商標法 第68条の39
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旧国際登録に係る商標権の再出願に係る商標登録についての第四十七条の規定の適用については、同条中「請求することができない。」とあるのは、「請求することができない。商標権の設定の登録の日から五年を経過する前であつても、旧国際登録に係る商標権の再出願に係る商標登録については、もとの国際登録に係る商標登録について本条の規定により第四十六条第一項の審判の請求ができなくなつているときも、同様とする。」とする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第68条の39は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第68条の39の条文原文は「旧国際登録に係る商標権の再出願に係る商標登録についての第四十七条の規定の適用については、同条中「請求することができない。」で始まります。
- 商標法第68条の39は第三節に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第68条の39の前の条は商標法第68条の38です。
- 商標法第68条の39の次の条は商標法第68条の40です。
- 商標法第68条の39には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の39 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の39(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/68_39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法68条の39は、旧国際登録の再出願による商標登録について除斥期間を読み替える。再出願の登録から五年未満でも、もとの国際登録で除斥期間が満了していれば無効審判は請求できない。
Q · 再出願された商標なら、登録が最近でも無効審判はもうできないことがあるって本当?
本当。除斥期間はもとの国際登録から数えるため既に閉じていることがある
商標法第68条の39により、旧国際登録が取り消された後に国内へ再出願された商標登録については、無効審判の除斥期間を定める第47条が読み替えられます。通常は新しい登録ごとに五年の除斥期間が再び進行しますが、本条の特例では、もとの国際登録に係る登録について既に除斥期間が満了し第46条第1項の無効審判を請求できなくなっていれば、再出願の登録から五年未満でも同様に請求できません。起算点を再出願の登録日ではなく、もとの国際登録に遡って数える点が要です。
解説
競合他社の商標を無効審判で潰そうとして登録原簿を開いたら、登録日は二年前。まだ五年経っていないから無効審判は間に合う、そう判断したあなたは、この一条で足をすくわれる。商標法四十七条は、登録から五年が経つと先願商標との抵触などの相対的無効理由による無効審判を封じる除斥期間を定める。通常、再出願された商標は新しい登録だから、この五年の窓が開き直す。ところが六十八条の三十九は、マドリッドプロトコルの旧国際登録が取り消されて国内に再出願された商標については、もとの国際登録の段階で既に五年が経過して無効審判が封じられていたなら、再出願後であっても同じく封じられる、と四十七条を読み替える。つまり「登録は最近、でも除斥期間はとっくに満了」という状態がありうる。再出願の事実を見抜き、もとの国際登録の登録日まで遡って数えなければ、勝てる審判と封じられた審判を取り違える。
法的な位置づけ
商標法第68条の39は、マドリッドプロトコルの旧国際登録が取り消された後に国内へ再出願された商標登録について、無効審判の除斥期間を定める第47条の適用を読み替える特例である。再出願による登録から五年が未経過でも、もとの国際登録に係る登録について既に除斥期間が満了していれば、第46条第1項の無効審判は請求できないものとする。
よくある質問 AI による整理
Q1除斥期間とは何ですか?
一定期間の経過により権利の主張ができなくなる期間です。商標では設定登録から五年経つと、相対的無効理由による無効審判(商標法47条・46条)を請求できなくなります。
Q2セントラルアタックとは何ですか?
マドリッドプロトコルで、本国の基礎登録が五年以内に消滅すると、それに従属する国際登録も連鎖して取り消される仕組みです。再出願制度はこの救済策です。
Q3商標法68条の39はどんな場合に適用されますか?
旧国際登録が取り消され、その救済として国内に再出願された商標登録についてのみ適用されます。通常の国内新規出願には適用されません。
Q4再出願商標の除斥期間の起算点はいつですか?
再出願の登録日ではなく、もとの国際登録に係る商標登録を基準に数えます。もとの登録で五年が満了していれば、再出願後も無効審判は封じられます。
Q5もとの国際登録の登録日はどこで確認できますか?
WIPO の国際登録簿や登録原簿の「国際登録に基づく」表示、再出願(商標法68条の32)の経緯から確認します。弁理士に原簿調査を依頼するのが確実です。
Q6絶対的無効理由でも除斥期間は適用されますか?
適用されません。公序良俗違反など絶対的無効理由による無効審判には除斥期間がなく、五年経過後も請求できます。本条が及ぶのは相対的無効理由です。
Q7無効審判と取消審判はどう違いますか?
無効審判は登録時の瑕疵を理由に登録を遡及的に無効とする手続です。取消審判は不使用など登録後の事情で将来に向け権利を消滅させる手続で、除斥期間の枠組みが異なります。
Q8商標の無効審判は誰が請求できますか?
相対的無効理由については利害関係人に限られます。商標権の存続に法律上の利害を持つ者が、商標法46条1項に基づき特許庁に請求します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1再出願って何ですか? なんで国際登録が国内出願に戻るんですか?
マドリッドプロトコルで一括取得した海外商標は、本国の元になる登録が五年以内に消えると連鎖して取り消される。これがセントラルアタックだ。その救済として、消えた国際登録を各国ごとの国内出願に切り替えられる。それが再出願(商標法六十八条の三十二)である。実務のポイント:再出願は「新規出願」の顔をして登録原簿に並ぶので、経緯を知らないと普通の新規登録と区別がつかない。だからこそ見抜ける人と見抜けない人で扱いが分かれる
Q2登録日が最近の商標なら、必ず無効審判は間に合うんじゃないんですか?
