受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

特許法 第191条

クイックジャンプ
  1. 特許庁長官の指定する職員又は審判書記官は、次に掲げる場合には、公示送達をすることができる。
  2. 一送達を受けるべき者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合
  3. 二前条において準用する民事訴訟法第百七条第一項(第二号及び第三号を除く。)の規定により送達をすることができない場合
  4. 三次条第二項の規定により書類を発送することが困難な状況が六月間継続した場合
  5. 2.公示送達は、送達する書類を送達を受けるべき者に何時でも交付すべき旨を官報及び特許公報に掲載するとともに、その旨を特許庁の掲示場に掲示し、又は特許庁の事務所に設置した電子計算機の映像面に表示したものの閲覧をすることができる状態に置くことにより行う。
  6. 3.公示送達は、官報に掲載した日から二十日を経過することにより、その効力を生ずる。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 特許法第191条は、日本の特許法に含まれる条文です。
  2. 特許法第191条の条文原文は「特許庁長官の指定する職員又は審判書記官は、次に掲げる場合には、公示送達をすることができる。」で始まります。
  3. 特許法第191条は第十章に置かれています。
  4. 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 特許法第191条の前の条は特許法第190条です。
  7. 特許法第191条の次の条は特許法第192条です。
  8. 特許法第191条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第191条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121
  • 本サイト収録特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第191条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/191
裁判例 1件に引用されています

関連度の高い1件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点特許法191条は、住所が知れない等の場合に特許庁長官の指定職員または審判書記官が公示送達をできると定め、官報掲載日から20日の経過で送達の効力が生じる。

Q · 特許庁からの書類を一度も受け取っていないのに、なぜ「送達済み」になってしまうの?

官報に掲載され20日が経過すれば、受け取っていなくても送達済みになります

特許法191条により、送達を受けるべき者の住所が知れない等の場合、特許庁は公示送達をすることができます。公示送達は、書類をいつでも交付する旨を官報および特許公報に掲載し、掲示場への掲示または電子計算機の映像面での閲覧により行われます。そして官報に掲載した日から20日の経過によって送達の効力が生じます(同条3項)。現実に書類を受け取ったかどうかは問われないため、住所変更届の失念などで書類が届かないまま、応答期間や不服申立期間が静かに走り出す危険があります。

解説

特許を出願して数年、その間に事務所を移転し、住所変更届を出し忘れていた。ある朝、あなたの出願がとっくに拒絶されていたこと、あるいは他社が仕掛けた無効審判であなたの特許が消えていたことを知る。書類は一通も手元に届いていない。なぜこんなことが起きるのか。特許庁はあなたに書類を送ろうとしたが宛先不明で戻ってきた。そこで官報と特許公報に「この書類はいつでも渡す」と掲載し、特許庁の掲示場やオンライン画面に載せた。それから20日。あなたが官報を読んでいようがいまいが、法律上あなたは「受け取った」ことになる。これが公示送達だ。一度も目にしていない書類に対して反論期限が走り出し、気付いたときには手遅れになっている。所在が掴めないというだけで、あなたの権利は静かに時間切れへ向かう。

法的な位置づけ

特許法191条にいう公示送達とは、送達を受けるべき者の住所その他送達すべき場所が知れない等の場合に、特許庁が書類をいつでも交付すべき旨を官報および特許公報に掲載し、掲示場への掲示または電子計算機の映像面の閲覧により行う送達方法をいう。官報に掲載した日から20日の経過によって効力を生じる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.平時に特許庁への住所変更届を提出しておく 事務所や本店を移転したら、登記の住所変更と並べて特許庁への住所変更届を提出する。書類が宛先不明で戻る事態を防ぐことが、公示送達のスイッチそのものを入れさせない最大の予防策になる
  2. 2.官報・特許公報・J-PlatPat を定期監視する 係属中の出願や登録特許について、官報・特許公報および J-PlatPat の経過情報を定期的に確認する。公示送達は官報掲載日が起算点になるため、掲載から20日以内に気付けるかどうかが分かれ目になる
  3. 3.在外者は日本国内の特許管理人を選任する 海外在住の出願人・権利者は、国内の特許管理人(代理人)を選任し連絡窓口を一本化する。管理人宛てに送達されるため、発送困難による公示送達(191条1項3号)のリスクが大きく下がる
  4. 4.公示送達に気付いたら効力発生日と残期間を確定する 官報・特許公報を遡って掲載日を特定し、そこから20日後の効力発生日を確定する。その起点から拒絶査定不服審判や審決取消訴訟などの不服申立期間が過ぎていないかを直ちに計算する
  5. 5.所在調査が不十分なら送達の効力を争う 住所が容易に判明したはずなのに調査を尽くさず公示送達された疑いがあるときは、特許庁から包袋記録を取り寄せて所在調査の程度を確認し、送達の無効や責めに帰せない事由による追完の可否を弁理士・弁護士と検討する

よくある質問 AI による整理

Q1公示送達とは何ですか?

