宅地建物取引業法 第27条(営業保証金の還付)
クイックジャンプ
- 宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者(宅地建物取引業者に該当する者を除く。)は、その取引により生じた債権に関し、宅地建物取引業者が供託した営業保証金について、その債権の弁済を受ける権利を有する。
- 2.前項の権利の実行に関し必要な事項は、法務省令・国土交通省令で定める。
この条文の基本情報
営業保証金の還付とは何ですか?
定義営業保証金の還付とは、宅地建物取引業法第27条に定められた規定で、「宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者(宅地建物取引業者に該当する者を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第27条(営業保証金の還付)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第27条の条文原文は「宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者(宅地建物取引業者に該当する者を除く。」で始まります。
- 宅地建物取引業法第27条は第四章 営業保証金に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第27条の前の条は宅地建物取引業法第26条です。
- 宅地建物取引業法第27条の次の条は宅地建物取引業法第28条です。
- 宅地建物取引業法第27条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第27条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第27条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/27
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法27条は、宅建業者と取引した者が、その取引で生じた債権について供託された営業保証金から弁済を受ける権利を定める。ただし宅建業者同士の取引は対象外である。
Q · 不動産屋が倒産したら、供託されているお金から回収できるの?
できる。ただし業者間取引は対象外で、請求しないと出ない
宅地建物取引業法27条により、宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権について、業者が供託した営業保証金から弁済を受ける権利を持ちます。原資は主たる事務所1000万円+支店ごと500万円(施行令2条の4)で、被害者が複数なら按分です。ただし相手が宅地建物取引業者に該当する場合は権利者から除外され、また権利行使には債務名義など所定の手続が必要で、自動的には配分されません。
解説
手付金500万円を振り込んだ三日後、担当者の携帯が繋がらなくなり、事務所のドアには「閉鎖」の紙が貼られていた。この瞬間、あなたに残された道は二本ある。一本は破産手続に債権届出をして数パーセントの配当を待つ道。もう一本が本条だ。宅地建物取引業者は免許を受けるとき、主たる事務所につき1000万円、支店ごとに500万円を法務局(供託所)に預けている(25条、宅地建物取引業法施行令2条の4)。宅地建物取引業に関する取引で生じた債権を持つ者は、その預け金から直接弁済を受ける権利を持つ。破産債権者の列に並ぶのではなく、別の窓口に並べるということである。ただし条件がある。あなた自身が宅地建物取引業者なら対象から外れる。そして請求しない者には1円も出ない。この制度は自動では作動しない。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法27条は営業保証金の還付を定める規定であり、宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者(宅地建物取引業者に該当する者を除く)に対し、その取引により生じた債権につき、同法25条に基づき供託された営業保証金から弁済を受ける権利を認める。権利実行の細目は法務省令・国土交通省令に委任される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取引の証拠を全て確保する 契約書、重要事項説明書、領収書、振込記録、担当者とのメール・SMS を時系列で保存する。還付請求では「宅地建物取引業に関する取引により生じた債権」であることの立証が出発点になる
- 2.免許行政庁で業者名簿を閲覧し還付窓口を特定 都道府県庁の宅建業担当課または国土交通省の地方整備局で宅地建物取引業者名簿を閲覧する(10条)。供託所の名称・所在地か、保証協会の社員である旨のいずれが記載されているかで、以降の手続が分岐する
- 3.保証協会の社員なら認証の申出、供託業者なら債務名義を確保 保証協会の社員であれば協会へ弁済業務保証金の認証を申し出る(64条の8)。営業保証金の供託業者であれば、訴訟・少額訴訟・和解・執行認諾文言付公正証書のいずれかで債権の存在を示す債務名義を取得する
- 4.供託所へ還付請求を行う 債務名義を添えて、名簿で特定した供託所(法務局)に営業保証金の払渡請求(還付請求)を行う。供託法8条の払渡手続に従い、請求書と添付書類を提出する
- 5.官報の取戻し公告を監視し期限内に申し出る 業者が廃業・免許失効した場合、営業保証金の取戻しには6か月を下らない期間の公告が行われる(30条2項)。官報と免許情報を定期的に確認し、期間内に必ず債権を申し出る。ここを逃すと原資自体が消える
よくある質問 AI による整理
Q1営業保証金の還付とは何ですか?
宅建業者と取引して債権を持つ人が、業者が供託所に預けた営業保証金から直接弁済を受ける制度です。宅地建物取引業法27条が根拠で、破産手続とは別枠の回収窓口になります。
Q2営業保証金はいくら供託されていますか?
主たる事務所1000万円、その他の事務所ごとに500万円です(施行令2条の4)。被害者が複数いれば同じ原資を分け合うため、全額保証ではありません。
Q3供託所はどこか調べる方法は?
