国民健康保険法 第123条の2
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- 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの(以下この条において「人格のない社団等」という。)を含む。以下この項において同じ。)の代表者(人格のない社団等の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第百二十一条の二又は第百二十二条の二の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
- 2.人格のない社団等について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につき当該人格のない社団等を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民健康保険法第123条の2は、日本の国民健康保険法に含まれる条文です。
- 国民健康保険法第123条の2の条文原文は「法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの(以下この条において「人格のない社団等」という。」で始まります。
- 国民健康保険法第123条の2は第十二章に置かれています。
- 国民健康保険法の公布日は昭和33年12月27日です。
- 国民健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 国民健康保険法第123条の2の前の条は国民健康保険法第123条です。
- 国民健康保険法第123条の2の次の条は国民健康保険法第124条です。
- 国民健康保険法第123条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第123条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192 - 本サイト収録
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第123条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000192/123_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民健康保険法123条の2は、従業者が業務に関して第121条の2・第122条の2の違反行為をした場合、行為者のほか法人または人にも各本条の罰金刑を科す両罰規定である。
Q · 従業員が検査を拒んだら、会社まで罰金を取られるんですか?
対象の二条に当たれば、法人にも罰金刑が科されます
国民健康保険法123条の2により、代表者・代理人・使用人その他の従業者が業務に関して第121条の2または第122条の2の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人または人にも各本条の罰金刑が科されます。対象はこの二条の限定列挙であり、他の罰則違反が自動的に組織へ跳ね返るわけではありません。法人に科せるのは罰金刑のみで拘禁刑は及びません。代表者または管理人の定めがある人格のない社団等も対象に含まれ、登記の有無は問われません。
解説
罰則を読むとき、人は自分が罰せられるかだけを確かめて先へ進む。だが国民健康保険法123条の2が動かしているのは、その隣に立っている組織の首だ。従業者が業務に関して第121条の2または第122条の2の違反行為をすれば、行為者本人が罰されるだけでなく、雇っている法人または個人事業主にも各本条の罰金刑が科される。押さえるべき点は三つ。第一に、対象はこの二条に限定されており、他の罰則条項の違反が自動的に組織へ跳ね返るわけではない。第二に、法人に科せるのは罰金刑だけで、拘禁刑は及ばない。第三に、代表者または管理人の定めがある任意団体(人格のない社団等)も、登記がなくても処罰対象に入る。自分の団体は法人ではないから関係ないと考えていたなら、その前提はここで崩れる。
法的な位置づけ
国民健康保険法123条の2は両罰規定であり、法人(人格のない社団等を含む)または人の代表者・代理人・使用人その他の従業者が業務に関して第121条の2または第122条の2の違反行為をした場合に、行為者の処罰に加えて事業主たる法人または人にも各本条の罰金刑を科す旨を定める。対象となる違反行為は限定列挙である。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
違反行為をした行為者本人を罰するのに加えて、その事業主である法人または個人にも罰金刑を科す規定です。行為者処罰と事業主処罰を重ねる構造で、行政刑法に広く置かれています。
Q2国民健康保険法123条の2で処罰対象になる違反行為はどれですか?
第121条の2と第122条の2の違反行為の二つだけです。限定列挙なので、これ以外の罰則条項に違反しても、本条を根拠に法人へ罰金刑を科すことはできません。
Q3「業務に関して」とはどこまでの範囲ですか?
事業主の業務の遂行に関連してなされた行為を指し、指示の有無は決め手になりません。逆に業務と無関係な従業者の独断であれば要件が外れ、事業主は対象から抜けます。
Q4人格のない社団等とは何ですか?
法人ではない社団または財団で、代表者または管理人の定めがあるものです。登記も法人格もなくても本条の処罰対象に入り、規約と代表者を定めた議事録が被告人適格の証拠になります。
Q5従業者にはアルバイトや派遣社員も含まれますか?
本条は代表者、代理人、使用人その他の従業者と広く定めており、雇用形態で区別していません。実質的に事業主の業務に従事していれば、名称や契約形式にかかわらず含まれ得ます。
Q6法人が被告人になると誰が法廷に出るのですか?
法人を被告人とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定によります。人格のない社団等については、その代表者または管理人が訴訟行為につき団体を代表します(本条2項、刑訴27条)。
Q7両罰規定による罰金の公訴時効は何年ですか?
法人に科されるのは罰金刑であり、罰金に当たる罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時で、行為者本人の時効は各本条の法定刑により別に計算されます。
Q8罰金刑が確定すると事業にどんな影響がありますか?
金額そのものより二次被害が重く、確定した刑事罰は指定の欠格判断、許可申請、入札参加資格、補助金審査の材料として参照され続けます。刑事手続の終わりが行政上の不利益の始まりになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1従業員が勝手にやったことなのに、会社も罰金を払わないといけないんですか?
業務に関してした行為であれば法人にも各本条の罰金刑が科される(123条の2第1項)。ただし最高裁は両罰規定の事業主責任を選任監督上の過失の推定と解しており(最大判昭和32.11.27)、注意義務を尽くした証明ができれば免責の余地がある。実務上、責任の性質については無過失責任と解する立場もあり解釈が分かれている。実務のポイント:推定を覆せるのは検査前から存在した教育記録と監督記録だけで、事件後に整えた資料は逆に疑われる。
Q2法人にも刑罰と聞きましたが、代表者が刑務所に入ることもあるんですか?
