特許法 第120条の7(決定の確定範囲)
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- 特許異議の申立てについての決定は、特許異議申立事件ごとに確定する。ただし、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定めるところにより確定する。
- 一請求項ごとに特許異議の申立てがされた場合であつて、一群の請求項ごとに第百二十条の五第二項の訂正の請求がされた場合当該一群の請求項ごと
- 二請求項ごとに特許異議の申立てがされた場合であつて、前号に掲げる場合以外の場合当該請求項ごと
この条文の基本情報
決定の確定範囲とは何ですか?
定義決定の確定範囲とは、特許法第120条の7に定められた規定で、「特許異議の申立てについての決定は、特許異議申立事件ごとに確定する。ただし、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定めるところにより確定する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第120条の7(決定の確定範囲)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第120条の7の条文原文は「特許異議の申立てについての決定は、特許異議申立事件ごとに確定する。ただし、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定めるところにより確定する。」で始まります。
- 特許法第120条の7は第五章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第120条の7の前の条は特許法第120条の6です。
- 特許法第120条の7の次の条は特許法第120条の8です。
- 特許法第120条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第120条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第120条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/120_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法120条の7は、特許異議の決定の確定単位を定める。原則は申立事件ごとだが、請求項ごとの異議は当該請求項ごと、一群の訂正請求があればその一群ごとに確定する。
Q · 特許の一部の請求項に異議が出たら、特許まるごと確定が止まるの?
いいえ、確定は請求項ごとや一群ごとに分かれます
特許法120条の7により、特許異議の決定は原則として特許異議申立事件ごとに確定します。ただし請求項ごとに異議が申し立てられた場合は当該請求項ごとに、一群の請求項ごとに訂正の請求がされた場合はその一群ごとに確定します。つまり狙われていない請求項は別個に維持確定し、侵害訴訟やライセンス交渉の武器として使い続けられます。取り消された請求項だけを知財高裁で争う分割戦略も成り立ちます。
解説
あなたの会社が取得した特許に、競合が特許異議を申し立ててきた。請求項が10個あるうち、相手が狙ったのは3個だけ。ここで多くの人が誤解する。「異議が出たら特許全体が宙に浮く」と。違う。120条の7は、決定が確定する単位を細かく刻む条文だ。原則は異議事件ごとだが、請求項ごとに異議が申し立てられた場合は当該請求項ごとに、一群の請求項ごとに訂正の請求がされた場合はその一群ごとに確定する。つまり狙われていない7個の請求項は無傷のまま維持確定し、あなたはそれを武器に侵害訴訟やライセンス交渉を続けられる。取り消された請求項だけを知財高裁で別個に争う、という分割戦略が成り立つ。確定の単位を理解しているかどうかで、特許という資産の守り方が根本から変わる。
法的な位置づけ
特許法120条の7は、特許異議の申立てについての決定が確定する単位を定める規定である。原則は特許異議申立事件ごとに確定するが、請求項ごとに異議が申し立てられ、かつ一群の請求項ごとに訂正の請求がされた場合はその一群ごとに、それ以外は当該請求項ごとに確定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.異議申立書で狙われた請求項を特定する 異議申立書を受け取ったら、まず全請求項のうちどれが異議の対象かを線で囲んで特定する。狙われていない請求項は別個に確定して維持されることを前提に、事業上重要な請求項が守られているかを確認する
- 2.訂正の請求の単位を設計する 訂正の請求(特許法120条の5第2項)を、一群の請求項ごとに出すか請求項ごとに出すかを設計する。この単位の選び方で決定の確定単位が決まるため、重要な請求項を弱い請求項の取消しに巻き込まれない独立単位に切り出す
- 3.維持確定した請求項を権利行使に活用する 維持決定が確定した請求項は、他の請求項が係属中でもそのまま侵害訴訟やライセンス交渉に用いる。相手の「異議係属中だから権利行使できない」という主張には確定範囲を根拠に反論する
- 4.取消決定は確定単位ごとに出訴を判断する 取消決定が出た請求項について、謄本送達から30日以内に知的財産高等裁判所へ審決取消訴訟を提起するかを、確定単位ごとに切り分けて判断する。争う価値のある請求項に訴訟リソースを集中させる
よくある質問 AI による整理
Q1特許異議申立てとは何ですか?
