受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

特許法 第17条の5(訂正に係る明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)

クイックジャンプ
  1. 特許権者は、第百二十条の五第一項又は第六項の規定により指定された期間内に限り、同条第二項の訂正の請求書に添付した訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。
  2. 2.特許無効審判の被請求人は、第百三十四条第一項若しくは第二項、第百三十四条の二第五項、第百三十四条の三、第百五十三条第二項又は第百六十四条の二第二項の規定により指定された期間内に限り、第百三十四条の二第一項の訂正の請求書に添付した訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。
  3. 3.訂正審判の請求人は、第百五十六条第一項の規定による通知がある前(同条第三項の規定による審理の再開がされた場合にあつては、その後更に同条第一項の規定による通知がある前)に限り、訂正審判の請求書に添付した訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。

この条文の基本情報

訂正に係る明細書、特許請求の範囲又は図面の補正とは何ですか?

定義訂正に係る明細書、特許請求の範囲又は図面の補正とは、特許法第17条の5に定められた規定で、「特許権者は、第百二十条の五第一項又は第六項の規定により指定された期間内に限り、同条第二項の訂正の請求書に添付した訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面について補…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 特許法第17条の5(訂正に係る明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)は、日本の特許法に含まれる条文です。
  2. 特許法第17条の5の条文原文は「特許権者は、第百二十条の五第一項又は第六項の規定により指定された期間内に限り、同条第二項の訂正の請求書に添付した訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面について補…」で始まります。
  3. 特許法第17条の5は第一章 総則に置かれています。
  4. 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 特許法第17条の5の前の条は特許法第17条の4です。
  7. 特許法第17条の5の次の条は特許法第18条です。
  8. 特許法第17条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第17条の5
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121
  • 本サイト収録特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第17条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/17_5

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点特許法17条の5は、訂正の請求書に添付した明細書等の補正を、無効審判では審判長の指定期間内、訂正審判では審理終結通知の前までに限り認める。期間経過後は補正できない。

Q · 訂正の請求書を出した後にミスに気づいたら、もう直せないの?

限られた期間内なら補正できるが、期間経過後は不可

特許法17条の5により、訂正の請求書に添付した訂正明細書・特許請求の範囲・図面は、限られた期間内であれば補正できます。無効審判なら審判長が指定した期間内(134条1項・2項、134条の2第5項ほか)、訂正審判なら156条1項の審理終結の通知が来る前まで、特許異議申立てなら120条の5第1項・第6項の指定期間内です。ただし補正は元の訂正の枠内に限られ、要旨を変更する書き換えはできません。期間を一日でも過ぎれば補正はできず、不備を抱えた訂正のまま審理が進みます。

解説

あなたの会社の主力製品を支える特許に、競合が無効審判を仕掛けてきた。弁理士は防御策として訂正の請求を出す。クレームを少し狭めて無効理由をかわす、最後の盾だ。ところがその訂正請求書に新規事項を紛れ込ませてしまった、あるいは記載に不備があった。多くの人はここで終わりだと思う。違う。特許法17条の5は、その訂正の補正、つまり「直しの直し」を認める。ただし窓は狭い。無効審判なら審判長が指定した期間内、訂正審判なら審理終結の通知が来る前まで。この期間を一日でも過ぎれば、欠陥を抱えた訂正がそのまま審理され、特許全体が無効審決へ向かいかねない。盾を修理するチャンスは存在する。だが、それを知っているか、そして窓が閉じる前に動けるか。その差が、数億円の特許の生死を分ける。

法的な位置づけ

特許法17条の5は、訂正の請求書または訂正審判の請求書に添付した訂正明細書・特許請求の範囲・図面の補正を認める手続規定である。特許異議申立て、特許無効審判、訂正審判の各手続において、法定または審判長の指定する期間内に限り、既にした訂正の枠内で記載の不備を整えることを許容する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.訂正請求と同時に補正可能期間の終期を特定 訂正の請求書を提出した瞬間に、無効審判なら審判長の指定期間、訂正審判なら156条1項の審理終結通知、異議申立てなら120条の5の指定期間という補正の終期をカレンダーに赤で記入する
  2. 2.取消理由通知・不備の点検 審判官から取消理由通知や補正指令が届いたら、新規事項の追加、記載不備、実質的拡張・変更の有無を洗い出す。放置は禁物で、通知が届いた時点で補正の窓が開いたと捉える
  3. 3.要旨変更にならない補正書を設計 補正は元の訂正の枠内でのみ許されるため、要旨を変更せず、補正後の訂正が126条の訂正要件(新規事項追加禁止・実質的拡張変更禁止)を満たすように書き直す
  4. 4.指定期間内に補正書を提出 審判長の指定期間または審理終結通知の前までに補正書を提出する。期間を逃しそうなら、審判長への対応を早めに弁理士と協議し、遅延を避ける

