特許法 第18条の2(不適法な手続の却下)
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- 特許庁長官は、不適法な手続であつて、その補正をすることができないものについては、その手続を却下するものとする。ただし、第三十八条の二第一項各号に該当する場合は、この限りでない。
- 2.前項の規定により却下しようとするときは、手続をした者に対し、その理由を通知し、相当の期間を指定して、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出する機会を与えなければならない。
この条文の基本情報
不適法な手続の却下とは何ですか?
定義不適法な手続の却下とは、特許法第18条の2に定められた規定で、「特許庁長官は、不適法な手続であつて、その補正をすることができないものについては、その手続を却下するものとする。ただし、第三十八条の二第一項各号に該当する場合は、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第18条の2(不適法な手続の却下)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第18条の2の条文原文は「特許庁長官は、不適法な手続であつて、その補正をすることができないものについては、その手続を却下するものとする。ただし、第三十八条の二第一項各号に該当する場合は、…」で始まります。
- 特許法第18条の2は第一章 総則に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第18条の2の前の条は特許法第18条です。
- 特許法第18条の2の次の条は特許法第19条です。
- 特許法第18条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第18条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第18条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/18_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法18条の2は、補正できない不適法な手続を却下できると定めるが、却下の前に理由を通知し、相当の期間内に弁明書を提出する機会を必ず与えなければならない。
Q · 特許庁から却下の通知が来たら、もう特許は諦めるしかないの?
却下の前に弁明書を出す機会が必ず与えられます
いいえ。特許法18条の2第2項により、特許庁長官が手続を却下しようとするときは、その理由を通知し、相当の期間を指定して弁明書を提出する機会を必ず与えなければなりません。しかも却下できるのは「不適法かつ補正できない手続」に限られ、直せる不備なら先に補正命令(17条・18条)が来るはずです。指定期間内に的確な弁明書を出せば、長官が却下を思いとどまる可能性があります。出願日に関わる一定の不備は第38条の2の補完で救われる例外もあります。
解説
特許を自分で出願した。ところが特許庁から「あなたの手続は不適法で、しかも直しようがないので却下する」という趣旨の通知が届く。ここで多くの人は肩を落として諦める。だが特許法18条の2を知っていれば、諦めるのは早いと分かる。この条文は二段構えだ。第一に、特許庁長官が却下できるのは「不適法な手続であって、補正(=後から直すこと)ができないもの」に限られる。直せる不備なら、まず補正命令(17条、18条)が来るはずで、いきなり却下はできない。第二に、たとえ却下する場合でも、長官はその理由をあなたに通知し、相当の期間を定めて「弁明書」(あなたの言い分を書いた書面)を出す機会を必ず与えなければならない。つまり一方的に切り捨てられることはない。さらに2014年改正で、出願日にかかわる一定の不備(38条の2)は却下せず補完で救う例外も入った。却下の通知は終わりの宣告ではなく、反論のチャンスの始まりだ。
法的な位置づけ
特許法18条の2は、特許庁における手続の却下とその手続保障を定める規定である。特許庁長官は不適法かつ補正不能な手続を却下できるが、その際は却下の理由を通知し、相当の期間を指定して弁明書を提出する機会を与える義務を負う。第38条の2該当の不備は却下の例外とされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.届いた通知が補正命令か却下理由の通知かを見分ける 書面の表題と根拠条文をまず確認する。補正命令(17条・18条)なら指定期間内に補正すれば手続は生き返る。却下理由の通知(18条の2第2項)なら弁明で争う段階だと判断する
- 2.相当の期間内に弁明書を提出する 指定された期限までに弁明書を提出する。不備が本当に補正不能なのか、事実誤認がないか、38条の2の補完で救われないかを具体的に反論する。感情論ではなく法的・事実的根拠を示す
- 3.後の訴訟に備えて主張と証拠を漏れなく記載する 弁明書は却下処分を取消訴訟で争うときの記録になる。ここで触れなかった事情は後出しと見られ不利になりやすいため、主張事実と証拠を一枚目から出し切る
- 4.却下処分が出たら審査請求・取消訴訟を検討する 弁明が容れられず却下処分が確定した場合、行政不服審査法に基づく審査請求または行政事件訴訟法3条の取消訴訟を検討する。出訴期間(処分を知った日から原則6か月等)を必ず確認する
よくある質問 AI による整理
Q1特許の手続却下とは何ですか?
