意匠法 第8条の2(内装の意匠)
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店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾(以下「内装」という。)を構成する物品、建築物又は画像に係る意匠は、内装全体として統一的な美感を起こさせるときは、一意匠として出願をし、意匠登録を受けることができる。
この条文の基本情報
内装の意匠とは何ですか?
定義内装の意匠とは、意匠法第8条の2に定められた規定で、「店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾(以下「内装」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 意匠法第8条の2(内装の意匠)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
- 意匠法第8条の2の条文原文は「店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾(以下「内装」という。」で始まります。
- 意匠法第8条の2は第二章 意匠登録及び意匠登録出願に置かれています。
- 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 意匠法第8条の2の前の条は意匠法第8条です。
- 意匠法第8条の2の次の条は意匠法第9条です。
- 意匠法第8条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第8条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125 - 本サイト収録
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第8条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/8_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点意匠法8条の2は、店舗や事務所などの内装が全体として統一的な美感を起こす場合に、一意匠として意匠登録を受けられることを定める。令和2年4月施行で、空間全体の保護が可能になった。
Q · お店の内装をそっくり真似されたら、意匠権で止められるの?
2020年から登録すれば差止め可能
意匠法8条の2により、令和2年(2020年)4月から、店舗や事務所など施設の内部の設備および装飾を「内装」として、全体が統一的な美感を起こす場合に一意匠として登録できます。登録しておけば、模倣店に対して差止めと損害賠償を請求できます(意匠法23条)。ただし要件は厳しく、寄せ集めの什器では認められず、コンセプトが統一された空間設計であることが必要です。未登録の場合は不正競争防止法での勝負になり、立証のハードルが上がります。
解説
行列のできるカフェを作り上げたとする。照明の色温度、什器の配置、壁の質感、商品の見せ方、その全部が計算された一つの世界観だ。ところが半年後、隣町に内装がほぼそっくりの店が現れる。2020年3月以前のあなたなら、泣き寝入りするしかなかった。当時の意匠法は「椅子」「棚」のような物品単位でしか保護せず、空間全体の世界観は誰のものでもない公共財だったからだ。だが令和元年(2019年)改正で新設された8条の2が、その壁を壊した。店舗や事務所など施設の内部の設備および装飾を「内装」とまとめ、全体が統一的な美感を起こすなら、一つの意匠として登録できる。椅子一脚ではなく、空間まるごとに独占権がかかる。登録さえしておけば、模倣店に対して差止めと損害賠償を請求できる。あなたが数百万円かけて作った世界観は、もう無防備な公共財ではなく、登録番号のついた財産になる。
法的な位置づけ
意匠法8条の2は内装の意匠を定める規定であり、店舗・事務所その他の施設の内部の設備および装飾を構成する物品・建築物・画像に係る意匠が、内装全体として統一的な美感を起こさせるときに、一意匠として出願し意匠登録を受けられる旨を規定する。一意匠一出願の原則(意匠法7条)の例外として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.内装デザインを公開する前に出願準備を始める 内装の図面・コンセプトが固まったら、SNSやプレスへの公開より先に出願を準備する。先に写真を出すと新規性を失い、自分の公開でも例外手続(1年以内)の手間とリスクが増える
- 2.統一的な美感を示す図面・写真を作成する 内装全体が一本のコンセプトで統一されていることが伝わるよう、複数方向の図面または写真を用意する。要部(最も特徴的な部分)を意識して作り込み、寄せ集めではないことを示す
- 3.J-PlatPatで先行調査してから特許庁に出願する 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で既存の内装意匠を検索し、抵触がないか確認したうえで、特許庁に意匠登録出願(願書+図面)を提出する。内装・建築物意匠の実績がある弁理士に依頼すると安全
- 4.審査対応・登録後に権利範囲を管理する 拒絶理由通知が来たら意見書・補正書で対応し、登録後は登録番号を社内で管理する。フランチャイズ展開時は本部名義での一元管理を徹底する
- 5.模倣を発見したら証拠を固めて警告する 模倣店の内装を日付入りで写真・動画に記録し、自分の登録意匠との対比表を作る。弁理士・弁護士を通じて差止め・損害賠償を警告する(意匠法23条の効力範囲を主張)
よくある質問 AI による整理
Q1内装の意匠登録とは?
店舗や事務所の内部の設備・装飾を「内装」として、全体が統一的な美感を起こす場合に一意匠として登録する制度です。令和2年4月施行の意匠法8条の2が根拠です。
Q2内装意匠の登録費用はいくら?
特許庁への出願料・登録料に加え、弁理士に依頼する場合は代理人費用がかかり、合計で数十万円規模になることが多いです。模倣による損失に比べれば安い保険といえます。
Q3内装意匠の出願 図面はどう作る?
