電気事業法 第46条の20(環境の保全の配慮)
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特定事業者は、環境影響評価法第三十八条第一項の規定により、環境の保全についての適正な配慮をしてその特定対象事業を実施するとともに、第四十六条の十七第二項の規定による通知に係る評価書に記載されているところにより、環境の保全についての適正な配慮をしてその特定対象事業に係る事業用電気工作物を維持し、及び運用しなければならない。
この条文の基本情報
環境の保全の配慮とは何ですか?
定義環境の保全の配慮とは、電気事業法第46条の20に定められた規定で、「特定事業者は、環境影響評価法第三十八条第一項の規定により、環境の保全についての適正な配慮をしてその特定対象事業を実施するとともに、第四十六条の十七第二項の規定に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第46条の20(環境の保全の配慮)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第46条の20の条文原文は「特定事業者は、環境影響評価法第三十八条第一項の規定により、環境の保全についての適正な配慮をしてその特定対象事業を実施するとともに、第四十六条の十七第二項の規定に…」で始まります。
- 電気事業法第46条の20は第三款 環境影響評価に関する特例に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第46条の20の前の条は電気事業法第46条の19です。
- 電気事業法第46条の20の次の条は電気事業法第46条の21です。
- 電気事業法第46条の20には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第46条の20 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第46条の20(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/46_20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法46条の20は、特定事業者に評価書の記載どおり環境に配慮して発電所を工事し、完成後も維持・運用し続ける義務を課す。直接の罰則規定は見当たらない。
Q · 発電所の環境アセスって、完成したらもう関係なくなるの?
いいえ。評価書の約束は運用中もずっと守る義務があります
電気事業法46条の20は、アセス対象となる発電所の特定事業者に対し、環境影響評価法38条1項に従って環境に配慮して工事をするだけでなく、評価書の記載に従って事業用電気工作物を維持・運用する義務を課しています。騒音対策、夜間の運転制限、事後調査など評価書に書いた保全措置は、発電所が稼働する限り物差しとして働きます。ただし本条を直接処罰する規定は見当たらず、実効性は工事計画の審査や行政への申告、民事訴訟での証拠活用に依存します。
解説
環境アセスメントは「建てる前に済ませる儀式」だと思われがちだが、電気事業法46条の20が効いてくるのは、むしろ発電所が完成した後である。一定規模以上の発電所(火力、風力、太陽光、水力、地熱など)を造る特定事業者(アセスの対象になる発電所を手がける事業者)は、評価書に書いたとおりに環境に配慮して工事をしなければならない。それだけでなく、完成後に発電所を「維持し、及び運用」する段階でも、その評価書の記載に沿って配慮し続ける義務を負う。評価書は、許可が下りたら引き出しにしまう書類ではない。稼働期間中ずっと効力を持つ、事業者自身が公的手続の中で書いた約束の一覧である。騒音の予測値、夜間の運転制限、鳥類の事後調査、調整池の維持管理。周辺住民にとっては、こうした約束が「相手が自分で書いた物差し」になる。ただし本条を直接処罰する規定は見当たらず、住民が本条だけを根拠に履行を強制できるとまでは言えない。実効性を持たせるのは、行政への申告と、民事訴訟で評価書との食い違いを証拠として突きつける動きである。
法的な位置づけ
電気事業法46条の20は、発電所の設置等に係る環境影響評価の対象事業を行う特定事業者が、環境影響評価法38条1項に従い環境の保全に適正な配慮をして特定対象事業を実施し、かつ、同法46条の17第2項の通知に係る評価書の記載に従って事業用電気工作物を維持し運用すべき義務を定める規定である。
手順
- 1.対象発電所の評価書を入手する 事業者のサイト、経済産業省、自治体の環境部局で評価書を探す。ネットで公開が終わっている場合は、図書館や環境部局の紙版、事業者への直接請求、情報公開請求を検討する
- 2.環境保全措置と事後調査の約束を一覧化する 評価書の環境保全措置の章と事後調査計画から、騒音・夜間運転・景観・動植物・水質など具体的な約束を項目・数値・時間帯ごとに書き出す
- 3.被害と運用状況を記録する 被害の日時・状況を日誌に残し、可能であれば専門業者に騒音・低周波音などを測定してもらう。評価書の予測値・約束と並べて比較できる形にする
- 4.事業者へ照会し、行政へ申告する 評価書との食い違いを示して事業者に書面で照会する。改善がなければ経済産業省(産業保安監督部など)や自治体に申告し、被害が続く場合は弁護士と損害賠償・差止を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1電気事業法46条の20とは
アセス対象の発電所を手がける特定事業者に、評価書の記載に従って環境に配慮した工事と、完成後の維持・運用を義務づける規定です。
Q2電気事業法の特定事業者とは誰のこと?
