以内かを電卓で検算する 提示された手付額を代金で割り、10分の2を超えていないか機械的に検算する。超過していればその場で指摘し、超過部分は違法受領として減額または返還を求める。同時に保全措置(41条、41条の2)の要否も確認する
  3. 3.解除を決めたら、相手方が履行に着手する前に書面で通知する 手付放棄による解除は、相手方が契約の履行に着手するまでが唯一の窓である。内容証明郵便で解除の意思表示と手付放棄の旨を通知し、到達日を証拠化する。口頭やメールのみでは日付の立証が困難になる
  4. 4.業者から解除の連絡が来たら、その日のうちに履行の着手を作る 業者が解除するには倍額の現実の提供が必要であり、口頭通知や振込予告では効力が生じない。物件を残したいなら、業者が資金を用意する前に中間金の支払や登記費用の預託など、外形的に認識できる履行行為を行う
  5. 5.返還に応じない業者は免許行政庁へ申し出る 2割超過分の返還に業者が応じない場合、訴訟の前に免許を出している都道府県知事または国土交通大臣へ事実を申し出る。指示処分や業務停止(65条)の監督権限を持つ役所からの照会は、業者の対応を大きく変えることがある

よくある質問 AI による整理

Q1不動産の手付金とは何ですか?

売買契約の締結時に買主が売主へ交付する金銭です。代金に充当されると同時に、解約手付として契約からの離脱権を双方に与える機能を持ちます。宅建業者が売主なら宅建業法39条が適用されます。

Q2手付金と申込証拠金の違いは何ですか?

申込証拠金は契約前の購入意思表示に伴う預り金で、契約に至らなければ全額返還されます。手付は契約成立後の金銭で、放棄すれば解除の対価になります。性質が全く異なります。

Q3契約書に手付解除の期限が書いてある場合はどうなりますか?

履行着手前であっても解除できなくなる条項は、買主に不利な特約として39条3項により無効となる余地があります。ただし実務上、期限条項の有効性は解釈が分かれています。

Q4手付金等の保全措置とは何ですか?

業者倒産時に買主の支払済み金銭を保証機関等が返還する仕組みです。未完成物件は代金の5%または1,000万円、完成物件は10%または1,000万円を超えると義務化されます(41条、41条の2)。

Q5中古住宅を個人の売主から買う場合も2割の上限がありますか?

ありません。宅建業法39条は業者が自ら売主となる場合の規定です。仲介業者が入っていても売主が個人なら適用されず、手付は民法557条の一般ルールで処理されます。

Q6手付放棄で解除したら仲介手数料は返ってきますか?

業者が自ら売主の場合はそもそも仲介手数料が発生しません。媒介業者が別に入っている取引では、契約成立後の解除であるため、既払いの手数料は原則返還されないのが実務です。

Q7ローン特約による解除と手付解除はどう違いますか?

ローン特約は融資が否認された場合に無条件で契約を白紙に戻す仕組みで、手付は返還されます。手付解除は理由を問わず可能ですが、手付を失う点が決定的に異なります。

Q8手付金は住宅ローンで支払えますか?

原則できません。手付は契約時に自己資金で用意するのが通常で、ローン実行は決済時です。自己資金が不足する場合、つなぎ融資や手付金額の交渉を契約前に検討します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1業者から「手付は倍返しします」と電話が来たんですが、もう契約は終わりですか?

終わっていない。39条2項は倍額を「現実に提供して」と定めており、口頭の意思表示や振込予告だけでは解除の効力は生じない。実務のポイント:業者が資金を用意している間に、買主側が中間金の支払や登記費用の預託など履行に着手すれば、業者は解除できなくなる。電話を受けた日に動けるかどうかで、物件が手元に残るかが決まる

Q2「履行の着手」って、具体的に何をしたら着手なんですか?

判例は、客観的に外部から認識できる態様で債務の履行行為の一部をなすこと等をいうとする(最判昭和40.11.24)。買主なら中間金の支払、売主なら他人物件の仕入れや造成工事の実行が典型である。実務のポイント:条文が解除を封じるのは「相手方が」着手した場合だけ。自分がすでに着手していても相手方が未着手なら、あなたは解除できる。この非対称を知らずに諦める買主が非常に多い

Q3手付を2割より多く払ってしまいました。返してもらえますか?

