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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

特許法 第38条の5(特許出願の放棄又は取下げ)

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特許出願人は、その特許出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その承諾を得た場合に限り、その特許出願を放棄し、又は取り下げることができる。

この条文の基本情報

特許出願の放棄又は取下げとは何ですか?

定義特許出願の放棄又は取下げとは、特許法第38条の5に定められた規定で、「特許出願人は、その特許出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その承諾を得た場合に限り、その特許出願を放棄し、又は取り下げることができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 特許法第38条の5(特許出願の放棄又は取下げ)は、日本の特許法に含まれる条文です。
  2. 特許法第38条の5の条文原文は「特許出願人は、その特許出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その承諾を得た場合に限り、その特許出願を放棄し、又は取り下げることができる。」で始まります。
  3. 特許法第38条の5は第二章 特許及び特許出願に置かれています。
  4. 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 特許法第38条の5の前の条は特許法第38条の4です。
  7. 特許法第38条の5の次の条は特許法第39条です。
  8. 特許法第38条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第38条の5
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121
  • 本サイト収録特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第38条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/38_5

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点特許法第38条の5は、出願人が仮専用実施権者の承諾を得た場合に限り特許出願を放棄・取下げできると定める。承諾のない放棄・取下げは効力を生じない。

Q · 出願中の技術に独占ライセンスをもらったのに、出願人が勝手に出願を取り下げられるの?

仮専用実施権者の承諾がなければ取り下げられません

特許法第38条の5により、特許出願人は仮専用実施権を有する者があるときは、その承諾を得た場合に限り出願を放棄・取下げできます。承諾のない放棄・取下げは効力を生じないため、出願段階で独占ライセンス(仮専用実施権)を持つ者には、出願人の勝手な処分を止める事実上の拒否権があります。ただしこの拒否権を持つのは仮専用実施権者だけで、仮通常実施権者(特許法34条の3)にはこの承諾権はありません。

解説

大学発スタートアップに出資し、その見返りに、まだ特許になっていない出願段階の技術を独占的に使える権利(仮専用実施権、出願が特許になれば自動で専用実施権に化ける予約席のような権利)を設定してもらった。ところが資金繰りに詰まった出願人が、ある日その特許出願を取り下げようと動く。出願が消えれば、あなたの独占席も一緒に消える。ここで効いてくるのが本条だ。出願人は、仮専用実施権を持つ者がいる場合、その承諾を得たときに限り、出願を放棄または取下げできる。つまりあなたの手には事実上の拒否権がある。出願人があなたに無断で出願を捨てることは、法的にできない。多くの当事者は仮専用実施権を「特許になるまでの頼りない仮の権利」と軽く見るが、実はこの一条が、出願人の処分権そのものを地面に縫い止める錨になっている。

法的な位置づけ

特許法第38条の5は、特許出願人による出願の放棄・取下げを制限する規定である。出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その者の承諾を得た場合に限り放棄・取下げが認められ、承諾なき処分は効力を生じない。仮専用実施権者の投資的期待を出願人の一方的処分から保護する機能を持つ。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.自分の権利が仮専用実施権として登録済みか確認 J-PlatPatや特許庁の登録原簿で、自分の権利が『仮専用実施権』として登録されているか確認する。登録がなければ第三者対抗力が弱く、出願人の倒産・売却に飲まれやすい
  2. 2.設定契約時に承諾条項と拒否権を明記 仮専用実施権の設定契約を結ぶ段階で、38条の5の承諾手続と、出願人が無断で放棄・取下げできない旨を契約書へ明記する。相手にまだ余裕がある設定時こそ交渉力が最大になる
  3. 3.取下げの兆候があれば承諾不存在を内容証明で通知 出願人が取下げ・放棄を口にした段階で、承諾していない事実と、承諾なき処分は効力を欠く旨を内容証明郵便で即座に通知し、手続を未然に凍結する
  4. 4.無断取下げがあれば特許庁へ手続の瑕疵を申し立て すでに承諾なき取下げ手続がなされていれば、特許庁の経過情報を取得して時系列を証拠化し、承諾不存在による手続の瑕疵を申し立てて是正を求める
  5. 5.並行して損害賠償を検討 契約上の債務不履行(民法415条)・不法行為(民法709条)による損害賠償を並行して検討し、弁護士・弁理士に相談する

よくある質問 AI による整理

Q1仮専用実施権とは?

