要点法人税法 139 条は、租税条約が国内源泉所得について 138 条と異なる定めを置く場合、外国法人には条約の定めが優先すると規定する。第 2 項は恒久的施設と本店間の内部利子を除外する。
Q · 日本の法人税法と租税条約、外国法人にはどっちが適用されるの?
条約が違う定めを置く限り、条約が優先する
法人税法 139 条 1 項により、租税条約が国内源泉所得について 138 条と異なる定めを置いている場合、その条約の適用を受ける外国法人については、異なる定めがある限りで条約の定めが優先します。条約が「日本では課税しない」と定めた所得は、138 条が課税対象に掲げていても日本は課税できません。さらに 2 項は、一定の条約が適用される場合、恒久的施設と本店等との間の利子の支払に相当する事実を内部取引から除外します(政令で定める金融機関は除く)。
あなたの会社が海外法人で、日本でいくらか収益を上げているとする。日本の法人税法 138 条は、どこからどこまでを「国内源泉所得」として日本が課税できるかを線引きしている。ところが、あなたの国と日本の間に租税条約があれば、話が根本から変わる。139 条は、租税条約が 138 条と違う定めを置いている場合、その条約が優先すると宣言する条文だ。日本の国内法が「これは日本の所得だから課税する」と言っても、条約が「いや、これは日本では課税しない」と定めていれば、条約が勝つ。国会が作った法律より、国と国の約束が上に立つ、珍しい構造である。さらに 2 項は、恒久的施設(日本国内に置いた支店や事業所)と本店の間の「内部の利子のやり取り」について、適用条約次第で日本の課税対象から外すと定める。ただし政令で定める金融機関は別扱いだ。この一条を読めるかどうかで、あなたの会社が日本に納める税額が数千万円単位で動くことがある。
法人税法 139 条は、租税条約と国内法の適用関係を定める規定であり、国内源泉所得について租税条約が前条 138 条と異なる定めを置く場合、条約の適用を受ける外国法人については、その異なる定めがある限りで条約の定めによると規定する。第 2 項は、一定の条約が適用される場合に、恒久的施設と本店等との間の利子の支払に相当する事実等を内部取引から除外する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
外国法人の国内源泉所得については、法人税法 139 条により、条約が 138 条と異なる定めを置く限りで租税条約が優先します。国内法が定めた課税範囲を条約が上書きする構造です。
租税条約に国内源泉所得の別段の定めがあるとき、その条約の適用を受ける外国法人には条約の定めが優先すると宣言する条文です。2 項は恒久的施設と本店間の内部利子の扱いを定めます。
恒久的施設帰属所得では原則として内部取引を認識しますが、139 条 2 項により、一定の条約が適用される場合、内部利子は内部取引に含まれません。政令で定める金融機関は例外です。
自社が条約相手国の居住者に該当し、特典制限条項などの要件を満たすことが前提です。源泉徴収の減免を受けるには、支払者経由で税務署へ所定の届出書を提出する運用が一般的です。
限りません。租税条約は原則として国内法より重い課税を課さないと解されており、国内法のほうが有利な場面もあります。所得類型ごとに条約と国内法を突き合わせる必要があります。
条約により日本で課税されない所得なら還付を求める余地があります。更正の請求は原則として法定申告期限から 5 年以内(国税通則法 23 条)で、期限管理が要になります。
多数の国・地域と条約・協定を締結しています。締結国・発効日・適用開始日は改定が続くため、財務省が公表する租税条約に関する資料で最新の一覧を確認してください。
使用料や利子など恒久的施設に帰属しない所得でも 138 条は課税対象を定めますが、条約が源泉地や課税権を別に定めていれば 139 条により条約の定めが優先します。
外国法人の国内源泉所得については、法人税法 139 条により、条約が 138 条と異なる定めをしている限りで租税条約が優先します。条約が国内法を上書きする仕組みです。業界裏話ヒント:ただし「条約は常に有利」とは限らない。租税条約は原則として国内法より重い課税を課さない(プリザベーション原則)と解されており、国内法のほうが納税者に有利な場面では国内法を選べる余地がある。優先関係は一方通行ではなく、有利なほうを取れる場面がある点を知る人は少ない
恒久的施設帰属所得の計算では原則として内部取引を認識しますが(法人税法 138 条 1 項 1 号)、139 条 2 項は、適用条約に一定の定めがある場合、支店と本店間の内部利子は内部取引に含めないと定めます。ただし政令で定める金融機関は例外です。業界裏話ヒント:この「金融機関は例外」の一文が実は重い。銀行の日本支店は本店との内部利子を所得計算に取り込める余地があり、一般事業会社とは扱いが逆になる。自社が政令上の金融機関に当たるか否かで、課税ベースの作り方が根本から変わる
まず自社が条約相手国の居住者に該当し、特典制限条項などの要件を満たすかを確認します。該当すれば、その所得類型について条約の定めが 139 条経由で国内法より優先します。業界裏話ヒント:近年の条約には特典制限条項(LOB)や主要目的テスト(PPT)が入っており、条約を使うためだけに作ったペーパーカンパニーは特典を否認される。条約さえ結ばれていれば自動で使える時代は終わっており、導管取引とみなされない実体づくりが前提になっている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 139 条:条約が異なる定めを置く場合の優先関係を宣言 | — |
| 内部取引の扱い | 2 項:一定の条約適用時、内部利子等を内部取引から除外(政令上の金融機関は例外) | — |
| 適用の前提 | 条約相手国の居住者であり、条約が 138 条と異なる定めを置くこと | — |
| 実務での使いどころ | 税務調査・更正処分に対し条約優先を主張する根拠条文 | — |
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