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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 8 分8 分8 分

最低賃金法 第33条

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労働基準監督官は、この法律の規定に違反する罪について、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定による司法警察員の職務を行う。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 最低賃金法第33条は、日本の最低賃金法に含まれる条文です。
  2. 最低賃金法第33条の条文原文は「労働基準監督官は、この法律の規定に違反する罪について、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定による司法警察員の職務を行う。」で始まります。
  3. 最低賃金法第33条は第四章 雑則に置かれています。
  4. 最低賃金法の公布日は昭和34年4月15日です。
  5. 最低賃金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 最低賃金法第33条の前の条は最低賃金法第32条です。
  7. 最低賃金法第33条の次の条は最低賃金法第34条です。
  8. 最低賃金法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第33条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137
  • 本サイト収録最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000137/33

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点最低賃金法33条は、労働基準監督官が同法違反の罪について刑事訴訟法上の司法警察員の職務を行うと定める。捜査と検察官への送致を警察を経ずに行えるが、その局面では令状主義が及ぶ。

Q · 労働基準監督官って、警察を通さずに会社を送検できるんですか?

できます。監督官自身が捜査し検察官へ直接送致します

最低賃金法第33条により、労働基準監督官は同法違反の罪について刑事訴訟法上の司法警察員の職務を行います。したがって捜査、被疑者の取調べ、令状の請求、検察官への事件送致(刑事訴訟法第246条)を、警察署を経由せず自ら行えます。ただし司法警察員として動く局面では令状主義と供述拒否権が全面的に働き、第32条の臨検(行政調査)の権限を犯罪捜査のために用いることは同条により禁じられています。実務上この回路が切り替わるのは、是正勧告に応じない、記録を改ざんする、同じ違反を繰り返す場合です。

解説

役所の調査官が来た、で終わる話ではない。労働基準監督官には二つの顔がある。一つは行政官として事業場に立ち入り、帳簿とタイムカードを見て是正勧告を出す顔(第32条)。もう一つが本条の顔、つまり刑事訴訟法上の司法警察員である。司法警察員とは、被疑者を逮捕し、捜索差押えの令状を請求し、事件を検察官に送致できる立場を指す。パトカーも警察手帳も出てこないが、権限の中身は警察官と変わらない。しかも警察官が逮捕状を請求する場合は公安委員会が指定した警部以上に限られるのに対し、監督官にはその限定がない(刑事訴訟法第199条第2項)。あなたの会社に来たあの担当者が、名刺の肩書きのまま令状を取れる。実務上、この回路が切り替わるのは、是正勧告に応じない、記録を作り替える、同じ違反を繰り返す、そのどれかが起きたときだ。

法的な位置づけ

最低賃金法第33条は、労働基準監督官の司法警察員としての地位を定める規定である。労働基準監督官は、同法の規定に違反する罪に関して、刑事訴訟法の規定による司法警察員の職務を行う。行政監督権限を定める第32条とは系統を異にし、捜査・送致という刑事手続上の権限の直接の根拠となる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.訪問の性格を最初に確認する 監督官の身分証明書を提示してもらい、根拠条文を尋ねる。第32条の臨検(行政調査)なのか、第33条に基づく捜査なのかで、供述の自由も立入りの要件も変わる。この一問を最初にするだけで以後の対応方針が定まる
  2. 2.是正勧告書の指定期日を最優先で管理する 是正勧告書を受け取ったら、社内の他のどの締切よりも先に指定期日を確定させる。行政ルートに留まるか司法ルートへ移るかは、この一点で分かれる。期日に間に合わない見込みなら、放置せず事前に監督署へ連絡し進捗を報告する
  3. 3.差額を労働者に有利な計算で先に支払い切る 適用される地域別最低賃金額と実支給時給を月ごとに突き合わせ、端数処理は労働者有利に寄せて全額を支払う。支払記録は罰金額よりも重い情状資料になる。対象者が退職済みでも連絡を取り、支払と受領の記録を残す
  4. 4.帳簿の遡及修正を禁じ、原本を保全する タイムカードやシフト表の書き換えは絶対に行わない。隠蔽と評価された瞬間に第33条の捜査回路に通電する。社内に修正禁止を通達し、原本と電子データのバックアップを取得日時が分かる形で保全する
  5. 5.質問の向きが変わったら弁護士に連絡する 聞き取りが「どう直すか」から「誰がいつ決めたか」へ移ったら、責任者の特定段階に入っている。その場で回答を続けず、弁護士に連絡してよい。以後の供述は刑事記録に残る前提で臨む

よくある質問 AI による整理

Q1労働基準監督官とは何ですか?