内装全体の統一的な美感が分かるよう、複数方向からの図面または写真を提出します。要部(最も特徴的な部分)を意識して作り込むと、後の侵害判断で広く効力を主張できます。
Q4内装意匠の存続期間は何年?
出願日から25年です(令和元年改正による。それ以前の出願は登録日から20年)。期間満了後は誰でも自由に同じ内装を使えるようになります。
Q5店の内装が真似されたら違法?
内装意匠を登録していれば、類似範囲の模倣に差止めと損害賠償を請求できます(意匠法23条)。未登録なら不正競争防止法での請求になり、立証のハードルが上がります。
Q6フランチャイズの内装は誰の名義で登録する?
本部名義で登録するのが基本です。ブランドの空間体験を本部資産として一元管理でき、退店した加盟店による内装の流用も防げます。
Q7内装意匠で先使用権は使える?
相手の登録出願より前から同じ内装を実施していた証拠(施工日・開店日・写真)があれば、先使用権(意匠法29条)を主張して使い続けられる余地があります。
Q8内装意匠はJ-PlatPatで調べられる?
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で登録済みの内装意匠を検索できます。出願前の先行調査や、警告状が来たときの登録範囲の確認に使います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは個人経営の小さなカフェですが、内装を登録する意味ありますか?
あります。8条の2は施設の規模を問わず、内部の設備と装飾が全体として統一的な美感を起こせば登録対象になります。むしろ資本力で勝てない個人店こそ、世界観をコピーされたときの反撃材料が要ります。実務のポイント:登録費用は出願・登録料込みでも代理人費用を入れて数十万円規模で、模倣訴訟で泣き寝入りする損失に比べれば安い保険です。多くの弁理士は商品意匠の相談には積極的でも、内装意匠は新しい制度で扱い慣れていない人もいるので、内装・建築物意匠の実績がある事務所を選ぶ
Q2開店して店内写真をもう SNS にたくさん上げちゃいました。もう登録は無理ですか?
まだ間に合う可能性があります。自分自身が公開した場合は、公開日から1年以内に出願し、新規性喪失の例外(意匠法4条)の手続をとれば救済されます。ただし第三者が独自に同じ内装を公開していたら別問題です。実務のポイント:例外規定は『救済』であって万能ではなく、証明書類の準備に手間がかかるうえ、公開後に出願までの空白期間に他人が先に出願するリスクも残ります。本来は公開前に出願するのが鉄則で、例外規定に頼るのは次善策だと弁理士は考えている
Q3内装をちょっとアレンジして真似されたら、もう差し止められないんですか?
完全一致でなくても、意匠が『類似』の範囲に入れば意匠権の効力は及びます(意匠法23条)。需要者から見て全体の美感が混同するレベルかが判断基準です。実務のポイント:意匠の類似判断は『要部(最も特徴的な部分)』を中心に見るため、登録時にどこを要部として図面で強調したかが後の侵害判断を左右します。出願段階で『自店の内装の一番のオリジナリティはどこか』を弁理士と詰めておくと、後で広い範囲に効力を主張できる。出願の作り込みが、数年後の勝敗を決める
間違えやすい点 AI による整理
- 「意匠は商品のデザインを守るもので、お店の中までは無理」と思い込んでいる人が大半だが、それは2020年3月までの話。8条の2の新設で、店舗・事務所・施設の内部空間そのものが一つの意匠として登録対象になった。あなたの知識が改正前で止まっている
- 「内装を登録できると知っていれば十分」と考えがちだが、本当の落とし穴は要件の厳しさにある。登録には『内装全体として統一的な美感』が必要で、寄せ集めの什器を並べただけでは認められない。コンセプトが一本通った設計でなければ、出願しても拒絶される。知っているだけでは武器にならず、要件を満たす設計をした者だけが権利を取れる
- 「登録すれば永久に独占できる」と誤解されているが、意匠権には存続期間がある(出願から25年)。さらに登録前に自ら公開してしまうと、原則として新規性を失う。守りたいなら、公開する前に、しかも期間内に動かなければならない。あなたが思うより、タイミングがすべてを決める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保護対象 | 意匠法8条の2:施設内部の設備・装飾の集合(内装全体) | 意匠法8条:組物を構成する複数物品(食器セット等) 意匠法7条:原則は1物品の意匠 |
| 出願単位 | 複数の物品・建築物・画像を一意匠として出願 | 経済産業省令で定める組物を一意匠として出願 一意匠ごとに一出願(原則) |
| 登録要件の核心 | 内装全体として統一的な美感を起こさせること | 組物全体として統一があること 新規性・創作非容易性(意匠法3条) |
| 想定シーン | カフェ・美容室・オフィスなど空間まるごとの保護 | ブランド食器・家具シリーズの一括保護 単一の物品デザインの保護 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は設計專利で物品の外観を保護し、成組設計で複数物品を一括保護できるが、日本の内装意匠のように空間内部を独立類型として明文化した規定はない。
