要点宅地建物取引業法 43 条は、宅建業者が自ら売主となる割賦販売について、代金の 10 分の 3 を超える支払を受けるまでに登記等の義務を履行させ、引渡し後に担保目的で譲り受けることを禁じる規定である。
Q · 分割払いで家を買った場合、完済まで登記は業者名義のままなのですか?
代金の 3 割を超えて払えば、業者に登記義務が生じます
宅地建物取引業法 43 条 1 項により、宅建業者が自ら売主となる割賦販売では、引渡しまでに(引渡しまでに代金の 10 分の 3 を超える支払を受けていない場合は 3 割を超える支払を受けるまでに)、登記その他引渡し以外の売主の義務を履行しなければなりません。2 項は引渡し後かつ 3 割超受領後に担保目的で当該不動産を譲り受けることを禁じ、譲渡担保への迂回も封じています。ただし買主が抵当権・先取特権の登記申請も保証人提供も見込みがない場合は 1 項但書の例外となります。
分割払いで家を買うとき、多くの人が見落とす一点がある。「代金を全部払い終えるまで、登記は売主に置いたままにしましょう」という条項だ。所有権留保と呼ばれるこの仕組みは、動産の割賦販売では当たり前に使われている。だが宅地建物取引業法 43 条は、宅地建物取引業者が自ら売主となる割賦販売について、これを原則禁止した。あなたが払った金額が代金の 10 分の 3 を超えたら、たとえ残債が残っていても、業者は登記を移さなければならない。さらに 2 項は、引渡し後に業者がその不動産を「担保として譲り受ける」ことも禁じている。登記名義を残せないなら譲渡担保に切り替えればいい、という抜け道を先に塞いだ条文だ。ローン保証をつけた売買(3 項・4 項)でも、保証残債を差し引いた受領額が 10 分の 3 を超えれば同じ縛りがかかる。つまり、あなたが 3 割払った瞬間、法律上あなたは「登記を要求できる立場」に変わる。
宅地建物取引業法 43 条は、宅地建物取引業者が自ら売主となる割賦販売について所有権留保と譲渡担保を制限する規定である。業者は引渡しまで、又は代金の 10 分の 3 を超える金銭の支払を受けるまでに登記等の義務を履行しなければならず、引渡し後かつ 3 割超の受領後は担保目的での譲受けが禁止される。業者がローン債務を保証した売買にも同様の規律が及ぶ。
宅建業者が自ら売主となる割賦販売で、代金完済まで登記を売主に留めておくことを制限する規制です。宅地建物取引業法 43 条 1 項が根拠で、代金の 10 分の 3 を超える支払を受けるまでに登記義務を果たす必要があります。
代金総額に 0.3 を掛けた額が基準です。ローン保証型(3 項)の場合は、受領済み代金の額から未弁済の保証債務額を控除した額で判定します。手付金も代金に充当されていれば支払額に含めて計算します。
内容証明郵便で 43 条 1 項に基づく所有権移転登記手続を請求し、応じなければ免許行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)への申告と、所有権移転登記請求訴訟の二本立てを検討します。
買主が、登記後の代金債務を担保する抵当権もしくは不動産売買の先取特権の登記を申請せず、保証人も立てる見込みがない場合です。この場合、業者は登記義務を負いません。立証責任は事実上業者側にあります。
業者がローン債務を保証し、引渡し後 1 年以上かつ 2 回以上の分割返還を条件とする借入れであれば 3 項が適用されます。業者が保証していない通常の銀行ローンには適用されません。
一般には有効な担保手段ですが、宅建業者が自ら売主の割賦販売で引渡し後かつ 3 割超受領後に当該不動産を担保目的で譲り受けることは、43 条 2 項・4 項により禁止されます。
43 条自体は行政上の義務規定で、違反は指示処分・業務停止処分など監督処分(宅地建物取引業法 65 条以下)の対象となります。私法上は登記請求や債務不履行の問題として処理されます。
守られません。43 条の名宛人は「宅地建物取引業者が自ら売主となる場合」に限られます。個人間売買や業者が媒介・代理にとどまる取引では、この保護は働きません。
43 条違反は行政上の義務違反であり、直ちに解除権が発生するわけではない。ただし登記義務は売主の主要な義務であるため、催告しても履行されなければ民法 541 条により契約解除を主張しうる。業界裏話ヒント:解除は既払金の返還と引き換えになるが、業者の資力が乏しければ返還を受けられない。経営不安のある相手には、解除より登記の実行を優先させる方が回収可能性は高い
銀行ローンが主流の現在、業者が自ら割賦で売るケースは多くない。だが融資が付きにくい物件や、業者の自社ローン、リゾート地の分譲などでは今も存在する。3 項が業者のローン保証付き売買を取り込んでいる点も見落とせない。業界裏話ヒント:住宅ローンが通らない層に対する自社割賦は、条件が不利になりがちな一方で 43 条の保護が効く領域でもある。金利や違約条項より先に、登記の時期がどう書かれているかを確認する
使えない。宅地建物取引業法 78 条 2 項により、買主が宅地建物取引業者である場合、自ら売主となる場合の 8 章 2 節の制限(33 条の 2 から 43 条まで)は適用されない。プロ同士の取引は当事者の交渉力が対等とみなされるためである。業界裏話ヒント:この適用除外は 43 条だけでなくクーリングオフ(37 条の 2)や手付額制限(39 条)にも及ぶ。法人名義で買うか個人名義で買うかを迷う場面では、宅建業免許の有無が保護の有無を左右する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 43 条:所有権留保・譲渡担保の制限(登記を移させる) | — |
| 発動タイミング | 代金の 10 分の 3 を超える支払を受けるまで/受けた後 | — |
| 守られる利益 | 買主の権利の早期確定(業者倒産時の対抗力) | — |
| 買主が業者の場合 | 78 条 2 項により適用除外 | — |
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