厚生労働省の労働基準監督署に所属する国家公務員で、事業場への立入調査と是正勧告を行う行政官であると同時に、労働関係法令違反の罪について捜査権を持つ特別司法警察職員でもあります。

Q2司法警察員とは何ですか?

刑事訴訟法上、犯罪を捜査し、令状を請求し、事件を検察官に送致できる立場を指します。警察官のほか、個別法により監督官や海上保安官などにも与えられています。

Q3労働基準監督官は逮捕できますか?

できます。司法警察員として逮捕状を請求し執行できます。警察官が逮捕状を請求する場合の警部以上という限定(刑事訴訟法199条2項)は監督官には及びません。

Q4労働基準監督官の調査を拒否できますか?

第32条の臨検は行政調査であり、拒否・妨害・虚偽陳述には罰則があります。一方、第33条による捜査へ移行した後は刑事訴訟法が適用され、供述拒否権が働きます。

Q5最低賃金法違反の通報はどこにしますか?

事業場を管轄する労働基準監督署です。窓口で「相談」ではなく第34条の「申告」として届け出る旨を明示すると、記録と対応の筋道が残ります。

Q6書類送検されるとどうなりますか?

事件が検察官に送致され、起訴・不起訴が判断されます。並行して厚生労働省の労働基準関係法令違反の公表事案として企業名や事案概要が掲載され、与信や採用に長く影響します。

Q7是正勧告を無視するとどうなりますか?

指定期日を越えると「是正の意思なし」と評価され、行政指導から第33条による司法処分ルートへ移行する契機になります。期日管理が分岐点です。

Q8最低賃金法違反の時効はいつまでですか?

第40条の罪は罰金刑のみのため公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)で、各給与日ごとに進行します。未払差額の民事請求権の消滅時効はこれとは別枠です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1監督官が来ただけで、うちは刑事事件になるんですか?

大半は違います。来訪はまず第32条の臨検、つまり行政調査で、結果は是正勧告書という行政指導として出ます。刑事手続に切り替わるのは、是正に応じない、記録を偽る、繰り返すといった悪質性が認定された場合です。実務のポイント:切り替わりの兆候は質問の向きです。是正のための聞き取りは「どう直すか」を聞きますが、捜査は「誰がいつ決めたか」を聞きます。責任者の特定に質問が寄り始めたら、もう段階が違います。

Q2最低賃金を割ってた場合、罰金っていくらになるんですか?

地域別最低賃金を下回った場合は最低賃金法第40条で50万円以下の罰金です。特定(産業別)最低賃金の違反にはこの罰則が及ばず、労働基準法第24条の賃金全額払い違反として同法第120条の30万円以下の罰金という別ルートになります。実務のポイント:両罰規定により法人と行為者の双方が処罰対象になり、未払差額の支払義務は罰金とは別に丸ごと残ります。罰金を払えば清算されるわけではありません。(最新の改正状況をご確認ください)

間違えやすい点 AI による整理

  • 「警察が来ないのだから刑事事件ではない」という前提そのものが誤っている。最低賃金法違反の捜査は、最初から最後まで警察署を経由しない。監督官が捜査し、監督官が検察官に事件を送致する(刑事訴訟法第246条)。自分が刑事手続の中にいると気付くのは、検察庁から呼出状が届いた時になる
  • 罰金50万円という上限は知られている。だが実際に効くのは罰金ではない。送検されれば厚生労働省の労働基準関係法令違反の公表事案として企業名・違反条項・事案概要が掲載され、取引先の与信審査、金融機関の評価、採用応募数に長く尾を引く。50万円は入口の値札にすぎない
  • 「払い忘れやミスは犯罪ではない」と考えがちだが、最低賃金額を下回ると分かっていながら支払を続けた時点で故意は満たされる。資金繰りが苦しかったという事情は動機であって、故意を打ち消す事情ではない。量刑や送検の判断材料にはなるが、成立を止める壁にはならない
比較の観点この条文ほかの条文
権限の性格第33条:刑事訴訟法上の司法警察員としての捜査権限第32条:臨検・帳簿検査・質問という行政調査権限
第34条:労働者からの申告受理と不利益取扱いの禁止
発動される場面是正に応じない、記録の改ざん、違反の反復など悪質性が認定された場合定期監督、申告監督、災害時監督などの通常の監督活動
労働者が最低賃金割れを監督署に届け出た時点
調べられる側の防御権令状主義と供述拒否権が全面的に働く供述拒否権の告知はなく、拒否・虚偽陳述には罰則がある
申告者は解雇・不利益取扱いから罰則で保護される
手続の帰結検察官への事件送致(刑事訴訟法246条)と公表事案掲載是正勧告書の交付と是正報告書の提出
行政指導ルートと司法処分ルートの双方の入口に載る

