宅地建物取引業法 第41条の2
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- 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買(前条第一項に規定する売買を除く。)に関しては、同項第一号若しくは第二号に掲げる措置を講じた後又は次の各号に掲げる措置をいずれも講じた後でなければ、買主から手付金等を受領してはならない。ただし、当該宅地若しくは建物について買主への所有権移転の登記がされたとき、買主が所有権の登記をしたとき、又は当該宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等があるときは、その額を加えた額)が代金の額の十分の一以下であり、かつ、宅地建物取引業者の取引の実情及びその取引の相手方の利益の保護を考慮して政令で定める額以下であるときは、この限りでない。
- 一国土交通大臣が指定する者(以下「指定保管機関」という。)との間において、宅地建物取引業者が自己に代理して当該指定保管機関に当該手付金等を受領させることとするとともに、当該指定保管機関が、当該宅地建物取引業者が受領した手付金等の額に相当する額の金銭を保管することを約する契約(以下「手付金等寄託契約」という。)を締結し、かつ、当該手付金等寄託契約を証する書面を買主に交付すること。
- 二買主との間において、買主が宅地建物取引業者に対して有することとなる手付金等の返還を目的とする債権の担保として、手付金等寄託契約に基づく寄託金の返還を目的とする債権について質権を設定する契約(以下「質権設定契約」という。)を締結し、かつ、当該質権設定契約を証する書面を買主に交付し、及び当該質権設定契約による質権の設定を民法第四百六十七条の規定による確定日付のある証書をもつて指定保管機関に通知すること。
- 2.前項第一号の規定による手付金等寄託契約は、次の各号に掲げる要件に適合するものでなければならない。
- 一保管される金額が、宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等で指定保管機関に保管されていないものがあるときは、その保管されていないものの額を加えた額)に相当する金額であること。
- 二保管期間が、少なくとも指定保管機関が宅地建物取引業者に代理して手付金等を受領した時から当該手付金等に係る宅地又は建物の引渡しまでの期間であること。
- 3.第一項第二号の規定による質権設定契約は、設定される質権の存続期間が、少なくとも当該質権が設定された時から宅地建物取引業者が受領した手付金等に係る宅地又は建物の引渡しまでの期間であるものでなければならない。
- 4.宅地建物取引業者は、第一項各号に掲げる措置を講ずる場合において、既に自ら手付金等を受領しているときは、自ら受領した手付金等の額に相当する額(既に指定保管機関が保管する金銭があるときは、その額を除いた額)の金銭を、買主が手付金等の支払をする前に、指定保管機関に交付しなければならない。
- 5.宅地建物取引業者が、第一項に規定する宅地又は建物の売買を行う場合(同項ただし書に該当する場合を除く。)において、前条第一項第一号若しくは第二号に掲げる措置を講じないとき、第一項各号の一に掲げる措置を講じないとき、又は前項の規定による金銭の交付をしないときは、買主は、手付金等を支払わないことができる。
- 6.宅地建物取引業者は、次の各号に掲げる措置に代えて、政令で定めるところにより、第一項に規定する買主の承諾を得て、電磁的方法であつて当該各号に掲げる措置に準ずるものとして国土交通省令・内閣府令で定めるものを講じることができる。この場合において、当該国土交通省令・内閣府令で定める措置を講じた者は、当該各号に掲げる措置を講じたものとみなす。
- 一第一項第一号に掲げる措置のうち、当該手付金等寄託契約を証する書面を買主に交付する措置
- 二第一項第二号に掲げる措置のうち、当該質権設定契約を証する書面を買主に交付する措置
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第41条の2は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第41条の2の条文原文は「宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買(前条第一項に規定する売買を除く。」で始まります。
- 宅地建物取引業法第41条の2は第一節 通則に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第41条の2の前の条は宅地建物取引業法第41条です。
- 宅地建物取引業法第41条の2の次の条は宅地建物取引業法第42条です。
- 宅地建物取引業法第41条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第41条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第41条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/41_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法41条の2は、業者が自ら売主となる完成物件の売買で、保全措置を講じた後でなければ手付金等を受領できないと定める。代金の十分の一以下なら免除される。
Q · 新築の契約で手付金を払う前に、保全措置がされているか確認しなくていいの?