1項は業者を規制する強行規定であり、超過部分の受領は違法であるから、超過分の返還を求められる。業者は指示処分や業務停止(65条)の対象にもなる。実務のポイント:民事の返還請求と並行して、免許を出している都道府県知事または国土交通大臣に事実を申し出る道がある。監督官庁経由の照会は、業者にとって訴状より重い意味を持つことがある

Q4不動産会社同士の売買でも2割の上限はあるんですか?

適用されない。78条2項により、宅地建物取引業者相互間の取引には第8節の買主保護規定が適用除外となるため、2割上限も3項の特約無効も働かない。実務のポイント:法人で免許を持っていると、自社が買主の側でもこの保護から外れる。同じ物件を個人名義で買うか免許業者名義で買うかで、契約条件の設計そのものを変える必要がある

間違えやすい点 AI による整理

  • 「この手付は解約手付か証約手付か、契約書で確認しよう」という問いの立て方自体がずれている。2項は「いかなる性質のものであつても」と書く。業者が売主である限り、契約書にどう性質づけられていようと解約手付として機能する。確認すべきは手付の性質ではなく、相手方が履行に着手したか否かの一点である
  • 2割上限は知られているが、上限内なら安全という理解は浅い。未完成物件では代金の5パーセントまたは1,000万円、完成物件では10パーセントまたは1,000万円を超える手付金等には保全措置が義務づけられる(41条、41条の2)。上限内かどうかと、業者が倒産したとき金が戻るかどうかは、まったく別の話である
  • あなたから見れば「不動産屋から買った」一つの取引だが、法律から見れば、業者が売主か媒介かで別世界になる。媒介であれば売主は個人であり、2割上限も3項の無効規定も適用されない。同じ営業担当者が同じ机で説明していても、保護の有無は逆転する。重要事項説明書の売主欄が誰かで、あなたの立場は変わる
比較の観点この条文ほかの条文
規制の対象39条:手付の額(代金の2割)と解除方法38条:損害賠償額の予定・違約金(合算で代金の2割)
41条・41条の2:手付金等の保全措置
守られる利益買主が引き返せる余地(離脱権の確保)買主が失う金額の上限(賠償額の暴走防止)
業者倒産時に支払済み金銭が戻ること
発動のタイミング契約締結時(受領額)+解除時(履行着手前まで)契約締結時(特約の定め方)+債務不履行の発生時
手付金等の受領前(保全措置を講じてからでないと受領不可)
違反した場合超過部分の受領が違法、買主に不利な特約は無効(3項)2割を超える定めは超過部分について無効
買主は保全措置が講じられるまで手付金等の支払を拒める

他国ではどう定めているか 5 か国

台湾
中華民国民法第248条・第249条(定金)、預售屋買賣定型化契約應記載及不得記載事項

台湾は民法上の定金規定に加え、預售屋(未完成物件)について定型化契約の記載事項で解約条件を規制する。業者売主に特化した一律の2割上限という形は取っていない

韓国
대한민국 민법 제565조(해약금)

韓国も交付された金銭を解約金と推定し、買主は放棄、売主は倍額償還で解除できるとする。ただし業者売主に限定した額の上限規制は民法上存在しない

中国
中華人民共和国民法典 第586条〜第588条

定金の額は主契約の標的額の20パーセントを超えてはならないとし、超過部分は定金としての効力を生じない。額の上限を2割とする点で日本の39条1項と発想が極めて近い

ドイツ
BGB §§ 336–338(Draufgabe)、§ 353(Reugeld)

ドイツでは Draufgabe は原則として契約成立の証拠にとどまり、解除権を当然には生じさせない。解除権の対価としては Reugeld を別途合意する必要があり、日本の解約手付推定とは出発点が逆である

アメリカ
Earnest Money Deposit(各州不動産法)、Restatement (Second) of Contracts § 356

米国では手付の没収条項は違約金(liquidated damages)として、実損との合理的関連性を欠けばペナルティとして無効になりうる。額の上限は州法・慣行により差が大きい

