要点法人税法 10 条は、普通法人等が公益法人等になる場合、その前日に解散・当日に設立があったものとみなし、欠損金の繰戻し還付や繰越しの規定を適用すると定める。
Q · 一般社団法人が公益認定を受けたら、これまでの赤字はどうなりますか?
税務上は前日に解散、当日に設立とみなされます
法人税法 10 条により、普通法人や協同組合等が公益法人等に該当することとなる日の前日に解散、該当日に公益法人等が設立されたものとみなされます。法人格や登記はそのまま存続し、清算手続も不要ですが、欠損金の繰戻し還付(80 条)、繰越し(57 条)、債務免除等があった場合の欠損金の損金算入(59 条)の適用関係がここでいったん切れます。恒久的施設を有する外国法人がこれを失う場合も 3 項で同じ擬制が働き、144 条の 13 の繰戻し還付規定が適用されます。
あなたが理事を務める一般社団法人が、ついに公益認定を受けて公益社団法人になる。喜ばしい話に見えるが、その認定日の前日、法人税法はあなたの法人を税務上『解散した』ものとみなす。ここが盲点だ。法人税法10条は、普通法人や協同組合等が公益法人等に変わる瞬間、いったん解散と再設立があったものとして、欠損金の繰戻し還付や繰越しの規定を適用する。つまり、それまで貯めてきた繰越欠損金を、非課税の公益部門にそのまま持ち込めるとは限らない。同じ仕組みは外国法人にも働く。日本の支店(恒久的施設)を畳んで撤退する外国企業、逆に再び支店を構える外国企業。その切り替えの日に『解散』『設立』が擬制され、欠損金の還付や繰越の可否がリセットされる。課税区分を跨ぐ一日が、数千万円の税額を左右する。
法人税法 10 条は、法人が課税区分を跨ぐ際のみなし解散・みなし設立を定める規定である。普通法人又は協同組合等が公益法人等に該当することとなる日の前日に解散、該当日に設立があったものとみなし、欠損金の繰戻し還付及び繰越しに関する規定を適用する。恒久的施設を有する外国法人がこれを有しないこととなる場合、及び再び有することとなる場合にも同様の擬制が働く。
法人が課税区分を跨ぐ際に、税務上の解散と設立を擬制する規定です。普通法人から公益法人等への移行、外国法人の恒久的施設の取得・喪失が対象になります。
実際に清算せず、税務計算上だけ解散があったものとして扱うことです。法人税法 10 条では、公益法人等に該当する日の前日に解散があったものとみなされます。
認定日の前日にみなし解散、認定日にみなし設立が生じます。この一日を境に、欠損金の繰戻し還付と繰越しの適用関係が切り替わります。
平成 30 年 4 月 1 日以後開始事業年度に生じた欠損金は 10 年、それ以前開始分は 9 年です。ただし 10 条のみなし設立を挟むと、そのまま引き継げるとは限りません。
普通法人型の一般社団法人は全所得課税、公益社団法人は公益法人等として収益事業のみ課税です。この課税区分の切替点に 10 条が働きます。
公益法人等に課税される事業のことで、法人税法施行令が物品販売業や不動産貸付業などを限定列挙しています。列挙外の活動には法人税が課されません。
外国法人が日本で事業を行う支店・工場・建設現場などの拠点です。恒久的施設の有無で課税範囲が一変するため、その取得・喪失日に 10 条 3 項・4 項が働きます。
10 条 3 項は適格合併等による恒久的施設の喪失をみなし解散の対象から除き、4 項ただし書も移転を受けた事業について特則を置いています。適格要件の充足が前提です。
そのままではありません。10条は公益法人化の前日に解散、当日に設立があったものとみなし、57条(繰越し)や80条(繰戻し還付)を改めて適用します。引き継げる範囲は政令と各規定の要件次第です。業界裏話ヒント:公益法人等は収益事業にしか課税されないため、移行前の欠損金を移行後に使いたくても、当てられる課税所得が収益事業分に限られる。『非課税だから得』と単純に喜ぶ前に、欠損金の使い道が細る点を計算しておく
関係します。10条3項は、恒久的施設(日本の支店など)を有する外国法人がそれを持たなくなる日に解散したものとみなし、144条の13の欠損金繰戻し還付などを適用します。ただし適格合併等で事業を引き継ぐ場合は除かれます。業界裏話ヒント:撤退の実行日をいつにするかで還付の可否や金額が変わる。撤退を決めた瞬間ではなく、恒久的施設を法的に閉じる日が起算点になるので、実務では閉鎖日の設計から入る
いいえ。あくまで税務上の擬制で、法人格や登記はそのまま存続します。清算手続は不要で、変わるのは欠損金の繰戻し・繰越しなど特定規定の適用関係だけです(10条各項)。業界裏話ヒント:『解散』の語感に驚いて手続を止める人がいるが、動くのは税務計算の内部だけ。逆にこの擬制を理解していないと、本来使える繰戻し還付というカードを見落とす
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 法人税法 10 条:課税区分の切替日に解散・設立を擬制するスイッチ | — |
| 発動のきっかけ | 公益法人等への該当、恒久的施設の喪失・再取得 | — |
| 効果の方向 | 適用関係をいったん切り、前後に振り分ける | — |
| 外国法人版 | 3 項・4 項で恒久的施設の有無に対応、適格合併等は除外 | — |
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