自衛隊法 第60条(職務に専念する義務)
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- 隊員は、法令に別段の定がある場合を除き、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職務遂行のために用いなければならない。
- 2.隊員は、法令に別段の定めがある場合を除き、防衛省以外の国家機関の職若しくは独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第四項に規定する行政執行法人(以下「行政執行法人」という。)の職を兼ね、又は地方公共団体の機関の職に就くことができない。
- 3.隊員は、自己の職務以外の防衛省の職務を行い、又は防衛省以外の国家機関の職若しくは行政執行法人の職を兼ね、若しくは地方公共団体の機関の職に就く場合においても、防衛省令で定める場合を除き、給与を受けることができない。
この条文の基本情報
職務に専念する義務とは何ですか?
定義職務に専念する義務とは、自衛隊法第60条に定められた規定で、「隊員は、法令に別段の定がある場合を除き、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職務遂行のために用いなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第60条(職務に専念する義務)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第60条の条文原文は「隊員は、法令に別段の定がある場合を除き、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職務遂行のために用いなければならない。」で始まります。
- 自衛隊法第60条は第四節 服務に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第60条の前の条は自衛隊法第59条です。
- 自衛隊法第60条の次の条は自衛隊法第61条です。
- 自衛隊法第60条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第60条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第60条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/60
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法60条は、隊員に勤務時間と職務上の注意力のすべてを職務に用いる義務を課し、他の国家機関や地方公共団体の職の兼務と、防衛省令の例外を除く給与受領を制限する。
Q · 自衛官は勤務中、どこまで職務に集中しなければいけないの?
時間だけでなく注意力のすべてを職務に向ける義務がある
自衛隊法60条1項により、隊員は法令に別段の定めがある場合を除き、勤務時間と職務上の注意力のすべてを職務遂行に用いなければなりません。持ち場にいるだけでは足りず、勤務中の私的な行為も義務違反とされうります。違反は同法46条の懲戒事由につながります。また2項・3項は、他の国家機関や地方公共団体の職の兼務と、給与の二重受領を原則として制限しています。
解説
自衛隊員の「勤務時間」の意味は、会社員とは違う。本条1項は、勤務時間だけでなく「職務上の注意力のすべて」を職務に向けるよう求めている。つまり、体が持ち場にいるだけでは足りない。勤務中に私用スマホで副業の連絡をする、株価を眺める、私的な政治活動のバッジを着ける。どれも、注意力を職務以外に向けた行為として問題になりうる。さらに隊員は自衛隊法54条により、いつでも職務に就ける態勢にいなければならない。「定時だから終わり」という感覚は通用しにくい世界である。2項は、防衛省以外の国の機関、行政執行法人、地方公共団体の職を兼ねることを原則として禁じる。3項は、例外的に兼ねる場合でも、防衛省令で定める場合を除き給与の二重取りを認めない。民間での副業は別の条文(62条・63条)で規制される。あなたが隊員本人でも家族でも、「どの条文の、どの線に触れているのか」を分けて考えられるようになれば、懲戒のリスクを事前に避けられる
法的な位置づけ
自衛隊法60条は隊員の職務専念義務を定める規定であり、隊員は法令に別段の定めがある場合を除き、勤務時間及び職務上の注意力のすべてを職務遂行に用いなければならない。また、防衛省以外の国家機関・行政執行法人・地方公共団体の職の兼務を原則として禁じ、兼務時の給与受領を防衛省令所定の場合に限る。
よくある質問 AI による整理
Q1職務専念義務とは何ですか?
公務員が勤務時間と職務上の注意力のすべてを職務に用いる義務です。自衛隊員については自衛隊法60条1項、一般職の国家公務員については国家公務員法101条が定めています。
Q2自衛隊法60条に違反したらどうなる?
職務上の義務違反として、自衛隊法46条の懲戒処分(免職・降任・停職・減給・戒告)の対象になりえます。処分の重さは行為の態様、頻度、職務への影響で判断されます。
Q3自衛官は町内会や地域の委員を引き受けられる?
民間の町内会役員なら本条の対象外ですが、地方公共団体の機関の職に当たる委員は本条2項が原則禁止しています。引き受ける前に法令上の例外と手続を人事担当へ確認すべきです。
Q4自衛隊法60条と国家公務員法101条の違いは?
