要点特許法 184 条の 3 は、日本を指定国に含む PCT 国際出願を、その国際出願日にされた日本の特許出願とみなすと定める。ただしみなし効果は出願日のみに限られる。
Q · PCT で国際出願したら、それだけで日本の特許になるの?
世界特許ではなく、日本の出願日を確保する制度です
特許法 184 条の 3 により、PCT に基づき国際出願日が認められ日本を指定国に含む国際出願は、その国際出願日にされた日本の特許出願とみなされます。ただし与えられる効果は「出願日のみなし」であり、権利化ではありません。優先日から 30 か月以内に翻訳文の提出(184 条の 4)と国内書面の提出(184 条の 5)を行わなければ、みなし取下げとなって出願は消えます。実際の権利化は日本国内での審査を別途経る必要があります。
発明を世界で守ろうとして、あなたは特許協力条約(PCT)に基づく国際出願を一通だけ提出した。各国の特許庁に別々に駆け込む必要はない。だが、その一通がそのまま日本の特許になるわけではない。この条文が定めるのは、PCT で国際出願日が認められ、かつ日本を指定国に含む出願は、その国際出願日にされた日本の特許出願とみなす、という効果だ。鍵は「出願日」。あなたが同じ一日に世界へ出願したことになり、その日が日本での先願の地位を決める。先に出した者が勝つ日本の特許制度で、この一日が競合との勝敗を分ける。さらに第2項は、パリ条約の優先権主張手続(43条)を適用しないと定める。PCT のルートに乗った瞬間、国内の優先権手続は不要になり、条約の仕組みがそれを引き継ぐからだ。ただし、みなされるのは出願日だけ。優先日から30か月の国内移行期限までに翻訳文を出さなければ、その入口は静かに閉じる。
特許法 184 条の 3 は、国際出願の特例を定める規定であり、特許協力条約に基づき国際出願日が認められ日本国を指定国に含む国際出願(特許出願に係るもの)を、その国際出願日にされた特許出願とみなす旨を規定する。第 2 項は、この国際特許出願にパリ条約による優先権主張手続(43 条)を適用しないと定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特許協力条約(Patent Cooperation Treaty)の略で、一通の国際出願で多数の加盟国に同時に出願日を確保できる制度です。権利化自体は各国で別々に審査されます。
国際段階の手数料に加え、国内移行時に各国ごとの翻訳費用・現地代理人費用・審査請求料がかかります。移行国が増えるほど費用が跳ね上がるのが実務上の注意点です。
PCT 国際出願を実際に各国の審査に乗せるため、翻訳文提出(184 条の 4)や国内書面提出(184 条の 5)を行う手続です。日本では優先日から 30 か月が期限です。
国際出願で権利化を求める国のことです。日本を指定国に含めることが 184 条の 3 のみなし効果の前提で、含めなければ日本での出願とはみなされません。
日本・米国・中国・韓国・欧州諸国など約 150 か国が加盟しています。台湾は非加盟のため、PCT ルートは使えず個別出願と優先権制度で対応します。
国内書面提出期間である優先日から 30 か月以内です(184 条の 4)。この期限内に翻訳文を出さなければ、みなされた出願も取り下げたものとみなされます。
国際特許出願では、国際出願日から 3 年以内に別途審査請求が必要です(48 条の 3 関連)。国内移行とは別カウントなので二重の期限管理が必要です。
WIPO が運営する PCT 国際出願の検索データベースです。国際公開(優先日から 18 か月)後の他社出願を調査でき、抵触リスクの確認に使えます。
違います。184 条の 3 が与えるのは「国際出願日を日本の特許出願日とみなす」効果だけで、権利そのものではありません。実際の権利化は国ごとに翻訳文提出・国内移行・審査を経る必要があります。業界裏話ヒント:「国際特許」という言葉に惑わされてはいけない。PCT がまとめてくれるのは出願日と国際調査だけで、費用は各国移行で一気に跳ね上がる。移行国を事業の本命に絞り込むのが実務の腕の見せどころ
なります。184 条の 3 により国際出願日がそのまま日本の出願日とみなされるため、その後に日本へ直接出願した者に対して先願の地位を持ちます。業界裏話ヒント:競合の PCT 出願は国際公開(条約 21 条、優先日から 18 か月)まで外からは見えない。つまり相手が水面下で動いていても、最初の 18 か月は誰にも察知されない。この「見えない先願」が、後から出願した側を突然後願に落とす
原則としてみなし取下げになりますが、正当な理由がある場合の救済規定が用意されています(184 条の 4 関連)。ただし要件は厳しく、認められるのは例外的です。業界裏話ヒント:期限徒過の救済は「相当な注意を払っていた」ことの立証が必要で、単なる失念やうっかりはまず通らない。だからこそ期限管理を弁理士事務所任せにせず、自社でも独立に二重管理するのが鉄則(最新の改正状況をご確認ください)
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|---|---|---|
| 条文の役割 | 184 条の 3:国際出願を国際出願日にされた日本の特許出願とみなす(入口) | — |
| 効果の内容 | 出願日のみのみなし(権利化は保証しない) | — |
| 期限 | 国際出願日に自動で発生(期限なし) | — |
| PCT ルートでの適否 | PCT ルートの起点として適用 | — |
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