不適法で補正できない手続について、特許庁長官がその手続を受け付けず打ち切る処分です(特許法18条の2第1項)。補正可能な不備は対象外です。
Q2弁明書はいつまでに出せばいいですか?
特許庁長官が指定する「相当の期間」内です(18条の2第2項)。指定日を過ぎると弁明の機会を失い、却下が確定しうるので期限厳守が鉄則です。
Q3補正命令と却下理由の通知はどう違いますか?
補正命令(17条・18条)は直せる不備を期間内に直させるもの、却下理由の通知(18条の2)は補正不能な手続を打ち切る前段階です。表題と根拠条文で見分けます。
Q4却下されたあとでも争えますか?
却下は行政処分なので、審査請求や取消訴訟(行政事件訴訟法3条)で争えます。出訴期間があるため、処分を知った日からの期限に注意が必要です。
Q538条の2に該当すると却下されないのですか?
はい。出願日に関わる一定の不備は18条の2第1項ただし書により却下されず、第38条の2の補完手続で救済されます。
Q6代理人をつけていなくても弁明できますか?
できます。弁明書を提出する機会は代理人の有無を問わず保障されます(18条の2第2項)。自分の言葉で不備が補正不能でないことを主張できます。
Q7弁明書には何を書けばいいですか?
手続が不適法でないこと、または補正が可能であることを、事実と根拠を挙げて具体的に主張します。謝罪ではなく法的・事実的な反論が中心です。
Q8手続の却下と拒絶査定は同じものですか?
違います。手続の却下(18条の2)は方式面の打ち切り、拒絶査定は実体審査で特許要件を満たさない場合の判断で、争い方も異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1特許庁から却下の通知が来たら、もう特許は取れないんですか?
いいえ。18条の2第2項により、却下の前に必ず理由が通知され、弁明書を出す機会が与えられます。ここで不備が補正不能ではないこと等を反論すれば、却下が見送られることがあります。実務のポイント:実務では『却下理由の通知』と『補正命令(18条)』が混同されがちです。補正命令なら期間内に直せば生き返るのに、却下と思い込んで放置し、本当に却下されるケースがある。届いた書面の表題と根拠条文をまず確認するのが鉄則です
Q2弁明書って、ただ謝れば許してもらえるんですか?
弁明書は謝罪文ではなく、手続が不適法ではないこと、または補正が可能であることを法的・事実的に主張する書面です(18条の2第2項)。感情論ではなく、なぜ却下の要件に当たらないかを具体的に書く必要があります。実務のポイント:弁明書での主張は、後に却下処分を取消訴訟で争うときの記録として効いてきます。ここで触れなかった事情は後出しと見られ不利になりやすい。一枚目から全論点を出し切るのがプロのやり方です
間違えやすい点 AI による整理
- 「却下されたら終わり、もう特許は無理」と問いを立てがちだが、その問いの立て方そのものがずれている。本当に問うべきは『この却下は手続的に正しいか、弁明の機会は与えられたか』。理由の通知も弁明書の機会もなしに却下されたのなら、却下処分自体を取り消せる
- 「特許庁が却下と言えば従うしかない」と思われているが、却下できるのは補正不能な不適法手続だけ。直せる不備なら、いきなり却下するのは違法で、まず補正命令(18条)が来るはず。却下と補正命令を取り違えると、争えるものまで諦めることになる
- 弁明書を出せることは知っていても、その重みを軽く見ている人が多い。弁明書は単なる『お願い』ではなく、後で却下処分を取消訴訟で争うときの記録になる。ここで主張しなかった事情は、後の裁判で持ち出しにくくなる。一枚の書面が将来の訴訟の土台だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる不備 | 18条の2:不適法かつ補正できない手続 | 18条:補正命令に応じない補正可能な手続 38条の2:出願日に関わる一定の不備 |
| 特許庁の対応 | 理由通知 + 弁明書の機会を経て却下 | 補正命令を発し、応じなければ却下 却下せず補完により救済(却下の例外) |