韓国は한 벌 물품의 디자인(セット物品の意匠)で複数物品の一括保護を認めるが、内装そのものを独立の登録対象とする日本型の規定運用は限定的。
ドイツ・EUは登録共同体意匠で内装(インテリア)も画像・配置の意匠として登録できる運用があり、要件は個別の新規性・独自性で判断される。
米国はデザイン特許で物品の外観を保護し、店舗レイアウト(例:Apple Store のトレードドレス/デザイン特許)も保護対象となり得るが、内装専用の独立カテゴリーは設けていない。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが半年かけて設計した美容室の内装を、元従業員が独立して開いた店がほぼ丸ごとコピーした。客が「系列店だと思った」と言う。内装意匠を登録していれば差止めと損害賠償を打てるが、未登録なら不正競争防止法での勝負になり、立証のハードルが跳ね上がる。登録の有無がそのまま反撃力の差になる
- もし、内装を登録する前に、開店記念で店内の全景写真を Instagram に大量投稿してしまっていたら? 公開すると新規性が失われるが、自分が公開した場合は1年以内(意匠法4条の新規性喪失の例外)なら救済される。ただし証明書類が要る。投稿日から時計は動き出している
- あなたが新しいラーメン店をオープン直前。内装が、実は同業他社が既に登録済みの内装意匠に酷似していると警告状が届いた。開店まであと2週間。デザインを修正するか、相手の登録の有効性(統一的美感の要件を本当に満たすか)を争うか、今夜決めなければ内装工事の発注が間に合わない
- フランチャイズ本部として複数店舗を展開している。各加盟店が「自分の店の内装」を勝手に主張し始めたら統制が効かなくなる。内装意匠を本部名義で登録しておけば、ブランドの空間体験そのものを本部の資産として一元管理できる。逆に登録を怠ると、退店した加盟店に内装をそのまま流用される
取るべき行動
被害を受けた側:1. 模倣を発見したら、まず相手店舗の内装を日付入りで写真・動画に記録、自分の登録意匠(または出願済みであること)との対比表を作る2. 自分が内装意匠を登録済みなら、弁理士を通じて差止め・損害賠償を警告(意匠法23条の効力範囲を主張) 3. 未登録なら、急いで出願できるか検討しつつ、不正競争防止法2条1項1号・3号での請求を並行検討4. 相手が先に登録していた場合は、その登録が「統一的な美感」要件を満たすか、新規性があったかを精査し、無効審判を視野に入れる
訴えられた側:1. 警告状が来たら、まず相手の意匠登録番号を特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で確認、登録範囲と自店内装が本当に同一・類似か冷静に比較2. 相手の登録より前から自分が同じ内装を使っていた証拠(施工日、開店日、写真)があれば先使用権(意匠法29条)を主張3. 相手の内装が公知のありふれた要素の寄せ集めなら、登録の無効(新規性・創作非容易性の欠如)を争う4. 修正で回避できる範囲なら、開店スケジュールと比較してデザイン変更コストを試算
時効(請求できる期限):意匠権の存続期間は出願日から25年(2020年改正、それ以前の出願は登録日から20年)。自ら内装を公開した場合の新規性喪失の例外は、公開日から1年以内に出願し所定の証明書を提出する必要がある(意匠法4条)。模倣に対する損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年の消滅時効(民法724条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:8条の2の内装意匠は、内装全体として統一的な美感を起こさせることが登録の核心要件であり、個々の什器の寄せ集めでは足りないと解されている。要部(最も特徴的な部分)を中心に類否を判断し、登録時に図面でどこを強調したかが侵害判断を左右するとされる。
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)公布、令和2年(2020年4月1日)施行 意匠法8条の2を新設。従来は物品単位でしか保護されなかった店舗・事務所等の内部空間を『内装』として、全体が統一的な美感を起こす場合に一意匠として登録可能にした。同改正では建築物の意匠・画像意匠の保護拡大、存続期間の出願日起算25年化も併せて実現した
改正の年表
- 1.令和元年(2019年)公布、令和2年(2020年4月1日)施行 新設:意匠法8条の2を新設。従来は物品単位でしか保護されなかった店舗・事務所等の内部空間を『内装』として、全体が統一的な美感を起こす場合に一意匠として登録可能とした。同改正では建築物の意匠・画像意匠の保護拡大、存続期間の出願日起算25年化も併せて実現した。
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