道路法 第96条(不服申立て)
クイックジャンプ
- 第四十六条第二項又は第六十八条第一項若しくは第二項の規定による処分その他公権力の行使に当たる行為(以下この条において「処分」という。)については、審査請求をすることができない。
- 2.前項に規定する処分を除くほか、都道府県又は市町村である道路管理者がこの法律に基づいてした処分に不服がある者は、当該都道府県の知事又は当該市町村の長に対して審査請求をし、その裁決に不服がある者は、都道府県である道路管理者がした処分については国土交通大臣に対して、市町村である道路管理者がした処分については都道府県知事に対して再審査請求をすることができる。
- 3.第一項に規定する処分を除くほか、第二十条の規定による協議に基づき都道府県、市町村その他の公共団体である他の工作物の管理者が道路管理者に代わつてした処分に不服がある者は、当該公共団体の長に対して審査請求をし、その裁決に不服がある者は、都道府県である他の工作物の管理者がした処分については国土交通大臣及び当該他の工作物に関する主務大臣に対して、その他の者がした処分については都道府県知事に対して再審査請求をすることができる。
- 4.第一項に規定する処分を除くほか、第二十条の規定による協議に基づき他の工作物の管理者である主務大臣又はその地方支分部局の長が道路管理者に代わつてした処分に不服がある者は、国土交通大臣及び当該他の工作物に関する主務大臣に対して審査請求をすることができる。
- 5.道路管理者が第三十二条第一項若しくは第三項(第九十一条第二項において準用する場合を含む。)又は第四十八条の五第一項若しくは第三項の規定による許可の申請書を受理した日から三月を経過してもなおその申請に対する何らの処分をしないときは、許可を申請した者は、道路管理者がその許可を拒否したものとみなして、審査請求をすることができる。道路管理者が第九十一条第一項の規定による許可の申請書を受理した日から三十日を経過してもなおその申請に対する何らの処分をしないときも、同様とする。
この条文の基本情報
不服申立てとは何ですか?
定義不服申立てとは、道路法第96条に定められた規定で、「第四十六条第二項又は第六十八条第一項若しくは第二項の規定による処分その他公権力の行使に当たる行為(以下この条において「処分」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路法第96条(不服申立て)は、日本の道路法に含まれる条文です。
- 道路法第96条の条文原文は「第四十六条第二項又は第六十八条第一項若しくは第二項の規定による処分その他公権力の行使に当たる行為(以下この条において「処分」という。」で始まります。
- 道路法第96条は第七章に置かれています。
- 道路法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 道路法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路法第96条の前の条は道路法第95条の2です。
- 道路法第96条の次の条は道路法第97条です。
- 道路法第96条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第96条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000180 - 本サイト収録
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第96条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000180/96
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路法96条は、道路管理者の処分に対する審査請求と再審査請求のルートを定める。占用許可の申請後3か月処分がなければ拒否とみなし審査請求できるが、災害時等の処分は対象外。
Q · 市道の看板に撤去命令が出たら、どこに不服を申し立てればいいの?
市長へ審査請求、さらに知事へ再審査請求できる
道路法96条2項により、市町村である道路管理者の処分には市町村長へ審査請求ができ、その裁決に不服があれば都道府県知事へ再審査請求ができます。都道府県道の処分なら知事へ審査請求し、国土交通大臣へ再審査請求します。審査請求の期限は、処分を知った日の翌日から3か月以内です(行政不服審査法18条)。ただし、46条2項や68条に基づく緊急時の処分は審査請求の対象外です。
解説
店先に置いたのぼり旗や立て看板について、市役所から「除却せよ」という命令書が届くことがある。道路法に基づくこうした命令(71条の監督処分)や占用許可の不許可は、行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)に当たる。96条は、その決定を争うためのルートを定めた条文である。都道府県が管理する道路なら知事に、市町村道なら市町村長に審査請求ができる。その裁決にも納得できなければ、県の処分は国土交通大臣へ、市町村の処分は都道府県知事へ再審査請求ができる。地元の役所の判断を、一段上の行政機関に見直させる二つ目の扉があるということだ。見落とされやすいのが5項である。占用許可を申請してから3か月たっても役所が何の処分もしないなら、拒否されたものとみなして審査請求に進める。待たされるだけの申請者にも、自分から動く権利がある。ただし、災害時に土地を一時使用する処分や、緊急時の通行禁止・制限などの1項の処分は、このルートから最初から外されている。
法的な位置づけ
道路法96条は、道路法に基づく道路管理者の処分に対する不服申立ての特則を定める規定である。46条2項と68条1項・2項の処分を審査請求の対象から外し、それ以外の処分について知事・市町村長への審査請求と国土交通大臣・都道府県知事への再審査請求を認め、占用許可等の申請に対する一定期間の不作為を拒否とみなす。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.処分の種類と処分者を特定する 命令書や不許可通知を見て、根拠条文(32条の占用許可、71条の監督処分、68条の緊急処分など)と処分をした道路管理者(都道府県か市町村か)を確認する。68条1項・2項や46条2項の処分なら審査請求はできないため、別のルートに切り替える
- 2.期限をカレンダーに書き込む 処分を知った日の翌日から3か月、処分の日の翌日から1年の両方を計算する。占用許可の申請に返事がない場合は、受理日から3か月(91条1項は30日)の日付を記録する
- 3.現状と事実の証拠を固める 看板や設備の位置・寸法を写真と計測で記録し、歩道の有効幅や通行への影響がなかったことを示す資料を揃える。不許可理由が抽象的なら情報公開請求で審査記録を取り寄せる
- 4.審査請求書を提出し、必要なら執行停止を申し立てる 都道府県道なら知事、市町村道なら市町村長に審査請求書を提出する。除却命令の履行期限が迫っている場合は、同時に執行停止を申し立てて代執行による撤去を防ぐ
- 5.裁決に不服なら再審査請求か取消訴訟を選ぶ 裁決に納得できなければ、都道府県の処分は国土交通大臣、市町村の処分は都道府県知事に、裁決を知った日の翌日から1か月以内に再審査請求する。取消訴訟(6か月以内)も選択肢になる
よくある質問 AI による整理
Q1道路占用許可の審査請求はどこに出す?