送達先が不明等の場合に、書類をいつでも交付する旨を官報等に掲載して送達を擬制する方法です。特許法191条が根拠で、官報掲載から20日で効力が生じます。

Q2特許の公示送達はいつ効力が発生しますか?

官報に掲載した日から20日を経過した時に効力が生じます(特許法191条3項)。民事訴訟の掲示から2週間とは起算点も日数も異なります。

Q3特許の公示送達の要件は何ですか?

住所等が知れない、付郵便送達等ができない、在外者への発送困難が6月継続、のいずれかです(特許法191条1項各号)。要件を満たさない公示送達は争える余地があります。

Q4民事訴訟の公示送達と特許の公示送達は何が違いますか?

民訴は掲示開始から2週間で効力が生じますが(民訴112条)、特許は官報掲載から20日という特則です。掲載媒体が官報と特許公報である点も特徴です。

Q5特許の住所変更届はどこに出しますか?

特許庁に対して名義人の住所変更届を提出します。届出を怠ると書類が宛先不明で戻り、公示送達に切り替えられる原因になります。

Q6公示送達された特許の拒絶は取り消せますか?

所在が容易に判明したのに調査を尽くさず公示送達された疑いがあれば、送達の効力や期間徒過の救済を争える余地があります。まず包袋記録の取寄せが第一手です。

Q7在外者は特許の送達をどう受けますか?

日本国内の特許管理人を選任すれば管理人宛てに送達され、公示送達のリスクが下がります(特許法192条)。管理人がいないと発送困難による公示送達の対象になり得ます。

Q8特許公報と官報の違いは何ですか?

官報は国の公告紙、特許公報は特許庁の公示紙です。公示送達はその両方に掲載され、効力の起算日は官報掲載日を基準とします(特許法191条2項・3項)。

この条文についての質問 AI による整理

Q1特許庁から書類が来ていたなんて全然知らなかったのに、本当に「届いた」ことになるんですか?

なります。公示送達は、あなたが現実に受け取ったかを問わず、官報に掲載した日から20日の経過で送達の効力が生じます(特許法191条3項)。知らなかったという事情だけでは、原則として効力は覆りません。実務のポイント:ただし特許庁が住所を容易に調べられたのに調査を尽くさず公示送達に回した場合、その送達の効力自体を争える余地があります。諦める前に、包袋記録を取り寄せて特許庁がどこまで所在調査をしたかを確認するのが第一手です

Q2海外に住んでいる出願人ですが、公示送達を避ける方法はありますか?

日本国内の特許管理人(代理人)を選任しておくのが最も確実です。在外者への送達は管理人宛てに行われ(特許法192条)、所在不明による公示送達のリスクが大きく下がります。実務のポイント:在外者で管理人を立てていないと書類は直接送られますが、それが困難な状況が6月続くと公示送達の対象になります(191条1項3号)。海外出願人ほど、国内の連絡窓口を一本化しておくことが、権利を静かに失わないための保険になります

間違えやすい点 AI による整理

  • 「書類を実際に受け取らなければ、期限は始まらない」と思い込んでいる人が多い。だが公示送達の本質は、現実に受け取ったかどうかを一切問わないところにある。官報掲載から20日が経てば、あなたが世界のどこで何をしていようと、法律上「送達済み」になる
  • 公示送達という制度があることは知っていても、効力発生が「官報掲載日から20日」という具体的な短さを正確に押さえている人は少ない。民事訴訟の公示送達が掲示開始から2週間で効力を生じるのに対し、特許では官報基準で20日。この起算点と日数を取り違えると、不服申立ての残り日数を読み違える
  • 「公示送達されたら、もう打つ手はない」と諦める人がいるが、問いの立て方が誤っている。問うべきは「送達は有効か」ではなく「公示送達の要件を本当に満たしていたか」だ。住所が容易に判明したはずなのに調査を尽くさず公示送達した場合、その送達自体の効力を争える余地がある
比較の観点この条文ほかの条文
規律内容191条:公示送達(官報・特許公報掲載による送達の擬制)190条:民事訴訟法の送達規定を準用する一般規定
192条:在外者に対する送達(特許管理人宛て等)
適用場面住所不明・付郵便送達等が不能・発送困難が6月継続のいずれか通常の送達手続全般
送達を受ける者が日本国内に住所・居所を有しない場合
効力発生官報に掲載した日から20日の経過(191条3項)準用する民訴の規定に従う(原則として到達時)
管理人への送達時等(192条の定めに従う)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
行政程序法第78条(公示送達)・民事訴訟法第149条