環境影響評価の対象となる発電所の設置・変更工事(特定対象事業)を行う事業者を指します。定義は同法46条の2に置かれています。
Q3発電所の環境アセス対象になる規模は?
環境影響評価法施行令別表第一で電源ごとに定められます。例えば風力は5万kW以上、太陽光は4万kW以上が第一種事業です(最新の施行令を要確認)。
Q4評価書の約束はいつまで有効?
本条は維持・運用まで義務を及ぼすため、事業用電気工作物を維持・運用している限り続きます。工事完了で終わる義務ではありません。
Q5評価書と違う運用をしている発電所を通報できる?
経済産業省(産業保安監督部など)や自治体の環境部局に申告できます。評価書の該当ページと実際の運用状況の記録を添えると伝わりやすくなります。
Q6メガソーラーで環境アセスが不要なのはどんな場合?
出力が環境影響評価法の対象規模に届かない場合です。その場合本条は及ばず、自治体の条例アセスや森林法の林地開発許可が主な規制になります。
Q7洋上風力発電にも本条は適用される?
規模要件を満たす洋上風力も発電所アセスの対象となり、本条が及びます。評価書に書かれた海洋生物の事後調査なども運用中の義務になります。
Q8電気事業法46条の20違反で損害賠償請求できる?
本条だけを根拠に請求するのは難しいですが、評価書の保全措置を怠った事実は民法709条の過失を裏づける有力な証拠になり得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1風車の音がうるさいのに「基準値以内」って言われたら、もう泣き寝入りするしかないの?
そうとは限らない。基準値を守っているかどうかと、評価書のとおりに運用しているかどうかは別の問題である。電気事業法46条の20は、評価書の記載に沿って運用することを求めている。評価書に夜間の運転制限などが書かれていれば、それが守られているかを問える。実務のポイント:事後調査の結果は報告書手続(環境影響評価法38条の2以下)で公表される場合があり、予測値と実測値の差がそこに表れていることがある
Q2評価書ってどこで見られるの? 昔の発電所だと見つからないんだけど
縦覧期間中は事業者のサイトや自治体の窓口で閲覧できる。期間が過ぎると公開を止める事業者もある。その場合は事業者に直接請求するか、経済産業省や自治体への情報公開請求を検討することになる。実務のポイント:地元の図書館や環境部局に評価書の紙版が残っていることは意外に多い。ネットで見つからなくても、すぐに諦める必要はない
Q3事業者として聞きたい。評価書と違う運用をしたら、すぐ罰金になるの?
46条の20を直接処罰する規定は見当たらない(最新の改正状況をご確認ください)。ただし工事計画の審査では評価書への適合が見られ(47条、48条)、運用段階での食い違いは行政指導や民事訴訟で不利に働く。実務のポイント:準備書の段階で住民の反発を抑えようと過大な保全措置を書くと、20年を超える運用期間のあいだ、その記載に縛られ続ける。書く前に、保守部門と実際に実行できるかを詰めておくべきである
間違えやすい点 AI による整理
- 「アセスは建設前の手続で、完成すれば関係なくなる」と思われているが、本条は評価書の記載に沿って事業用電気工作物を維持し、運用する義務まで定めている。工事が終わっても義務は終わらず、運用が続く限り続く
- 「アセスで反対意見を出せば発電所を止められるのか」という問いの立て方が、そもそもずれている。アセスは建設の可否を住民投票で決める仕組みではない。環境への配慮を事業計画に組み込ませる手続である。勝負どころは「止めること」ではなく、評価書に具体的で検証できる保全措置をどれだけ書き込ませるかにある
- 住民から見れば「環境基準内」は安全宣言に聞こえる。しかし本条の物差しは、一般的な環境基準ではなく評価書の記載である。基準値を満たしていても、評価書で約束した夜間の出力抑制や事後調査をしていなければ、本条の義務から外れていることになる。この落差を知らないと、説明会で反論の足場を丸ごと失う
- 大規模発電所の規制が厳しいことは知られている。しかし、規模要件に届かない中小の太陽光発電所や風力発電所には、そもそも本条が及ばない。トラブルが多いのはむしろこの「アセス対象外」の層であり、そこでは自治体条例と森林法が主な防衛線になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する段階 | 46条の20:工事の実施から完成後の維持・運用まで | 46条の17:評価書の確定段階(変更命令・変更不要の通知) 47条・48条:工事計画の認可・届出段階 |
| 行政の関与 | 事業者自身に配慮義務を課す(行政処分の形式ではない) | 経済産業大臣が評価書を審査し変更を命じ得る 工事計画が評価書に従っているかを審査・確認 |
| 物差し | 46条の17第2項の通知に係る評価書の記載 | 環境保全への適正な配慮の観点からの大臣審査 技術基準適合性と評価書への適合 |
