要点特許法120条の2は、特許異議の審理で審判官が当事者の主張しない理由も職権で審理できる一方、異議申立てのない請求項は審理できないと定める。
Q · 相手の取消理由が弱ければ、特許異議は反論だけで守れますか?
守れません。審判官が職権で別の理由を掘り出せます
特許法120条の2第1項により、審判官は特許権者・申立人・参加人の誰も主張していない理由についても職権で審理できます。そのため相手の取消理由をすべて論破しても、審判官が独自に見つけた先行技術などで特許が取り消されることがあります。ただし第2項により、職権審理が及ぶのは異議申立てがされた請求項に限られ、申立てのない請求項には一切手が届きません。攻める側は取り消したい請求項を漏れなく指定する必要があります。
苦労して取った特許に、ある日見知らぬ第三者から異議申立がされる。申立書を開くと、相手が挙げた取消理由はどれも筋が悪い。これなら反論で楽に守れる、そう胸をなでおろしたあなたが見落としているのが特許法120条の2だ。第1項は、審判官が特許権者も申立人も参加人も誰一人主張していない理由についても、自分で審理してよいと定める。役所が独自に先行技術を掘り起こし、当事者が気づかなかった無効理由で特許を取り消せるということだ。つまり相手の主張に勝つだけでは安全圏に入れない。一方で第2項が歯止めになる。異議が出ていない請求項には、審判官も手を出せない。攻める側は取り消したい請求項を申立書で名指ししなければ土俵にすら上がれず、守る側にとっては異議の出た請求項だけが戦場になる。この職権審理という第二のエンジンの射程を読み違えると、勝ったつもりで特許を失う。
特許法120条の2は、特許異議申立ての審理における職権審理の範囲を定める規定である。第1項は、審判官が特許権者・申立人・参加人の誰も申し立てない理由についても職権で審理できることを認める。第2項は、異議申立てがされていない請求項については審理できないとして、職権審理の対象を当事者の申立ての枠内に限定する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特許掲載公報の発行から6か月以内に、誰でも特許庁に対して特許の取消しを求められる制度です(特許法113条)。請求項単位で申し立て、審判官が取消しの可否を判断します。
審判官が当事者の主張しない取消理由でも自ら審理できることです(特許法120条の2第1項)。役所が独自に先行技術を掘り起こし、誰も挙げなかった理由で特許を取り消せます。
特許掲載公報の発行の日から6か月以内に限られます(特許法113条)。この期間を過ぎると異議の道は閉じ、無効審判(123条)に切り替えるしかありません。
異議は誰でも6か月内に申し立てられる公益的手続で職権審理が広く働きます。無効審判(123条)は利害関係人が期間の制限なく当事者対立構造で争う手続です。
はい。特許無効審判と異なり利害関係は不要で、何人も申し立てられます(特許法113条)。匿名の代理申立ても実務上行われます。
新規性・進歩性の欠如、記載不備、補正要件違反などです。異議で主張できる理由は法定されており、無効審判より範囲が限定される点に注意が必要です。
取消決定が確定すると、その特許権は初めから存在しなかったものとみなされます(特許法114条参照)。維持決定なら特許は存続します。
及びません。特許法120条の2第2項により、異議申立てがされていない請求項は職権でも審理できません。申立書での請求項の指定漏れは取り返しがつきにくいミスです。
特許法120条の2第1項により、審判官は特許権者・申立人・参加人の誰も主張していない理由についても自分で審理できるからです。相手の主張を全部論破しても、審判官が独自に見つけた先行技術などで取り消されることがあります。業界裏話ヒント:実務では、申立書が呼び水になって審判官が周辺技術まで調べ、当初の申立てより広い無効理由が浮上することがある。弱い異議でも油断せず、自社特許の他の弱点を先に潰しておくのが守る側の定石
狙えますが、申立書で取り消したい請求項を明示する必要があります。第2項により、異議申立てがされていない請求項は審判官も審理できません。書き漏らした請求項は、どれほど無効理由が明白でも生き残ります(113条も参照)。業界裏話ヒント:請求項の指定漏れは取り返しがつきにくい典型ミス。提出前に独立項・従属項の対応を一覧化し、潰し残しがないか二重チェックするのが申し立てる側の鉄則
いいえ。職権で当事者が申し立てない理由を審理した場合でも、特許権者には意見を述べ訂正を請求する機会が保障されています(特許法120条の5)。突然取り消されるわけではなく、必ず反論や請求項の訂正のチャンスがあります。業界裏話ヒント:この通知が来た時点で訂正案を一から作り始めると期間が足りなくなりがち。心証通知を受ける前から減縮案を温めておけば、通知と同時に訂正で射程を外せる。準備の有無が生死を分ける
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 120条の2:特許異議の審理における職権審理の範囲 | — |
| 申立適格・期間 | 審理の内部規律のため申立適格の定めなし | — |
| 職権審理の及ぶ範囲 | 異議のある請求項に限る(2項)、理由は職権で拡張可(1項) | — |
| 権利者の防御機会 | 職権で新理由が出ても意見書・訂正請求を保障(120条の5参照) | — |
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