特許法 第120条の4(申立ての取下げ)
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- 特許異議の申立ては、次条第一項の規定による通知があつた後は、取り下げることができない。
- 2.第百五十五条第三項の規定は、特許異議の申立ての取下げに準用する。
この条文の基本情報
申立ての取下げとは何ですか?
定義申立ての取下げとは、特許法第120条の4に定められた規定で、「特許異議の申立ては、次条第一項の規定による通知があつた後は、取り下げることができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第120条の4(申立ての取下げ)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第120条の4の条文原文は「特許異議の申立ては、次条第一項の規定による通知があつた後は、取り下げることができない。」で始まります。
- 特許法第120条の4は第五章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第120条の4の前の条は特許法第120条の3です。
- 特許法第120条の4の次の条は特許法第120条の5です。
- 特許法第120条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第120条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第120条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/120_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法120条の4は、取消理由通知(120条の5第1項)が出た後は特許異議の申立てを取り下げられないと定める。異議は公益的な制度のため、通知後は申立人の意向で止められない。
Q · 競合特許に出した異議、和解できたので取り下げたいのですが、いつでも取り下げられますか?
取消理由通知が出る前までです
特許法120条の4第1項により、特許異議の申立ては、次条(120条の5第1項)の取消理由通知があった後は取り下げることができません。通知前であれば自由に取り下げられますが、通知後は申立人が和解しても異議は特許庁が公益判断として進めます。なお2項は155条3項を準用し、複数の請求項に申し立てた場合は請求項ごとに取り下げられると定めます。和解で異議を消したいなら、取消理由通知が出る前に取下書を提出しなければ手遅れになります。
解説
競合の特許に異議を申し立てたあと、その会社とライセンス交渉がまとまり、異議を取り下げたくなった。ここで多くの人がつまずく。特許異議は、いつでも自由に取り下げられるわけではない。特許法120条の4は、特許庁が取消理由通知(次条120条の5第1項、特許に取消理由ありとして特許権者に反論の機会を与える通知)を出した後は、もう取り下げられないと定める。特許異議が当事者間の私的な争いではなく、瑕疵ある特許を公益の観点から見直す制度だからだ。役所が一度この特許には問題があると動き出せば、申立人の都合では止められない。和解で異議を消したいなら、通知が出る前に動かなければ手遅れになる。なお2項は、複数の請求項に異議を申し立てた場合、請求項ごとに取り下げられると定める(155条3項準用)。
法的な位置づけ
特許法120条の4は、特許異議の申立ての取下げの時期的制限を定める規定である。取消理由通知(120条の5第1項)があった後は取下げが許されず、複数請求項に対する申立ては155条3項の準用により請求項ごとに取り下げられる。特許異議が公益的な特許再点検制度である点を制度的に担保する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.特許庁の審理状況を確認する 取下げを検討する前に、特許庁の審理経過を確認し、取消理由通知(120条の5第1項)が既に発せられているかを調べる。通知前であれば取下げの自由がまだ生きている
- 2.和解と取下げをセットで設計する ライセンス交渉や和解を進める場合、取消理由通知が出る前に取下げを完了できるよう逆算する。交渉のデッドラインは相手の都合ではなく特許庁の審理スケジュールが決める
- 3.請求項ごとの部分取下げを検討する 複数請求項に異議を申し立てている場合、155条3項の準用(120条の4第2項)により請求項ごとに取り下げられる。本丸の請求項への異議は残し、一部だけ和解で畳む部分的手仕舞いを設計する
- 4.取消理由通知前に取下書を提出する 取消理由通知が出る前に取下書を特許庁へ提出する。通知後は取下げが不可能となるため、提出のタイミングが決定的に重要。通知後で取下げ不能なら、意見書を控えめにして審理を積極的に煽らない方向へ切り替える
よくある質問 AI による整理
Q1特許異議の申立ては取り下げできますか?
取消理由通知が出る前なら自由に取り下げられます(特許法120条の4)。ただし次条の取消理由通知があった後は取下げ不可となり、申立人の都合では止められません。
Q2取消理由通知が出た後に異議を取り下げられますか?
できません。特許法120条の4第1項が、120条の5第1項の取消理由通知後の取下げを明文で禁じています。以後は特許庁が公益判断として審理を進めます。
Q3特許異議申立と特許無効審判の違いは何ですか?
異議は公益的な付与後の再点検制度で何人も申立て可、書面審理中心です。無効審判(123条)は当事者対立構造で利害関係人が請求し、口頭審理も予定される点が異なります。
Q4特許異議はいつまで申し立てられますか?
特許掲載公報の発行日から6月以内です(特許法113条)。この期間を過ぎると異議申立てはできず、瑕疵を争うには無効審判(123条)によることになります。
Q5複数の請求項に異議を申し立てた場合、一部だけ取り下げられますか?
できます。特許法120条の4第2項が155条3項を準用し、請求項ごとの取下げを認めます。本丸の請求項への異議を残し、一部だけ和解で畳むことが可能です。
Q6特許異議を取り下げると特許はどうなりますか?
取消理由通知前の適法な取下げにより異議手続は終了し、特許は維持されます。ただし通知後は取下げできず、訂正の請求などで瑕疵を修補しない限り取消しの余地が残ります。
Q7特許異議で取消決定が出たら不服申立てはできますか?
特許権者は取消決定の謄本送達から所定期間内に知的財産高等裁判所へ審決等取消訴訟(特許法178条)を提起できます。最新の出訴期間はご確認ください。
Q8取消理由通知を受けた特許権者は何をすべきですか?
