国民健康保険法 第52条(入院時食事療養費)
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- 市町村及び組合は、被保険者(特定長期入院被保険者を除く。)が、自己の選定する保険医療機関について第三十六条第一項第五号に掲げる療養の給付と併せて受けた食事療養に要した費用について、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員に対し、入院時食事療養費を支給する。ただし、当該世帯主又は組合員が当該被保険者について第五十四条の三第一項又は第二項本文の規定の適用を受けている間は、この限りでない。
- 2.入院時食事療養費の額は、当該食事療養につき健康保険法第八十五条第二項の規定による厚生労働大臣の定める基準の例により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額とする。)から、同項に規定する食事療養標準負担額(以下単に「食事療養標準負担額」という。)を控除した額とする。
- 3.被保険者が保険医療機関について食事療養を受けたときは、市町村及び組合は、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員が当該保険医療機関に支払うべき食事療養に要した費用について、入院時食事療養費として当該世帯主又は組合員に対し支給すべき額の限度において、当該世帯主又は組合員に代わり、当該保険医療機関に支払うことができる。
- 4.前項の規定による支払があつたときは、世帯主又は組合員に対し入院時食事療養費の支給があつたものとみなす。
- 5.保険医療機関は、食事療養に要した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした世帯主又は組合員に対し、厚生労働省令の定めるところにより、領収証を交付しなければならない。
- 6.健康保険法第六十四条並びに本法第三十六条第三項、第四十条、第四十一条、第四十五条第三項から第八項まで及び第四十五条の二の規定は、保険医療機関について受けた食事療養及びこれに伴う入院時食事療養費の支給について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
入院時食事療養費とは何ですか?
定義入院時食事療養費とは、国民健康保険法第52条に定められた規定で、「市町村及び組合は、被保険者(特定長期入院被保険者を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民健康保険法第52条(入院時食事療養費)は、日本の国民健康保険法に含まれる条文です。
- 国民健康保険法第52条の条文原文は「市町村及び組合は、被保険者(特定長期入院被保険者を除く。」で始まります。
- 国民健康保険法第52条は第一節 療養の給付等に置かれています。
- 国民健康保険法の公布日は昭和33年12月27日です。
- 国民健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 国民健康保険法第52条の前の条は国民健康保険法第47〜51条です。
- 国民健康保険法第52条の次の条は国民健康保険法第52条の2です。
- 国民健康保険法第52条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第52条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192 - 本サイト収録
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第52条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000192/52
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民健康保険法52条は、入院中の食事療養について世帯主又は組合員に入院時食事療養費を支給すると定め、支給額は大臣の定める基準による費用額から食事療養標準負担額を控除した額となる。
Q · 入院中の食事代って、保険で3割負担になるんですか?
3割負担ではなく1食あたりの定額を自己負担します
国民健康保険法52条により、入院中の食事療養は「入院時食事療養費」として給付されます。支給額は厚生労働大臣の定める基準で算定した費用額から、食事療養標準負担額(1食あたりの定額)を控除した額です(2項)。つまり一部負担金とは別の計算体系で、患者は定額部分だけを負担します。住民税非課税世帯は標準負担額が下がりますが、市町村へ申請して減額認定証の交付を受け、病院に提示しなければ適用されません。