免許行政庁(都道府県庁または国土交通省)で宅地建物取引業者名簿を閲覧します(10条)。供託所の名称・所在地、保証協会の社員である旨が記載されています。
Q4還付請求に裁判は必要ですか?
営業保証金は原則必要です。供託所は債権の存否を審査しないため、確定判決・和解調書・執行認諾文言付公正証書などの債務名義が求められます。
Q5業者が廃業したら還付はいつまで?
取戻し公告の期間内です。6か月を下らない期間を定めて公告され(30条2項)、この間に債権を申し出なければ保証金は業者へ返還されます。
Q6宅建業者同士の取引は還付されますか?
されません。27条1項括弧書きで宅地建物取引業者に該当する者は権利者から除外されています。プロ同士は自己責任という整理です。
Q7保証協会の社員なら還付額はいくらまで?
営業保証金を供託するとすれば供託すべき額に相当する額までです(64条の8第1項)。本店のみなら1000万円で、分担金60万円が上限ではありません。
Q8還付されたら業者は何をしなければなりませんか?
免許行政庁の不足通知から2週間以内に不足額を供託し、届出が必要です(28条)。怠れば業務停止や免許取消の対象になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1不動産屋が倒産したら、払った手付金は全額戻ってくるんですか?
全額とは限りません。営業保証金は主たる事務所1000万円+支店ごと500万円が上限で、被害者が複数いれば按分になります(27条、宅地建物取引業法施行令2条の4)。実務のポイント:未完成物件で手付金等の保全措置(41条)が取られていれば、そちらは保証機関から別枠で返還されます。まず契約書の保全措置欄を確認する。営業保証金は最後の受け皿であって、第一選択ではありません
Q2うちの担当は保証協会に入ってるって言ってましたけど、それって意味あるんですか?
大いにあります。保証協会の社員との取引なら、営業保証金を供託したとすれば供託すべき額に相当する額まで弁済を受けられます(64条の8第1項)。実務のポイント:契約成立前に供託所か保証協会かを説明する義務が業者にあります(35条の2)。ただし重要事項説明書への記載義務はなく口頭でも足りるため、大半の買主は聞き流している。この一言を自分から聞き返す人はほとんどいません
Q3還付してもらうのに、わざわざ裁判が必要って本当ですか?
営業保証金の場合は原則そうです。供託所は債権の存否を審査しないため、確定判決・和解調書・執行認諾文言付公正証書などで債権の存在を示す必要があります。実務のポイント:保証協会の社員相手なら協会の認証手続で足りる場合があり、判決を取るより早い。相手が協会員か供託業者かで、必要な準備と所要期間が数か月単位で変わります
Q4業者同士の取引だと保証金から取れないと聞きました。どういうことですか?
還付を受ける権利者から、宅地建物取引業者に該当する者が除外されているためです(27条1項括弧書き)。平成29年(2017年)4月1日施行の改正による取扱いで、プロ同士は自己責任という整理です。実務のポイント:仕入れや転売で自らも免許を持つ立場になった途端、この安全網から外れます。免許取得は権利が増えるだけでなく、保護が一枚剥がれる選択でもある
間違えやすい点 AI による整理
- 営業保証金があるから安心、という話は聞いたことがあるだろう。だがその総額が主たる事務所1000万円+支店ごと500万円で、しかも同じ業者の被害者全員で分け合う一つの財布だという点までは知られていない。被害総額が数億円に膨らめば、回収率は数パーセントまで落ちる。制度の中身は「最低保証」であって「全額保証」ではない
- 「不動産屋から直接借りた部屋の敷金も還付されますか」という問いは、実は前提が外れている。業者が自ら貸主となる賃貸は宅地建物取引業法上の「取引」(2条2号)に含まれず、そもそも宅地建物取引業に当たらない。同じ会社に払った金でも、媒介手数料や売買代金は還付の射程、貸主として直接契約した部屋の敷金は射程外になる
- 保証協会に入っている業者は分担金60万円しか納めていないから頼りない、と思われがちだが逆である。保証協会の社員との取引では、その業者が営業保証金を供託するとすれば供託すべき額に相当する額(本店のみなら1000万円)まで弁済を受けられる(64条の8第1項)。60万円は協会に対する分担金であって、あなたの取り分の上限ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 原資と上限 | 27条:営業保証金(主たる事務所1000万円+支店500万円)から還付 | 64条の8:弁済業務保証金から、供託すべき額に相当する額まで 41条:手付金等の保全措置、保全された手付金等の全額 |
| 手続の入口 | 債務名義を確保して供託所へ払渡請求 | 保証協会へ認証の申出 保証機関・銀行へ保証委託契約に基づく請求 |
| 対象となる者 | 取引の相手方(宅地建物取引業者に該当する者を除く) | 社員である業者と取引した者(業者を除く) 未完成物件等の買主 |