指定期間内に意見書を提出し、訂正の請求(特許法120条の5)で特許の瑕疵を修補します。訂正で取消理由を解消できれば特許は維持されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1和解したのに、異議を取り下げられないって言われました。もう打つ手はないんですか?
取消理由通知(120条の5第1項)が出た後は取下げできません(120条の4第1項)。異議自体は特許庁が公益の観点で進めます。ただし特許権者が訂正の請求で特許を維持する方向に動けば、結果的に取り消されずに済むことはあります。実務のポイント:取下げ不能になった後は、申立人が積極的な意見書を出さず審理を実質的に静かにさせる、という手当てをします。取下げと同じ効果は狙えませんが、火に油を注がない動きはできる
Q2そもそも異議って誰でも出せるんですよね?だったら取り下げも自由なんじゃ?
申立ては何人もできます(113条)が、取下げの自由は取消理由通知が出るまで(120条の4)です。誰でも出せることと、出した後に自由に畳めることは別問題です。実務のポイント:誰でも出せる仕組みを逆手に取り、本当の利害関係者が第三者名義で異議を出すことがあります。だが名義を隠しても、役所が動き出せば取下げの自由は消える。名義より審理の進み具合を読むのが玄人の発想です
間違えやすい点 AI による整理
- 異議は申立人のものだから、いつでも引っ込められると思いがちだが、取消理由通知が出た後は不可能になる。制度は申立人の意向ではなく、特許の質を守るために動く
- あなたから見れば、異議は競合を叩く私的な武器に見える。だが特許庁から見れば、誤って付与された特許を公益のために再点検する手続だ。この視点の落差が、途中で取り下げられないという結論を生む
- 取り下げられないこと自体は知っていても、その深刻さを見落としている人が多い。和解金を払って手打ちにしたつもりでも、異議は独立に進み、特許が取り消されれば相手の特許資産そのものが消える。和解の前提が後から崩れることがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 特許法120条の4:異議申立ての取下げ(公益的再点検) | 特許法155条:審判請求の取下げ(当事者対立手続) 特許法123条:特許無効審判(当事者主導の瑕疵是正) |
| 取下げの締切 | 取消理由通知(120条の5第1項)の後は取下げ不可 | 審決確定まで(相手方が答弁後は同意が必要な場合あり) 無効審判は取下げ規律が別途155条による |
| 請求項ごとの取下げ | 155条3項準用により請求項ごとに可(120条の4第2項) | 155条3項で請求項ごとに可 無効審判も請求項ごとに請求・取下げ可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2003年に異議(付与後異議)を廃止し舉發(無効審判に相当)へ統合した。日本のような公益的異議の独立枠組みは持たない点で構造が異なる。
韓国は2017年に特許取消申請制度を導入。日本の付与後異議に近く、何人も申請可能な公益型手続として設計されている。
ドイツの異議(Einspruch)は付与後一定期間内に申し立てる制度で、日本の付与後異議の制度設計に影響を与えた源流の一つとされる。
米国は2011年 AIA により付与後レビュー(PGR)を導入。当事者系手続の色彩が強く、和解による終了が制度上より広く認められる点で日本と異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 和解がまとまりかけている。だが特許庁の審理がどこまで進んでいるか見えていない。もし明日にでも取消理由通知が出てしまったら、あなたが交渉材料にしていた異議の取下げは、もう差し出せなくなる。残された猶予を握っているのは、相手ではなく役所だ
- あなたが特許権者で、第三者から異議を申し立てられた。申立人と裏で話がつき取り下げてもらえると油断していたら、すでに取消理由通知が出ていた。ここから先、申立人がいくら取り下げたくても異議は進む。あなたは訂正の請求で自分の特許を守るしかない
- 複数の請求項に異議を出した。一部だけ和解で手を引きたい。155条3項の準用で、請求項ごとの取下げができる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず特許庁の審理状況を確認し、取消理由通知(120条の5第1項)が出ているか調べる。出ていなければ取下げの自由はまだ生きている2. 和解と取下げをセットで設計し、取消理由通知が出る前に取下書を提出する3. 複数請求項なら155条3項準用で請求項ごとの取下げを検討、本丸は残して一部だけ畳む4. 通知後で取下げ不能なら、意見書を控えめにして審理を積極的に煽らない方向へ切り替える
訴えられた側:1. 異議を申し立てられたら、申立人との和解だけに頼らない。取消理由通知が出れば、申立人が取り下げても異議は進む2. 取消理由通知を受けたら、指定期間内に意見書と訂正の請求(120条の5)で特許の瑕疵を修補する3. 訂正で取消理由を解消できれば特許は維持される4. 取消決定が出たら、出訴期間内に知財高裁へ審決取消訴訟(178条)を提起する
時効(請求できる期限):異議申立て自体は特許掲載公報の発行日から6月以内(113条)。取下げができるのは取消理由通知(120条の5第1項)が出るまでで、通知後は取下げ不可(120条の4第1項)。取消決定に対する審決取消訴訟は決定謄本の送達から30日以内(178条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:特許異議は公益的な付与後の再点検制度であり、取消理由通知は特許庁が公益判断にコミットする一点である。120条の4はこの通知を境界線として、通知前は申立人の処分の自由、通知後は公益優先と切り分けるものと理解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成27年(2015年)4月1日施行 特許異議申立制度の再導入に伴い新設。2003年に一度廃止された付与後異議制度が、特許の早期安定化を目的とする簡易な手続として復活し、その取下げの時期的制限を定めた
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:特許異議申立制度の再導入に伴い新設。2003年に一度廃止された付与後異議制度が、特許の早期安定化を目的とする簡易な手続として復活し、その取下げの時期的制限を定めた。平成27年(2015年)4月1日施行。
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