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 契約から10日後、売主業者から「やはり別の買主に高く売りたい」と連絡が来たとしたら? 業者は手付の倍額を現実に提供しない限り解除できない。逆にあなたが中間金の支払など履行に着手していれば、業者はもう解除できなくなる。動くべきは電話を受けたその日で、着手の事実を先に作れるかどうかが分かれ目になる
  • モデルルームで4,000万円の物件に手付1,000万円を求められた。上限は800万円である。超過部分の受領は違法で、業者は指示処分や業務停止(宅地建物取引業法65条)の対象になる
  • あなたが小規模な建売業者で、資金繰りのために手付を厚く取りたい場面。代金の2割を超えた瞬間、超過分は返還を求められ、免許行政庁の監督処分(役所が業者に直接下す業務停止などの決定)まで視野に入る。手付を厚くするのではなく、中間金の支払時期と保全措置で資金計画を組み直すのが実務の解になる
  • 住宅ローンの事前審査は通ったが、勤務先から転勤の内示が出た。手付300万円を放棄すれば契約から抜けられる。ただし業者が履行に着手した後は不可。「着手」は外形的に認識できる行為である必要があり、社内の検討や準備だけでは足りないと判断される場合がある。決断が一週間遅れるだけで、この出口は閉じる
  • 契約書に「手付解除は令和◯年◯月◯日まで」という期限条項が入っていた。履行着手前であっても解除できなくなる条項は、買主に不利な特約として3項により無効となる余地がある。もっとも、この期限条項の有効性については実務上、解釈が分かれている

取るべき行動

被害を受けた側:1. 重要事項説明書と契約書で売主が業者本人か媒介かを確認、業者売主でなければ本条は働かない2. 手付額が代金の2割を超えていないか計算、超過分は違法受領として返還を請求3. 解除するなら、相手方が履行に着手する前に書面(内容証明郵便)で手付放棄による解除を通知、日付を証拠化4. 業者が返還に応じないときは、訴訟の前に免許行政庁(都道府県知事または国土交通大臣)へ申出を行う。監督権限のある役所から照会が入るだけで対応が変わる業者は多い

訴えられた側:1. 自ら売主となる案件では、手付が代金の2割以内かを契約書作成段階で機械的に検算する仕組みを作る2. 資金確保は手付を厚くするのではなく、中間金の時期設計と保全措置(41条、41条の2)で組み立てる3. 解除する場合は倍額を現実に提供する。口頭通知や振込予告では解除の効力は生じず、その間に買主が着手すれば解除権を失う4. 手付解除期限条項を使う場合、3項による無効リスクを前提に、期限徒過後の代替的な解除条件を併せて設計する

時効(請求できる期限):手付解除に法定の期間制限はなく、相手方が契約の履行に着手するまでが唯一の窓である。2割超過分の返還請求権は特定の時効がないため、一般消滅時効(民法166条、権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)が適用される

学説

通説:39条は自ら売主制限(いわゆる8種制限)の中核であり、業者と素人買主の情報・資金の非対称を前提に、私法上の任意規定である民法557条を強行規定へ転化させたものと理解される。適用の有無は「業者が自ら売主か」の一点で切り替わる

有力説:3項の「買主に不利なもの」の判定は、解除権の行使可能期間を実質的に短縮するか否かで判断すべきとされ、手付解除期限条項は原則として無効に傾くとする。他方、期間の合理性を個別に審査すべきとする反対説も根強い

改正沿革 AI による整理

  • 平成29年(2017年)民法改正の整備に伴う改正(令和2年施行) 第2項の売主による解除要件が「倍額を償還して」から「倍額を現実に提供して」へ改められ、民法557条1項の文言と平仄が合わせられた。口頭の意思表示のみでは解除の効力が生じないことが条文上明確になった(改正年次と施行日は要人的検証)

改正の年表

  1. 1.昭和27年(1952年) 新設:宅地建物取引業法制定(昭和27年法律第176号)。不動産取引の適正化と購入者保護を目的とする業法の枠組みが設けられた
  2. 2.平成29年(2017年) 改正:民法(債権関係)改正の整備に伴い、第2項の売主による解除要件が「倍額を償還して」から「倍額を現実に提供して」へ改められ、民法557条1項と平仄が合わせられた。口頭の意思表示のみでは解除の効力が生じないことが条文上明確になった(改正年次・施行日は要人的検証)

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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