道路法 第20条(兼用工作物の管理)
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- 道路と堤防、護岸、ダム、鉄道又は軌道用の橋、踏切道(道路と独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構若しくは鉄道事業者(第三十一条及び第三十一条の二において「鉄道事業者等」という。)の鉄道又は軌道法(大正十年法律第七十六号)による新設軌道との交差部分をいう。)、駅前広場その他公共の用に供する工作物又は施設(以下これらを「他の工作物」と総称する。)とが相互に効用を兼ねる場合においては、当該道路の道路管理者及び他の工作物の管理者は、当該道路及び他の工作物の管理については、第十三条第一項及び第三項並びに第十五条から第十七条までの規定にかかわらず、協議して別にその管理の方法を定めることができる。ただし、他の工作物の管理者が私人である場合においては、道路については、道路に関する工事(道路の新設、改築又は修繕に関する工事をいう。以下同じ。)及び維持以外の管理を行わせることができない。
- 2.前項の規定により協議する場合において、国土交通大臣である道路管理者と他の工作物の管理者との協議が成立しないときは、国土交通大臣は、当該他の工作物に関する主務大臣とあらためて協議することができる。
- 3.第一項の規定により協議する場合において、国土交通大臣以外の道路管理者と他の工作物の管理者との協議が成立しないときは、当該道路の道路管理者又は他の工作物の管理者は、そのいずれかが国又は都道府県であるときは国土交通大臣及び当該他の工作物に関する主務大臣に、その他のときは都道府県知事(他の工作物に関する主務大臣の事務を分掌する地方支分部局の長があるときは、都道府県知事及び当該支分部局の長。以下この条並びに第五十五条第三項及び第四項において同じ。)に裁定を申請することができる。
- 4.国土交通大臣及び他の工作物に関する主務大臣又は都道府県知事は、前項の規定による申請に基づいて裁定をしようとする場合においては、当該道路の道路管理者又は他の工作物の管理者の意見を聴かなければならない。この場合において、当該道路の道路管理者は、意見を提出しようとするときは、指定区間外の国道にあつては道路管理者である都道府県の議会に諮問し、その他の道路にあつては道路管理者である地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
- 5.第二項の規定による国土交通大臣と当該他の工作物に関する主務大臣との協議が成立した場合又は前二項の規定により国土交通大臣及び当該他の工作物に関する主務大臣若しくは都道府県知事が裁定をした場合においては、第一項の規定の適用については、道路管理者と他の工作物の管理者との協議が成立したものとみなす。
- 6.第一項の規定による協議が成立した場合(前項の規定により道路管理者と他の工作物の管理者との協議が成立したものとみなされる場合を含む。)においては、当該道路の道路管理者は、成立した協議の内容を公示しなければならない。
この条文の基本情報
兼用工作物の管理とは何ですか?
定義兼用工作物の管理とは、道路法第20条に定められた規定で、「道路と堤防、護岸、ダム、鉄道又は軌道用の橋、踏切道(道路と独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構若しくは鉄道事業…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路法第20条(兼用工作物の管理)は、日本の道路法に含まれる条文です。
- 道路法第20条の条文原文は「道路と堤防、護岸、ダム、鉄道又は軌道用の橋、踏切道(道路と独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構若しくは鉄道事業…」で始まります。
- 道路法第20条は第一節 道路管理者に置かれています。
- 道路法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 道路法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路法第20条の前の条は道路法第19条の2です。
- 道路法第20条の次の条は道路法第20条の2です。
- 道路法第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第20条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000180 - 本サイト収録
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000180/20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路法20条は、道路と堤防・踏切・駅前広場などが効用を兼ねる場合、道路管理者と他の工作物の管理者が協議で管理方法を定められるとする。私人には工事・維持のみ委ねられる。
Q · 踏切や堤防の上の道路は、市と鉄道会社・河川管理者のどちらが管理しているの?
