商標法 第68条の38(商標登録の無効の審判の特例)
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第六十八条の三十二第一項又は第六十八条の三十三第一項の規定による商標登録出願に係る商標登録についての第四十六条第一項の審判については、同項中「次の各号のいずれかに該当するとき」とあるのは、「次の各号のいずれかに該当するとき又は第六十八条の三十二第一項若しくは第六十八条の三十三第一項若しくは第六十八条の三十二第二項各号(第六十八条の三十三第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定に違反してされたとき」とする。
この条文の基本情報
商標登録の無効の審判の特例とは何ですか?
定義商標登録の無効の審判の特例とは、商標法第68条の38に定められた規定で、「第六十八条の三十二第一項又は第六十八条の三十三第一項の規定による商標登録出願に係る商標登録についての第四十六条第一項の審判については、同項中「次の各号のいずれか…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第68条の38(商標登録の無効の審判の特例)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第68条の38の条文原文は「第六十八条の三十二第一項又は第六十八条の三十三第一項の規定による商標登録出願に係る商標登録についての第四十六条第一項の審判については、同項中「次の各号のいずれか…」で始まります。
- 商標法第68条の38は第三節に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第68条の38の前の条は商標法第68条の37です。
- 商標法第68条の38の次の条は商標法第68条の39です。
- 商標法第68条の38には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の38 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の38(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/68_38
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法68条の38は、国際登録から転換出願された商標登録について、第46条1項の無効審判に転換要件違反という追加の無効理由を読み替えで設ける特例である。
Q · 国際登録から国内に乗り換えた商標は、普通の商標より無効にされやすいって本当?
本当です。無効理由が一つ多い特例があります
商標法68条の38により、第68条の32第1項又は第68条の33第1項に基づく転換出願に係る商標登録は、第46条1項の無効審判について読み替えが適用されます。具体的には、通常の無効理由に加えて「転換出願の要件(68条の32第1項・68条の33第1項・68条の32第2項各号)に違反して登録された」ことも無効理由に追加されます。つまり国際登録から転換した商標は、純粋な国内出願商標にはない攻め口を一本余分に抱えています。逆に競合の転換商標を潰す側からは、武器が一つ増えていることを意味します。
解説
あなたの会社が海外で展開していて、マドリッド協定議定書という国際登録制度を使って日本での商標を確保したとする。ところが本国での登録が取り消されると(セントラルアタックと呼ばれる攻撃)、日本を指定した国際登録も道連れで消える。そこで救済策として、一定期間内に日本の国内出願へ「乗り換える」ことができる。それが68条の32や68条の33の転換出願だ。問題はここから。この乗り換えで得た商標登録には、普通の国内商標にはない特別な無効理由が一つ追加される。それがこの条文だ。本来46条1項の無効審判は決まった理由でしか登録を潰せないが、乗り換え商標については「乗り換えの要件(出願人の同一性、商標の同一性、指定商品・役務の範囲など)に違反していた」ことも無効理由として読み替えで上書きされる。つまり、あなたが乗り換え商標の持ち主なら、ほかの商標より弱点を一本多く抱えている。逆に競合の乗り換え商標を潰したいなら、攻め口が一つ増えている。
法的な位置づけ
商標法第68条の38は、マドリッド協定議定書に基づく国際登録の取消し(セントラルアタック)等を契機として第68条の32第1項又は第68条の33第1項により国内出願へ転換された商標登録に関する無効審判の特例である。第46条第1項の無効理由に、転換出願の要件に違反して登録された場合を読み替えにより追加する点に特徴がある。
よくある質問 AI による整理
Q1商標法68条の38とは何ですか?
国際登録から転換出願された商標登録の無効審判の特例です。46条1項の通常無効理由に加え、転換出願の要件違反も無効理由として読み替えで追加されます。
Q2転換出願の無効理由はどんなときに問題になりますか?
出願人の同一性、商標の同一性、指定商品・役務の範囲など、68条の32・68条の33の転換要件に違反して登録された場合に、追加の無効理由として主張されます。
Q3セントラルアタックを受けたら何をすべきですか?
所定の期間内に68条の32・68条の33の転換出願を行い、国内出願へ乗り換えます。期限を逃すと日本での保護がゼロに戻るため、迅速な対応が必要です。
Q4競合の商標が国際登録由来かどう調べますか?
特許庁のJ-PlatPatで登録情報を検索し、国際登録番号の有無を確認します。番号があれば転換出願由来かを精査し、追加の無効理由を準備できます。
Q5商標の無効審判に5年の除斥期間はありますか?
商標法47条が一定の無効理由に登録から5年の除斥期間を定めます。68条の38の追加理由に及ぶかは実務上の論点で、事案ごとに弁理士と確認が必要です。
Q6純粋な国内出願商標にもこの条文は関係しますか?
自分の商標には直接適用されませんが、争う相手の商標が国際登録由来なら、相手側にこの追加無効理由を主張できます。相手次第で武器になります。
Q7転換出願の要件を満たすコツはありますか?
出願時に名義・商標・指定商品を元の国際登録と完全一致させることです。期限に追われて雑に写すと、登録後に無効審判で突かれる火種を残します。
Q8国際登録と国内登録で効力に違いはありますか?
登録としての効力は同じですが、国際登録から転換した商標は68条の38により無効理由が一つ多く、無効化されるリスクの面で違いがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国際登録から国内に切り替えた商標って、普通の商標と何が違うんですか?
