特許法 第18条(手続の却下)
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- 特許庁長官は、第十七条第三項の規定により手続の補正をすべきことを命じた者が同項の規定により指定した期間内にその補正をしないとき、又は特許権の設定の登録を受ける者が第百八条第一項に規定する期間内に特許料を納付しないときは、その手続を却下することができる。
- 2.特許庁長官は、第十七条第三項の規定により第百九十五条第三項の規定による手数料の納付をすべきことを命じた特許出願人が第十七条第三項の規定により指定した期間内にその手数料の納付をしないときは、当該特許出願を却下することができる。
この条文の基本情報
手続の却下とは何ですか?
定義手続の却下とは、特許法第18条に定められた規定で、「特許庁長官は、第十七条第三項の規定により手続の補正をすべきことを命じた者が同項の規定により指定した期間内にその補正をしないとき、又は特許権の設定の登録を受ける者…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第18条(手続の却下)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第18条の条文原文は「特許庁長官は、第十七条第三項の規定により手続の補正をすべきことを命じた者が同項の規定により指定した期間内にその補正をしないとき、又は特許権の設定の登録を受ける者…」で始まります。
- 特許法第18条は第一章 総則に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第18条の前の条は特許法第17条の5です。
- 特許法第18条の次の条は特許法第18条の2です。
- 特許法第18条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第18条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第18条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/18
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法18条は、補正命令に応じないとき、または特許料・手数料を所定期間内に納付しないとき、特許庁長官が手続または特許出願を却下できると定める。
Q · 補正命令や特許料の納付を期限内にしないと、特許出願はどうなるの?
特許庁長官の判断で手続または出願が却下されます
特許法18条により、補正命令(17条3項)に指定期間内に応じないと手続が却下され、特許料(108条)や手数料(195条)を所定期間内に納付しないと手続または特許出願が却下されます。却下は中身を審査する前の門前払いで、拒絶査定とは別物です。ただし特許料未納であれば6か月の追納期間(112条、割増特許料が必要)で救済される可能性があり、却下処分に不服があれば行政不服審査法の審査請求または行政訴訟で争えます。
解説
特許出願は、出した瞬間に審査が始まると思っている人が多い。だが実際には、その前に「門前払い」の関門がある。特許庁長官から「ここを直しなさい」という補正命令(特許法17条3項)が来たのに、指定期間内に直さなかった。あるいは設定登録の段階で特許料(特許法108条)や手数料(特許法195条)を期限内に払わなかった。すると本条が発動し、あなたの手続そのもの、場合によっては出願全体が却下される。ここで知っておくべきは二つ。第一に、却下は「拒絶」とは別物だという点。拒絶は中身を審査した上で「特許に値しない」という判断だが、却下は中身を見る前に「土俵に上がる資格がない」として弾く処分だ。第二に、この却下は行政処分なので、不服があれば争える。発明の価値とは無関係に、期限管理の一点であなたの数年分の研究が消える。それが本条の冷たい現実である。
法的な位置づけ
特許法18条は手続の却下を定める規定であり、補正命令に指定期間内に応じない場合、または特許料・手数料を所定期間内に納付しない場合に、特許庁長官がその手続または特許出願を却下できる旨を規定する。実体審査に先立つ手続的要件の不充足に対する処分であって、発明の内容を評価する拒絶査定とは性質を異にする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.特許庁からの書類は真っ先に指定期間の末日を確認 補正命令・納付命令が届いたら、内容を読む前に「指定期間の末日はいつか」を特定する。末日を確定させることが、却下を避ける最初の一手になる
- 2.末日を2段階でリマインダー登録 指定期間の末日を、1週間前と前日の2段階でアラート登録する。期限管理は個人の能力ではなく仕組みの問題であり、二重化が属人ミスを防ぐ
- 3.資金難なら期限前に減免・追納制度を確認 特許料・手数料が払えそうにないときは、期限が切れる前に減免制度(中小企業・大学等)や追納期間(112条)の利用可否を動かす。却下されてから動くのでは遅い
- 4.却下されたら救済ルートを切り分ける 却下通知が届いたら、理由(補正未了か特許料未納か手数料未納か)を特定する。特許料未納なら追納可否を先に確認し、争う場合は審判ではなく審査請求・行政訴訟のルートを選ぶ
よくある質問 AI による整理
Q1特許の手続却下とは何ですか?