特許掲載公報発行から6か月以内に、誰でも特許庁に対し特許の取消しを求められる制度です(特許法113条)。異議理由が認められると当該請求項が取り消されます。
Q2特許異議の決定はいつ確定しますか?
原則は特許異議申立事件ごとに確定します。ただし請求項ごとの異議は当該請求項ごと、一群の請求項ごとの訂正請求があればその一群ごとに確定します(特許法120条の7)。
Q3特許異議で維持された請求項は権利行使できますか?
できます。維持確定した請求項は、他の請求項が係属中でも有効に行使でき、侵害訴訟やライセンス交渉の根拠になります(特許法114条)。
Q4取消決定に不服がある場合はどうすればいいですか?
特許権者は決定謄本の送達から30日以内に知的財産高等裁判所へ審決取消訴訟を提起できます(特許法178条)。確定単位ごとに出訴の要否を判断します。
Q5維持決定に不服申立てはできますか?
できません。特許を維持する旨の決定に対しては、申立人側も不服の訴えを起こせません。争えるのは取消決定に対する特許権者からの出訴に限られます。
Q6特許異議申立てと特許無効審判の違いは?
異議は公報発行後6か月以内・誰でも・書面審理中心の公益的制度、無効審判は利害関係人が期間制限なく請求する当事者対立構造の制度です。
Q7取消決定の審決取消訴訟の出訴期間は何日ですか?
決定の謄本送達日から30日以内です(特許法178条3項、不変期間は同4項)。本条により確定単位ごとに期間が観念されます。
Q8特許異議は誰が申し立てられますか?
利害関係の有無を問わず「何人も」申し立てられます(特許法113条)。無効審判が利害関係人に限られる点と異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1特許の一部の請求項だけ異議で取り消されたら、特許まるごと無効になるんですか?
なりません。120条の7により、決定は請求項ごと、または一群の請求項ごとに確定します。取り消されるのは異議が認められた請求項だけで、残りは別個に維持され引き続き有効です(特許法114条)。実務のポイント:侵害訴訟で被告が異議申立を持ち出してきても、狙われていない請求項に基づく請求はそのまま生きている。「異議係属中だから権利行使できない」という相手の主張には、確定範囲の条文一本で反論できる
Q2一群の請求項って何ですか? 普通の請求項ごととどう違うんですか?
引用関係などで一体として訂正すべき請求項のまとまりを指します。請求項2が請求項1を引用している場合、1を訂正すると2も連動するため、両者は一群として一括で訂正請求し、一群ごとに確定します(特許法120条の5)。実務のポイント:訂正の請求をどの単位で出すかで確定の単位が変わる。一群を広く取れば手間は減るが、一つの請求項の弱点が群全体を巻き込むリスクもある。訂正の設計は、そのまま確定戦略の設計だ
間違えやすい点 AI による整理
- 「特許の請求項が一つでも異議で取り消されたら、特許全体が無効になる」と思われているが、120条の7は決定を請求項ごと、または一群の請求項ごとに確定させる。取り消されるのは攻撃が成功した請求項だけで、ほかは別個に維持され生き残る
- 確定が「請求項ごと」に分かれること自体は知っていても、その確定単位が出訴期間の起算や、侵害訴訟で行使できる権利範囲まで左右することは見落とされがちだ。単位の話は手続の入口ではなく、戦略の根幹に直結している。深刻度を読み違えると、戦える請求項を自ら手放す
- 「異議申立中の特許は権利行使できない」という前提で交渉に臨む人がいるが、その問いの立て方そのものが誤っている。確定した維持請求項は、ほかの請求項が係属中でも有効に行使できる。問うべきは『どの請求項が、いつ確定するか』だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 確定する対象 | 特許法120条の7:特許異議の申立てについての決定 | 特許法167条の2:無効審判の審決 特許法178条:審決等に対する訴え(出訴期間) |
| 原則の確定単位 | 特許異議申立事件ごと | 審判事件ごと 決定・審決の謄本送達を起点に個別に進行 |
| 細分化する単位 | 請求項ごと/一群の請求項ごと(訂正請求の単位に連動) | 請求項ごと/一群の請求項ごと 確定単位ごとに30日の出訴期間が観念される |