| 実質的な期限 | 廃業時は取戻し公告の6か月を下らない期間(30条2項) | 同じく公告期間の制約あり 保全契約の有効期間内 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は経紀業者に営業保証金の提存または保証基金への拠出を義務づけ、取引相手が基金から賠償を受けられる。個別供託と業界基金の併存という構造は日本の営業保証金・保証協会の二本立てと近い
韓国は開業公認仲介士に損害賠償責任を課したうえで、保証保険・共済・供託のいずれかによる保証設定を義務づける。保険型を主軸とする点が日本の供託型と異なる
ドイツは仲介業者一般に保証金制度を置かず、Bauträger(分譲事業者)が顧客資金を受領する場合に保証・保険を求める設計。取引類型ごとの限定的な資金保全である
米国は州ごとに Real Estate Recovery Fund を設け、免許業者に対する確定判決を得た消費者が基金から一定額まで回収できる。判決を前提とする点は日本の営業保証金還付と同型
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新築マンションの手付金800万円を払った翌月、売主業者の事務所がもぬけの殻になっていたとしたら、どこに請求する? 破産管財人への債権届出だけが道ではない。最初に確認すべきは、その業者が保証協会の社員か、自ら営業保証金を供託しているか。免許を出した都道府県庁または国土交通省の宅地建物取引業者名簿は誰でも閲覧でき(10条)、供託所の名称と所在地、保証協会の社員である旨がそこに記載されている
- 媒介業者に預けた申込金30万円が返ってこない。少額だから弁護士費用が見合わないと諦める人は多い。だが少額訴訟で取った判決一枚が、そのまま供託所への還付請求の切符になる。
- あなたが宅地建物取引業者側だったとする。元顧客が還付を受けると営業保証金は不足状態になり、免許行政庁からの不足通知を受けた日から2週間以内に不足額を供託しなければならない(28条)。放置すれば業務停止や免許取消の対象になりうる。保証協会の社員なら、還付充当金の納付通知から2週間以内に納めなければ社員の地位を失い、その日から1週間以内に自前で営業保証金を供託しない限り営業を続けられない
- 取引していた業者が廃業した。残り時間は官報に載る公告期間、6か月を下らない期間だけである(30条2項)。この期間内に債権を申し出なければ、供託されている1000万円は業者側へ返還される。時効が何年残っていようと、取り立てる原資そのものが消える。廃業の噂を聞いた日から、官報とその業者の免許情報を毎週確認することになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書、領収書、振込記録、担当者とのやり取りを全て確保2. 免許行政庁(都道府県庁または国土交通省)で宅地建物取引業者名簿を閲覧し、供託所の名称・所在地か保証協会の社員である旨を特定(10条) 3. 保証協会の社員なら協会へ認証の申出、営業保証金の供託業者なら確定判決・和解調書・公正証書などの債務名義を確保して供託所へ還付請求4. 並行して官報の取戻し公告を監視、期間内に必ず債権を申し出る
訴えられた側:1. 還付が実行されたら、免許行政庁の不足通知から2週間以内に不足額を供託し、供託から2週間以内に届出(28条)。ここを落とすと業務停止・免許取消の射程に入る2. 保証協会の社員なら還付充当金の納付通知から2週間以内に納付、遅れれば社員の地位を失い1週間以内に営業保証金の供託が必要になる3. 請求内容が過大なら、債権が「宅地建物取引業に関する取引により生じた債権」に当たるかを争う。貸付金や事務所賃料などは対象外
時効(請求できる期限):本条固有の権利行使期間の定めはない。前提となる債権の消滅時効(民法166条、権利を行使できると知った時から5年または権利を行使できる時から10年)が適用される。実務上の本当の締切は別にあり、業者が廃業・免許失効した場合、営業保証金の取戻しには6か月を下らない期間を定めた公告が行われ(30条2項)、この期間内に債権を申し出なければ保証金は業者側へ返還される
改正沿革 AI による整理
- 平成28年(2016年)改正、平成29年(2017年)4月1日施行 第1項の権利者から「宅地建物取引業者に該当する者を除く」との括弧書きが加わり、業者間取引により生じた債権は営業保証金の還付対象から外れた。同時に弁済業務保証金(64条の8)についても同様の整理がされた
改正の年表
- 1.平成28年(2016年)改正・平成29年(2017年)4月1日施行 改正:第1項の権利者に「宅地建物取引業者に該当する者を除く」との括弧書きが加えられ、業者間取引により生じた債権は営業保証金の還付対象から除外された。弁済業務保証金(64条の8)についても同様の整理がされた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める