要点特許法 38 条の 4 は、明細書または図面の一部欠落を補完できると定める。補完すると原則出願日は補完日まで繰り下がるが、優先権主張があれば維持される。
Q · 明細書の一部を付け忘れて出願した場合、後から補完できますか?
補完できるが原則出願日は補完日まで繰り下がる
特許法 38 条の 4 により、特許庁長官から一部記載の欠落を通知された出願人は、経済産業省令で定める期間内に明細書等補完書を提出して補完できます。ただし補完すると、その出願は原則として補完書を提出した時にしたものとみなされ、出願日が繰り下がります(同 4 項本文)。優先権を主張し、補完内容が省令の範囲内であれば出願日は維持されます(同但書)。先願主義の日本では出願日の数日のズレが競合との勝敗を分けるため、通知受領後はまず優先権書類との照合を最優先すべきです。
特許出願は、願書に明細書と図面を添付して出す。だが製本ミスやファイルのアップロード漏れで、明細書の一部や図面が欠けたまま提出されることがある。特許庁はそれを発見すると、あなたに「一部の記載が欠けています」と通知する。ここからが本番だ。あなたは経済産業省令で定める期間内に明細書等補完書を出して補える。問題はその代償。補完すると、あなたの特許出願は原則として補完書を提出した時にしたものとみなされる。つまり出願日が、最初に出した日ではなく、後から補った日まで飛ぶ。先願主義の日本では、出願日の数日のズレが、同じ発明を出した競合に特許を奪われる分岐点になる。ただし救済がある。優先権の主張を伴い、補完した内容が優先権書類の範囲内なら、出願日は飛ばない。この但書を知っているかどうかが、あなたの発明の生死を分ける。
特許法 38 条の 4 は明細書等の補完制度を定める規定であり、特許出願の日の認定に際して明細書または図面の一部記載の欠落が発見された場合に、出願人が経済産業省令で定める期間内に明細書等補完書を提出して補完することを認める。補完がされた出願は原則として補完書提出時にしたものとみなされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
願書添付の明細書・図面の一部欠落を補完するために提出する書面です。特許法 38 条の 4 第 3 項が根拠で、経済産業省令で定める様式・期間内に提出します。
原則として補完書を提出した時にしたものとみなされ、出願日が繰り下がります(38 条の 4 第 4 項本文)。優先権主張があり省令の範囲内なら出願日は維持されます。
特許庁長官の通知を受けた後、経済産業省令で定める期間内に限られます(38 条の 4 第 2 項)。起算点は通知の到達時で、期間経過後は補完できません。
経済産業省令で定める期間内であれば取り下げられます(38 条の 4 第 7 項)。取り下げると補完はなかったものとみなされます(同 8 項)。
できます。明細書だけでなく図面の一部欠落も補完対象です。ただし補完すると原則出願日が繰り下がる点は同じです。
できません。分割出願、出願変更に係る特許出願、実用新案登録に基づく特許出願には本制度は適用されません(38 条の 4 第 10 項)。
使えます。外国語書面出願では、明細書に記載すべき事項を所定の外国語で記載した書面・図面が補完の対象になります(38 条の 4 第 1 項括弧書)。
優先権主張を伴う出願で、補完書に記載した内容が経済産業省令で定める範囲内にある場合です(38 条の 4 第 4 項但書)。優先権書類に欠落部分が既にあるかが鍵です。
取れます。特許庁から通知が来てから経済産業省令で定める期間内に明細書等補完書を提出すれば補完できます(特許法38条の4第2項)。ただし原則として出願日は補完書を提出した日まで繰り下がります(同4項本文)。業界裏話ヒント:弁理士はこの通知を受けると、まず補完内容が優先権書類に含まれているかを照合します。含まれていれば但書で出願日が維持され、含まれていなければ日付が飛ぶ。この一手間の有無で出願日が守れるかが決まる
本当です。補完すると、その出願は明細書等補完書を提出した時にしたものとみなされます(特許法38条の4第4項本文)。ただし優先権を主張し、補完内容が省令の範囲内なら出願日は維持されます(同但書)。業界裏話ヒント:補完書は省令期間内なら取り下げられます(同7項)。出してしまった補完が出願日を飛ばす不利なものだと気づいても、期間内なら撤回して仕切り直せる。この巻き戻しを知らない出願人は、初動のミスをそのまま確定させてしまう
できません。分割出願、出願変更による特許出願、実用新案登録に基づく特許出願には、この補完制度は適用されません(特許法38条の4第10項)。業界裏話ヒント:これらの変更・分割ルートでは補完という保険が効かない。元の出願段階で明細書・図面が完全であることが前提になるので、変更前の原出願の完成度を弁理士に二重チェックしてもらうのが実務の鉄則
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 38 条の 4:明細書・図面の一部欠落の補完 | — |
| 出願日への影響 | 補完すると原則補完日まで繰り下がる(但書で維持余地) | — |
| 救済の有無 | 期間内の補完・取下げで救済(7 項) | — |
| 適用除外 | 分割・変更・実用新案ベースの出願に不適用(10 項) | — |
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