労働基準監督官は、この法律の規定に違反する罪について、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定による司法警察員の職務を行う。
要点最低賃金法 33 条は、労働基準監督官が同法違反の罪について刑事訴訟法上の司法警察員の職務を行うと定める。捜査と検察官への送致を警察を経ずに行えるが、その局面では令状主義が及ぶ。
Q · 労働基準監督官って、警察を通さずに会社を送検できるんですか?
できます。監督官自身が捜査し検察官へ直接送致します
最低賃金法第 33 条により、労働基準監督官は同法違反の罪について刑事訴訟法上の司法警察員の職務を行います。したがって捜査、被疑者の取調べ、令状の請求、検察官への事件送致(刑事訴訟法第 246 条)を、警察署を経由せず自ら行えます。ただし司法警察員として動く局面では令状主義と供述拒否権が全面的に働き、第 32 条の臨検(行政調査)の権限を犯罪捜査のために用いることは同条により禁じられています。実務上この回路が切り替わるのは、是正勧告に応じない、記録を改ざんする、同じ違反を繰り返す場合です。
役所の調査官が来た、で終わる話ではない。労働基準監督官には二つの顔がある。一つは行政官として事業場に立ち入り、帳簿とタイムカードを見て是正勧告を出す顔(第32条)。もう一つが本条の顔、つまり刑事訴訟法上の司法警察員である。司法警察員とは、被疑者を逮捕し、捜索差押えの令状を請求し、事件を検察官に送致できる立場を指す。パトカーも警察手帳も出てこないが、権限の中身は警察官と変わらない。しかも警察官が逮捕状を請求する場合は公安委員会が指定した警部以上に限られるのに対し、監督官にはその限定がない(刑事訴訟法第199条第2項)。あなたの会社に来たあの担当者が、名刺の肩書きのまま令状を取れる。実務上、この回路が切り替わるのは、是正勧告に応じない、記録を作り替える、同じ違反を繰り返す、そのどれかが起きたときだ。
最低賃金法第 33 条は、労働基準監督官の司法警察員としての地位を定める規定である。労働基準監督官は、同法の規定に違反する罪に関して、刑事訴訟法の規定による司法警察員の職務を行う。行政監督権限を定める第 32 条とは系統を異にし、捜査・送致という刑事手続上の権限の直接の根拠となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
厚生労働省の労働基準監督署に所属する国家公務員で、事業場への立入調査と是正勧告を行う行政官であると同時に、労働関係法令違反の罪について捜査権を持つ特別司法警察職員でもあります。
刑事訴訟法上、犯罪を捜査し、令状を請求し、事件を検察官に送致できる立場を指します。警察官のほか、個別法により監督官や海上保安官などにも与えられています。
できます。司法警察員として逮捕状を請求し執行できます。警察官が逮捕状を請求する場合の警部以上という限定(刑事訴訟法 199 条 2 項)は監督官には及びません。
第 32 条の臨検は行政調査であり、拒否・妨害・虚偽陳述には罰則があります。一方、第 33 条による捜査へ移行した後は刑事訴訟法が適用され、供述拒否権が働きます。
事業場を管轄する労働基準監督署です。窓口で「相談」ではなく第 34 条の「申告」として届け出る旨を明示すると、記録と対応の筋道が残ります。
事件が検察官に送致され、起訴・不起訴が判断されます。並行して厚生労働省の労働基準関係法令違反の公表事案として企業名や事案概要が掲載され、与信や採用に長く影響します。
指定期日を越えると「是正の意思なし」と評価され、行政指導から第 33 条による司法処分ルートへ移行する契機になります。期日管理が分岐点です。
第 40 条の罪は罰金刑のみのため公訴時効は 3 年(刑事訴訟法 250 条 2 項)で、各給与日ごとに進行します。未払差額の民事請求権の消滅時効はこれとは別枠です。
大半は違います。来訪はまず第32条の臨検、つまり行政調査で、結果は是正勧告書という行政指導として出ます。刑事手続に切り替わるのは、是正に応じない、記録を偽る、繰り返すといった悪質性が認定された場合です。業界裏話ヒント:切り替わりの兆候は質問の向きです。是正のための聞き取りは「どう直すか」を聞きますが、捜査は「誰がいつ決めたか」を聞きます。責任者の特定に質問が寄り始めたら、もう段階が違います。
地域別最低賃金を下回った場合は最低賃金法第40条で50万円以下の罰金です。特定(産業別)最低賃金の違反にはこの罰則が及ばず、労働基準法第24条の賃金全額払い違反として同法第120条の30万円以下の罰金という別ルートになります。業界裏話ヒント:両罰規定により法人と行為者の双方が処罰対象になり、未払差額の支払義務は罰金とは別に丸ごと残ります。罰金を払えば清算されるわけではありません。(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権限の性格 | 第 33 条:刑事訴訟法上の司法警察員としての捜査権限 | — |
| 発動される場面 | 是正に応じない、記録の改ざん、違反の反復など悪質性が認定された場合 | — |
| 調べられる側の防御権 | 令状主義と供述拒否権が全面的に働く | — |
| 手続の帰結 | 検察官への事件送致(刑事訴訟法 246 条)と公表事案掲載 | — |
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