よくある質問 AI による整理

Q1訂正の補正とは何ですか?

訂正の請求書に添付した明細書・特許請求の範囲・図面の記載の不備を、期間内に整える手続です。特許法17条の5が根拠で、元の訂正の枠内でのみ許されます。

Q2訂正の請求書の補正はいつまでできますか?

無効審判なら審判長の指定期間内、訂正審判なら156条1項の審理終結通知の前まで、異議申立てなら120条の5の指定期間内です。いずれも経過すると補正できません。

Q3無効審判で訂正の補正ができる期間は?

134条1項・2項、134条の2第5項、134条の3、153条2項、164条の2第2項により審判長が指定した期間内に限られます。指定は想像より短いことが多いです。

Q4訂正審判の補正はいつまで?

訂正審判の請求人は、156条1項の審理終結の通知がある前まで補正できます。審理が再開された場合は、再度の終結通知の前までです。

Q5訂正の補正で要旨変更は認められますか?

認められません。補正は元の訂正の枠内に限られ、要旨を変更して実質的に新たな訂正にあたる書き換えはできません。補正後も126条の訂正要件を満たす必要があります。

Q6特許異議申立てで訂正の補正はできますか?

できます。120条の5第1項・第6項の指定期間内に限り、同条2項の訂正の請求書に添付した明細書等を補正できます。これが17条の5第1項の対象です。

Q7訂正の補正を怠るとどうなりますか?

不備を抱えた訂正がそのまま審理され、訂正が認められないまま無効理由が残れば、特許が無効審決に向かうおそれがあります。期間管理が生死を分けます。

Q8取消理由通知が来たらどう動くべきですか?

補正の窓が開いた合図です。指定期間の初日から、要旨変更にならない清潔な補正書を準備して即提出します。延長は保証されません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1訂正の請求書を出した後にミスに気づきました。もう取り返しがつかないんですか?

いいえ。特許法17条の5により、限られた期間内であれば訂正請求書に添付した明細書・特許請求の範囲・図面を補正できます。無効審判なら審判長の指定期間内、訂正審判なら第156条1項の審理終結通知の前までです。実務のポイント:この期間は審判長の手続裁量で決まり、想像より短いことが多い。取消理由通知が来た時点で「補正の窓が今開いた」と捉え、待たずに動くのが鉄則。窓が閉じてから慌てても、欠陥を抱えた訂正がそのまま審理される

Q2補正で、最初の訂正の中身を大きく書き換えてもいいんですか?

原則できません。17条の5の補正は手続をやり直す制度ではなく、元の訂正の枠内で不備を整える制度です。要旨を変更し実質的に新たな訂正にあたる補正は認められない傾向にあり、補正後の訂正も第126条の訂正要件(新規事項の追加禁止、実質的拡張・変更の禁止)を満たす必要があります。実務のポイント:だからこそ最初の訂正の設計が天井を決める。補正で救えるのは「ひび」であって「設計ミス」ではない。一発目の訂正を弁理士と詰め切っておくことが、結局いちばんの保険になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「訂正の請求書を出したら内容は確定で、もう直せない」と思い込まれているが、17条の5は限られた期間内の補正を認めている。提出した瞬間に終わりではない
  • 補正できること自体は知っていても、その期間がいかに短く、審判長の指定や審理終結通知に縛られているかを甘く見ている人が多い。一日の遅れが特許の生死を決める、その深刻さを過小評価している(深化型の盲点)
  • 「補正で訂正をやり直せるなら、最初の訂正は多少雑でいい」という発想そのものが誤っている。補正は元の訂正の範囲内でしか許されず、要旨を変えるような書き直しはできない。最初の訂正の設計がすべての天井を決める
比較の観点この条文ほかの条文
手続の位置づけ17条の5:既にした訂正の請求書等を直す「補正」134条の2:無効審判で特許を守る「訂正の請求」本体
126条:独立の「訂正審判」および訂正要件
補正・訂正ができる期間審判長の指定期間内 / 156条の審理終結通知の前まで答弁書提出期間など審判長が指定した期間内
特許が有効に存続する間(無効審判係属中は不可)
内容の限界元の訂正の枠内、要旨変更不可(131条の2準拠)126条の訂正要件を満たす範囲
新規事項追加禁止・実質的拡張変更禁止
失敗したときの帰結補正不可 → 不備のある訂正のまま審理訂正不成立 → 無効理由が残り無効審決へ
訂正審判不成立 → 権利範囲は従前のまま