特許出願の段階で設定できる独占的な実施権です。特許庁への登録で第三者対抗力を持ち、出願が特許になれば自動で専用実施権に転換します(特許法34条の2)。

Q2特許出願は取り下げできますか?

原則いつでも取下げできますが、仮専用実施権者がいる場合は特許法38条の5によりその承諾が必要です。承諾なき取下げは効力を生じません。

Q3仮専用実施権はどう登録しますか?

特許庁に登録申請します。登録が第三者対抗力の要件で、未登録だと出願人の倒産・売却時に独占が守られにくくなります。

Q4共同出願の取下げには何が必要ですか?

共同出願の取下げは全出願人の同意が必要です(特許法38条)。加えて仮専用実施権者がいれば38条の5の承諾も別途必要で、二重の要件になります。

Q5仮専用実施権の設定に対価は必要ですか?

対価の有無や額は当事者の契約で自由に定められます。無償設定も可能ですが、独占の対価としてライセンス料を設定するのが一般的です。

Q6仮専用実施権はいつ専用実施権になりますか?

出願が特許として設定登録された時点で、仮専用実施権は自動的に専用実施権へ転換します(特許法34条の2)。改めて設定契約を結ぶ必要はありません。

Q7特許出願の取下げに費用はかかりますか?

取下げ自体に特別な手数料は不要ですが、既に納付した出願料は原則返還されません。仮専用実施権者への対価清算も別途問題になります。

Q8仮専用実施権者の承諾は書面で必要ですか?

承諾の方式に法律上の限定はありませんが、後の紛争を防ぐため書面での承諾取得が実務上必須です。手続時に特許庁へ承諾書の提出を求められる場合があります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1仮専用実施権って、普通のライセンス契約と何が違うんですか?

仮専用実施権は特許庁への登録で第三者対抗力を持つ独占権で、出願が特許になれば自動的に専用実施権へ転換する(特許法34条の2)。単なる契約上の利用許諾と違い、本条で出願人の処分そのものまで縛れる強い権利だ。実務のポイント:世に出回る多くのライセンス契約は債権的な利用許諾止まりで登録されておらず、出願人が倒産・事業売却すると独占が守られない。自分の権利が登録された仮専用実施権なのか、まずそこを確認することが分水嶺になる

Q2出願人が承諾なしで勝手に取り下げちゃったら、もう取り返せないんですか?

本条に反する承諾なき放棄・取下げは効力を生じないと解されるため、特許庁へ手続の瑕疵を主張して是正を求める余地がある(特許法34条の2の系として)。実務のポイント:ただし出願公開や第三者の同内容出願が絡むと、事実上の回復は急速に難しくなる。承諾を求められた覚えがないのに出願が消えていたら、即座に特許庁の経過情報を取得し、誰がいつ何をしたかの時系列を証拠として固めるのが先決だ

Q3仮通常実施権しか持っていない場合も、取下げを止められますか?

止められない。本条が承諾を要求するのは仮専用実施権者だけで、仮通常実施権者(特許法34条の3)にこの拒否権はない。実務のポイント:独占を本気で守りたいなら、契約段階で『仮通常』ではなく『仮専用実施権』を、しかも登録付きで取りにいく。この一語の差が、出願人の処分を止められる側にいるか、ただ眺めるしかない側にいるかを分ける

間違えやすい点 AI による整理

  • 出願人から見れば「自分の出した出願なのだから、自由に捨てられて当然」と映る。だが法律から見れば、仮専用実施権者の同意なき放棄・取下げは効力を生じない。この視角の落差を埋めないまま無断で取り下げると、消したはずの出願をめぐって後から紛争が蒸し返される
  • 「承諾が要る」ことは契約担当者なら知っている。だが、承諾なしになされた取下げが手続上どう扱われ、権利者が特許庁にその瑕疵を主張して是正を求められるところまで踏み込んで理解している人は少ない。条文を知っているレベルと、効力を争えるレベルの間には深い溝がある
  • 「ライセンスをもらっていれば、誰でも出願人の取下げを止められる」と考えがちだが、本条が承諾を要求するのは仮専用実施権者だけだ。仮通常実施権者(特許法34条の3)にこの拒否権はない。独占を確実に守れるかどうかは、契約で取った権利が『仮専用』か『仮通常』かという一語で分かれる
比較の観点この条文ほかの条文
制限の対象となる行為特許出願の放棄・取下げ制限なし(仮通常実施権者に拒否権はない)
特許権の放棄
承諾が必要な権利者仮専用実施権者なし
専用実施権者・質権者・通常実施権者等
権利の段階出願段階(特許成立前)出願段階(特許成立前)
特許成立後
独占性独占的(専用型)非独占的(通常型)
—