解説
入院して一番驚くのは、手術代でも薬代でもなく、退院時の請求書に並ぶ「食事療養費」の行かもしれない。国民健康保険法52条は、入院中に病院で出される食事について、保険が費用の大半を負担し、あなたは定額の「食事療養標準負担額」だけを払う仕組みを定めている。ここで押さえるべき点が三つある。第一に、この給付は被保険者本人ではなく「世帯主または組合員」に対して支給される(1項)。国保は世帯単位で動く制度であり、保険証を持っているのが子どもでも、法律上の受給者は世帯主だ。第二に、あなたが窓口で標準負担額しか払わなくて済むのは、3項の「代理受領」の仕組みが働いているからで、残りは市町村が病院へ直接支払っている。第三に、住民税非課税世帯なら標準負担額そのものが下がるが、これは申請して「限度額適用・標準負担額減額認定証」を出さないと適用されない。黙っていれば一般区分のまま満額を取られる。
法的な位置づけ
国民健康保険法52条は入院時食事療養費を定める規定であり、被保険者が保険医療機関で療養の給付と併せて受けた食事療養の費用について、その者が属する世帯の世帯主又は組合員に対して給付を行う。給付額は健康保険法85条2項の基準により算定した費用額から食事療養標準負担額を控除した額とされ、市町村が保険医療機関へ直接支払うことによる代理受領が認められる。
手順
- 1.入院が決まったら同じ月のうちに認定証を申請する 住民税非課税世帯であれば、市町村の国保窓口で「限度額適用・標準負担額減額認定証」を申請する。月をまたいでから申請すると遡及適用されないのが通例のため、入院日と同じ月に申請を収めることが最大のポイント
- 2.認定証を病院の入院受付に提示する 交付された認定証は入院受付・医事課に必ず提示する。提示がなければ医事課は一般区分で計算せざるを得ない。退院後に提示しても再計算を断られる場合がある
- 3.通算90日を超えたら長期入院該当を追加申請する 過去12か月の通算入院日数が90日を超えたら、転院分も含めて領収証・退院サマリーなど入院期間を証明する書類を束ね、市町村国保窓口で長期入院該当の申請を行う。病院任せでは通算日数が拾われないことが多い
- 4.退院時の明細で食事療養標準負担額の区分を検算する 明細書の「食事療養標準負担額」の行を、想定する所得区分・長期入院区分と突き合わせる。区分が違っていれば病院の医事課に再計算と明細の再交付を依頼する。5項により保険医療機関には領収証交付義務がある
よくある質問 AI による整理
Q1入院時食事療養費とは何ですか?
入院中に保険医療機関で受けた食事療養の費用を保険が給付する制度です。国民健康保険法52条が根拠で、大臣基準による費用額から食事療養標準負担額を差し引いた額が支給されます。
Q2入院時食事療養費は誰に支給されますか?
入院している本人ではなく、その被保険者が属する世帯の世帯主又は組合員に支給されます(52条1項)。国保は世帯単位の制度のため、法律上の請求権者は世帯主です。
Q3入院の食事代を安くする方法はありますか?
住民税非課税世帯なら市町村国保窓口で「限度額適用・標準負担額減額認定証」を申請し、病院に提示すれば標準負担額が下がります。申請しなければ一般区分のまま計算されます。
Q4入院が90日を超えると食事代は変わりますか?
住民税非課税世帯は通算90日超で標準負担額がさらに下がる区分に移ります。ただし自動では切り替わらず、入院期間の分かる書類を添えた長期入院該当の申請が必要です。
Q5入院時食事療養費と入院時生活療養費の違いは何ですか?
52条の食事療養費は食事のみが対象です。特定長期入院被保険者になると53条の入院時生活療養費へ移り、食費に加えて光熱水費相当の居住費負担が乗ります。
Q6保険料を滞納していると入院の食事代はどうなりますか?
54条の3の特別療養費の適用を受けている間は52条の支給が停止されます(1項但書)。窓口でいったん全額払い、後から請求する流れになります。
Q7入院時食事療養費の請求に期限はありますか?
償還払いで請求する場合、保険給付を受ける権利は2年で時効消滅します(国民健康保険法110条)。減額認定は遡及しないのが通例なので、実質的な期限は入院した月のうちです。
Q8差額ベッド代も入院時食事療養費の対象になりますか?
なりません。差額ベッド代は保険外の自己負担で、52条の給付対象は食事療養に要した費用のみです。同じ請求書でも根拠条文がまったく違います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1入院中の食事って、結局いくらくらい取られるんですか?
