要点商標法 70 条 1 項は、色彩だけが異なり色を揃えれば同一と認められるマークを「登録商標」に含めると定める。色違いの模倣は類似ではなく同一として扱われる。
Q · ロゴの色だけ変えて使えば、商標侵害を避けられるんですか?
避けられません。色違いの同じマークは法律上「同一」です。
商標法 70 条 1 項により、登録商標に類似する商標であっても、色彩を登録商標と同一にすれば同一と認められるマークは「登録商標」に含まれます。つまり色だけを変えた模倣は「類似」ではなく「同一」として扱われ、差止・損害賠償の立証が一段容易になります。ただし 37 条のみなし侵害や 51 条の不正使用取消では適用されず(3 項)、色彩のみからなる登録商標にも適用されません(4 項)。場面によって効き目が反転する点に注意が必要です。
あなたが自社ロゴを赤で商標登録したとする。ライバルが同じ形のロゴを青に変えて売り始め、「色が違うからセーフ」と高をくくる。だが商標法 70 条は、その逃げ道を塞ぐ。登録商標と色だけが違い、色を揃えれば同一と認められるマークは、法律上「登録商標そのもの」として扱われる。つまり色違いの模倣は「類似」ですらなく「同一」、侵害の立証ハードルが一段下がる。ただし二つの落とし穴がある。第一に、37 条のみなし侵害や 51 条の不正使用取消では、この色彩同一ルールは適用されない(3 項)。第二に、色彩のみからなる登録商標にはそもそも適用されない(4 項)。攻めにも守りにも効く条文だが、どの場面で効くかを取り違えると、判断を丸ごと誤る。
商標法 70 条は色彩同一の特則を定める規定である。登録商標に類似する商標のうち、色彩を登録商標と同一にすれば登録商標と同一と認められるものは、25 条・50 条等の適用上「登録商標」に含まれる(1 項)。防護標章にも準用される(2 項)。ただし 37 条 1 号・51 条 1 項では適用されず(3 項)、色彩のみからなる登録商標には適用されない(4 項)。
登録商標に類似する商標でも、色彩を揃えれば同一と認められるものを「登録商標」に含める規定です。色違いの同じマークを類似でなく同一として扱い、権利範囲を実質的に広げます。
適用されません。70 条 4 項により、色彩のみからなる登録商標は前三項の適用除外です。色違いという概念自体が成り立たないためです。
25 条(専用権)、50 条(不使用取消)、38 条(損害額推定)など 1 項列挙の条文に及びます。逆に 37 条 1 号と 51 条 1 項は 3 項で除外されています。
効きません。70 条 3 項により、37 条 1 号の「登録商標に類似する商標」には色彩同一のマークを含めないと定められています。場面を取り違えると主張が空振りします。
適用されます。70 条 2 項により、登録防護標章についても色彩を同一にすれば同一と認められる標章を「登録防護標章」に含めます。
形・文字・図形は同じで色だけが違うマークを指します。仮に色を登録商標と同色に直せば同一商標になるなら、現状の色違いでも同一として扱う、という意味です。
同一は権利範囲の中核で侵害立証が容易、類似は混同のおそれを別途立証する必要があります。70 条は色違いを類似でなく同一に格上げし、立証の足場を高めます。
他社の登録ロゴを色だけ変えて流用すると 70 条 1 項で同一商標の侵害になり得ます。色のバリエーション展開を企画する際は、形そのものの差別化が必要です。
なります。商標法 70 条 1 項により、登録商標と色彩だけが異なり、色を揃えれば同一と認められるマークは「登録商標そのもの」として扱われます。「類似」の議論を経ずに、同一商標の無断使用として差止・損害賠償の対象になります。業界裏話ヒント:実務では「色を変えればセーフ」という都市伝説が根強く、これを信じてリブランドした企業が警告書一通で頓挫する例が後を絶ちません。逆に権利者側は、警告書で最初から「70 条により同一」と書くと交渉が一気に有利になります
防げる可能性があります。商標法 70 条 1 項は 50 条の不使用取消審判にも及ぶため、登録色と違う色での使用でも「登録商標の使用」と認められ得ます。ただし社会通念上の同一性が前提で、色以外の要素まで変えていると認められません。業界裏話ヒント:取消審判では「どの色で、いつ、どの商品に使ったか」の証拠(チラシ、納品書、ウェブ魚拓)を日付入りで残しているかが分水嶺。色違い使用なら、なおさら同一性を補強する使用態様の証拠を厚くしておく必要があります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 色彩同一ルール(70 条)の適用 | 25 条 専用権・50 条 不使用取消等:適用あり(色違いも「登録商標」に含む) | — |
| 権利者にとっての効果 | 色違いの模倣を「同一」として差止・損害賠償を主張できる | — |
| 色彩のみからなる登録商標の扱い | 70 条 4 項により前三項すべて適用除外 | — |
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