要点特許法120条の5は、取消理由通知を受けた特許権者が指定期間内に限り明細書等を訂正できると定める。訂正は請求項の減縮など四目的に限られ、権利を広げる訂正はできない。
Q · 特許を取り消すって通知が来たけど、もう打つ手はないの?
諦める必要はなく、期間内なら訂正で反撃できます
諦める必要はありません。特許法120条の5第2項により、取消理由通知で指定された期間内であれば、明細書・特許請求の範囲・図面の訂正を請求できます。請求項の減縮など四つの目的に限り書き直して権利範囲を絞り込み、異議理由が届かない位置まで特許を縫合して生き延びさせる手続です。ただし権利を広げる訂正はできず、指定期間を過ぎると訂正の機会そのものを失います。並行する侵害訴訟がある場合は、削りすぎて相手を逃さない幅の設計が要になります。
ある朝、特許庁から一通の書面が届く。「あなたの特許を取り消します」。心臓が冷える。だがその取消理由通知は、ゲームオーバーの宣告ではない。特許法120条の5があなたに与えるのは、たった一度の反撃機会だ。指定された期間内に限り、あなたは特許の中身(明細書、特許請求の範囲、図面)を書き直せる。これを訂正の請求という。ただし書き直せる方向は四つに限定される。請求項を狭める(減縮)、誤記・誤訳を直す、不明瞭な記載を明確にする(明瞭でない記載の釈明)、引用形式の請求項を独立形式にする。権利を広げる方向の訂正は一切できない。つまりこれは、攻撃された特許の傷口を縫合し、相手の異議理由が届かない範囲まで権利を絞り込んで生き延びる、外科手術の権利である。多くの特許権者はこの通知に動転し、自分に縫合の権利が残っていることに気付かないまま期限を逃す。
特許法120条の5は、特許異議申立ての取消理由通知を受けた特許権者に対し、審判長が指定した期間内に限り、願書に添付した明細書・特許請求の範囲・図面の訂正を請求できる権利を定める規定である。訂正の目的は請求項の減縮、誤記・誤訳の訂正、明瞭でない記載の釈明、引用請求項の独立形式化の四類型に限定され、権利範囲を拡張する訂正は許されない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特許庁が特許を取り消そうとする際、特許権者と参加人に取消しの理由を知らせ、意見書提出の機会を与える通知です。この通知が訂正の請求ができる起点になります(特許法120条の5第1項)。
取消理由通知で審判長が指定した期間内に限ります。実務上おおむね60日で、起算点は通知の送達日。1日でも過ぎれば訂正の機会そのものを失い、特許は訂正されないまま取り消されます。
四目的に限られます。請求項の減縮、誤記・誤訳の訂正、明瞭でない記載の釈明、引用形式の請求項の独立化です。権利を広げる方向の訂正は一切できません(120条の5第2項ただし書)。
誰でも申し立てられます(特許法113条)。無関係な個人やダミーを使って匿名同然に競合他社の特許を攻撃することも可能で、取消理由通知の裏に誰がいるか見えないまま防戦することになります。
訂正の請求は異議申立て手続の中で行うもの(120条の5)で、訂正審判(126条)は係属中の異議・無効審判がないときに独立して行う手続です。異議中は訂正審判を請求できません。
あります。訂正の請求があると、審判長は取消理由書面と訂正書類の副本を異議申立人に送付し、意見書提出の機会を与えます(120条の5第5項)。訂正後もなお無効理由が残ると反論できます。
17条の5第1項の補正ができる期間内に限り取り下げられます(120条の5第8項)。ただし請求項ごと・一群の請求項ごとに訂正した場合は、そのすべての請求をまとめて取り下げなければなりません。
ある請求項の記載を他の請求項が引用する関係などがあり、経済産業省令で定める関係を有するひとまとまりの請求項です。この場合は一群ごとにまとめて訂正しなければなりません(120条の5第4項)。
あります。120条の5第2項により、指定された期間内なら訂正の請求ができます。請求項を狭める、誤記を直すなどの方向で特許を書き直し、異議理由をかわして生き延びる道です。業界裏話ヒント:取消理由通知が来た段階で訂正請求による対応は珍しくありません。ただし慌てて全請求項を大幅に削ると後の侵害訴訟で不利になるため、異議理由に的を絞った最小限の減縮を設計するのが弁理士の腕の見せ所です。
いいえ。120条の5第3項により、訂正は請求項ごとにできます。異議が請求項ごとに申し立てられた場合は、むしろ請求項ごとに訂正しなければなりません。ただし引用関係でつながった一群の請求項がある場合は、その群ごとにまとめて訂正する必要があります(第4項)。業界裏話ヒント:一群の請求項の範囲を読み違えると、訂正そのものが不適法とされかねません。どの請求項が一群を構成するかは経済産業省令の定義に従う、弁理士でも慎重に確認する論点です。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の場面 | 120条の5:特許異議申立て手続の中での訂正の請求 | — |
| 請求できる時期 | 取消理由通知で指定された期間内に限る | — |
| 訂正の目的(四類型) | 減縮・誤記誤訳訂正・釈明・引用独立化に限定 | — |
| 相手方の関与 | 異議申立人に副本送付・意見書提出の機会(第5項) | — |
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