他国ではどう定めているか 1 か国

台湾
台湾専利法第69条

専利権者は被授権人・質権者の同意なく専利権を放棄できないと定める。段階は特許権であり出願段階の仮専用実施権に完全対応する制度ではないが、独占権者の同意を要するという原則は共通する。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • ベンチャーに出資し、出願中のコア技術に仮専用実施権を設定してもらった。半年後、経営難の出願人が「コスト削減のため出願を取り下げる」と通告してきた。だがあなたが承諾しない限り、その取下げは効力を持たない。出資が宙に浮く前に、まず承諾していない事実を書面で固める
  • もし共同出願人の一方が、他の出願人やライセンシーに無断で取下げに走ったらどうなるか。共同出願は全員の同意(特許法38条)が要るうえ、仮専用実施権者がいれば本条の承諾も別途必要になる。二重の鍵がかかっている
  • M&Aのデューデリで、買収対象会社の出願に仮専用実施権が付いているのを見つけた。買収後にその出願を整理しようとしても、権利者の承諾なしには捨てられない。隠れた拒否権者が一人いるだけで、出願ポートフォリオの自由な再編が止まる
  • 出願人の立場で、手続のコストを圧縮するため不要な出願を放棄したい。だが過去に与えた仮専用実施権者の承諾書が手元にない。次の手続期限まであと数日、承諾を取り付けられなければ、勝手に出したい取下げ書は通らない
  • 大学のTLOがライセンシーに仮専用実施権を与えた後、別の有力企業から「あの出願は放棄して新しく出し直せ」と圧力がかかった。承諾という壁がある限り、TLOは元のライセンシーを置き去りにできない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 自分の権利が『仮専用実施権』として特許庁に登録されているか確認する。登録がなければ第三者への対抗力が弱く、出願人の倒産・売却に飲まれやすい2. 出願人へ、承諾していない旨と、無断の放棄・取下げは効力を欠く旨を内容証明郵便で通知3. すでに取下げ手続がなされていれば、特許庁へ承諾不存在による手続の瑕疵を申し立て、是正を求める4. 並行して契約上の債務不履行・不法行為による損害賠償(民法415条、709条)も検討する

訴えられた側:1. 自社の各出願に仮専用実施権が設定・登録されていないか棚卸しし、承諾なしに動けば手続自体が無効化されるリスクを把握する2. 取下げ・放棄が必要なら、まず権利者へ承諾を求め、対価や代替の独占条件を提示して交渉3. 権利者が不当に承諾を拒んでも、勝手な取下げは避け、契約の合意解約や解除の道を探る4. 共同出願であれば、本条の承諾に加え他の出願人全員の同意(特許法38条)も別途必要になる点を見落とさない

時効(請求できる期限):本条自体に固有の時効はないが、承諾なき放棄・取下げの効力を争う場合、手続の瑕疵は遅滞なく主張すべきで、放置すれば出願公開や第三者出願が絡み事実上の是正が困難になる。損害賠償は、不法行為なら知った時から3年・行為時から20年(民法724条)、債務不履行なら権利を行使できる時から5年または10年(民法166条)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:特許法38条の5の承諾なき出願の放棄・取下げは効力を生じないと解される。仮専用実施権者の投資的期待を出願人の一方的処分から保護する趣旨であり、特許権段階における特許法97条の放棄制限と平行する構造を持つ。

改正沿革 AI による整理

  • 平成20年(2008年)特許法改正、施行平成21年(2009年) 仮専用実施権・仮通常実施権の制度が新設され、出願段階での独占的ライセンスが法的に位置づけられた。これに伴い、仮専用実施権者の承諾なき出願の放棄・取下げを制限する本条も新設された

改正の年表

  1. 1.平成20年(2008年) 新設:特許法改正(施行は平成21年/2009年)により仮専用実施権・仮通常実施権の制度が新設され、出願段階での独占的ライセンスが法的に位置づけられた。これに伴い、仮専用実施権者の承諾なき出願の放棄・取下げを制限する本条も新設された。

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特許法の全文を見る所属する編章節を開く:第二章 特許及び特許出願

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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