保全措置がなければ、手付金等は支払わなくてよい
宅地建物取引業法41条の2により、業者が自ら売主となる完成物件の売買では、銀行等の保証、保証保険、または指定保管機関への寄託と質権設定を講じた後でなければ手付金等を受領できません。所有権移転登記済みの場合、または手付金等が代金の十分の一以下かつ政令で定める額(1000万円)以下の場合は義務が外れます。措置が講じられないときは、同条5項により買主は手付金等を支払わないことができ、支払わなくても履行遅滞にはなりません。
解説
新築マンションの契約書に押印し、手付金500万円を振り込む。鍵を受け取るのは半年後。その半年間、あなたの500万円はどこにあるのか。答えは売主業者の口座であり、実務上はすでに次の現場の土地代に消えている。宅地建物取引業法41条の2は、業者が自ら売主となる完成物件の売買について、銀行等の保証、保証保険、または指定保管機関への寄託と質権設定、このいずれかを講じるまで手付金等を受領してはならないと命じる。ただし法は最初から穴を開けている。代金の十分の一以下かつ政令で定める額(1000万円)以下なら保全は不要。5000万円の物件なら、あなたは500万円までを丸腰で預けることになる。そして本条5項は、保全措置が講じられないとき買主は手付金等を支払わないことができると定める。払わなくても契約違反にならない。この一項を知って契約の席に着く買主は、ほとんどいない。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法41条の2は、完成物件の売買における手付金等の保全措置を定める規定である。宅地建物取引業者が自ら売主となる場合、銀行等の保証、保証保険、または指定保管機関との手付金等寄託契約と質権設定契約を講じた後でなければ手付金等を受領できない。所有権移転登記がされた場合、および手付金等が代金の十分の一以下かつ政令で定める額以下の場合は、義務が免除される。
手順
- 1.重要事項説明の場で保全措置の有無と方式を確認 重要事項説明書の「手付金等の保全措置の概要」欄を撮影し、講じる場合は保証機関名と方式(保証委託・保証保険・寄託+質権設定)を確認する。「講じない」の場合は、ただし書のどの事由に該当するのかを口頭ではなく書面で示すよう求める
- 2.手付金と中間金の合計が閾値を超えるかを計算 代金の十分の一と政令で定める額(1000万円)の両方と、既受領分を含めた手付金等の合計額を照合する。完成物件は10パーセント基準、契約時に未完成なら41条の5パーセント基準で判定する。完成・未完成の判定は契約時点で行う
- 3.証書の交付を金銭の支払前に受ける 保証書、保険証券、手付金等寄託契約書および質権設定契約書の交付を、振込を実行する前に受け取る。証書の日付が支払日より後であれば、その間が無保全期間だった証拠になるため、日付を必ず確認して保管する
- 4.中間金の支払前日に再度、証書の交付を求める 既払いの手付と中間金を合算して枠を超える瞬間が二度目の保全義務発動点になる。その日までに証書の交付を求めれば、業者は法的に断れない。超えてから求めると、すでに無保全の期間が発生している
- 5.交付がないまま支払を求められたら書面で留保を通知 本条5項を根拠に「保全措置が講じられるまで手付金等の支払を留保する」旨をメールまたは書面で通知し、送信記録を残す。支払わなくても履行遅滞にはならず、手付放棄や違約金の根拠にもならない
よくある質問 AI による整理
Q1手付金等の保全措置とは何ですか?
売主業者が倒産しても買主が前払金を回収できるよう、銀行等の保証、保証保険、または指定保管機関への寄託と質権設定のいずれかを講じる制度です。宅地建物取引業法41条・41条の2が定めます。
Q2手付金はいくらまでなら保全措置が不要ですか?
完成物件は代金の十分の一以下かつ政令で定める額(1000万円)以下、未完成物件は代金の5パーセント以下かつ1000万円以下です。既に受領した手付金等を合算した額で判定します。
Q3指定保管機関とはどこですか?
国土交通大臣が指定し、業者に代理して手付金等を受領・保管する機関です(41条の2第1項1号)。この寄託方式は完成物件の売買でのみ利用でき、未完成物件では使えません。
Q4売主業者が倒産したら手付金は戻ってきますか?
保全措置があれば保証した銀行や保険会社から回収でき、質権が設定されていれば他の債権者に優先します。措置がなければ一般債権となり、配当が数パーセントに留まることもあります。
Q5業者同士の取引でも保全措置は必要ですか?
不要です。宅地建物取引業法78条2項により、買主も宅地建物取引業者である取引には本条は適用されません。節税目的の法人名義購入でこの保護が消えることがあります。
Q6保全措置を怠った業者はどうなりますか?
免許行政庁による指示処分または業務停止処分の対象となります(宅地建物取引業法65条)。監督処分歴は免許更新のたびに審査で追いかけてきます。
Q7中間金も保全措置の対象になりますか?
対象です。契約締結後・引渡し前に支払われ代金に充当される金銭はすべて「手付金等」に含まれます。手付金と中間金を合算した額が閾値を超えた瞬間に義務が発動します。
Q8所有権移転登記をすれば保全措置は不要ですか?
