要点意匠法44条の3は、回復した意匠権の効力が、追納期間経過後から回復登録前までに善意の第三者が製造・取得した物品・建築物・画像等に及ばないことを定める。
Q · 消えていた意匠権が後で復活したら、その間に作った製品は全部アウトになるの?
回復登録前に作った製品は保護され、効力は及びません
意匠法44条の3により、登録料の追納期間が過ぎてから回復登録の前までに、日本国内で製造・取得した物品や建築物、作成した画像には、回復した意匠権の効力が及びません。権利が消滅していると信じて動いた善意の第三者を保護する趣旨です。ただし保護されるのは回復登録前の行為に限られ、回復登録日以降も同じデザインで製造・販売を続ければ通常どおり侵害となります。境界線は回復登録の日付です。
意匠の世界には、死んだはずの権利が生き返るという現象がある。意匠権者が登録料を払い忘れて権利が消滅した、ところが正当な理由があれば追納して権利を回復できる(44条の2)。問題はその空白期間だ。権利が消えている間に、あなたが同じデザインの製品を輸入・製造・販売していたら? 権利が回復した瞬間、過去にさかのぼって侵害者にされるのか。44条の3の答えは「及ばない」。回復した意匠権の効力は、追納期間が過ぎてから回復登録の前までに、あなたが日本国内で製造・取得した物品、建築した建築物、作成した画像には届かない。あなたは権利が死んでいると信じて動いた善意の第三者だ。法はその信頼を保護する。2019年改正で建築物・画像も対象に加わったので、内装デザインやアプリ画面を扱う事業者にも直結する条文になった。
意匠法44条の3は、44条の2により回復した意匠権について、その効力の及ばない範囲を定める規定である。登録料の追納期間の経過後から回復登録前までに、日本国内で製造・取得された物品・建築物・画像等、および法が列挙する特定の実施行為には、回復意匠権の効力が及ばない。いわゆる中用権に類する善意者保護の仕組みである。
権利が消滅した後に善意で実施を始めた第三者が、権利回復後も一定範囲で実施を続けられる保護の総称です。意匠法44条の3はこれに類する効力制限を定めます。
登録料を追納期間内に払えず権利が消滅しても、正当な理由があれば一定期間内の追納で意匠権を回復できる制度です。44条の3はその回復の効力を制限します。
追納期間経過後から回復登録前までの製造・取得・輸入等、条文が列挙する行為に限られます。回復登録後の実施は含まれません。
境界は「回復登録の日」です。これより前の善意の行為には効力が及ばず、これ以降の実施は通常どおり侵害となりえます。
特許権が回復した場合の効力制限を定める並行規定です。趣旨・構造は意匠法44条の3とほぼ同じで、対象が特許発明である点が異なります。
納付期限を過ぎても一定の追納期間内であれば割増料金で納付でき権利が維持されます。この期間の経過後が44条の3の効力制限の起算点になります。
特許庁の登録原簿・J-PlatPatで登録料の納付状況や存続状態を確認できます。事業開始前の確認が後の防御証拠になります。
44条の3が守るのは回復登録前の行為だけです。回復登録日以降に同じデザインで製造すれば、通常の侵害になります。
回復した意匠権の効力は、追納期間が過ぎてから回復登録の前までに日本国内で製造・取得した物品には及びません(44条の3第1項)。つまり回復登録前に作った在庫は守られます。業界裏話ヒント:在庫が守られるかは「いつ製造・取得したか」の一点で決まるので、製造日を示す客観証拠(製造記録、入庫伝票)を必ず保全すること。回復後に作り足した分は別物として侵害になるので、復活を知った日以降の生産は止めるのが鉄則です
登録料の納付期限を過ぎても追納期間内に払えば維持され、その追納期間も過ぎて消滅した場合でも「正当な理由」があれば一定期間内の追納で回復します(44条の2第2項)。業界裏話ヒント:回復要件は2021年改正で「その責めに帰することができない理由」から「正当な理由」へ緩和され、以前より回復が認められやすくなりました。つまり「消えた意匠権はもう復活しない」という前提で事業を組むのは、昔より危険になっています(最新の改正状況をご確認ください)
関係あります。2019年改正で建築物の意匠と画像意匠が意匠制度に加わり、44条の3も建築物・画像・画像記録媒体等を明示的に保護対象に含めています。あなたがUI画面や内装・建築デザインを扱うなら直結します。業界裏話ヒント:画像意匠は比較的新しい制度で、登録料の管理が甘く失効しているケースも実務では珍しくありません。逆に言えば、失効中に開発した画面は44条の3で守られる余地がある。開発時点の意匠権の生死を登録原簿で確認しておくと、後の防御材料になります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 44条の3:回復した意匠権の効力が及ばない範囲を定める(善意者保護) | — |
| 保護される時間帯 | 追納期間経過後から回復登録前までの行為 | — |
| 対象 | 物品・建築物・画像・画像記録媒体等+列挙された実施行為 | — |
| 境界線 | 回復登録の日(前は保護、後は侵害になりうる) | — |
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