協議で決まる。公示と協定書を確認するのが先
道路法20条により、道路と踏切・堤防・駅前広場などが一体となる「兼用工作物」では、道路管理者と他の工作物の管理者が協議で管理方法を定められます。そのため実際の補修担当が道路管理者以外のこともあります。ただし相手方が鉄道会社などの私人なら、任せられるのは工事と維持だけで、占用許可などの権限は道路管理者に残ります。協議内容は道路管理者が公示しなければなりません(6項)。
解説
堤防の上を走る県道で、路面の陥没にタイヤを取られて転倒したとする。損害賠償を請求する相手は県なのか、国の河川事務所なのか。現場をいくら見ても答えは出ない。道路法20条によれば、道路が堤防、ダム、鉄道橋、踏切、駅前広場などと一つの構造物を共用している場合、道路管理者と相手方の管理者は話し合いで管理方法を決められる。そのため、通常の管理分担(13条、15条から17条)とは違う形になることがある。つまり、あなたが走っている路面を実際に補修しているのは、道路管理者ではないかもしれない。ただし、相手方が鉄道会社のような私人の場合、任せられるのは工事と維持だけである。通行規制や占用許可のように、役所の権限で行う管理は渡せない。そして話し合いの結果は公示しなければならない(6項)。請求先を間違えて時間を無駄にする前に、まずこの公示を探すことが大事である。
法的な位置づけ
道路法20条は兼用工作物の管理に関する規定であり、道路と堤防、護岸、ダム、鉄道用の橋、踏切道、駅前広場その他の公共工作物が相互に効用を兼ねる場合、道路管理者と他の工作物の管理者が協議により、通常の管理区分(13条・15条〜17条)とは別の管理方法を定めることを認める。私人への委任は工事・維持に限定され、協議不調時の裁定と協議内容の公示が定められている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.兼用工作物にあたるか確認する 問題の道路が堤防、護岸、ダム、鉄道橋、踏切道、駅前広場など他の工作物と構造上一体になっているかを現地写真や道路台帳で確認する
- 2.道路管理者に協議の有無を照会する 道路管理者(国道事務所・都道府県・市町村の道路課)に、道路法20条1項の協議が成立しているか、6項の公示がいつどこで行われたかを照会する
- 3.協定書と管理区分図を取得する 公示文は要旨にとどまることが多いため、情報公開請求で「協定書一式(管理区分図を含む)」を指定して開示を求める
- 4.協議不調なら裁定を申請する(管理者側) 管理者同士の協議がまとまらない場合、相手方が国・都道府県なら国土交通大臣と主務大臣へ、それ以外は都道府県知事へ裁定を申請する。地方公共団体の道路管理者が意見を出すときは議会の議決または諮問が必要になる
- 5.協議成立後に公示する(管理者側) 協議が成立した、または成立したとみなされた場合、道路管理者は協議内容を公示する。公示がないと後の責任分担の主張が弱くなる
よくある質問 AI による整理
Q1兼用工作物とは何ですか?
道路と堤防・護岸・ダム・鉄道橋・踏切道・駅前広場などが一つの構造物として互いの効用を兼ねているものです。道路法20条が管理方法の協議を定めています。
Q2踏切の管理者は誰ですか?
法律上の道路管理者は国・都道府県・市町村などですが、道路法20条の協議で工事・維持を鉄道事業者が担当する場合があります。協議内容は公示で確認できます。
Q3堤防の上の道路の管理者は誰?
道路としての管理者と河川管理者が重なるため、道路法20条の協議で管理方法が定められていることがあります。まず道路管理者に協議の有無を確認します。
Q4兼用工作物の協議内容はどこで見られる?
道路法20条6項により道路管理者が公示します。国は官報、自治体は公報が中心です。詳細な管理区分図は情報公開請求で取得するのが確実です。
Q5鉄道会社に道路の占用許可を出させることはできる?
できません。道路法20条1項ただし書により、私人である管理者に任せられるのは道路の工事と維持だけで、占用許可などの管理は道路管理者に残ります。
Q6兼用工作物の協議がまとまらないときは?
国土交通大臣が道路管理者なら主務大臣と改めて協議し、それ以外は国土交通大臣と主務大臣、または都道府県知事に裁定を申請できます(2項・3項)。
Q7兼用工作物の事故 誰に損害賠償を請求できる?
道路管理者には国家賠償法2条、費用負担者には同法3条、私人の管理者には民法717条を根拠に請求を検討できます。相手を一方に絞らないのが実務上のポイントです。
Q8兼用工作物の費用負担はどう決まる?
費用負担は道路法55条が定め、協議が成立しないときは裁定の仕組みがあります。管理方法を定める20条と費用を定める55条はセットで確認します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1踏切の段差で転んだんですけど、訴えるなら市と鉄道会社のどっちですか?
踏切道は20条が想定する兼用工作物の典型である。協議で鉄道会社が工事・維持を担当していても、道路管理者の地位は市に残る。そのため、市には国家賠償法2条、鉄道会社には民法717条を根拠に、両方を相手にすることを検討できる。実務のポイント:被告を両方に立てると、相手同士が責任範囲を立証し合う構図になり、原告の立証の負担が実質的に軽くなる
Q2道路の管理を誰がしてるか決めた協議の中身って、一般人でも見られるんですか?