不要になります。買主への所有権移転の登記がされたとき、または買主が所有権の登記をしたときは、本条ただし書により保全措置の義務が外れます。買主が物権を握るためです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保全措置って、重要事項説明書に書いてあれば大丈夫なんですか?
書面の記載だけでは足りません。実際に銀行等の保証委託契約、保証保険契約、または指定保管機関との手付金等寄託契約と質権設定契約が締結され、その証書が買主に交付されている必要があります(本条1項各号)。重要事項説明書の記載は予告にすぎません。実務のポイント:保証書や保険証券は必ず日付を見る。手付金を振り込んだ日より後の日付なら、その間は無保全だった動かぬ証拠になります
Q2工事中の物件と完成した物件で、扱いが違うって本当ですか?
違います。未完成物件は41条で代金の5%以下かつ1000万円以下、完成物件は本条で10%以下かつ1000万円以下が保全不要のラインです。さらに指定保管機関による保管制度は完成物件でしか使えません。実務のポイント:完成か未完成かは契約時点で判定します。契約時に未完成なら、引渡し時に建物が完成していても5%基準のまま。この判定日を取り違えている現場は実際にあります
Q3保全措置をしないと言われたら、契約を諦めるしかないんですか?
諦める必要はありません。本条5項は、保全措置が講じられないとき買主は手付金等を支払わないことができると定めています。支払わなくても履行遅滞にはならず、手付放棄や違約金の根拠にもなりません。実務のポイント:この5項を口に出した瞬間、担当者の態度が変わることが多い。分かっている買主だと認識されると、社内で保全措置の手配に動きます
Q4契約前に払った申込証拠金10万円も、保全の対象になりますか?
契約締結後に代金へ充当されるものは「手付金等」に含まれます(41条1項)。契約前の純粋な預り金は対象外ですが、充当された時点で合算対象になります。実務のポイント:申込みを撤回したのに預り金の返還を拒むことは、宅地建物取引業法とその施行規則が定める禁止行為に当たります。返さないと言われたら、その場で免許行政庁への相談を口にすると流れが変わります
間違えやすい点 AI による整理
- 保全措置という制度があることは知られている。知られていないのはその例外枠の実質的な規模だ。完成物件で代金の十分の一以下かつ1000万円以下なら保全は不要。5000万円の物件なら500万円、8000万円なら800万円までが無保全で動く。手付の額が「相場どおり一割」で提示されるのは偶然ではない。ちょうど保全義務が発動しない上限に設計されている
- 「手付金は保全されますか」という問いの立て方が、そもそも半分ずれている。本条が対象とするのは手付金だけではなく、契約締結後に引渡し前に支払われ代金に充当される金銭すべて、すなわち「手付金等」(宅地建物取引業法41条1項)である。問うべきは、手付金と中間金の合計がいつ閾値を超えるか、その日に証書が交付されるかだ
- あなたから見れば手付金は業者に「預けた」お金である。法律から見れば、それは所有権が売主に移転した金銭であり、倒産すれば他の取引先の売掛金と同列の一般債権にすぎない。この落差が、返ってくるはずだと思っていた数百万円を消す
- 保全措置がないと言われたら契約を諦めるしかないと考える人が多いが、本条5項は第三の道を用意している。保全措置が講じられない間、買主は手付金等を支払わないことができる。支払わなくても履行遅滞にならず、手付放棄や違約金の根拠にもならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象物件 | 宅建業法41条の2:契約時に完成している宅地・建物 | 宅建業法41条:工事完了前(未完成)の宅地・建物 宅建業法39条:完成・未完成を問わず手付の額そのものを規制 |
| 保全不要となる閾値 | 代金の十分の一以下かつ政令で定める額(1000万円)以下 | 代金の5パーセント以下かつ1000万円以下 閾値なし。手付は代金の2割を超えて受領できない |
| 利用できる措置 | 銀行等の保証、保証保険、指定保管機関への寄託+質権設定の三択 | 銀行等の保証、保証保険の二択(指定保管機関は使えない) 措置の概念なし。超過部分の受領自体が禁止 |
| 違反した場合の買主の対抗手段 | 5項により手付金等の支払を拒絶できる(履行遅滞にならない) | 同様に支払拒絶権あり(41条4項) 2割超過部分は無効。超過分の返還請求が可能 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は業法ではなく消費者保護法に基づく定型化契約の必要記載事項として履約保証機制(不動産開発信託、価金信託、同業連帯保証等)を強制する。日本のように受領額の閾値で義務が外れる仕組みではなく、契約類型ごとに保証方式の選択を要求する点が異なる
韓国は分譲(先分譲)を中心に、公的保証機関による分譲保証を事業者の義務として組み込む。日本の指定保管機関方式が民間の寄託・質権構成であるのに対し、韓国は公社による一元的保証に寄っている
