障害者の雇用の促進等に関する法律 第36条の6(助言、指導及び勧告)
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厚生労働大臣は、第三十四条、第三十五条及び第三十六条の二から第三十六条の四までの規定の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、助言、指導又は勧告をすることができる。
この条文の基本情報
助言、指導及び勧告とは何ですか?
定義助言、指導及び勧告とは、障害者の雇用の促進等に関する法律第36条の6に定められた規定で、「厚生労働大臣は、第三十四条、第三十五条及び第三十六条の二から第三十六条の四までの規定の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、助言、指導又は勧告をす…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第36条の6(助言、指導及び勧告)は、日本の障害者の雇用の促進等に関する法律に含まれる条文です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第36条の6の条文原文は「厚生労働大臣は、第三十四条、第三十五条及び第三十六条の二から第三十六条の四までの規定の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、助言、指導又は勧告をす…」で始まります。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第36条の6は第二章の二 障害者に対する差別の禁止等に置かれています。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律の公布日は昭和35年7月25日です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第36条の6の前の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第36条の5です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第36条の6の次の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第37条です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第36条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第36条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000123 - 本サイト収録
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第36条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000123/36_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点障害者雇用促進法36条の6は、差別禁止や合理的配慮義務について厚生労働大臣が事業主に助言・指導・勧告できると定める。罰則や企業名公表はない。
Q · 会社が合理的配慮を拒否したら、国は会社に何をしてくれるの?
助言・指導・勧告が入るが、罰則や企業名公表はない
障害者雇用促進法36条の6により、厚生労働大臣は、募集・採用や待遇での障害者差別(34条・35条)や合理的配慮の提供義務(36条の2〜36条の4)について、事業主に助言、指導又は勧告をすることができます。実務上の窓口はハローワークや都道府県労働局です。これらは行政指導であり、従わなくても罰則や企業名公表はありません。ただし指導を受けた事実は記録として残り、その後の紛争解決援助、調停、民事訴訟で事実関係を裏付ける材料になります。
解説
職場で障害を理由に不当な扱いを受けたとき、相手にできるのは会社だけだと思っていないだろうか。障害者の雇用の促進等に関する法律36条の6は、厚生労働大臣が事業主に対して助言、指導、勧告(いずれも「行政指導」、つまり役所からのお願いや注意で、法的な強制力はない)を行える権限を定めている。対象は三種類である。募集・採用での差別(34条)、賃金・配置・昇進などでの差別(35条)、そして合理的配慮(障害のある人が働けるように会社が行う調整、例:通院に合わせた勤務時間、筆談対応、段差の解消)の提供義務(36条の2から36条の4)である。押さえておくべき点は、この勧告には企業名の公表や罰則が付いていないことだ。それでも意味はある。労働局から指導が入ったという事実は社内の人事部門を動かし、のちに裁判で「会社は違法状態を指摘されていた」という記録として残る。裁判費用をかけずに、国から会社へ注意を入れさせる経路がここにある。
法的な位置づけ
障害者雇用促進法36条の6は、雇用分野における障害者差別の禁止及び合理的配慮の提供義務の履行を確保するため、厚生労働大臣に事業主への助言、指導及び勧告の権限を付与する規定である。これらは法的拘束力を持たない行政指導であり、罰則や企業名公表の定めはなく、紛争解決援助・調停・民事訴訟の前段階として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.配慮の申出を書面で送る 必要な配慮の内容と理由を日付入りのメールや書面で会社に伝える。可能なら主治医の意見書を添える。口頭だけで済ませない
- 2.会社の回答と話し合いを記録する 回答の有無、面談の日時と内容、提示された代替案や拒否理由を時系列でメモし、メールは保存しておく
- 3.社内の相談窓口を使う 36条の4で整備が義務付けられた相談窓口に申し出る。窓口の対応も記録しておく
- 4.ハローワーク・労働局に相談する 社内で解決しなければ、ハローワークまたは都道府県労働局に相談し、事業主への助言・指導を求める。記録一式を持参する
- 5.解決しなければ次の段階へ 行政指導で改善しない場合、都道府県労働局長による紛争解決の援助や調停を申請する。損害が生じていれば弁護士に相談し民事訴訟も検討する
よくある質問 AI による整理
Q1障害者雇用促進法の行政指導とは?
