障害者の雇用の促進等に関する法律 第87条
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- 法人(法人でない事業主の団体を含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第八十五条の四から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
- 2.前項の規定により法人でない事業主の団体を処罰する場合においては、その代表者が訴訟行為につきその団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第87条は、日本の障害者の雇用の促進等に関する法律に含まれる条文です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第87条の条文原文は「法人(法人でない事業主の団体を含む。」で始まります。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第87条は第五章 罰則に置かれています。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律の公布日は昭和35年7月25日です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第87条の前の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第86条の4です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第87条の次の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第88条です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第87条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第87条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000123 - 本サイト収録
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第87条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000123/87
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点障害者雇用促進法87条は両罰規定で、報告・届出・検査等の違反をした従業者本人を罰するほか、その事業主である法人や個人にも同じ罰金刑を科すと定める。
Q · 障害者雇用の報告で違反があったら、罰せられるのは会社だけ?
いいえ、担当者本人と会社の両方が罰金の対象です
障害者雇用促進法87条は両罰規定です。従業者などが業務に関して第85条の4から第86条までの違反行為(報告の不提出・虚偽報告、検査拒否など)をした場合、実際に行為をした本人を罰するほか、事業主である法人や個人にも各本条の罰金刑が科されます。判例上、事業主は従業者の選任・監督に注意を尽くしたことを証明しない限り責任を免れません。
解説
罰金を払うのが会社だけで済むと思っていたなら、それは誤りである。障害者雇用促進法87条は両罰規定(違反した従業員本人と、その雇い主である会社の両方を罰する仕組み)で、対象は第85条の4から第86条までの罰則である。たとえば人事担当者が障害者雇用状況報告(毎年6月1日時点の状況を報告するもの)を出さなかった、労働局の立入検査に虚偽の答弁をした、といった違反があると、手を動かした担当者個人が罰金刑の被告人になる。そのうえで会社にも同じ罰金刑が科される。罰金は30万円以下(第86条関係、最新の改正状況をご確認ください)と小さい。しかし前科が付くのは人間の側である。判例は、事業主が選任・監督に注意を尽くしたことを証明しない限り責任を免れないという立場をとってきた。「上から言われた通りにやっただけ」も「現場が勝手にやった」も、どちらも免罪符にならない。
法的な位置づけ
障害者雇用促進法87条は、法人等の代表者・代理人・使用人その他の従業者が業務に関して同法第85条の4から第86条までの違反行為をした場合に、行為者に加えて事業主である法人または自然人にも罰金刑を科す両罰規定である。法人でない事業主の団体も処罰対象とし、その刑事手続上の代表者を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
従業者が業務に関して違反行為をしたとき、行為者本人に加えて雇い主である法人や個人も罰する規定です。障害者雇用促進法では87条が該当します。
Q2障害者雇用状況報告を出さないと罰則はありますか?
あります。報告の不提出や虚偽報告は同法の罰則の対象となり、87条により担当した従業者と会社の双方に罰金刑が科されえます。
Q3障害者雇用促進法の罰金はいくら?
87条自体は金額を定めず「各本条の罰金刑」を科すとしています。具体的な上限額は第85条の4から第86条の各条で確認が必要です。
Q4両罰規定で会社が免責されることはできる?
判例上、事業主が従業者の選任・監督に必要な注意を尽くしたことを証明すれば免責されうるとされます。事前の研修や確認体制の記録が重要です。
Q5障害者雇用の虚偽報告は違法?
違法です。虚偽の報告は罰則の対象であり、87条により行為者と事業主の両方が処罰されえます。指示した上司も共犯として問われる可能性があります。
Q6障害者雇用の罰則の時効はいつまで?
罰金のみが法定刑の罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。違反行為が終わった時から進行します。
Q7個人事業主も両罰規定の対象になる?
なります。87条は「法人又は人」と定めており、個人事業主の従業者が業務に関して違反した場合、個人事業主自身にも罰金刑が科されえます。
Q8法人でない団体はどう処罰される?
87条2項により、法人でない事業主の団体も処罰対象となり、その代表者が訴訟行為について団体を代表し、法人被告人の刑事訴訟規定が準用されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1言われた通りに報告書を出しただけなのに、自分まで罰せられるんですか?
罰せられる可能性があります。87条は「行為者を罰するほか」と定めており、実際に虚偽報告などを行った従業員本人が第一の処罰対象です。上司の指示があったことは、上司を共犯として問う理由にはなっても、あなたの責任を消すものではありません。実務のポイント:実務で送検されるのは、資料を作った担当者と決裁した管理職の組み合わせが多いとされます。指示を記録に残しておくことが、自分が主犯扱いされないための材料になります
Q2会社が「社員が勝手にやった」と言えば、会社は罰金を免れますか?
原則として免れません。最高裁は両罰規定について、事業主に従業員の選任・監督上の過失があったと推定し、注意を尽くしたことを事業主が証明しない限り責任を負うとする立場をとってきました(最大判昭和32.11.27、最判昭和40.3.26)。実務のポイント:免責を勝ち取れるかは、事件が起きる前に作った研修記録や二重チェックの体制で決まります。事件の後から作った規程は証拠として弱く、ほとんど評価されません
Q3法定雇用率が足りないだけで刑事罰になることはありますか?
