要点意匠法 5 条の 2 は、登録前の出願段階でも他人に仮通常実施権を許諾できると定める。意匠権の設定の登録があれば、設定行為で定めた範囲内で通常実施権が許諾されたものとみなされる。
Q · 意匠を出願したばかりで、まだ登録されていないのに、他社にライセンスして量産させてもいいの?
可能です。仮通常実施権なら出願中でも許諾できます
意匠法 5 条の 2 により、意匠登録を受ける権利を持つ人は、登録前の出願段階でも、願書や図面に現された意匠の範囲内で他人に仮通常実施権を許諾できます。これにより登録通知を待たずに OEM 量産やライセンス契約を始められます。そして意匠権の設定の登録があったとき、その仮通常実施権は設定行為で定めた範囲内で通常実施権が許諾されたものとみなされます(2 項)。ただし出願が拒絶査定や取下げで終われば土台ごと消えるため、契約に精算条項を入れておくことが重要です。
意匠登録を出願してから、特許庁が審査を終えて登録するまで、半年から一年以上の空白がある。その間、あなたのデザインはまだ意匠権になっていない。では、この出願中の期間に、OEM 工場に量産させたい、出資者にライセンス収益を見せたい、共同開発先に「使っていい」と約束したい、そういう取引はどうなるのか。意匠法 5 条の 2 は、その空白を埋める仕掛けだ。意匠登録を受ける権利を持つあなたは、登録前でも他人に「仮通常実施権」(出願中の段階で与える、暫定的な使用許諾) を与えられる。そして登録が下りた瞬間、その仮の許諾は自動的に正式な通常実施権に化ける (2 項)。つまり、出願した日から相手に堂々と使わせ、登録を待たずにビジネスを回せる。出願中だから何もできない、という思い込みが、あなたの資金調達や量産契約を一年遅らせる。
仮通常実施権とは、意匠登録を受ける権利を有する者が、登録前の出願段階において、願書および図面・写真・ひな形・見本に現された意匠またはこれに類似する意匠の範囲内で、他人に許諾する暫定的な実施許諾をいう。意匠権の設定の登録により、設定行為で定めた範囲内の通常実施権へ転化する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
意匠登録を受ける権利を持つ人が、登録前の出願段階で他人に与える暫定的な実施許諾です。意匠法 5 条の 2 が根拠で、登録時に通常実施権へ転化します。
出願から登録までの空白期間に OEM 工場へ量産させたい、ライセンス収益を出資者に見せたい、共同開発先に使用許諾したい場面で、登録を待たず取引を進められます。
仮通常実施権は他人にも重ねて許諾できる非独占型、仮専用実施権は一人に独占させる排他型です。独占の有無と転化後の権利の強さが異なります。
特許法 33 条 2 項・3 項の準用により、実施の事業とともに譲渡する場合や許諾者の承諾を得た場合など、一定の要件下で移転できます。自由譲渡ではありません。
意匠法 5 条の 2 の仮通常実施権を書面で設定します。願書・図面に現された意匠の範囲を明記し、登録不成立時の設備投資精算条項も入れておくのが安全です。
許諾する意匠の範囲(願書・図面の範囲内)、独占か非独占か、対価、登録不成立時の精算、転化後の通常実施権の範囲を具体的に書き込みます。
出願から登録または出願の終了までの間に存在し、設定の登録時に通常実施権へ転化します。取下げ・却下・拒絶査定の確定で出願が消えれば、土台ごと消滅します。
意匠法 5 条の 2 第 3 項により、特許法 33 条 2・3 項、34 条の 3 の一部、34 条の 5 が読替えのうえ準用されます。移転制限などのルールが及びます。
効力が立ち上がる時期が違います。通常の通常実施権 (意匠法 28 条) は意匠権が登録されて初めて設定できますが、仮通常実施権は意匠登録を受ける権利の段階、つまり出願中から設定できます (意匠法 5 条の 2 第 1 項)。そして登録された瞬間、自動的に通常実施権とみなされます (同 2 項)。業界裏話ヒント:多くの中小企業は『出願中だから契約は登録後』と思い込んだまま待ってしまう。出願直後に仮の許諾を固めておくことこそ、量産と資金調達を一年早める実務上の定石です
登録に至らなければ、仮通常実施権は通常実施権に転化しません。意匠法 5 条の 2 第 2 項は『設定の登録があつたとき』を転化の条件にしているからです。つまり相手に与えた仮の許諾は、土台ごと消えます。業界裏話ヒント:この『拒絶リスクを誰が負うか』は条文に書かれていません。実務では契約書に『登録不成立の場合の精算条項』を入れ、量産設備への投資をどう負担し合うかを先に決めておく。これが無い契約は、拒絶査定の通知が来た日に紛争へ転がります
意匠権そのものがまだ存在しない出願段階の権利なので、当事者間で発生させるのに登録は要件とされていません。設定行為 (合意) で生じます。ただし第三者との関係での扱いには注意が必要なので、最新の制度運用を確認してください (最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:権利が形になっていない分、書面の作り込みがすべてです。『現された意匠又はこれに類似する意匠の範囲内』(1 項) という範囲をどこまで具体的に書き込むかで、後に転化する通常実施権の射程まで決まります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 設定できる時期 | 5 条の 2:出願段階(登録前)から設定できる | — |
| 独占性 | 5 条の 2:非独占(仮通常実施権)。重ねて許諾できる | — |
| 権利の土台 | 5 条の 2:意匠登録を受ける権利(出願)。拒絶で消滅 | — |
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