効力は同じですが、無効にされる理由が一つ多いのが決定的に違います。68条の38は、転換出願の要件(68条の32第1項等)に違反して登録された場合も46条1項の無効審判の対象になると読み替えています。実務のポイント:この追加理由は条文を読み込んだ弁理士しか意識しておらず、通常の商標調査では見落とされがち。競合の国際登録由来商標を攻めるとき、ここを突けるかどうかで無効審判の勝ち筋が変わる。
Q2セントラルアタックで国際登録が消えたら、日本での商標はもう諦めるしかないんですか?
諦める必要はありません。68条の32や68条の33の転換出願を使えば、所定の期間内に国内出願へ乗り換え、もとの保護を引き継げます。ただし要件を満たさないと、登録後に68条の38で無効化される火種を残します。実務のポイント:転換出願は急いで出すことと元の国際登録と完全一致させることが両立しにくい。期限に追われて指定商品を雑に写すと、数年後に無効審判で足をすくわれる。(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「商標は一度登録されてしまえば、もう簡単には覆らない」と思われがちだが、国際登録から転換した商標は、通常の無効理由に加えて転換要件違反という追加ルートを抱えており、むしろ普通の商標より覆されやすい
- セントラルアタックで国際登録が消えても国内転換で救済される、そこまでは多くの担当者が知っている。だがその救済で得た登録が「要件違反だった」として後から無効化されうるという二段構えのリスクまで意識している人は、ほとんどいない
- 「うちは純粋な国内出願だからこの条文は関係ない」と問いを立てた時点でズレている。効いてくるのは自分が持ち主かどうかではなく、あなたが争おうとしている相手の商標が国際ルート由来かどうかだ。相手次第で、この追加無効理由はあなたの武器になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用対象 | 68条の38:国際登録から転換出願された商標登録(68-32/68-33由来) | 46条1項:すべての登録商標の無効審判 47条:一定の無効理由に対する除斥期間 |
| 無効理由 | 46条1項の各号 + 転換出願の要件違反(追加) | 4条違反・条約違反など法定の各号のみ 理由の追加ではなく請求可能期間の制限 |
| 覆されやすさ | 攻め口が一本多く、相対的に無効化リスクが高い | 法定の無効理由に限定 5年経過で一部理由は請求不可となり安定化 |
| 実務上の着眼点 | 元の国際登録との名義・商標・指定商品の一致を要証拠化 | 不登録事由(4条)等の実体審査 68条の38の追加理由への適用範囲は論点 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾はマドリッド協定議定書の非加盟であり、国際登録の転換制度自体が存在しない。無効に相当する手続は評定によるが、転換特例に対応する追加無効理由はない。
韓国はマドリッド議定書加盟国で、国際登録から国内出願への転換が認められる。無効審判(무효심판)の枠組みは日本と類似するが、追加無効理由の有無は法文上の差異がある。
ドイツは国際登録から国内出願への転換(Umwandlung)を認める。転換後は通常の国内出願として審査・異議の対象となり、日本のような独立の追加無効理由を読み替えで設ける構造とは立法技術が異なる。
米国はマドリッド議定書の国際登録の保護拡張がセントラルアタックで消滅した場合、転換出願を認める。転換後は通常の連邦商標出願として扱われ、無効事由は一般のキャンセル手続による。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 本国の商標登録が取り消され、日本を指定した国際登録も連動して消えるという通知が届いた。残された猶予はわずか。この間に転換出願を出さなければ、日本で築いたブランド保護がゼロに戻る。だが期限に追われて出した転換出願が要件を満たしていないと、せっかく登録された後にこの条文で無効にされる火種を自ら残すことになる
- もし競合他社が、国際登録から乗り換えた商標であなたの事業を妨害してきたら? 通常の無効審判の理由に加えて、そもそも転換の要件を満たしていなかったのではという攻め口を一本追加できる。相手はその追加リスクに気づいていない可能性が高い
- あなたの転換出願が無事登録された。だが安心するのはまだ早い。出願人名義や指定商品の範囲が元の国際登録とズレていれば、この特例を根拠に第三者から無効審判を起こされる余地が残り続ける
取るべき行動
被害を受けた側:1. 妨害してくる相手の商標が国際登録由来か、J-PlatPatの登録情報で国際登録番号の有無を確認2. 由来が転換出願なら、元の国際登録と現在の登録で出願人・商標・指定商品が一致しているか照合3. ズレがあれば、46条1項の通常無効理由に加え、この68条の38の特例(転換要件違反)を主張して無効審判を請求4. 弁理士に依頼し、転換時の手続書類を特許庁の包袋から取り寄せて証拠化する
訴えられた側:1. 自分の登録が転換出願由来なら、出願時の名義・商標・指定商品が元の国際登録と一致していたか自己点検2. ズレがある場合、無効審判で突かれる前提で反論材料や訂正可能な範囲を整理3. 無効審判を起こされたら答弁書提出期限を厳守し、転換要件を満たしていた証拠を提出4. 要件解釈に争いがある論点は、実務上見解が分かれる部分として弁理士と戦略を組む
時効(請求できる期限):無効審判そのものに一般的な請求期限はないが、商標法47条の除斥期間(一定の無効理由は登録から5年経過後は請求不可)がこの特例による追加理由に及ぶかは実務上の論点となりうる。転換出願自体の期限(68条の32第1項等)とは別個に管理すること。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:68条の38は独立の無効理由を新設したものではなく、46条1項の無効審判の文言を読み替えて転換出願の要件違反を取り込む読み替え規定と理解されている。救済の入口は広く開けつつ、要件を満たさない転換登録は事後的な審判で排除する均衡を図ったものと解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:マドリッド協定議定書への加入に伴い、国際商標登録出願および転換出願に関する規定群(68条の32〜68条の38)を新設。議定書は日本について2000年に効力を生じた。
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