未達成そのものに刑事罰はありません。行政指導(雇入れ計画の作成命令など)、障害者雇用納付金、企業名の公表(第47条)で対応する仕組みです。ただし計画の作成命令に従わない場合や、報告の不提出・虚偽報告は第86条などの罰則と87条の対象になります。実務のポイント:企業が本当に恐れているのは公表です。公表を避けようとして報告の数字を操作すると、行政上の問題が刑事事件に変わります
間違えやすい点 AI による整理
- 「法定雇用率を達成していないと罰金を取られる」と思われがちだが、罰則の対象は未達成そのものではない。未達成には障害者雇用納付金(常用労働者100人超の企業)や企業名の公表(第47条)という別の仕組みがある。87条が効いてくるのは、報告をしない、嘘をつく、検査を拒む、といった手続上の不誠実に対してである
- 罰金が30万円以下だから大した話ではない、と考えるのは深刻度を見誤っている。罰金刑でも確定すれば前科になり、職業によっては資格制限や欠格事由に関わる。会社側は、罰金額よりも、送検の報道と取引先・自治体入札への影響の方が重い
- 「誰が責任を取るのか」と問うこと自体が的を外している。両罰規定の下では、行為者と事業主が並んで責任を負う。片方が責任を取れば、もう片方が免れるという関係にはない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 87条:両罰規定(処罰対象を事業主に拡張) | 86条:違反行為そのものの罰則本体 47条:雇用率未達企業の公表(行政措置) |
| 誰が対象か | 行為者本人+事業主(法人・個人・法人でない団体) | 違反行為をした者 勧告に従わない事業主 |
| 制裁の種類 | 刑事罰(各本条の罰金刑) | 刑事罰(罰金刑) 企業名の公表(刑事罰ではない) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の障害者雇用義務違反は主に行政罰(差額補助費・過料)で対応し、組織の行為者の故意過失を組織に推定する規定がある。日本の刑事罰型両罰規定とは制裁の性質が異なる
韓国法令にも行為者と法人を共に罰する양벌규정が広く置かれ、憲法裁判所の判断を経て事業主の注意監督義務違反を要件とする形に整えられてきた
ドイツには法人の刑事責任がなく、法人には秩序違反法上の過料(Geldbuße)を科す構造。日本の罰金刑による両罰規定とは制度設計が異なる
米国は使用者責任(respondeat superior)により企業の刑事責任を広く認め、日本のような過失推定による免責の余地は狭い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 法定雇用率に届いていない年、上司から「報告書の数字、ちょっと調整しておいて」と言われたら、どうなる? 虚偽報告をすれば実行したあなたが行為者として罰金刑の対象になり、会社も87条で罰金を科される。指示した上司は共犯として問われうる
- 障害のある社員を解雇したのに、ハローワークへの解雇届(第81条)を出し忘れていた。あなたは中小企業の総務担当で、届出の存在自体を知らなかった
- 労働局の担当官から、来週の立入検査で雇用実態の資料を出すよう連絡が来た。あと7日。退職済みの人がまだ在籍者として数えられていることに、あなたは今気付いた。資料を出す前に訂正するか隠すかで、行為者になるかどうかが決まる
- 友人が勤める特例子会社(障害者雇用のために親会社が設ける子会社)で、親会社が報告の数字を一括管理している。違反があったとき処罰されるのは親会社か子会社か、と相談された。答えは「その業務を行っていた法人」であり、まずそこを特定する必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 虚偽の報告や届出の放置を指示されたら、指示の内容を日時付きで記録し、メールで確認を求める形にして証拠を残す2. 社内のコンプライアンス窓口に通報する。公益通報者保護法の保護対象になりうる3. 社内で解決しなければ、都道府県労働局やハローワークに相談する4. 指示に従ってしまっていた場合も、早い段階で是正を申し出れば情状に影響する
訴えられた側:1. 違反行為の範囲(どの報告・届出か、期間、関与者)を特定し、事実関係を確定させる2. 事業主側は、選任・監督上の注意を尽くした証拠(マニュアル、研修記録、チェック体制)を集める。判例上、両罰規定の事業主責任は過失推定とされ、この反証が唯一の防御線になる3. 未提出の報告は直ちに提出し、虚偽は訂正する4. 送検の可能性があれば早めに弁護士に相談する。法人でない団体が被疑者になる場合は、代表者が手続上その団体を代表する(87条2項)
時効(請求できる期限):法定刑が罰金のみの罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)で、違反行為が終わった時から進行する。障害者雇用状況報告は毎年6月1日時点の状況を7月15日までに提出する運用である(最新の改正状況をご確認ください)
学説
過失推定説(判例・通説):両罰規定における事業主の責任は、従業者の選任・監督上の過失を推定したものであり、事業主が注意を尽くしたことを証明すれば免責される。責任主義との調和を図る立場。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:身体障害者雇用促進法として本法が制定される(昭和35年法律第123号)。
- 2.昭和62年(1987年) 改正:法律の題名が「障害者の雇用の促進等に関する法律」に改められ、対象が身体障害者から障害者全般へ拡大される方向に転換。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第86条報告・届出・検査違反の罰金刑本体
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第43条雇用率と障害者雇用状況報告義務
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第81条障害者解雇時の届出義務
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第82条報告徴収と立入検査の権限
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第47条雇用率未達企業の公表措置
- 刑事訴訟法 第27条法人被告人の代表者による訴訟行為
- 刑法 第8条刑法総則の他法令罪への適用
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