特許出願人は、その特許出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その承諾を得た場合に限り、その特許出願を放棄し、又は取り下げることができる。
要点特許法第38条の5は、出願人が仮専用実施権者の承諾を得た場合に限り特許出願を放棄・取下げできると定める。承諾のない放棄・取下げは効力を生じない。
Q · 出願中の技術に独占ライセンスをもらったのに、出願人が勝手に出願を取り下げられるの?
仮専用実施権者の承諾がなければ取り下げられません
特許法第38条の5により、特許出願人は仮専用実施権を有する者があるときは、その承諾を得た場合に限り出願を放棄・取下げできます。承諾のない放棄・取下げは効力を生じないため、出願段階で独占ライセンス(仮専用実施権)を持つ者には、出願人の勝手な処分を止める事実上の拒否権があります。ただしこの拒否権を持つのは仮専用実施権者だけで、仮通常実施権者(特許法34条の3)にはこの承諾権はありません。
大学発スタートアップに出資し、その見返りに、まだ特許になっていない出願段階の技術を独占的に使える権利(仮専用実施権、出願が特許になれば自動で専用実施権に化ける予約席のような権利)を設定してもらった。ところが資金繰りに詰まった出願人が、ある日その特許出願を取り下げようと動く。出願が消えれば、あなたの独占席も一緒に消える。ここで効いてくるのが本条だ。出願人は、仮専用実施権を持つ者がいる場合、その承諾を得たときに限り、出願を放棄または取下げできる。つまりあなたの手には事実上の拒否権がある。出願人があなたに無断で出願を捨てることは、法的にできない。多くの当事者は仮専用実施権を「特許になるまでの頼りない仮の権利」と軽く見るが、実はこの一条が、出願人の処分権そのものを地面に縫い止める錨になっている。
特許法第38条の5は、特許出願人による出願の放棄・取下げを制限する規定である。出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その者の承諾を得た場合に限り放棄・取下げが認められ、承諾なき処分は効力を生じない。仮専用実施権者の投資的期待を出願人の一方的処分から保護する機能を持つ。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特許出願の段階で設定できる独占的な実施権です。特許庁への登録で第三者対抗力を持ち、出願が特許になれば自動で専用実施権に転換します(特許法34条の2)。
原則いつでも取下げできますが、仮専用実施権者がいる場合は特許法38条の5によりその承諾が必要です。承諾なき取下げは効力を生じません。
特許庁に登録申請します。登録が第三者対抗力の要件で、未登録だと出願人の倒産・売却時に独占が守られにくくなります。
共同出願の取下げは全出願人の同意が必要です(特許法38条)。加えて仮専用実施権者がいれば38条の5の承諾も別途必要で、二重の要件になります。
対価の有無や額は当事者の契約で自由に定められます。無償設定も可能ですが、独占の対価としてライセンス料を設定するのが一般的です。
出願が特許として設定登録された時点で、仮専用実施権は自動的に専用実施権へ転換します(特許法34条の2)。改めて設定契約を結ぶ必要はありません。
取下げ自体に特別な手数料は不要ですが、既に納付した出願料は原則返還されません。仮専用実施権者への対価清算も別途問題になります。
承諾の方式に法律上の限定はありませんが、後の紛争を防ぐため書面での承諾取得が実務上必須です。手続時に特許庁へ承諾書の提出を求められる場合があります。
仮専用実施権は特許庁への登録で第三者対抗力を持つ独占権で、出願が特許になれば自動的に専用実施権へ転換する(特許法34条の2)。単なる契約上の利用許諾と違い、本条で出願人の処分そのものまで縛れる強い権利だ。業界裏話ヒント:世に出回る多くのライセンス契約は債権的な利用許諾止まりで登録されておらず、出願人が倒産・事業売却すると独占が守られない。自分の権利が登録された仮専用実施権なのか、まずそこを確認することが分水嶺になる
本条に反する承諾なき放棄・取下げは効力を生じないと解されるため、特許庁へ手続の瑕疵を主張して是正を求める余地がある(特許法34条の2の系として)。業界裏話ヒント:ただし出願公開や第三者の同内容出願が絡むと、事実上の回復は急速に難しくなる。承諾を求められた覚えがないのに出願が消えていたら、即座に特許庁の経過情報を取得し、誰がいつ何をしたかの時系列を証拠として固めるのが先決だ
止められない。本条が承諾を要求するのは仮専用実施権者だけで、仮通常実施権者(特許法34条の3)にこの拒否権はない。業界裏話ヒント:独占を本気で守りたいなら、契約段階で『仮通常』ではなく『仮専用実施権』を、しかも登録付きで取りにいく。この一語の差が、出願人の処分を止められる側にいるか、ただ眺めるしかない側にいるかを分ける
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制限の対象となる行為 | 特許出願の放棄・取下げ | — |
| 承諾が必要な権利者 | 仮専用実施権者 | — |
| 権利の段階 | 出願段階(特許成立前) | — |
| 独占性 | 独占的(専用型) | — |
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