要点特許法 43 条の 2 は、優先期間内に優先権を主張できなかった出願人が、所定期間内に手続をすれば優先権を回復できると定める。故意による徒過は回復されない。
Q · 特許の優先権って、期限を過ぎたらもう二度と使えないの?
使えます。故意でなければ回復手続で復活できます
特許法 43 条の 2 により、パリ条約の優先期間(最初の出願日から 12 か月)内に優先権を主張できなかった場合でも、経済産業省令で定める期間内に所定の手続をすれば優先権を回復できます。かつての「正当な理由」基準は令和 5 年改正で「故意に優先期間内に出願しなかったと認められる場合を除く」へ緩和され(令和 6 年 1 月 1 日施行)、うっかり期限を落としただけなら原則救済されます。ただし、わざと遅らせたと認定されれば回復は認められません。
海外で先に出願した発明を、日本でも同じ早さで押さえたい。そのための切符が「パリ条約による優先権」で、特許なら最初の出願日から十二か月という有効期限がついている。この十二か月を一日でも過ぎたら、もう日本での優先権は永遠に死んだ、多くの出願人がそう信じて諦めてきた。43条の2は、その諦めを覆す救済ハッチである。期限を過ぎても、経済産業省令で定める期間内(原則として優先期間の満了から二か月以内)に手続をすれば、優先権を回復できる。さらにあなたが知っておくべき決定的な変化がある。かつての回復基準は「正当な理由」、つまりプロでも避けられなかった事情の立証を要する高い壁だった。それが令和五年(2023 年)改正で「故意でなければよい」へと一気に緩和された(令和六年〔2024 年〕一月一日施行)。うっかり期限を落としただけなら、もう諦めなくていい。ただし「わざと遅らせた」と認定されれば回復は認められない、そこが唯一の関所だ。
特許法 43 条の 2 は優先権の回復を定める規定であり、パリ条約による優先権を優先期間内に主張できなかった出願人が、経済産業省令で定める期間内に所定の手続をした場合に、優先期間の経過後でもパリ条約の例により優先権を主張できる旨を規定する。ただし故意に優先期間内に出願しなかったと認められる場合は回復されない。
パリ条約の優先期間(特許は最初の出願日から 12 か月)内に優先権を主張できなかった場合でも、所定期間内に手続をすれば優先権を復活させられる制度です。特許法 43 条の 2 が根拠です。
原則は最初の出願日に遡れなくなりますが、43 条の 2 の回復手続を取れば救済されます。故意でなければ回復が認められ、徒過期間に出た他社の情報で新規性を失うリスクを避けられます。
優先期間の経過後、経済産業省令で定める期間内に手続をする必要があります。起算点は優先期間の満了日で、具体的な期間は特許法施行規則で定められるため最新改正をご確認ください。
回復理由を記載した書面など省令所定の様式を、特許出願とあわせて提出します。故意でなかったことを示す客観的な事情(管理経緯など)を整理しておくと後の争いに強くなります。
特許・実用新案は最初の出願日から 12 か月、意匠・商標は 6 か月です。この優先期間を過ぎた場合の救済が特許法 43 条の 2 の回復制度です。
故意に優先期間内に出願しなかったと認められる場合です。また所定期間を過ぎた手続や、省令所定の様式・書面を欠く手続も回復されません。
実用新案法・意匠法・商標法にも同趣旨の優先権回復規定があります。特許で落とした発明を実用新案へ切り替えて救う横移動を検討する際は各法の回復期間を確認します。
所定の手数料に加え、回復理由書の作成を弁理士へ依頼する場合の代理人費用がかかります。回復が認められれば、遡れない場合の権利喪失に比べ費用対効果は極めて大きくなります。
天と地ほど違います。旧基準の『正当な理由』は、相当な注意を尽くしてもなお期限を守れなかったことの立証を求め、実務ではほとんど認められませんでした。令和五年改正後の『故意でない』は、わざと遅らせたのでない限り原則救済される水準です。業界裏話ヒント:この緩和は日本が PLT(特許法条約)や諸外国の基準に歩調を合わせた結果で、施行は令和六年一月一日。改正前後で出願日が分かれる案件は基準が違うので、自分のケースがどちらの基準で判断されるかをまず確認するのが肝心です
優先権主張自体は認められ、最初の出願日に遡って新規性・進歩性を判断してもらえます。ただし回復された優先権には、第三者が後から要件不備を争う余地が残ります。業界裏話ヒント:回復を経た優先権は『故意でなかった』という前提の上に立っているため、競合は包袋を取り寄せて回復手続の適否を狙ってきます。回復理由書は将来の争いを見越して、徒過の経緯を客観証拠付きで丁寧に残しておくと、後の権利の堅牢さが段違いになります
順番が逆です。先に回復手続で被害そのものを消せる可能性があるため、賠償より回復が優先です。所定期間内に回復が認められれば、損害自体が発生しません。業界裏話ヒント:回復には省令所定の書面と期間制限があり、賠償交渉に時間を取られている間に二か月の窓が閉じると、今度は本当に取り返しがつかなくなります。怒りを処理する前に、まず弁理士と回復可否を詰めるのが、結果として最も損を小さくする動き方です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用場面 | 43 条の 2:優先期間を徒過した後の優先権回復 | — |
| 時間的前提 | 優先期間の経過後、省令所定の期間内 | — |
| 認容の関門 | 故意に徒過したと認められないこと(令和 5 年改正で緩和) | — |
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