| 違反時の効果 | 直接の罰則規定は見当たらない。行政指導・民事訴訟の証拠で効く | 変更命令に従い評価書を補正する必要 認可が得られない、または計画の変更・廃止を求められ得る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は開発単位に説明書・評估書の記載内容と審査結論の確実な履行を明文で求め、主管機関による追蹤考核も規定する。日本より行政監督の色が強い
韓国は協議内容の履行義務を事業者に課し、事後環境影響調査の制度も備える
ドイツは許可官庁が環境保全措置の履行を監督する枠組みを置き、事後監視を行政の役割として位置づける
米国のNEPAは手続法的性格が強く、緩和措置の履行強制は各連邦機関の決定や許認可条件に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 稼働から3年たち、風車の低い唸りで夜眠れなくなった。事業者の答えは「環境基準内です」。この壁はどう崩せるのか? 評価書を取り寄せ、そこに書かれた予測騒音値や夜間の保全措置と、実際の運転状況を照らし合わせる。基準値を守っていることと、評価書のとおりに運用していることは、別々の問いである
- あなたはメガソーラー運営会社の保守担当である。コスト削減のため、評価書に書いた調整池の浚渫を2年先送りにした。そこへ記録的な大雨が来て、下流の田畑に土砂が流れ込んだ。評価書に書いた保全措置を怠っていたという事実は、損害賠償訴訟で会社の過失を裏づける有力な材料になる
- 洋上風力の計画海域で漁をしている。評価書が約束した海洋生物の事後調査は、本当に実施され、結果が公表されているだろうか
- 準備書の縦覧はもうすぐ終わる。意見書の締切まで、あと10日しかない。この段階で具体的な保全措置を求めておかなければ、それは評価書に載らない。評価書に載らなかった約束は、完成後に本条の物差しとして使えない
- 実家の裏山の隣でメガソーラーの計画が持ち上がり、親から「何か言えることはないか」と相談された。最初に確かめるべきは発電所の規模である。環境影響評価法のアセス対象規模に届かなければ本条は働かず、頼れるのは自治体の条例アセスや林地開発許可になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 対象発電所の評価書を入手する(事業者サイト、経済産業省、自治体の環境部局) 2. 環境保全措置と事後調査の約束を一覧に書き出す3. 被害の日時・状況を記録し、可能なら専門業者に騒音などを測定してもらう4. 評価書との食い違いを示して事業者へ書面で照会する5. 改善がなければ経済産業省(産業保安監督部など)や自治体に申告し、被害が続くなら民法709条に基づく損害賠償や差止を検討する
訴えられた側:1. 評価書の保全措置と事後調査を一覧表にし、保守計画と運用マニュアルに組み込む2. 担当者が替わっても約束が抜け落ちないよう引継ぎ書類に明記する3. 事後調査の結果を記録して公表する4. 苦情には評価書との対応表をつけて回答する5. 措置を変える必要が出てきたら、運用を変える前に経済産業省へ相談し、経緯を書面で残す
時効(請求できる期限):本条の義務に期限はなく、事業用電気工作物を維持・運用する限り続く。被害者の損害賠償請求権は、損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年で消滅する(民法724条、724条の2)。準備書への意見書は、縦覧期間満了の翌日から起算して2週間を経過する日までに提出する(環境影響評価法18条、最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成9年(1997年) 環境影響評価法の制定にあわせて、電気事業法に発電所アセスの特例規定群が設けられ、本条もその一部として置かれたとみられる。施行時期と、その後の条文番号・文言の変更については人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:環境影響評価法の制定にあわせ、電気事業法に発電所の環境影響評価に関する特例規定群が設けられ、本条もその一部として置かれた(同法の全面施行は平成11年(1999年))。その後の文言変更の有無は要確認
- 電気事業法 第46条の2特定事業者・特定対象事業の定義
- 電気事業法 第46条の17評価書の変更命令と変更不要の通知
- 電気事業法 第47条工事計画認可で評価書適合を審査
- 電気事業法 第48条工事計画届出と評価書適合の確認
- 環境影響評価法 第38条評価書に従った環境配慮義務の一般規定
- 環境影響評価法 第38条の2事後調査等の報告書の作成・公表
- 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法 第9条事業計画認定と関係法令遵守(現行効力を要確認)
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