1食あたりの定額(食事療養標準負担額)を負担し、それを超える部分を保険が持つ仕組みです(52条2項)。所得区分により金額が分かれ、住民税非課税世帯はさらに低く、通算90日超でもう一段下がります(具体的な金額は改定されるため最新額をご確認ください)。実務のポイント:医事課の職員は減額区分を知っていても、認定証が手元にない限り一般区分で計算するしかない。入院案内の書類に小さく書いてある「該当する方は認定証をお持ちください」の一行が、実は最大の節約ポイントです
Q2高額療養費で戻ってくるなら、食事代も一緒に戻りますよね?
戻りません。食事療養標準負担額は高額療養費の対象となる一部負担金に含まれないため、限度額を超えた払い戻しを受けても食事代は自己負担のまま残ります。入院が長期化するほどこの差が効いてきます。実務のポイント:長期入院の家計試算をするとき、高額療養費の限度額だけで見積もると必ず足りなくなる。限度額 + 食事代 × 3食 × 日数 + 保険外費用、この三段で組むのが実務の見積もり方です
Q3会計で標準負担額しか払っていないのに、なぜ「支給された」ことになるんですか?
3項で市町村が世帯主に代わって保険医療機関へ直接支払うことができ、4項でその支払いをもって世帯主へ支給があったものとみなされるためです。窓口で現金を受け取っていなくても、法律上は給付が行われています。実務のポイント:この「みなし支給」があるからこそ、受け取り漏れの概念が生じません。逆に資格証明書の世帯など代理受領が働かない場合は、いったん全額払って後から請求する流れになり、2年の時効が現実の問題になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「入院中の食事も治療の一部だから3割負担だろう」と思われがちだが、食事療養費は3割負担の世界にいない。1食あたりの定額(食事療養標準負担額)が決まっていて、保険が負担するのはそれを超える部分である。つまり入院日数が延びるほど、一部負担金とは別の計算で食事代が積み上がる
- 食事代が安く済むこと自体は多くの人が知っている。だが知られていないのは、その安さが「高額療養費の計算に入らない」という点だ。月の医療費が自己負担限度額を超えて高額療養費の払い戻しを受けても、食事療養標準負担額は対象外で、そのまま自己負担として残る。長期入院ほどこの取り残された部分が効いてくる
- 「保険証を出せば自動的に安くなる」という前提そのものが、非課税世帯にとっては誤りである。減額を受けるには市町村への申請と認定証の提示が必要で、法律上も2項は「食事療養標準負担額を控除した額」としか書いていない。どの区分の標準負担額が適用されるかは、あなたが窓口で何を出したかで決まる
- 受給者は入院している本人だと考えるのが自然だが、1項は「世帯主又は組合員に対し」支給すると明記している。世帯主から見れば他人事に見える子や親の入院でも、法律上の請求権者は世帯主だ。この落差は、世帯主と入院者が別居している場合や、世帯主が保険料を滞納して資格証明書になっている場合に牙を剥く
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 給付の対象 | 52条:入院中の食事療養(食事のみ) | 53条:特定長期入院被保険者の生活療養(食事+居住費) 36条:療養の給付(診察・薬剤・処置・入院本体) |
| 患者の負担形態 | 1食あたりの食事療養標準負担額(定額) | 食費相当+居住費相当の生活療養標準負担額 一部負担金(原則3割等の定率) |
| 高額療養費との関係 | 標準負担額は高額療養費の対象外、自己負担として残る | 生活療養標準負担額も高額療養費の対象外 一部負担金は高額療養費の計算対象になる |
| 支給が止まる場面 | 54条の3第1項・2項本文の適用中は不支給(1項但書) | 特定長期入院被保険者に該当した時点で52条から移行 資格喪失・保険外診療は対象外 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も入院給食を保険給付に含めつつ一部自己負担を課す構造で、日本の標準負担額と発想が近い。ただし所得区分ごとの多段階減額という日本型の細分化は限定的
韓国は2006年以降、入院患者の食事代を療養給付に組み入れ、一定割合を本人負担とする方式を採る。日本の『定額負担』ではなく『定率負担』である点が制度設計の分岐
ドイツは食事を入院治療給付に包含し、食事だけを切り出さず、入院1日あたりの Zuzahlung(定額の自己負担)を一定日数を上限に課す。日本の『1食単位』に対し『1日単位』