間に合うとは限らない。商標法六十八条の三十九は四十七条を読み替え、旧国際登録の再出願については、もとの国際登録の段階で既に五年の除斥期間が満了して無効審判(四十六条一項)が封じられていたなら、再出願後でも同様に封じると定める。登録日が最近でも、起算点はもとの国際登録に遡る。実務のポイント:相手の代理人がこの読替えに気づかず登録日基準で油断していることもある。逆にこちらが起算点を読み違えれば、勝てる審判を自ら捨てる
間違えやすい点 AI による整理
- 「登録日から五年経っていなければ無効審判できる」という前提そのものが、再出願商標では崩れる。あなたが立てた問い「登録から五年経ったか」が間違っていて、本当の問いは「もとの国際登録から五年経ったか」である。問いの設定を誤った時点で、調査の結論ごと狂う
- 再出願制度の存在は知っていても、その再出願が除斥期間の起算点まで引き継ぐという深刻さを知らない。起算点を一つ前にずらすだけで、勝てるはずの審判が門前払いになり、逆に守れるはずの商標が無防備に見える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 除斥期間の起算点 | 68条の39:もとの国際登録に係る登録を基準に遡って数える | 47条(本則):当該商標権の設定登録日から五年 68条の32:再出願により国内登録へ切り替える手続そのもの |
| 適用対象 | 旧国際登録の再出願に係る商標登録に限定 | 通常の国内商標登録一般 セントラルアタック等で取り消された国際登録の救済出願 |
| 効果 | もとの国際登録で除斥期間満了なら再出願後も無効審判不可 | 五年経過で相対的無効理由による46条1項審判を封じる 国際登録の地位を国内出願として継続させる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も評定(無効に相当)に五年の除斥期間を置くが、マドリッド議定書非加盟のため再出願による起算点の引継ぎという仕組みは存在しない
韓国はマドリッド議定書加盟国で、無効審判に五年の제척기간を置く。転換出願(재출원)における起算点の扱いは日本と類似の問題を抱える
ドイツは無効主張に対し Verwirkung durch Duldung(黙認による失権、五年)を置き、IR マークの Umwandlung(転換)も MarkenG が規律する
米国は登録後五年の継続使用で不可争性(incontestability)が生じる制度を採り、相対的事由による取消を制限する点で機能的に類似する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし競合の商標を無効審判で攻めようとした矢先、相手の代理人から「その商標は旧国際登録の再出願です」と告げられたら? 起算点は登録日ではなく、もとの国際登録の登録日まで遡る。審判請求の戦略が根底から変わり、しかも準備に使える時間は限られている
- あなたの会社がセントラルアタックで国際登録を失い、日本に再出願して商標権を取り戻した。数年後、競合が「再出願だから除斥期間はリセットされ、無効審判ができる」と仕掛けてくる。だが、もとの国際登録で既に五年が過ぎていれば、この一条があなたの盾になる
- 弁理士が登録原簿の「国際登録に基づく」の一行を見落とした。除斥期間の起算点を登録日と誤認した。間に合うはずの審判が、実は何年も前に封じられていた
取るべき行動
被害を受けた側:1. 攻めたい商標の登録原簿で「国際登録に基づく」表示と再出願(商標法六十八条の三十二)の経緯を確認する。2. 再出願なら、もとの国際登録の設定登録日まで遡り、主張する無効理由が相対的無効理由か絶対的無効理由かを切り分ける。3. 相対的理由で、もとの国際登録で既に五年が経過していれば、四十七条の除斥期間が六十八条の三十九で引き継がれ、無効審判は封じられる。4. 起算点の認定は弁理士に確認する
訴えられた側:1. 競合が無効審判(四十六条一項)を仕掛けてきたら、対象商標が旧国際登録の再出願であるかを真っ先に主張材料にする。2. もとの国際登録の設定登録日から既に五年が経過していれば、六十八条の三十九の読替えで除斥期間が引き継がれ、相対的無効理由による審判請求は不適法となる。3. もとの国際登録の登録日を示す国際登録簿・公報を証拠として準備する。4. ただし公序良俗違反などの絶対的無効理由は除斥期間の対象外なので、別途実体的に反論する
時効(請求できる期限):商標法四十七条の除斥期間は商標権の設定登録日から五年。ただし本条により、旧国際登録に係る再出願では、もとの国際登録に係る商標登録について既に五年が経過して無効審判(四十六条一項)が封じられていれば、再出願の登録から五年以内であっても審判を請求できない。起算点を再出願の登録日ではなく、もとの国際登録に遡って数える点が要(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は、再出願により形式上は新しい登録が生じても、もとの国際登録で築かれた法的安定を連続して保護する趣旨と解される。除斥期間の起算点をもとの国際登録に固定することで、再出願を繰り返して相対的無効理由を浄化する抜け道を防ぐ機能を持つ。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:マドリッドプロトコルへの加入に伴う商標法改正で、国際登録に基づく商標権の特例(68条の2以下)が新設され、旧国際登録の再出願に関する除斥期間の読替え規定として本条が置かれた。
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