臨検すべき物件又は差し押さえるべき物件が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、当該職員は、臨検又は捜索若しくは差押えを受ける者に対し、電子計算機の操作その他の必要な協力を求めることができる。
要点国税通則法 138 条は、犯則調査で記録媒体を差し押さえる際、職員が対象者へパソコン操作等の協力を求められると定める。媒体の差押えは強制だが、対象者自身の操作は任意である。
Q · マルサに『パソコンを開いてログインして』と言われたら、従わないといけないの?
媒体の差押えは強制だが、自ら操作する協力は任意で断れる
国税通則法 138 条により、犯則調査の職員はパソコン等の記録媒体を差し押さえる際、対象者に電子計算機の操作その他必要な協力を求めることができます。ただし条文は『求めることができる』という任意の要請であり、応じる法的義務も、拒否したこと自体への罰則もありません。犯則調査には憲法 38 条の自己負罪拒否特権(黙秘権)が及ぶとされます。端末という物件の物理的差押えは令状の効力で拒めませんが、自らパスワードを入力し中身を開いて見せる協力は、弁護士と相談するまで保留できます。
朝、複数の調査官が令状を手に会社や自宅へ同時に踏み込んでくる。国税局査察部、通称マルサの犯則調査だ。彼らはあなたのパソコンやスマホ、サーバを差し押さえる権限を持つ。そのとき調査官の一人が端末を指してこう言う。『ログインして、中のデータを開いてください』。これが国税通則法138条の協力要請だ。ここに決定的な事実がある。媒体そのものの差押えは令状に基づく強制処分だが、あなたが自らパソコンを操作しパスワードを打ち込む『協力』は、条文の文言どおり要請、つまり任意だ。犯則調査は最高裁が実質的に刑事手続に準じると扱ってきた領域であり、あなたには自己に不利益な供述を強要されない権利(黙秘権、憲法38条)が及ぶとされる。求めに応じる法的義務はなく、断ること自体に罰則もない。多くの経営者はこれを知らず、言われるまま震える手で自らパスワードを入力し、自分に不利な証拠への扉を、自分の手で開けてしまう。
国税通則法 138 条は、犯則調査の臨検・捜索・差押えにおいて対象物が電磁的記録に係る記録媒体である場合に、当該職員が処分を受ける者へ電子計算機の操作その他必要な協力を求めることができる旨を定める規定である。媒体自体の差押えは令状に基づく強制処分だが、対象者による操作という積極的行為は任意の協力として位置づけられる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
国税局査察部による犯則調査の通称です。国税通則法 132 条以下の裁判官の許可状に基づく強制調査で、脱税犯の刑事告発を目的とします。集めた証拠は刑事裁判に使われます。
パソコン・サーバ・スマホなど電子データを保存した記録媒体を押収する処分です。138 条は、その際に職員が媒体の操作について対象者へ協力を求められると定めます。
ありません。138 条の協力要請は任意で、パスワードや暗号の提供を強制する規定ではありません。弁護士と相談する前に自ら開示しないことが重要です。
拒否自体への罰則はありません。ただし端末の物理的差押えは令状の効力で行われるため、職員は媒体を持ち帰り自力で解析することになります。
取引先など被疑者でない第三者への協力要請も任意です。令状の対象物件欄に載っていないデータまで開いて見せる義務はありません。
検察官へ告発され、脱税犯として刑事裁判に移行しうります。犯則調査で集めた証拠がそのまま刑事証拠として使われるため、初動の対応が結果を左右します。
令状呈示の直後、操作に応じる前に呼ぶべきです。刑事事件のため顧問税理士ではなく刑事に強い弁護士を選び、到着まで自ら媒体を操作しないことが要点です。
あります。最高裁は犯則調査を実質的な刑事手続に準じて扱い、憲法 38 条の自己負罪拒否特権が及ぶとされます。自己に不利益な供述や操作を強要されません。
税理士は税務のプロだが、犯則調査(132条以下の令状に基づく手続)は実質的な刑事手続であり、税理士は刑事事件の代理人にはなれない。呼ぶべきは刑事に強い弁護士だ。業界裏話ヒント:税理士には弁護士のような広い押収拒絶権・証言拒絶権が認められておらず、査察では税理士事務所自体が捜索を受け、あなたの資料が事務所ごと押収されることがある。『税理士に任せてある』が最も危うい状態だ。
138条の協力要請は『求めることができる』という任意の求めで、応じる法的義務も、拒否したこと自体への罰則もない。犯則調査には憲法38条の自己負罪拒否特権が及ぶとされる。ただし端末という物件の差押えは令状の効力で拒めない。業界裏話ヒント:パスワード開示を強制できるかは実務上、解釈が分かれる論点だが、少なくとも自ら進んで入力してしまえば、中身はあなたが提供した証拠として扱われる。断るなら開ける前の今しかない。
通常の税務調査は任意調査で、根拠は質問検査権(国税通則法74条の2以下)、目的は適正な課税だ。マルサ(犯則調査、132条以下)は裁判官の令状に基づく強制調査で、目的は脱税犯の刑事告発。集めた証拠はそのまま刑事裁判に使われる。業界裏話ヒント:任意調査の途中で悪質性が見えると犯則調査へ切り替わることがある。調査官が急に増え、令状が出てきたら、それはもう課税の話ではなく刑事の話だという切り替えのサインだ。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処分の性質 | 138 条:媒体操作への協力『要請』(任意) | — |
| 拒否した場合 | 罰則なし、職員が自力で解析 | — |
| 対象 | 電磁的記録に係る記録媒体の操作等 | — |
| 電子データ確保の代替手段 | 対象者の操作協力を得て内容を確保 | — |
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