実体審査に入る前に、補正命令への不対応や特許料・手数料の未納を理由として、特許庁長官が手続や出願を退ける処分です。発明の中身を評価する拒絶とは別物です。
Q2特許の却下と拒絶の違いは?
却下は土俵に上がる資格がないとして手続を弾く処分、拒絶は中身を審査して特許に値しないとする判断です。争う手段も異なり、拒絶査定不服審判は却下には使えません。
Q3特許料の追納期間はいつまで?
特許法112条により、納付期限経過後6か月以内であれば、割増特許料を添えて追納できる可能性があります。この救済枠を知らずに諦める出願人が一定数います。
Q4補正命令の指定期間は何日ですか?
補正命令で指定される期間は事案により異なりますが、通常30日程度が目安です。末日を確定し、複数のリマインダーで管理することが実務上重要です。
Q5特許が却下されたら再出願できますか?
再出願自体は可能ですが、特許は先願主義のため、最初の出願日を失うと、その間に第三者が同じ発明を出願していれば先願の地位は戻りません。
Q6特許の却下処分に不服がある場合の手続は?
却下は拒絶査定不服審判の対象外です。行政不服審査法に基づく審査請求(原則3か月以内)、または行政事件訴訟法による取消訴訟(原則6か月以内)で争います。
Q7特許料の減免制度とは何ですか?
中小企業・大学・研究開発型ベンチャー等を対象に、特許料の一部を減免する制度です。資金難で払えないときは、期限到来前に申請可否を確認するのが有効です。
Q8特許の設定登録とは何ですか?
審査を通過した出願について、特許料を納付して特許権を発生させる最終手続です。ここで特許料を期限内に納めないと、本条により手続が却下されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1補正命令を見落として却下されました。もう挽回できないんですか?
却下が確定すると、その手続自体は復活しません。ただし不服があれば行政不服審査法による審査請求や行政訴訟で争う余地はあります。注意すべきは、却下は拒絶査定不服審判(特許法121条)の対象ではないという点です。実務のポイント:弁理士は「却下」と「拒絶」を最初に切り分けます。ルートを間違えて審判請求してしまうと、本来の不服申立て期間が過ぎて取り返しがつかなくなる。届いた通知が「却下」なのか「拒絶」なのか、まずそこを確認するのが最初の一手です
Q2特許料を払い忘れただけで、本当に登録が消えるんですか?