本条が法人に科せるのは罰金刑のみで、拘禁刑は及ばない。ただし代表者自身が違反行為の行為者であれば、各本条の刑が本人に直接科される。実務のポイント:法人と代表者が同時に被告人になる事件では、弁護人を分けるかが最初の分岐点になる。責任の押し付け合いになる場面が必ず来るため、同一の弁護人で押し通すと組織側の主張が確実に弱くなる。
Q3法人じゃない団体なら、そもそも起訴されないですよね?
代表者または管理人の定めがあれば人格のない社団等として処罰対象に入る(123条の2第1項)。訴訟行為は代表者または管理人が団体を代表して行い、法人を被告人とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定が準用される(同条2項、刑事訴訟法27条)。実務のポイント:登記の有無は無関係で、規約と代表者を定めた議事録がそのまま被告人適格の証拠になる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社が罰金を払えば従業員は助かるのか」という問いの立て方そのものが誤っている。本条は行為者を罰するほか法人にも科す構造で、どちらかを選ぶ仕組みではない。人格が別であるため、両方に科しても二重処罰の禁止(憲法39条)には触れない
- 法人に科されるのが罰金だけだという点は知られているが、その軽さの評価を見誤っている。金額そのものより、確定した刑事罰が指定・許可・入札・補助金の判断材料として残り続ける二次被害の方が重い
- 両罰規定はどの罰則にも付いていると思われがちだが、123条の2が指しているのは第121条の2と第122条の2だけである。限定列挙であり、これ以外の違反では組織に罰金刑を科せない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 第123条の2:事業主への処罰を上乗せする両罰規定 | 第121条の2:違反行為の実行者を処罰する行為者処罰規定 第122条の2:違反行為の実行者を処罰する行為者処罰規定 |
| 処罰される主体 | 行為者に加えて、法人・人・人格のない社団等 | 違反行為をした行為者本人 違反行為をした行為者本人 |
| 科される刑 | 各本条の罰金刑のみ(法人に拘禁刑は及ばない) | 同条所定の法定刑 同条所定の法定刑 |
| 適用の前提 | 従業者等の行為が「業務に関して」されたこと+対象二条の違反該当 | 同条所定の違反行為の存在 同条所定の違反行為の存在 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も刑法典本体では法人処罰を一般化せず、個別の行政刑法に兩罰規定を置く方式。構造は日本と近く、限定列挙で対象違反を特定する点も共通する
韓国も個別法に양벌규정を置く。憲法裁判所の決定を受けて、事業主の免責事由(相当한 주의와 감독)を条文上明記する立法修正が広く行われた点が日本との差
ドイツは法人に刑罰ではなく秩序違反金(Geldbuße)を科す設計。監督義務違反(§ 130)を独立の帰責点として構成する点で、日本の過失推定構成と発想が異なる
米国は respondeat superior により、従業員が職務範囲内で法人の利益のためにした行為について法人の刑事責任を広く認める。免責よりも量刑段階のコンプライアンス体制評価で調整する運用
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、検査当日にベテラン職員が独断で書類の提出を拒んだとしたら? 行為者は本人だが、業務に関してした行為であれば組織も各本条の罰金刑の対象に入る。検察官が処分を決めるまでの数十日が、組織側の主張を組み立てられる唯一の窓になる
- 上司の意向を汲んだつもりで、提出書類の数字を直した事務職員。行為者として自分が罰され、同時に勤務先も被告人席に並ぶ。誰かをかばったはずの行動が、組織の刑事記録を作る
- 代表者を一人決めただけの任意団体。登記も定款もない。それでも人格のない社団等として刑事被告人になる。
- 同業の知人から「うちに検査が入りそうだ、従業員のせいでも会社が罰されるのか」と相談される。答えは対象の条番号次第だと即答できる人間は、その場で信用を得る
取るべき行動
被害を受けた側:実行を指示された従業者の立場なら、指示の経路を先に固定する。日時・発話者・文面を当日のうちにスクリーンショットと日付入りメモで残し、控えを社外にも置く。本条は行為者も同時に罰する構造なので、組織を守るための行為がそのままあなた自身の刑事記録になる。聴取に呼ばれたら組織の担当者と同席せず、自分の弁護人を別に立てる意思を先に伝えること。
訴えられた側:争点を二つに絞る。第一に、問題の行為が第121条の2・第122条の2の違反に該当するか(限定列挙なので外れれば組織は対象外)。第二に、その行為が「業務に関して」されたか。並行して、検査前から存在した教育記録・内部規程・監督記録を原本の日付ごと保全し、選任監督上の過失の推定を覆す材料に組む。これを出すなら起訴前の検察官段階が最も効く。
時効(請求できる期限):本条により法人に科されるのは罰金刑であり、罰金に当たる罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時。行為者本人については各本条の法定刑に応じて時効期間が別に計算されるため、行為者が時効でも組織が残る、あるいはその逆も起こりうる(各本条の法定刑と最新の改正状況をご確認ください)
学説
過失推定説(判例・通説):両罰規定による事業主処罰は、従業者の選任・監督に関する事業主自身の過失を推定したものであり、無過失の証明により免責され得ると解する。責任主義との衝突を吸収する構成として支持されている。
無過失責任説:取締の実効性を重視し、両罰規定を政策的な無過失責任と解する立場。事業主の免責余地を事実上認めない点で判例と帰結が分かれ、現在も責任の性質をめぐる議論が残っている。
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