都道府県道なら都道府県知事、市町村道なら市町村長に出します(道路法96条2項)。国道の指定区間外を都道府県が管理している場合も、処分をした管理者で判断します。
Q2道路法の再審査請求とは?
審査請求の裁決に不服がある場合に、もう一段上の機関へ見直しを求める手続です。都道府県の処分は国土交通大臣、市町村の処分は都道府県知事が審査します。
Q3道路の除却命令 審査請求 いつまで?
処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内です(行政不服審査法18条)。命令書の教示欄も必ず確認してください。
Q4占用許可の返事がない場合どうする?
申請書の受理から3か月たっても処分がなければ、拒否されたものとみなして審査請求できます(道路法96条5項)。道路予定区域の許可(91条1項)は30日です。
Q5災害時の道路の処分に審査請求できる?
できません。68条1項・2項による土地の一時使用や物件の使用等の処分は、96条1項で審査請求の対象外とされています。損失補償(69条)の請求を検討します。
Q6審査請求すれば撤去命令は止まる?
止まりません。審査請求をしても処分の効力は原則として続きます(行政不服審査法25条1項)。撤去を避けたい場合は、執行停止の申立てを同時に行います。
Q7審査請求せずにいきなり裁判できる?
できます。行政事件訴訟法8条1項の自由選択主義により、審査請求を経ずに取消訴訟を提起できます。出訴期間は処分を知った日から6か月以内です。
Q8道路法の審査請求に費用はかかる?
審査請求そのものに手数料はかかりません。書面で手続を進められるため、弁護士に依頼しなくても申し立てることはできます。証拠資料の準備は自分で行います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市道の看板に撤去命令が出たんですが、市以外にも不服を言えるところはありますか?
あります。まず市長に審査請求をし、その裁決に不服があれば都道府県知事に再審査請求ができます(道路法96条2項)。審査請求を経ずに、いきなり取消訴訟を起こすこともできます(行政事件訴訟法8条1項)。実務のポイント:審査請求は手数料がかからず、書面のやり取りで進みます。審理の中で処分庁が出した資料を閲覧することもでき(行政不服審査法38条)、弁護士費用をかけずに役所の本当の処分理由を引き出す手段としても使えます
Q2警察の道路使用許可は取れたのに、市役所の占用許可がまだ下りません。待つしかないんでしょうか?
二つは別の制度なので、片方が下りても、もう片方が自動的に下りるわけではありません。申請書の受理から3か月たっても処分がなければ、拒否されたものとみなして審査請求ができます(道路法96条5項)。実務のポイント:行政手続法6条により、役所は標準処理期間を定めるよう努める義務を負っています。公表されている標準処理期間を過ぎていることを書面で指摘すると、審査請求まで進まなくても処理が進むことが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「道路を使う許可は警察と市役所のどちらで取るのか」と悩む人は多いが、この問いの立て方自体がずれている。工事や催し物で道路を一時的に使う行為は道路交通法77条の道路使用許可(警察署長)、物を置いて道路を継続的に使う行為は道路法32条の占用許可(道路管理者)であり、両方が必要になる場面も多い。96条で争えるのは道路管理者側の処分だけで、警察の不許可は別のルートで争うことになる
- 審査請求ができることは処分通知の教示欄を見れば分かる。しかし、誰が審査するのかまで知っている人は少ない。都道府県道の処分について審査請求を受けるのは知事、つまり処分をした組織のトップ自身である。ただし、平成26年(2014年)に全部改正された行政不服審査法のもとでは、処分に関与していない審理員が審理を行い(9条)、原則として第三者機関への諮問も必要になる(43条、81条)。身内の審査だからと諦めるのは早い
- 役所から返事が来ないのは「検討中」だからで、申請者は待つしかないと思われがちだ。しかし5項は、3か月の沈黙を拒否とみなしている(91条1項の許可は30日)。待ち続けるのは義務ではなく、申請者が選んでいることにすぎない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 審査請求の可否 | 道路法96条:原則として審査請求・再審査請求ができる | 道路法68条:非常災害時の処分は審査請求できない(96条1項) 道路法71条:監督処分は96条2項のルートで審査請求できる |
| 処分の性質 | 不服申立ての手続を定める規定 | 災害時の土地の一時使用・物件の使用等の緊急処分 不法占用への除却命令・許可の取消し等の監督処分 |
| 救済の中心 | 知事・市町村長への審査請求、上位機関への再審査請求、みなし拒否 | 69条の損失補償 審査請求+執行停止、または取消訴訟 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では行政処分への不服は訴願で争い、申請に対する法定期間内の不作為も訴願の対象となる。日本のみなし拒否と同じく、行政の沈黙を争える仕組みを持つ