台湾では行政手続上の公示送達は行政程序法78条が規律し、掲示等による送達擬制の構造は日本と類似する。特許審査は行政手続として扱われる。

韓国
대한민국 민사소송법 제194조(공시송달)

韓国も送達先不明の場合に公示送達を認め、掲示・掲載による送達擬制の枠組みは日本と共通する。特許手続にも準用的に適用される。

ドイツ
ZPO § 185(Öffentliche Zustellung)

ドイツの öffentliche Zustellung は住所不明等の場合に裁判所掲示板等への掲示で送達を擬制する制度で、日本の公示送達の系譜上の淵源にあたる。

アメリカ
Service by publication(Fed. R. Civ. P. 4 / 各州法)

米国では被告の所在が不明な場合に新聞掲載等による service by publication が認められるが、デュープロセス上、合理的な所在調査が前提とされる点は日本と共通する。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 出願中に引っ越したが、特許庁への住所変更届を忘れていたら、どうなるか。拒絶理由通知が宛先不明で戻れば、特許庁は公示送達に切り替えられる。官報掲載から20日で「送達済み」となり、意見書提出の期限が走り出す。あなたが気付いたときには応答期間が過ぎ、出願は拒絶査定へ向かう。住所届一通の有無が、特許の生死を分ける
  • あなたが他社の特許に無効審判を仕掛ける側だとする。相手の所在が掴めなくても、手続は止まらない。特許庁長官の指定職員が公示送達を使えば、相手不在のまま審理が進む。相手が反論しなければ、あなたに有利な審決が出る可能性が高まる。相手の所在不明は、あなたの障害ではなく、むしろ追い風になりうる
  • 海外赴任中で、特許公報を一度もチェックしていなかった。帰国して官報を遡ると、20日前に公示送達の効力がすでに発生していた。残された不服申立ての道は、もうほとんど閉じかけている

取るべき行動

被害を受けた側:1. まず官報と特許公報を遡り、公示送達の掲載日を特定、そこから20日後がいつかを確定する2. 効力発生から不服申立ての期間(拒絶査定不服審判や審決取消訴訟など)が過ぎていないか計算する3. 期間を過ぎていても、住所が容易に判明したのに調査を尽くさず公示送達された疑いがあれば、送達自体の無効や、責めに帰せない事由による期間徒過の救済(追完)が使えるかを弁理士・弁護士と検討する4. 特許庁から包袋記録を取り寄せ、所在調査がどこまで行われたかを確認する(最新の改正状況をご確認ください)

訴えられた側:1. あなたが手続を進める側(審判請求人など)で相手の所在が掴めなくても、いきなり公示送達を求めず、まず住民票・登記・包袋記録など合理的な所在調査を尽くす2. 調査を尽くした記録を必ず残す、後に相手から「調査不十分」と送達の効力を争われたとき、この記録が防御になる3. 公示送達の3要件(所在不明、付郵便送達等が不能、発送困難が6月継続)のどれに当たるかを特定して申し立てる4. 効力発生は官報掲載から20日、この期間も見込んで全体スケジュールを組む

時効(請求できる期限):公示送達は官報に掲載した日から20日の経過によって効力を生じる(特許法191条3項)。その効力発生時を起点に、後続の不服申立て(拒絶査定不服審判、審決取消訴訟など)の期間が走り出す。審決取消訴訟は審決謄本の送達から30日(特許法178条3項、最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:公示送達は手続の停滞を防ぐための送達擬制であり、当事者の手続保障を犠牲にする側面がある。したがって191条1項各号の要件(所在不明・付郵便送達等の不能・発送困難の6月継続)は限定的に解され、所在調査を尽くさずに行われた公示送達はその効力を争う余地があると解されている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 新設:特許法(昭和34年法律第121号)の制定により、特許手続における公示送達の規定として置かれた。
  2. 2.令和3年(2021年) 改正:手続のデジタル化に伴い、公示送達の方法として特許庁の事務所に設置した電子計算機の映像面での閲覧を可能とする形が整備された(最新の改正状況は e-Gov でご確認ください)。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

特許法の全文を見る所属する編章節を開く:第十章

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›