どちらも職務専念義務と兼職制限を定める対応規定です。自衛隊員には自衛隊法60条が、一般職の国家公務員には国家公務員法101条が適用され、給与の例外を定める命令が異なります。
Q5勤務時間外も職務専念義務はある?
本条1項が直接求めるのは勤務時間中の専念です。ただし隊員は自衛隊法54条によりいつでも職務に従事できる態勢にある必要があり、勤務時間外も完全に無関係とはいえません。
Q6自衛官は裁判員になれますか?
なれません。裁判員法15条1項が自衛官を裁判員の職務に就くことができない者として定めています。本条とは別の規定ですが、職務以外の公務への分散を避ける点で発想が共通します。
Q7目黒電報電話局事件とはどんな判例?
公社職員が勤務中に政治的主張のプレートを着用した事案で、最高裁は注意力のすべてを職務に用いる義務への違反を認めました(最判昭和52年12月13日)。職務専念義務の代表的判例です。
Q8自衛官の政治活動は60条で禁止されている?
政治的行為の制限は主に自衛隊法61条が扱います。ただし勤務中の政治的活動は、注意力を職務以外に向ける行為として60条の職務専念義務違反にも当たりうる点に注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1休憩時間にスマホを見るのもダメなんですか?
本条1項が職務への専念を求めるのは勤務時間中であり、正規の休憩時間に私用スマホを見ること自体は原則として問題にならない。ただし隊員には、いつでも職務に就ける態勢を保つ義務がある(自衛隊法54条)。実務のポイント:問題になるのは休憩中かどうかより、呼集に即応できたかどうか。即応に遅れた記録が残ると、「休憩中だった」という説明は通りにくくなる
Q2自衛官って副業できないんですか?
民間での副業は本条ではなく、自衛隊法63条の承認制で扱われる。営利企業の役員就任などは62条が制限する。本条2項が禁じているのは、ほかの国の機関、行政執行法人、地方公共団体の職を兼ねることである。実務のポイント:「本条違反」と言われたら、どの条文のどの要件が問題なのかを文書で確認する。条文の特定が曖昧な指摘は、弁明で崩せる余地がある
Q3併任で他の役所の仕事をしたら、手当はもらえますか?
本条3項により、防衛省以外の機関の職などを兼ねる場合でも、防衛省令で定める場合を除いて給与は受けられない。仕事量が増えても、報酬は原則として防衛省の給与だけになる。実務のポイント:先方が善意で謝礼や手当を出そうとすることがある。受け取る前に、省令上の例外に当たるかを人事担当に確認する。後から返還するのは、最初に断るより何倍も手間がかかる
間違えやすい点 AI による整理
- 「勤務時間中にサボらなければいい」と考えがちだが、求められているのは時間の拘束だけではない。本条1項は「職務上の注意力のすべて」と書いている。持ち場にいても、私的な事柄に意識を割けば義務違反とされうる。公社職員が勤務中に政治的メッセージのプレートを着けていた事案で、最高裁は職務専念義務違反を認めた(目黒電報電話局事件、最判昭和52.12.13)。公社職員の事案だが、同じ考え方は隊員にも向けられうる
- 「副業禁止は本条で決まっている」という問いの立て方自体がずれている。本条2項が禁じるのは、国・行政執行法人・地方公共団体の職を兼ねることである。民間企業の役員になることは62条、民間での兼業や営利事業は63条の承認制が扱う。条文を取り違えたまま弁明すれば、論点を外した説明に終わる
- 隊員本人から見れば、職務専念義務は職場のマナー程度の話に見える。しかし法律から見れば、これは自衛隊法46条の懲戒事由(職務上の義務違反、職務を怠った場合)に直結する法的義務である。免職・降任・停職・減給・戒告という処分体系の入口に立っている。この認識の差が、軽い気持ちの常習化を招く
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 自衛隊法60条:勤務中の注意力と、国・行政執行法人・地方公共団体の職の兼務 | 自衛隊法62条:営利企業の役員就任や自営などの私企業との関わり 自衛隊法63条:報酬を得て他の職や事業に従事すること |
| 規制の形 | 原則禁止(法令に別段の定めがある場合を除く) | 私企業からの隔離(例外は法令所定の場合) 承認制(承認を得れば従事できる) |
| 典型場面 | 勤務中の私用スマホ、自治体委員の就任、他省庁の併任 | 家業の会社の役員に名を連ねる 休日に知人の店を手伝い謝礼を受け取る |