本条1項により、設定登録を受ける者が特許法108条1項の期間内に特許料を納付しないと、手続が却下されます。ただし救済として、6か月の追納期間(特許法112条)に割増特許料を添えて納付すれば回復できる可能性があります。実務のポイント:この追納期間の存在を知らずに「もうダメだ」と諦める出願人が一定数います。逆に言えば、納付期限を過ぎても即終了ではない。割増を払ってでも権利が惜しければ、追納可否を真っ先に確認すべきです(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「却下されても、もう一度出願し直せばいい」と軽く考える人がいる。だが特許は先願主義。最初の出願日が却下で失われると、その間に第三者が同じ発明を出願していれば、再出願しても先願の地位は戻らない。却下は「やり直せる失敗」ではなく、「先願の地位を失う失敗」になりうる
- 却下と拒絶を同じものと思っている人が多いが、この二つは救済ルートが全く違う。拒絶査定には拒絶査定不服審判(特許法121条)があるが、却下処分は審判の対象外で、行政不服審査法に基づく審査請求または行政訴訟で争うことになる。最初に正しいルートを選ばないと、不服申立て期間を空費する
- 「特許庁は払い忘れがあれば連絡してくれる」と期待している出願人がいるが、それは前提が誤っている。本条は長官に却下の権限を与えているのであって、督促の義務を課しているわけではない。納付期限の管理は、出願人側の自己責任が原則だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の対象・要件 | 18条:補正命令への不対応、または特許料・手数料の期間内不納付 | 18条の2:不適法で補正できない手続の却下 112条:特許料未納後の追納(救済枠) |
| 処分の性質 | 手続または出願を退ける却下(裁量的) | 補正の余地がない手続を退ける却下 却下を回避するための回復手段 |
| 出願人が取りうる対応 | 期限内の補正・納付、または減免制度の利用 | 却下前の弁明機会の活用 6か月以内に割増特許料を添えて追納 |
| 不服申立ての方法 | 行政不服審査法の審査請求/行政訴訟(審判は不可) | 行政不服審査法の審査請求/行政訴訟 救済手段のため却下前段階の制度 |
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- スタートアップの技術者が自力で特許出願したが、願書の記載に不備があり特許庁から補正命令が届いた。指定期間は通常30日。本業に追われて気付いたら期限切れ、手続は却下。再出願はできても、その間に他社が同じ発明を出願していれば先願の地位を永久に失う
- もし、設定登録の通知が来たのに、特許料の納付期限(30日)をうっかり過ぎてしまったら? せっかく審査を通過したのに、最後の支払い一つで登録が却下される。納付期限内に払えない事情があるなら、6か月の追納期間(特許法112条、割増特許料が必要)という救済があることを知っているかどうかで結末が変わる
- 手数料の納付命令を受けた特許出願人が、資金繰りで払えないまま放置。あと数日で指定期間が切れる。この瞬間、出願全体が却下される崖の上に立っている。減免制度(中小企業・大学等の特許料減免)の申請が間に合うか、今夜が分岐点
- あなたの会社の知財担当が退職し、引き継ぎの隙間で補正命令の対応が漏れた。担当者個人のミスに見えるが、却下された出願の経済的損失は会社が負う。期限管理を属人化させていたこと自体が、本当のリスクだった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 却下処分の通知が届いたら、まず処分の理由(補正未了か、特許料未納か、手数料未納か)を特定する2. 単なる納付遅れであれば、特許料は追納期間(特許法112条、割増特許料を添えて6か月以内)で救済される可能性があるため、却下を争う前に追納可否を確認3. 却下自体に不服があれば、拒絶と違い審判ではなく行政不服審査法による審査請求、または行政事件訴訟で争う4. 不服申立てには期間制限があるため、通知を放置せず直ちに弁理士に相談する
訴えられた側:1. 出願人として却下を避けたいなら、補正命令・納付命令を受けたら指定期間の末日を即座に確定し、期限管理を担当者一人に依存させない2. 資金的に納付が困難なら、期限到来前に減免制度・猶予制度の利用可否を確認し申請を動かす3. やむを得ず期限を逃しても、特許料については追納期間(特許法112条)という救済枠があるため、即座に割増分を添えて納付できるか検討4. 補正対応が間に合わないなら、却下後の再出願で先願の地位がどうなるかを先に試算し、損失を最小化する
時効(請求できる期限):本条の却下は、補正命令や特許料納付の「指定期間」内に応じなかったことが要件。却下処分に対する不服申立ては、行政不服審査法に基づく審査請求が原則として処分を知った日の翌日から3か月以内、行政事件訴訟(取消訴訟)は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。特許料未納の場合は、却下を争う前に追納期間6か月(特許法112条、最新の改正状況をご確認ください)の救済枠を先に確認すること
学説
通説:本条の却下は「却下することができる」という裁量的処分であり、手続の画一的処理による審査効率と、追納期間(112条)等の救済枠による出願人の権利保全とを両立させる設計と解される。却下は実体判断でないため、拒絶査定不服審判の対象外であり、争訟は行政不服審査・行政訴訟による。
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