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国専利法第67条・第77条

台湾も挙発(無効審判に相当)審査中の更正を認め、更正は原則としてクレームの減縮など限定的方向でのみ許される点で日本と近い。

韓国
대한민국 특허법 제133조의2

韓国は無効審判手続内での訂正請求を制度化し、訂正の範囲を限定する点で日本の134条の2・17条の5の構造に類似する。

ドイツ
PatG § 83

ドイツは連邦特許裁判所の無効訴訟において、裁判所のHinweis後に特許権者が限定した形で特許を防御する。補正の窓を細かな指定期間で区切る日本とは運用が異なる。

アメリカ
35 U.S.C. § 316(d)

米国はIPR(当事者系レビュー)において特許権者がクレーム補正の申立て(motion to amend)を行える。補正はクレーム数の合理的範囲と新規事項不追加が要件となる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 競合からの無効審判で訂正を出したが、審判官から「訂正に新規事項が含まれる」との取消理由通知が届いた。応答期間はあと20日。この期間こそ17条の5が開く補正の窓だ。気づかず放置すれば、訂正は認められず、特許は無効審決へ滑り落ちる
  • もし相手の特許権者が、無効審判の途中で訂正をさらに補正してきたら? あなたは請求人として、その補正が元の訂正の範囲を超えていないか、要旨を変更していないかを精査し、補正の不適法を主張できる。相手の「直しの直し」の隙を突くのが攻め手になる
  • 訂正審判を単独で請求した。審理終結の通知が届く前なら、訂正内容の補正がまだ間に合う。通知が出た後は一切受け付けられない。

取るべき行動

被害を受けた側:1. 訂正の請求書を出した瞬間に補正可能期間の終期を特定する。無効審判なら取消理由通知や審判長の指定期間、訂正審判なら審理終結通知が来る前。2. 記載不備や新規事項に気づいたら、指定期間内に補正書を提出する。3. 補正は元の訂正の範囲を超えられないため、要旨変更にならない枠内で設計し直す。4. 期間を逃しそうなら、審判長への対応を早めに弁理士と協議する

訴えられた側:1. 相手方特許権者が訂正を補正してきたら、その補正が17条の5の指定期間内に適法になされたかをまず確認する。2. 補正が元の訂正の範囲を超え、実質的に新たな訂正になっていないかを精査し、不適法を主張する。3. 補正後の訂正でも無効理由が解消されていなければ、引き続き無効を主張する。4. 補正で訂正内容が変わった分、新たな無効理由が生じていないか再検討する

時効(請求できる期限):無効審判の被請求人は、第134条第1項・第2項、第134条の2第5項、第134条の3、第153条第2項、第164条の2第2項により審判長が指定した期間内。訂正審判の請求人は、第156条第1項の審理終結の通知がある前まで(審理が再開された場合はその後さらに通知がある前まで)。異議申立てに伴う訂正は第120条の5第1項・第6項の指定期間内。いずれも経過すれば補正は不可(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:17条の5の補正は手続をやり直す制度ではなく、既にした訂正の枠内で記載の不備を整える制度であり、要旨を変更し実質的に新たな訂正にあたる補正は認められない。補正後の訂正も126条の訂正要件を満たす必要がある、と解されている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成26年(2014年) 改正:特許異議申立て制度の再導入(平成26年法律第36号)に伴い、120条の5の訂正の請求に対応する補正の規律として第1項が整備された。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

特許法の全文を見る所属する編章節を開く:第一章 総則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›