36条の6に基づき、厚生労働大臣(実務上は労働局等)が差別禁止や合理的配慮義務について事業主に行う助言・指導・勧告です。法的強制力はありません。
Q2合理的配慮を拒否されたらどこに相談する?
まず社内の相談窓口(36条の4)、機能しなければハローワークや都道府県労働局へ。会社への助言・指導につながる余地があります。
Q3合理的配慮はいつから義務?
雇用分野の民間事業主については、平成25年改正法の施行により平成28年(2016年)4月1日から法的義務になっています。
Q4障害者差別の勧告に罰則はある?
ありません。本条の勧告は行政指導で、罰則や企業名公表の定めはありません。企業名公表は雇用率未達の場合の別制度(47条)です。
Q5労働局に相談したら会社にばれる?
会社に指導が入れば相談の存在は伝わりえます。ただし紛争解決の援助を求めたことを理由とする解雇などの不利益取扱いは禁止されています。
Q6合理的配慮を断れるのはどんな場合?
事業主に過重な負担となる場合です。費用、事業規模、代替手段の有無などで判断され、断る場合も理由の説明が求められます。
Q7障害者雇用で差別されたら損害賠償できる?
本条は行政指導の規定で賠償の根拠ではありませんが、民法の不法行為等に基づき請求できる場合があります。時効に注意が必要です。
Q8労働局の指導は何回まで入る?
回数の定めはありません。助言、指導、勧告は事案に応じて行われ、改善しなければ紛争解決援助や調停など別の手続も選べます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1労働局の勧告って、会社が無視したらそれで終わりなんですか?
本条の勧告は行政指導なので、従わなくても罰則や企業名公表はない。ただし終わりではない。労働局長による紛争解決の援助や紛争調整委員会の調停へ進めるし、指導を受けた事実は訴訟で会社の違法性を裏付ける資料になる。実務のポイント:人事部門が恐れているのは罰則よりも「行政から指摘を受けた」という社内報告である。指導の時点で方針を変える会社は少なくない
Q2障害者手帳を持っていないんですが、合理的配慮を求められますか?
求められる場合がある。本法の「障害者」(2条1号)は、身体・知的・精神(発達障害を含む)その他の心身の機能障害があり、長期にわたって職業生活に相当の制限を受ける人を指し、手帳の有無で決まるわけではない。実務のポイント:手帳の提示を配慮の条件にしている社内規程は珍しくないが、法律上の要件とは一致しない。主治医の意見書で代わりになることが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「勧告を無視した会社は名前を公表される」と考えるのは誤りである。障害者雇用率が未達の場合は企業名公表の仕組みがあるが(47条)、差別禁止や合理的配慮の違反に関する本条の勧告には公表も罰則も定められていない。行政指導をゴールと考えると拍子抜けする。指導は次の手続へ進むための足場として使うものである
- 合理的配慮は会社の善意だと思っている人が多いが、問題の深刻さを読み違えている。民間事業主の合理的配慮は平成28年(2016年)4月から雇用分野で法的義務になっている。「頼んでいないのに配慮しなかった」責任と、「申し出たのに無視した」責任はまったく重さが違う。会社にとって、記録のない拒否が最も弱い立場になる
- 「役所に相談すると会社にばれて報復される」という不安は、問いの立て方がずれている。紛争解決の援助を求めたことを理由とする解雇などの不利益取扱いは法律で禁止されている。本当に気にすべきなのは、報復されるかどうかよりも、相談前に申出の事実を書面やメールで残してあるかどうかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 36条の6:行政による履行確保(助言・指導・勧告) | 35条:賃金・配置・昇進等での差別禁止(実体的義務) 36条の3:雇用後の合理的配慮の提供義務(実体的義務) |
| 名宛人 | 厚生労働大臣(行政の権限規定) | 事業主 事業主 |
| 違反・不履行時 | 勧告に従わなくても罰則・企業名公表なし | 本条による行政指導の対象、民事上の違法性判断の根拠 過重な負担なら免除、それ以外は本条による行政指導の対象 |