| 報酬の扱い | 兼務しても防衛省令で定める場合を除き給与を受けられない(3項) | 役員報酬以前に地位そのものが制限される 報酬を得る従事は承認が前提 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では文武職公務員に公務員服務法が適用され、法令の定めがある場合を除き他の公職や業務の兼任が制限される。軍人も規律の対象に含まれる点で本条と対応する
ドイツは兵士の副業(Nebentätigkeit)を許可制・届出制で管理する。公的な職と民間の職を区別せず一つの条文で扱う点が日本と異なる
フランスは軍人に職業活動のすべてを任務に充てることを求め、兼業を原則禁止しつつ例外を法令で定める。日本の「注意力のすべて」と発想が近い
米国は倫理規則で公務時間の私的使用と外部活動を規律する。職務専念を倫理規範として扱う色彩が強い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勤務中に私物のスマホでフリマアプリの取引メッセージに返信していたら、上官に見つかった。数分のことでも「注意力のすべて」を職務に向けていないと評価されうる。回数が重なり記録に残れば、自衛隊法46条の懲戒事由(職務上の義務違反)として処理される道が開く
- 地元の町役場から、非常勤の委員をやってほしいと頼まれた。地域貢献だから問題ないと思ったあなたが、承認なしに引き受けたとする。地方公共団体の機関の職に就くことは本条2項が原則禁止している。善意であっても手続きを飛ばせば違反になる
- 妻が自衛官で、休日に知人の店を手伝って謝礼を受け取っていた。これは本条なのか? 民間での副業は主に63条(他の職又は事業の関与制限)の承認の問題で、本条とは別の線である。どの条文に触れるかで、相談先も弁明の組み立て方も変わる
- 上官から、勤務中の私用行為について明日の朝までに事情を説明するよう言われた。残された時間はひと晩。いつ、何分、何をしていたのか、職務に支障があったのか。時系列のメモを今夜のうちに作れるかどうかで、処分の重さが変わりうる
- 他省庁との併任で業務を手伝うことになった。先方から手当を出すと言われても、防衛省令で定める場合を除き給与は受けられない(3項)。受け取ってしまえば、返還と懲戒の両方が問題になる
取るべき行動
被害を受けた側:隊員の家族や同僚として、不当な義務違反扱いを受けていると感じた場合:1. 指摘された行為の日時・内容・職務への影響を時系列でメモする2. 本条違反なのか、62条・63条の兼業問題なのかを切り分ける3. 懲戒処分を受けたら処分説明書を必ず受け取り、処分理由の条文を確認する4. 審査請求を検討する場合は期限を意識し、早めに弁護士に相談する
訴えられた側:1. 事情聴取の前に、行為の頻度・時間・職務への支障の有無を客観的に整理する2. 上官の黙認や慣行があったなら、その事実を具体的に示す3. 兼職の問題なら、事前に相談・申請した記録を探す4. 受け取った報酬がある場合は、返還の意思を早めに示すことが情状に働きうる5. 処分が出たら、処分説明書で認定事実と条文を確認し、不服申立てを検討する
時効(請求できる期限):本条違反そのものに特定の時効はない。懲戒処分に不服がある場合は審査請求を検討する。期限は原則として処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)だが、自衛隊法49条以下に隊員の懲戒処分に関する特例がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:職務専念義務は時間的拘束と精神的集中の双方を含む。ただし「法令に別段の定め」による免除(休暇、職務専念義務の免除規定など)があり、その範囲では義務が解除されると解される
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)頃 防衛庁の省移行に伴い、「防衛庁」から「防衛省」へ、また委任先の命令の名称が変わったとみられる。改正時期と文言の詳細は人的検証が必要
- 平成26年(2014年)公布の独立行政法人通則法改正に伴う改正とみられる 兼職制限の対象が「行政執行法人」の職に整理されたとみられる。施行日と改正前の文言は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:自衛隊法(昭和29年法律第165号)の制定により、隊員の職務専念義務と兼職制限を定める規定として設けられた
- 2.平成19年(2007年) 改正:防衛庁の防衛省への移行に伴い、条文中の「防衛庁」が「防衛省」に改められたとみられる
- 3.平成27年(2015年) 改正:独立行政法人通則法の改正に伴い、兼職制限の対象が「行政執行法人」の職に整理されたとみられる
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