要点宅地建物取引業法64条の9は、保証協会に加入する宅建業者が弁済業務保証金分担金を納付する義務と期限を定める。新たな事務所の設置は2週間以内、期限を過ぎると社員の地位を失う。
Q · 保証協会に入れば営業保証金1000万円を積まなくていいって本当ですか?
本当だが、納付期限を過ぎると社員資格を自動的に失う
宅地建物取引業法64条の9により、宅地建物取引業保証協会の社員になろうとする者は、営業保証金の供託に代えて、主たる事務所および事務所ごとに政令で定める額の弁済業務保証金分担金を納付します。納付期限は、加入しようとする日まで(1項1号)、指定を受けた協会の既存社員は弁済業務開始日の1か月前の日まで(1項2号)、社員が新たに事務所を設置したときはその日から2週間以内(2項)です。この期限を徒過すると3項により社員の地位を当然に失い、その日から1週間以内に営業保証金を供託しなければなりません(64条の15)。
宅建業を始めるには、営業保証金として主たる事務所に1000万円、支店ごとに500万円を供託所へ積むのが原則である(宅地建物取引業法25条)。この金額で開業を断念した人は多い。だが64条の9には、法律の側から用意された公式の抜け道がある。宅地建物取引業保証協会の社員になれば、主たる事務所60万円、その他の事務所は1か所30万円の弁済業務保証金分担金を納めるだけでよい(宅地建物取引業法施行令7条)。16分の1以下だ。ただし代償がある。1項の納付期限は「加入しようとする日まで」、2項の新事務所設置は「その日から2週間以内」。この期限を1日でも過ぎた瞬間、3項が自動的に発動し、社員の地位を失う。行政の処分を待つのではなく、条文の効果として消える。そして地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託しなければならない(64条の15)。60万円で回っていた世界から、7日で1000万円を用意する世界へ、期限一本で落ちる。
宅地建物取引業法64条の9は、弁済業務保証金分担金の納付義務を定める規定である。宅地建物取引業保証協会に加入しようとする者は加入しようとする日までに、指定を受けた協会の社員は弁済業務開始日の1か月前の日までに、社員が新たに事務所を設置したときはその日から2週間以内に、主たる事務所およびその他の事務所ごとに政令で定める額を当該協会へ納付しなければならない。期限内に納付しないときは社員の地位を失う。
AI 輔助整理,以條文原文為準
宅地建物取引業保証協会の社員が、営業保証金の供託に代えて協会へ納付する金銭です(宅地建物取引業法64条の9)。協会はこれを原資として弁済業務保証金を供託所へ供託します。
政令で定める額とされ、主たる事務所60万円、その他の事務所は1か所につき30万円です(宅地建物取引業法施行令7条)。営業保証金の1000万円・500万円と比べて16分の1以下になります。
新規加入者は加入しようとする日まで、指定を受けた協会の既存社員は弁済業務開始日の1か月前の日まで、社員が新たに事務所を設置したときはその日から2週間以内です(64条の9第1項・2項)。
64条の9第3項により、行政処分や協会の決議を待たずに社員の地位を当然に失います。さらに地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託する義務が生じます(64条の15)。
できません。営業保証金は国債証券などの有価証券で供託できますが、弁済業務保証金分担金は金銭のみでの納付とされています。資金繰りの前倒しが必要になります。
国土交通大臣の指定を受けた団体として、公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会と公益社団法人不動産保証協会があります。加入先は業者ごとに異なるため、標識や免許行政庁で確認できます。
協会が取引相手へ弁済業務保証金を還付した後、その原因となった社員へ請求する金銭です。通知を受けた日から2週間以内に納付しないと、社員の地位を失います(64条の10)。
必要です。64条の9第2項により、新たに事務所を設置した日から2週間以内に、その事務所分の政令所定額を追加納付しなければなりません。増設も同項の適用対象です。
法律上の分担金は主たる事務所60万円、その他の事務所は1か所30万円である(64条の9第1項、宅地建物取引業法施行令7条)。ただし協会への入会金、年会費、地方本部費などが別途必要で、実務上は総額150万円前後になることが多い。業界裏話ヒント:退会時に返ってくるのは分担金だけで、入会金は戻らない。「全部返還される」と思って資金計画を立てると、廃業時に穴が開く
違う。還付の限度は、その社員が社員でないとしたら供託すべき営業保証金の額に相当する額であり(64条の8第1項)、本店のみの業者なら1000万円が上限になる。差額は協会が弁済業務保証金から立て替え、後日その社員に還付充当金を請求する(64条の10)。業界裏話ヒント:平成29年(2017年)改正で還付請求できる者から宅地建物取引業者が除外された。業者間取引の売掛債権では、この制度は使えない
2週間を過ぎた時点で、3項により社員の地位を当然に失っている。行政の処分や協会の除名決議を経る話ではないため、事後の納付で自動的に復活はしない。地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託する必要がある(64条の15)。業界裏話ヒント:分担金は金銭のみで、営業保証金と違い有価証券では納付できない。手元が有価証券中心の会社ほど、この2週間で詰む
すぐには戻らない。社員の地位を失った者に分担金を返還する場合、協会は6か月を下らない一定期間内に債権を申し出るべき旨を公告し、その期間経過後でなければ返還できない(64条の11)。還付充当金の未納があれば控除される。業界裏話ヒント:この半年の空白を計算に入れず、分担金の返還を廃業時の運転資金に当て込む例が実際にある。返還金は最後に来る金だと考えておく
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|---|---|---|
| 担保の積み方 | 64条の9:協会へ分担金を納付(主たる事務所60万円・その他30万円) | — |
| 納付・供託の方法 | 金銭のみ | — |
| 期限を守らなかった場合 | 3項により社員の地位を当然に喪失、その日から1週間以内に営業保証金の供託が必要(64条の15) | — |
| 取引相手が回収できる上限 | 社員でないとしたら供託すべき営業保証金の額に相当する額(64条の8第1項) | — |
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