韓国は行政審判法で処分と不作為の双方を行政審判の対象とし、行政審判委員会が審理する。第三者機関による審理という点で日本の審理員・諮問制度と方向性が近い
ドイツは取消訴訟の前に異議審査手続(Widerspruch)を原則とし、行政が相当期間内に応答しない場合は不作為訴訟(Untätigkeitsklage)を認める
米国では不当に保留・遅延された行政行為の履行を裁判所が命じうる。道路の占用許可は州・自治体の権限が中心で、手続は法域ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ラーメン店の前に置いたベンチと立て看板について、市から道路法71条に基づく除却命令が届いた。末尾の教示欄には「処分があったことを知った日の翌日から起算して三月以内に、市長に対して審査請求をすることができる」とある。カレンダーを見ると、受け取ってからもう二か月半が過ぎていた。残りは約二週間。歩道の有効幅を測った写真と、通行の妨げになっていなかったことを示す記録を、今週中に揃えなければならない
- 工事用の仮設足場の占用許可を市に申請したのに、三か月たっても何の連絡もない。このままでは着工日が迫るが、待つしかないのだろうか? 待つ必要はない。96条5項により、拒否されたものとみなして審査請求ができる。行政不服審査法3条の不作為についての審査請求という別の選択肢もある
- 大雨の夜、県の職員があなたの空き地に土のうと重機を置いた。道路の応急工事のためだという。これは68条の処分なので審査請求はできず、争点は69条の損失補償に移る
取るべき行動
被害を受けた側:(許可を拒否された、または返事がない申請者の場合)1. 不許可理由を確認し、33条の許可基準や政令で定める占用物件の範囲のどれで落とされたのかを特定する2. 理由が抽象的なら、情報公開請求で審査記録を取り寄せる3. 処分を知った日の翌日から3か月以内に、都道府県道なら知事、市町村道なら市町村長へ審査請求する4. 申請から3か月たっても返事がなければ、5項のみなし拒否か不作為の審査請求のどちらで進むかを選ぶ
訴えられた側:(除却命令などの監督処分を受けた側の場合)1. 命令書の履行期限と教示欄をまず確認する2. 撤去する前に、現状を写真と寸法で記録し、通行の妨げになっていなかった事実を残す3. 審査請求と同時に執行停止を申し立て、代執行で撤去されて費用を請求される事態を避ける4. 並行して占用許可を正式に申請し直し、争点を「違法な占用」から「許可条件の調整」へ移す5. 処分が68条によるものなら審査請求はできないため、69条の損失補償請求に切り替える
時効(請求できる期限):審査請求:処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内(行政不服審査法18条)。再審査請求:裁決があったことを知った日の翌日から1か月以内、かつ裁決の日の翌日から1年以内(同法62条)。取消訴訟:処分または裁決があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。みなし拒否は、32条等の許可では申請書受理から3か月、91条1項の許可では30日を経過した時点から主張できる。不作為についての審査請求には期間制限がない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:96条は行政不服審査法の一般則に対する特則であり、再審査請求は同法6条により個別法に定めがある場合に限って認められる。道路法はこの定めを置くことで、地元の道路管理者の判断を上位の行政機関が見直す二段階の統制を設けている
自由選択主義との関係:道路法には審査請求前置の定めがないため、行政事件訴訟法8条1項により、審査請求を経ずに取消訴訟を提起することも、審査請求と取消訴訟を併行することもできると解される
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)行政不服審査法の全部改正に伴う整備(平成28年(2016年)施行) 異議申立てが廃止され審査請求に一元化されたことに合わせて、不服申立ての規定が改正されたとみられる。改正前後の条文の具体的な文言は人的な検証が必要
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 改正:行政不服審査法の全部改正に伴う関係法律の整備により、異議申立ての廃止・審査請求への一元化に合わせて不服申立て規定が整理された(平成28年(2016年)施行)。改正前後の具体的な文言は原典で要確認
- 道路法 第32条占用許可、みなし拒否の対象処分
- 道路法 第71条監督処分、審査請求が最も多い処分
- 道路法 第68条非常災害時の処分、審査請求の適用除外
- 道路法 第20条兼用工作物の管理協議、3項4項の前提
- 道路法 第91条道路予定区域の許可、30日みなし拒否
- 行政不服審査法 第6条法律の定めがある場合のみ再審査請求が可能
- 行政不服審査法 第18条審査請求期間3か月と1年の一般則
- 行政事件訴訟法 第8条審査請求と取消訴訟の自由選択
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める