| 出願人の救済手段 | 弁明書の提出、その後は審査請求・取消訴訟 | 指定期間内の補正で手続を維持 補完手続により出願日を確保 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も補正不能な手続不備を不受理とする点で共通するが、却下前の弁明機会の明文化の程度は運用差がある
韓国も方式不備に対する無効・却下の枠組みを持ち、補正機会の付与が前提とされる点は日本と近い
ドイツも出願審査における欠陥の指摘(Beanstandung)を経て初めて拒絶(Zurückweisung)でき、事前の意見陳述機会が保障される
米国も rejection には理由の通知と応答機会が必要とされ、一方的な打ち切りは認められない点で手続保障の思想が共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 特許庁から却下理由の通知が届いた。弁明書の提出期限は「相当の期間」として指定された日まで、残りあと10日。ここで何もしなければ却下が確定する。だが期限内に的確な弁明書を出せば、長官は却下を思いとどまる可能性がある。残り時間で何を書くかが分水嶺だ
- スタートアップが資金調達前に急いで特許出願したが、出願人の記載に致命的な不備があった。担当者は「もうダメだ」と頭を抱える。だが補正できる不備なら、却下の前に補正命令が来るはず。いきなり却下通知が来たなら、本当に補正不能なのか、弁明書で争う余地がある
- 代理人をつけずに自分で出した手続が却下されそうだ。弁明書を出す機会が法律で保証されている。その一枚で結論が変わることがある
- もし、知人が「特許の手続を却下された」と相談してきたら? まず聞くべきは『理由の通知は来たか、弁明書は出したか』の二点。この手続を飛ばした却下なら、却下処分そのものを取り消せる可能性がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 届いた通知が『補正命令』(17条・18条)か『却下理由の通知』(18条の2第2項)かをまず判別。前者なら指定期間内に補正すれば救済される2. 却下理由の通知なら、指定された『相当の期間』内に弁明書を必ず提出。不備が本当に補正不能か、事実誤認はないかを具体的に反論3. 弁明書は後の訴訟の土台になるので、主張事実と証拠を漏れなく記載4. それでも却下処分が出たら、審査請求または取消訴訟(行政事件訴訟法3条)を検討、出訴期間に注意
訴えられた側:1. 出願や各種手続を提出する前に、様式・手数料・署名・委任状などの形式要件を方式審査の観点でチェックし、補正不能な不備を作らない2. 不備が出ても補正可能な形に書類を整え、致命的欠陥を避ける3. 万一却下理由の通知が来たら、弁明書で『補正の可能性がある』『不適法ではない』ことを法的に主張4. 出願日に関わる不備は38条の2の補完制度が使えないか確認し、却下を回避する
時効(請求できる期限):弁明書の提出期限は法律上『相当の期間』として個別に指定される(18条の2第2項)。指定日を過ぎると弁明の機会を失い、却下が確定しうる。確定した却下処分を争う場合、審査請求や取消訴訟には行政不服審査法・行政事件訴訟法上の出訴期間(処分を知った日から原則6か月等)が別途かかる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は不適法かつ補正不能な手続の却下を認めつつ、却下が出願人にとって重大な不利益となることから、憲法31条の適正手続の理念を踏まえ、理由の通知と弁明書提出という最小限の手続保障を課したものと理解される。補正可能な不備は17条・18条の補正手続で処理される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 改正:第38条の2の整備に伴い、本条第1項ただし書として、出願日に関わる一定の不備は却下せず補完で救済する例外を設けた
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