米国は入院給付に食事を含め、食事単独の給付・負担区分を置かない。自己負担は入院ごとの deductible と入院日数に応じた coinsurance で決まり、所得連動の食事減額という発想自体が存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親が急に入院し、あなたが付き添いで手続きをした。退院時の明細に「食事療養標準負担額」が日数分並んでいる。住民税非課税の親なら1食あたりの負担が下がるはずなのに、認定証を出していなければ一般区分で計算されている。この差は90日を超える入院ならさらに開く
- 入院が長引き、通算90日を超えた。住民税非課税世帯なら、ここから標準負担額がさらに一段下がる区分に移る。ただし自動では切り替わらない。入院期間を証明する書類を持って市町村の国保窓口へ「長期入院該当」の申請をする必要がある。申請が遅れた分は原則として戻らない
- 個室に入りたいと申し出たら、差額ベッド代の同意書を渡された。食事代は52条で保険給付の対象だが、差額ベッド代は保険外。同じ請求書の中に、法律上まったく別の扱いのものが並んでいる。どの行が保険で、どの行が全額自己負担かを見分けられるかで、同意書にサインする前の判断が変わる
- もし入院が180日を超え、医療的な必要性より生活の場としての性格が強いと判断されたらどうなる? その場合は「特定長期入院被保険者」として52条の枠から外れ、53条の入院時生活療養費へ移る。食費に加えて居住費(光熱水費相当)の負担が乗ってくる。同じ病院の同じベッドで、根拠条文が入れ替わる
- 会社を辞めて国保に切り替えたばかりで、まだ保険証が手元に届いていない。そのタイミングで入院になった。病院にはいったん全額払うよう言われる。あと数日で退院という状況で、保険証が届いたら病院に提示して精算し直すか、市町村へ療養費の請求をするか、二つの道がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 入院が決まったら、その月のうちに市町村の国保窓口で「限度額適用・標準負担額減額認定証」を申請する(住民税非課税世帯なら食事の標準負担額が下がる) 2. 認定証は病院の入院受付に必ず提示、退院後に出しても遡及されないことがある3. 入院が通算90日を超えたら、領収証など入院期間の分かる書類を添えて長期入院該当の申請を追加で行う4. 退院時の明細は捨てず、食事療養標準負担額の区分が想定どおりかを確認、違っていれば病院の医事課へ再計算を依頼する
訴えられた側:1. 保険医療機関の側であれば、5項により支払いを受ける際の領収証交付が義務であり、厚生労働省令の定める様式・記載事項を満たす必要がある2. 減額認定証の提示があったのに一般区分で徴収していた場合は、過大徴収分の返還と明細の再交付で早期に是正する3. 食事療養の算定は健康保険法85条2項に基づく厚生労働大臣の定める基準によるため、独自の加算や上乗せ徴収は認められない4. 保険外の差額ベッド代等と食事療養費を明細上明確に区分し、同意書の取得経緯を記録として残す
時効(請求できる期限):入院時食事療養費の支給を受ける権利(償還払いで請求する場合)は、2年で時効消滅する(国民健康保険法110条、起算点は費用を支払った日の翌日)。減額認定証は原則として申請月からの適用で、過去分への遡及は認められないのが通例のため、実質的な期限は「入院した月のうち」である(最新の取扱いは各市町村にご確認ください)
学説
通説(社会保障法学):入院時食事療養費は、在宅療養者が当然に負担する食材費相当を患者に残し、それを超える調理・提供体制のコストを保険が負担する『費用分担の再設計』として理解される。現物給付原則を維持しつつ在宅との公平を確保する制度技術と位置づけられる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成6年(1994年) 新設:健康保険法等の改正により入院時食事療養費制度が創設。それまで療養の給付に包含されていた入院給食を分離し、食事療養標準負担額という定額負担の枠組みを導入した
- 2.平成18年(2006年) 改正:医療制度改革により療養病床に長期入院する高齢者等を対象とする入院時生活療養費(53条)が創設され、特定長期入院被保険者が52条の適用対象から除外される構造となった
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