見られる。20条6項により、協議が成立したら道路管理者はその内容を公示しなければならない。国なら官報、自治体なら公報が中心である。実務のポイント:公示文は要旨だけのことが多い。実際の境界線が分かるのは協定書と添付の管理区分図なので、情報公開請求で「協定書一式」と指定して請求するのが近道である
間違えやすい点 AI による整理
- 「この道路の管理者は誰か」と聞いても、肝心の答えにはたどり着けない。兼用工作物では、法律上の道路管理者と、協議によって実際に補修・維持を担当する者が分かれていることがある。聞くべきなのは「この場所の管理方法を定めた協議は成立しているか、その内容は何か」である
- 鉄道会社に道路の維持を任せれば、道路管理者の責任も鉄道会社に移ると考えがちだが、それは違う。1項ただし書によって、私人に任せられるのは工事と維持だけで、道路管理者の地位そのものは残る。そのため、利用者に対する国家賠償法2条の責任を、道路管理者が協定書を盾に免れることは原則としてできない。協定はあくまで管理者同士の内部的な取り決めにすぎない、という見方が有力である(個別事案で解釈が分かれることがある)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 道路法20条:兼用工作物の管理方法(協議で決定) | 道路法13条:国道の管理区分(原則) 道路法55条:兼用工作物の費用負担 |
| 決め方 | 道路管理者と他の工作物の管理者の協議、不調なら裁定 | 法律で管理者を直接定める 協議による分担、不調なら裁定 |
| 私人との関係 | 私人には工事・維持のみ委ねられる(1項ただし書) | 私人への委任の規定なし 私人を含む管理者間の費用分担を規律 |
| 利用者が確認すべきこと | 6項の公示と協定書・管理区分図 | 道路の種類と管理者 費用負担者(国家賠償法3条の請求先) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では道路管理機関の権限は公路法等で定められ、公共施設の設置・管理の欠陥による賠償は國家賠償法3条が規律する。兼用工作物の協議規定に相当する明文の対応条文は確認できていない
ドイツでは鉄道と道路の交差について、交差施設の維持と費用分担を法律で詳細に定める。協議で管理方法を決める日本の方式とは設計が異なる
米国では連邦補助による鉄道・道路交差部の安全改良プログラムが中心で、管理分担は州法と協定に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 踏切の段差でバイクが転倒し、鎖骨を骨折した。補修を怠ったのは市なのか鉄道会社なのか? 両者が「うちの担当ではない」と言い合っている間にも、時効は進み続ける
- あなたは市役所の道路課で働いている。駅前広場の改修をきっかけに、私鉄から「広場の舗装の維持は当社でやるので、露店の占用許可もこちらで出したい」と提案された。占用許可は工事・維持以外の管理にあたるため、20条1項ただし書で私人には渡せない。うっかり協定書に書くと、その条項は効力を持たない
- ダムの天端道路が老朽化しているのに、補修の費用分担をめぐって県とダム管理者の協議が三年まとまらない。この場合は都道府県知事、または国土交通大臣と主務大臣に裁定を申請する道がある(3項)。話し合いが行き詰まっても、制度上は出口が用意されている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事故現場の写真(段差・陥没の寸法、周辺構造物)と診断書を確保する2. 道路管理者に、20条6項の公示と協議内容(協定書・管理区分図)の開示を求める。応じなければ情報公開請求を行う3. 道路管理者には国家賠償法2条、鉄道会社など私人には民法717条を根拠に、並行して請求する4. 費用を負担する者がほかにいる場合は、国家賠償法3条でその者も請求先に加える
訴えられた側:1. 管理者側として請求を受けたら、まず協議が成立しているか、6項の公示を済ませているかを確認する。公示がないと、管理区分を主張しても説得力が落ちる2. 協定上の担当区分を示し、相手方の管理者との間で求償・費用分担を整理する(55条) 3. 私人に工事・維持以外の権限を渡した条項がないか点検し、あれば協定を見直す4. 協議がまとまらなければ、3項の裁定申請で決着させる
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはなく、裁定申請にも法定の申請期限はない。事故の損害賠償は国家賠償法4条により民法が適用される。損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)、不法行為の時から20年で請求できなくなる。管理者の特定に手間取っても時効は止まらない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
有力説:20条の協議は管理者間の内部的な分担の取り決めであり、私人に工事・維持を委ねても道路管理者の地位は残るため、利用者に対する国家賠償法2条の責任を協定を理由に免れることは原則としてできないとする。個別事案では解釈が分かれうる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:道路法(昭和27年法律第180号)の制定により、兼用工作物の管理に関する協議の規定が設けられた
- 道路法 第13条国道の管理区分、本条が例外を設ける原則
- 道路法 第15条都道府県道の管理者、協議で修正される原則
- 道路法 第31条道路と鉄道の交差の方式と協議
- 道路法 第55条兼用工作物の費用負担と裁定
- 国家賠償法 第2条道路の設置管理の瑕疵による賠償責任
- 国家賠償法 第3条費用負担者も賠償責任を負う特則
- 河川法 第17条河川側から見た兼用工作物の管理規定
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