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
勞動檢查法第14条、労働基準法第72条以下

台湾の労働検査員は立入検査権と処分権を持つが司法警察権はなく、刑事責任の追及は検察官への移送を経る。日本のように同一人物の中で行政と捜査が切り替わる構造は採っていない

韓国
근로기준법 제102조(勤労監督官の権限)

韓国の勤労監督官は労働関係法令違反の罪について司法警察官の職務を行う。日本の労働基準法102条と同型の設計であり、最低賃金違反もこの回路で処理される

ドイツ
MiLoG § 14 i.V.m. SchwarzArbG

ドイツでは最低賃金の監督主体が労働監督ではなく税関の不法就労財務監督(FKS)であり、社会保険料徴収と一体で執行される。執行機関の所属官庁が日本と根本的に異なる

アメリカ
Fair Labor Standards Act § 11(29 U.S.C. § 211)、§ 16(29 U.S.C. § 216)

米国では労働省賃金時間部が調査を行うが、調査官に逮捕権や送致権はなく、刑事訴追は司法省が判断する。実際の救済は民事訴訟と行政和解が中心で、刑事は稀

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、監督署から届いた是正勧告書の指定期日をうっかり過ぎてしまったら? 一度目は電話一本で延ばしてもらえることが多い。だが二度目からは、その遅れが「是正の意思なし」という評価に変わる。勝負がついているのは最初の期日までで、そこを越えた後の巻き返しは費用も労力も桁が違う
  • 深夜シフトの手当を削ったら、時給が県の最低賃金を12円下回った。一人あたり月2,000円足らずの話だ。それが20人分、2年続いていれば、あなたは指導される側ではなく被疑者側に立っている
  • バイト先の時給が10月の改定後も据え置きだと友人に相談された。あなたが渡せるのは、監督署の窓口で「相談」ではなく「申告」(第34条)という言葉を使うこと、そして申告を理由に解雇やシフト削減をされれば、それ自体が別の罰則に触れる(同条第2項)という二点である

取るべき行動

被害を受けた側:1. 給与明細、シフト表、タイムカードの写しを自分の手元に確保する。退職後は入手困難になる2. 都道府県ごとの地域別最低賃金額(毎年10月改定)と自分の時給を突き合わせ、差額を月ごとに一覧化する3. 監督署では相談ではなく第34条の申告として届け出る旨を口頭でも書面でも明示する4. 申告後に解雇・シフト削減・配置転換があれば、時系列と証拠を残す。不利益取扱いの禁止は別個の罰則で守られている

訴えられた側:1. 是正勧告書の指定期日を最優先で押さえる。この一点で行政ルートに留まるか司法ルートに移るかが分かれる2. 差額の計算は労働者に有利な方法で先に払い切る。支払記録が最大の情状資料になる3. 帳簿の遡及修正は絶対に行わない。隠蔽と評価された瞬間に本条の回路が入る4. 質問が「どう直すか」から「誰がいつ決めたか」へ移ったら、責任者の特定段階である。その場で弁護士に連絡してよい

時効(請求できる期限):最低賃金法第40条の罪は罰金刑のみのため、公訴時効は3年(刑事訴訟法第250条第2項)。起算点は各給与日ごとで、支払うたびに新しく進行する。これとは別に未払差額を請求する民事の時効は労働基準法第115条により5年(当分の間3年、同法附則)で、こちらは各賃金支払日から起算する。(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:労働基準監督官の権限は、第32条の行政監督権限と第33条の司法警察権限に峻別され、両者は目的も適用法規も異なると解される。臨検で得た資料をそのまま刑事証拠へ転用することには、第32条の犯罪捜査目的使用禁止による制約が及ぶとするのが一般的理解である。

実務上の有力な理解:司法処分への移行は、違反の重大性・悪質性・反復性という三要素で判断され、是正勧告に応じて差額を支払った事案が送検に至る例はまれである。したがって是正勧告書の指定期日は、行政ルートと司法ルートを分ける実質的な分水嶺として機能する。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 新設:最低賃金法制定。労働基準法102条と同型の設計により、労働基準監督官に最低賃金法違反の罪についての司法警察員としての職務を与える規定が置かれた
  2. 2.平成19年(2007年) 改正:全部改正。地域別最低賃金の全国一律決定義務化、生活保護との整合性配慮の明記とともに、最低賃金額以上の支払義務違反の罰金上限が大幅に引き上げられた。監督官の司法警察員としての職務規定は改正後も維持されている

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最低賃金法の全文を見る所属する編章節を開く:第四章 雑則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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