要点法人税法 138 条は、外国法人に課税される「国内源泉所得」を列挙する規定。恒久的施設に帰属する所得のほか、不動産賃料や人的役務の対価は PE がなくても課税される。
Q · 海外の会社が日本で稼いだお金、どこまで日本の税金がかかるんですか?
PE の有無で日本の課税範囲が変わります
法人税法 138 条は、外国法人に日本の法人税がかかる「国内源泉所得」を列挙します。中心は 1 号の恒久的施設(PE)帰属所得で、2014 年改正により PE を独立企業とみなし、本店等との内部取引を認識して帰属する分だけを課税する帰属主義(AOA)になりました。一方、国内不動産の賃料(5 号)、人的役務提供の対価(4 号)、国内資産の譲渡益(3 号)は PE がなくても課税されます。租税条約に別段の定めがあれば 139 条により条約が優先します。
あなたが海外に会社を持ち日本で商売をしている、あるいは日本の顧客向けにサービスを売っているとする。そのとき最初に決まるのは「日本の税務署が自社にいくら課税できるか」ではない。「そもそも日本に課税権があるのか」だ。その入口が法人税法 138 条。国内源泉所得、つまり源泉が日本にある所得だけが日本の法人税の対象になる。カギは「恒久的施設(PE、日本に置いた支店・工場・倉庫・建設現場や契約を結ぶ代理人など、事業の足場)」の有無。PE があれば、そこに帰属する所得が課税される。さらに 2014 年の改正で日本は「PE があれば日本源泉所得すべてを課税する」総合主義から、「PE に帰属する分だけ課税する」帰属主義(AOA)へ舵を切った。あなたの会社の日本拠点が本店とどんな内部取引をしたか、その一つ一つが課税額を左右する。税率を調べるのは、この関門を通ってからだ。
法人税法 138 条は、外国法人の課税対象となる国内源泉所得の範囲を定める規定である。恒久的施設に帰せられるべき所得を第一号に置き、国内資産の運用・保有による所得、政令で定める国内資産の譲渡による所得、人的役務提供事業の対価、国内不動産等の貸付けによる対価、その他源泉が国内にある所得を列挙する。第二項は恒久的施設と本店等との内部取引を定義する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
源泉が日本にあると法律が定めた所得のことです。法人税法 138 条 1 項が 6 つの類型を列挙し、この枠に入る所得だけが外国法人への日本の法人税課税対象になります。
日本国内の支店・工場・事務所などの事業拠点、一定期間を超える建設工事現場、契約締結の権限を反復行使する代理人などです。定義は法人税法 2 条と租税条約に置かれています。
在庫の保管・引渡しだけなら準備的・補助的活動として原則 PE から除外されます。ただし同じ倉庫で受注処理や顧客対応まで行うと、機能面から PE と認定されうるのが実務の分岐点です。
外国法人の恒久的施設と本店等との間の資産移転や役務提供のうち、独立企業間なら取引と認められるものです。138 条 2 項が定義し、帰属所得計算の基礎になります。
課税されます。国内不動産や不動産上の権利の貸付対価は 138 条 1 項 5 号の国内源泉所得で、恒久的施設の有無に関係なく日本での納税義務が生じます。
更正の除斥期間は原則 5 年、偽りその他不正の行為がある場合は 7 年です(国税通則法 70 条)。加算税・延滞税が上乗せされるため、事後対応コストが本税を超えることもあります。
国内源泉所得に当たる支払には源泉徴収義務が生じ得ます。人的役務提供の対価や不動産賃料などが典型で、支払う日本企業側が税を差し引いて納付する仕組みです。
サーバーの設置場所が自社の処分下にあり、そこで事業の中核機能が果たされていれば PE と評価されうる一方、単なるデータ保管なら準備的・補助的活動として除外される可能性があります。
PE がなければ、原則として事業所得への日本の法人税課税はない(帰属主義)。ただし 138 条の他の号、不動産賃料や人的役務、日本資産の譲渡益などに当たれば PE なしでも課税される。業界裏話ヒント:多くの海外事業者が「PE がないから安全」と思い込むが、日本にサーバーを置く、倉庫で受注業務をする、常駐代理人を使う、これらで PE が生まれる。国税庁は近年クロスボーダー EC やデジタル取引の PE 認定を強めている
本当。租税条約に 138 条と異なる定めがあれば、139 条により条約の定める国内源泉所得へ読み替えられる。条約は国内法に優先する。業界裏話ヒント:日本は 80 以上の国・地域と租税条約を結んでおり、PE の定義や課税範囲が条約ごとに違う。母国と日本の条約を読まずに 138 条だけを見ると、払わなくていい税を払う、あるいは逆に申告漏れになる。まず適用条約の特定から動く
2014 年改正前は「PE があれば、その PE と無関係な日本源泉所得まで PE に吸い寄せて課税する」総合主義だった。改正後は「PE を独立企業とみなし本店との内部取引を認識して、PE に帰属する分だけ課税する」帰属主義。業界裏話ヒント:この改正で「内部取引」(138 条 2 項) という概念が生まれ、PE と本店の間の資産移転・役務提供を他人同士の取引のように価格付けする移転価格文書が必要になった。ここを軽視すると税務調査で否認される
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 法人税法 138 条:何が国内源泉所得かを定義する入口 | — |
| PE の要否 | 1 号は PE 必須、3〜5 号は PE がなくても課税 | — |
| 所得金額の計算 | 計算方法は定めず、範囲の画定にとどまる | — |
| 個人との対応関係 | 外国法人(法人税)の国内源泉所得 | — |
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