ドイツは Bauträger(分譲事業者)が発注者から前払を受ける要件を営業法規で厳格に定め、工事出来高に応じた分割払(§ 3)か、銀行の Bürgschaft を差し入れる(§ 7)かを選ばせる。閾値で義務を免除する日本と異なり、原則として全額が保全対象となる
フランスは未完成物件の売買(VEFA)について完成保証または返金保証を義務づける。完成物件の前払保全は日本ほど独立した規律を持たず、公証人による資金の預託実務が実質的な機能を担う
米国は法定の保全措置ではなく、エスクロー会社・タイトルカンパニーが第三者として手付金を保管する取引慣行で同じ機能を果たす。制度の根拠が業法上の義務ではなく契約と州のエスクロー規制にある点が構造的な違い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 引渡しの二週間前に売主業者が民事再生を申し立てたら、あなたの手付金はどうなる? 保全措置が講じられていれば銀行または保険会社から全額が戻る。指定保管機関に寄託され質権が設定されていれば、あなたは質権者として他の債権者に優先して回収できる(本条1項2号)。何も講じられていなければ、一般債権者の列の最後尾に並ぶことになる。配当率が数パーセントという事例は珍しくない
- 買取再販のリフォーム済み中古住宅。契約書の売主欄に不動産会社の名前がある。この瞬間、あなたは本条の保護対象に入っている
- あなたが小規模の宅地建物取引業者で、資金繰りのため手付を厚く預かりたいとする。代金4000万円の建売なら手付400万円までは保全不要だが、その後に中間金300万円を受け取れば合計700万円で枠を超える。超えた瞬間、既に受領した分を含む全額について保全措置が必要になる。怠れば指示処分または業務停止処分(宅地建物取引業法65条)の対象で、監督処分歴は免許更新のたびに追いかけてくる
- 契約予定日まであと三日。重要事項説明書の「手付金等の保全措置の概要」欄が「講じない」になっている。今夜のうちに手付金を代金の一割以内へ下げる交渉をするか、保全措置を講じるよう求めるか、選択肢は二つ。押印してしまえば、条件を変えるのに相手の同意が要る
- 友人が新築の契約をすると言い出した。あなたが聞くべき質問は三つある。売主は不動産会社か個人か、物件は契約時点で完成しているか工事中か、手付金は代金の何パーセントか。この三つで保全措置が要るかどうかはほぼ決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 重要事項説明書の「手付金等の保全措置の概要」欄を撮影し、講じる場合は保証機関名と方式を確認2. 手付金と中間金の合計が代金の十分の一を超えるか、1000万円を超えるかを契約前に計算3. 保全措置がある場合、保証書・保険証券・寄託契約書と質権設定契約書の交付を金銭の支払前に受ける。受領日が支払日より後なら無保全期間の証拠になる4. 交付がないまま支払を求められたら、本条5項を根拠に支払を留保する旨を書面またはメールで通知し、記録を残す
訴えられた側:1. 自ら売主となる完成物件かを確認、業者間取引なら78条2項で本条は適用されない2. 受領予定額が代金の十分の一かつ1000万円のいずれかを超えるなら、受領前に保証委託契約、保証保険契約、または指定保管機関との手付金等寄託契約と質権設定契約を締結し、証書を交付する3. 既に自ら受領済みの手付金等があるときは、買主の支払前に相当額を指定保管機関へ交付する(本条4項) 4. 電磁的方法による交付は買主の承諾が前提(本条6項)。承諾取得の記録を保存する
時効(請求できる期限):本条に固有の時効はない。5項の支払拒絶権は保全措置が講じられるまでいつでも行使できる。無保全で受領された手付金等の返還請求権には民法166条の一般消滅時効(権利を行使できることを知った時から5年、または行使できる時から10年)が適用される。売主が破産した場合は債権届出期間(開始決定から通常2か月前後)を過ぎると配当から外れるため、裁判所からの通知を受けた日が実質的な起算点になる
学説
通説(立法趣旨論):本条は買主の前払金の安全と売主業者の資金繰りを調整する規定であり、ただし書の閾値は、少額の前払について保証料・保険料という取引コストを業者に負わせない趣旨と解される。保護の強度を金額に比例させる可変式の設計と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正、令和4年(2022年)5月18日施行 デジタル社会形成整備法に伴い6項を追加。手付金等寄託契約書および質権設定契約書の買主への交付について、買主の承諾を得たうえで電磁的方法による提供を認め、書面交付とみなすこととした
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 改正:デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律により6項を追加。手付金等寄託契約書および質権設定契約書の買主への交付について、買主の承諾を得たうえで電磁的方法による提供を認め、書面交付とみなすこととした(令和4年5月18日施行)
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