要点宅地建物取引業法 64 条の 8 は、保証協会の社員と取引した者が、営業保証金相当額の範囲内で弁済業務保証金から弁済を受ける権利を定める。権利行使には協会の認証が必要である。
Q · 不動産会社が倒産して手付金が戻らないとき、保証協会からいくらまで取り戻せますか?
上限は本店 1000 万円+支店ごと 500 万円。協会の認証が前提です
宅地建物取引業法 64 条の 8 第 1 項により、保証協会の社員と取引した者(宅地建物取引業者を除く)は、その社員が協会員でなければ供託すべきだった営業保証金の額(施行令 2 条の 4:本店 1000 万円+支店ごと 500 万円)に相当する額の範囲内で、協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受けられます。ただし同項は既に認証した額を控除すると定めるため、同じ業者の被害者が複数いれば全員でこの枠を分け合います。権利行使には同条 2 項の協会の認証が必要で、認証を得たうえで供託所に還付請求する二段構えの手続です。
不動産会社が飛んだ。払った手付金 500 万円は戻ってこない。ここで多くの人が諦めるが、その事務所の壁に貼ってあった「ハトマーク」や「ウサギマーク」の標識が、実は回収経路の入口を示している。宅地建物取引業保証協会の社員である業者と取引した者は、その業者が協会に入っていなければ供託すべきだった営業保証金の額、つまり本店 1000 万円に支店ごと 500 万円を足した額の範囲内で、協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受ける権利を持つ。決定的なのは、その業者が協会に納めた分担金は本店 60 万円、支店 30 万円にすぎない点だ。60 万円しか出していない会社の客が、1000 万円まで取り戻せる。差額は協会全体で肩代わりしている。ただし関門が二つある。宅建業者どうしの取引は 2018 年 4 月から対象外になったこと、そして供託所へ行く前に協会の「認証」(協会が弁済を受けられる額を公式に確認する手続)を取らなければ一円も動かないことだ。
宅地建物取引業法 64 条の 8 は、宅地建物取引業保証協会の弁済業務保証金からの弁済を定める規定である。協会の社員と取引した者のうち宅地建物取引業者以外の者は、その取引により生じた債権につき、当該社員が社員でなければ供託すべき営業保証金の額に相当する額の範囲内で弁済を受ける権利を有し、その行使には協会の認証を要する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
宅地建物取引業保証協会が、社員から集めた分担金をもとに供託所へ供託しておく金銭です。社員と取引した消費者が被害を受けたとき、ここから弁済(還付)が行われます。根拠は宅地建物取引業法 64 条の 7、64 条の 8 です。
業者が協会に納める分担金は本店 60 万円、支店ごとに 30 万円です(64 条の 9)。一方、被害者側が受けられる上限は営業保証金相当額(本店 1000 万円+支店ごと 500 万円)で、金額の設計が非対称になっています。
一般には売買・媒介契約書の写し、振込記録や領収書などの支払証拠、督促の記録、本人確認書類が求められます。書式と添付書類は協会・支部ごとに案内があるため、まず支部へ電話で確認するのが最短です。
受けられません。64 条の 8 第 1 項が「宅地建物取引業者に該当する者を除く」と定めており、平成 30 年 4 月 1 日以降、業者間取引は弁済業務保証金の還付対象から外れています。
供託しているのは個々の業者ではなく、宅地建物取引業保証協会です。協会が社員から集めた分担金に相当する額を供託所に供託し、還付が行われた場合は 64 条の 8 第 3 項により 2 週間以内に同額を補充供託します。
どちらも宅地建物取引業保証協会の標識で、加盟している協会が異なります。還付を受けるには自分の取引相手がどちらの協会の社員かを特定し、その協会の支部に認証を申し出る必要があります。
業者は協会から通知を受けた日から 2 週間以内に還付充当金を納付しなければ社員の地位を失います(64 条の 10)。さらに地位喪失後 1 週間以内に営業保証金を供託しなければ免許が維持できなくなります。
契約時に交付された重要事項説明書の「供託所等の説明」欄(35 条の 2)に協会名と所在地が記載されています。手元にない場合は、免許を出した都道府県や国土交通省の免許業者情報で確認できます。
全額ではない。限度は 64 条の 8 第 1 項が定めるとおり、その業者が協会員でなければ供託すべきだった営業保証金の額、施行令 2 条の 4 の本店 1000 万円プラス支店ごと 500 万円の範囲内である。同じ業者の被害者が複数いれば、全員でこの枠を分け合う。業界裏話ヒント:枠は事務所数で変わるので、免許情報で支店数を先に確認すると、自分の取り分の見通しが立つ
振り込まれない。協会がするのは弁済を受けられる額の認証だけで(本条 2 項)、実際の払渡しは供託所に還付請求して受ける二段構えになっている。認証なしに供託所へ行っても門前払いである。業界裏話ヒント:認証は申出書の受理の順序に従って処理される。窓口に何を持参すべきかを電話で先に聞き、書類を揃えたその日のうちに出すかどうかで、限度額の残りが違ってくる
ある。未完成物件で代金の 5 パーセントまたは 1000 万円を超える手付金等を受け取る場合、業者には保全措置の義務がある(41 条、41 条の 2)。保全措置が付いていれば倒産しても保証機関から返ってくる。弁済業務保証金は、その網が働かない場面の最後の受け皿である。業界裏話ヒント:重要事項説明の場で保全措置の有無と保証機関名を口頭で確認し、返答を録音するか書面に残す。ここで言葉を濁す業者は、その時点で判断材料になる
できるが期限が付く。社員の地位を失うと、協会は 6 か月を下らない期間を定めて債権を申し出るべき旨を公告する(64 条の 11)。この期間内に認証を申し出なければ、弁済業務保証金からの回収は事実上できなくなる。業界裏話ヒント:この公告は官報や協会の掲示で行われ、被害者一人ひとりに通知が届くとは限らない。取引先が協会を抜けたという話を聞いた時点で、自分から公告を探しに行く必要がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 資金の出し手と保管先 | 64 条の 8:協会が供託した弁済業務保証金から弁済 | — |
| 取引相手が受け取れる上限 | 営業保証金相当額(本店 1000 万円+支店ごと 500 万円)の範囲内、既認証額は控除 | — |
| 手続の入口 | 協会の認証(2 項)を得てから供託所へ還付請求 | — |
| 還付後に業者へ生じる効果 | 64 条の 10:2 週間以内に還付充当金を納付しなければ社員の地位を喪失 | — |
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