要点商標法 68 条の 22 は、国際登録に基づく商標権について国内の更新・回復規定を適用せず、更新は WIPO 国際事務局への手数料納付で全指定国分を一括して行うと定める。
Q · うちの商標、10 年ごとに特許庁へ更新申請すればいいんですよね?
国際登録の商標は特許庁ではなく WIPO で更新します
商標法 68 条の 22 により、マドリッド協定議定書(マドプロ)に基づく国際登録に係る商標権には、国内の存続期間・更新登録の申請を定める 19 条から 22 条が適用されません。したがって特許庁への更新申請という手続そのものが存在せず、更新はスイス・ジュネーブの WIPO 国際事務局への手数料納付で行います。一度の更新で日本を含む全指定国の商標を同時に維持できますが、逆に一度の更新漏れで全指定国の保護が一斉に失効します。自社の商標が国内登録か国際登録かを台帳で確認することが第一歩です。
10年に一度、特許庁に更新申請を出す。日本で商標を持つ多くの企業はそう考えている。ところが、あなたの会社の商標がマドリッド協定議定書(国際登録)経由で取得されたものなら、その常識は通用しない。68条の22ははっきり告げている。国際登録に基づく商標権には、日本の更新手続を定める19条から22条、そして登録の公示に関する23条1項2項を「適用しない」。では更新はどこでやるのか。スイス、ジュネーブの世界知的所有権機関(WIPO)国際事務局へ、たった一回。その一回が、日本だけでなく指定したすべての国の商標を同時に10年延ばす。逆に言えば、この国際登録を一度切らせれば、指定国すべての保護が同時に消える。本条は、あなたの商標の生命線を東京からジュネーブへ繋ぎ替えるスイッチである。
商標法 68 条の 22 は、マドリッド協定議定書に基づく国際登録に係る商標権について、国内の存続期間(19 条)、更新登録の申請(20 条)、商標権の回復(21 条・22 条)および登録公示(23 条 1 項・2 項)の規定を適用しない旨を定める規定である。更新は国際登録制度を通じて一元的に行われ、23 条 3 項は読替えのうえ適用される。
マドプロはマドリッド協定議定書の略で、一度の国際出願で複数国に商標登録を広げられる制度です。日本も加盟しており、更新は WIPO 国際事務局で一括して行います。
できません。商標法 68 条の 22 により 19 条から 22 条が適用されず、特許庁への更新申請手続そのものが存在しません。更新は WIPO への手数料納付で行います。
国際登録の存続期間は 10 年で、10 年ごとに更新します。後から指定国を追加しても更新日は元の国際登録の存続期間に揃い、一回の更新で全指定国を維持します。
指定したすべての国の保護が同時に失効します。集中管理ゆえに一度の更新漏れが全指定国の全滅リスクとなる点が、国別管理との大きな違いです。
国際登録の場合はスイス・ジュネーブの WIPO 国際事務局にスイスフラン建てで納付します。日本の特許庁への更新登録料の納付ではない点に注意が必要です。
指定国が多いほどマドプロが有利で、更新も一括一回で済みます。少数国なら個別出願が柔軟な場合もあり、更新コストを 10 年単位で比較して選ぶのが実務的です。
国内の存続期間を定める 19 条、更新登録の申請の 20 条、商標権の回復の 21 条・22 条、登録公示の 23 条 1 項・2 項です。23 条 3 項は読替えで適用されます。
商標法 21 条の回復制度は適用されません。代わりに国際登録には更新期限後 6 か月の猶予期間があり、割増手数料付きで WIPO に更新できます。
登録番号で見分けられます。国際登録に基づくものは登録原簿に「国際登録番号」が記載され、WIPOのMadrid Monitorでも検索できます。国内出願由来の登録番号とは別系統です(商標法68条の19以下)。業界裏話ヒント:特許事務所からの更新案内が「特許庁への更新申請」の話なら国内登録、「WIPOへの更新手数料納付」の話なら国際登録。案内の文面のこの違いで、自分のブランドがどちらの線路かを一瞬で見分けられる
国際登録には更新期限後6か月の猶予期間(割増手数料付き)があり、その間ならWIPOで更新できます(標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書 第7条)。ただし19条から22条が適用されないため、国内の商標権の回復(商標法21条)のルートは使えません。業界裏話ヒント:国内登録なら回復制度に頼る余地がありますが、国際登録は救済が国際手続側に一本化されている。だから国内案件以上に、WIPOの猶予期間6か月を絶対に逃さない管理が要る(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 更新の窓口 | 68 条の 22:WIPO 国際事務局(19〜22 条は適用除外) | — |
| 更新の単位 | 国際登録単位で一回、全指定国を同時更新 | — |
| 救済制度 | 21 条の回復は不適用、猶予期間 6 か月で WIPO 更新 | — |
| 失効リスク | 一度の更新漏れで全指定国が同時失効 | — |
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