| 労働者側の使い方 | 労働局への相談で会社に指導を入れさせる入口 | 差別の存在を主張する根拠条文 配慮を求める根拠条文 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は身心障礙を理由とする就業差別に罰鍰(過料)を科す制裁型。行政指導中心の日本より強制力が強い
韓国は国家人権委員会の勧告に加え、法務部長官の是正命令制度を持ち、日本の勧告より一段強い
ドイツは行政指導よりも、被害者の損害賠償・補償請求という民事的救済を軸に履行を確保する
米国は EEOC への申立てを経て訴訟に進む仕組みで、行政機関が訴訟主体にもなりうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 精神障害を開示して入社した。主治医の意見書を添えて「通院日の時差出勤」を申し出たが、人事は「特別扱いはできない」の一言で終わらせた。社内の相談窓口も動かない。ハローワークか都道府県労働局に相談すれば、36条の3違反の疑いとして会社への助言・指導につながる余地がある
- 人事担当のあなたへ。労働局から「合理的配慮の提供状況について確認したい」という電話が来た。来週までに、申出の記録、話し合いの経過、提供できない場合の理由説明が残っているかを確かめなければならない。記録がなければ、過重な負担だったという主張は空振りに終わる
- 車いすを使う応募者に、面接会場が二階で階段しかないと伝えたまま放置した。これは募集段階の配慮義務(36条の2)の問題である
- 障害を理由に昇給から外されていると同僚から打ち明けられたらどうする? 裁判を勧める前に、行政に相談して会社へ指導を入れさせるという中間の選択肢があることを伝えられる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 必要な配慮の内容と理由を、日付入りの書面またはメールで会社に伝える。可能なら診断書や意見書を添える2. 会社の回答や話し合いの経過を記録する3. 社内の相談窓口(36条の4で設置が義務付けられている)が機能しなければ、ハローワークまたは都道府県労働局に相談し、助言・指導を求める4. それでも解決しなければ、労働局長による紛争解決の援助や調停へ進み、損害が生じていれば民事訴訟も検討する
訴えられた側:1. 指導の内容を正確に把握し、対象の条文(34条、35条、36条の2から36条の4)を確認する2. 申出の受付、話し合い、検討の経過を時系列で整理する3. 配慮を見送った部分については、過重な負担にあたる理由(費用、事業規模、代替手段の有無)を具体的に説明できるようにする4. 改善策を文書で示す。指導段階で是正しておけば、調停や訴訟で不利な記録になることを防げる
時効(請求できる期限):本条の助言・指導・勧告に申立期限はない。ただし、差別や配慮義務違反による損害賠償を求める場合は一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)または不法行為の時効(民法724条、損害及び加害者を知った時から3年)が適用される。在職中の証拠は退職後に集めにくくなるため、記録は申出の時点から残すこと
学説
通説:本条の助言・指導・勧告は行政手続法上の行政指導であり、事業主の任意の協力によってのみ実現される。強制力はないが、差別禁止・合理的配慮義務の履行を対話的に確保する入口の手段として位置付けられる
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正、平成28年(2016年)4月1日施行 障害者権利条約の批准に向けた改正で、雇用分野の差別禁止と合理的配慮の提供義務が導入され、その履行を確保する行政指導の規定として本条が新設されたと考えられる。その後の改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:障害者権利条約の批准に向けた改正(平成25年法律第46号)で、雇用分野の差別禁止・合理的配慮提供義務とともに、その履行確保のための本条が設けられた。平成28年(2016年)4月1日施行
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