| 手続の性質 | 公益的・何人も申立可・書面審理中心 | 当事者対立構造・利害関係人が請求 司法審査(知財高裁)への移行局面 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の挙発(無効類似手続)でも審定は各請求項ごとに行い得るとされ、請求項単位で権利の存否が分かれる点は日本の確定単位と発想が近い。
韓国は2017年に日本の異議制度に類似する特許取消申請を導入。請求項単位での取消し・維持という構造が共通する。
ドイツの付与後異議手続は、特許を全部または一部(請求項単位)で維持・限定・取消しできる。日本の確定単位設計が参照した源流の一つ。
米国 IPR/PGR ではクレームごとに特許性を判断し、Final Written Decision がクレーム単位で確定する。請求項単位で権利が分かれる点が共通する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自社の主力製品を守る特許に、競合が異議を申し立ててきた。請求項8個のうち狙われたのは2個。残り6個は確定して維持され、あなたはその6個を根拠に侵害訴訟を継続できる。「異議が出た特許は使えない」という思い込みが、交渉のテーブルであなたを不利にする
- もし、あなたが異議を申し立てる側だとしたら? 相手の特許10請求項すべてを潰したいなら、どの単位で攻めるかを最初に設計しないと、相手は一群の請求項ごとの訂正請求で一部を生き残らせる。コストをかけても狙った請求項しか取り消せず、残りで権利行使され続ける
- 取消決定の謄本が届いた。あと30日で知財高裁への出訴期限。だが確定したのは10請求項のうち取り消された3個だけで、残り7個は別個に維持確定している。どの請求項について、いつから期限が走るのか、本条を読まずに動くと出訴のタイミングを丸ごと誤る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 異議申立書を受け取ったら、どの請求項が狙われているかを特定。狙われていない請求項は確定して生き残ることを前提に、事業上重要な請求項が守られているか確認2. 訂正の請求(120条の5第2項)を、一群の請求項ごとか請求項ごとか、どの単位で出すか設計する。確定の単位がこれで決まる3. 維持された請求項は侵害訴訟やライセンス交渉でそのまま活用4. 取消決定が出た請求項は、謄本送達から30日以内に知財高裁へ出訴するか判断する
訴えられた側:1. 相手の特許を潰したい範囲を最初に確定。一部の請求項だけ取り消しても、残りで権利行使される可能性を織り込む2. 請求項ごとに異議を申し立て、確定が請求項単位で切れるよう設計3. 相手が一群の請求項で訂正請求してきたら、その一群全体の確定を見据えて反論を組む4. 維持決定には申立人側から出訴できない点に注意(取消決定のみ特許権者が出訴可能、特許法114条・178条)
時効(請求できる期限):取消決定に対する訴え(審決取消訴訟)は、決定の謄本の送達日から30日以内に知的財産高等裁判所へ提起(特許法178条1項・3項、不変期間は同4項)。本条により確定の単位が請求項ごと等に分かれるため、出訴期間も確定単位ごとに観念される。維持決定には不服の訴えを起こせない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:120条の7は、争いのない請求項の早期安定と、争いのある請求項の個別救済を両立させるため、確定の単位を請求項ごと・一群の請求項ごとに細分化したものと理解される。訂正請求の単位と確定単位が連動する点に制度設計の核心がある。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成27年(2015年)4月1日施行 平成15年(2003年)に無効審判へ統合され廃止されていた特許異議申立制度の復活に伴い、120条の2から120条の8とともに新設。決定の確定単位を請求項ごと、一群の請求項ごとに細分化する規律を明文化した
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:平成15年に無効審判へ統合され廃止されていた特許異議申立制度の復活に伴い、120条の2から120条の8とともに新設。決定の確定単位を請求項ごと・一群の請求項ごとに細分化する規律を明文化。平成27年(2015年)4月1日施行。
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