要点法人税法142条の4は、外国法人の日本支店(恒久的施設)の自己資本が帰属すべき資本に満たない場合、その不足分に対応する本店借入等の負債利子を損金不算入とする規定である。
Q · 外国企業の日本支店が本店からお金を借りたら、その利子は経費にできないの?
支店の資本不足分に対応する本店借入利子は損金にできません
法人税法142条の4により、外国法人の日本支店(恒久的施設)の実際の自己資本が、独立企業原則のもとで帰せられるべき資本の額に満たない場合、その不足分に対応する本店借入等の負債利子は、恒久的施設帰属所得の計算上、損金の額に算入されません。支店の資本をわざと薄くして内部利子で日本の利益を国外へ移す動きを封じる規律です。子会社形態なら租税特別措置法66条の5(過少資本税制)が別ルートで待ち受けます。
外国の会社が日本に支店を構えて事業をする。その支店に本店から運転資金を貸し付け、利子を払う。この利子は日本での税金計算上、経費(損金)として引けるはずだ。ところが法人税法142条の4はそこに一本の線を引く。支店に「帰せられるべき資本」(AOA、独立企業原則のもとで、その支店が独立の会社なら当然持っているはずの自己資本)を政令の方式で計算し、実際の支店の自己資本がそれに満たなければ、足りない分に対応する利子は損金に算入させない。つまり、支店の資本をわざと薄くして本店借入で回し、利子という形で日本の利益を静かに国外へ移す動きを封じる仕組みだ。あなたが外資系の日本進出を支店形態で設計するなら、この一条が想定税負担を静かに押し上げる。子会社にすれば別の過少資本税制(租税特別措置法66条の5)が待っている。逃げ道はどちらにも仕掛けられている。
法人税法142条の4は、外国法人の恒久的施設に帰せられるべき資本の額に対し、当該恒久的施設の実際の自己資本が不足する場合、その不足額に対応する負債利子を恒久的施設帰属所得の計算上、損金の額に算入しないと定める規定である。独立企業原則(AOA)に基づく過少資本規律として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
外国法人が事業を行う日本国内の支店・事務所・工場などの拠点を指します。恒久的施設に帰属する所得が日本で課税され、142条の4の帰属資本規律もこの単位で適用されます。
独立企業原則のもとで、その支店が独立の会社なら当然持っているはずの自己資本のことです。政令の方式で計算し、実際の支店資本がこれに満たないと利子が否認されます。
自己資本を薄くして借入を膨らませ、支払利子で課税所得を圧縮する行為を制限する仕組みです。支店は142条の4、子会社は租税特別措置法66条の5が対応します。
資本配賦法は本店の総資本を資産・リスクに応じて支店へ配賦する方式、比準法は類似の独立企業の資本水準に準じて算定する方式です。どちらを使うかで否認額が振れます。
税金計算上、その費用を経費(損金)として控除できないことを指します。142条の4では帰属資本の不足分に対応する利子が損金不算入となり、課税所得が増えます。
恒久的施設に帰属する所得(帰属主義・AOA)を独立企業として計算します。本支店間の内部取引も認識され、142条の4等の否認規定を適用したうえで課税所得を算出します。
処分を知った日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求を行う必要があります(国税通則法77条)。取消訴訟は裁決を知った日から6か月以内です。
移転価格税制は関連者間の取引価格の妥当性を問う制度、過少資本税制(142条の4等)は資本と負債の比率の薄さに着目して利子を否認する制度で、着眼点が異なります。
一概には言えない。支店(恒久的施設)なら142条の4で本店借入利子のうち帰属資本の不足分が損金否認され、子会社なら租税特別措置法66条の5(過少資本税制)や66条の5の2(過大支払利子税制)が利子を否認する。業界裏話ヒント:登記の手軽さで支店を選ぶ企業は多いが、調査で帰属資本を薄いと指摘され数年分の追徴が来る。形態選択は税務を織り込んで最初に決めるのが鉄則で、後から変えると清算コストがかさむ
なる。2016年4月からのAOA(独立企業原則)導入で、本支店間の内部取引が税務上認識されるようになった(138条・142条)。内部利子は損金算入の対象になる一方で、142条の4により帰属資本の不足分は否認される。業界裏話ヒント:2016年より前は本支店を一体とみて内部利子を無視していたため、古い実務感覚のまま資金設計している企業ほど、この改正で足をすくわれやすい
別問題である。金融規制上の自己資本と、142条の4がいう税法上の「帰属資本」は計算目的も方式も異なる。外国銀行の支店には142条の3という別の資本ルールもあり、規制上OKでも税務で否認されることがある。業界裏話ヒント:金融・保険の日本拠点では、財務部が規制資本を最適化した結果、税務上の帰属資本が不足して否認される、という部門間のズレが典型的な火種になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用対象 | 142条の4:外国法人の恒久的施設(支店) | — |
| 否認の基準 | 帰属すべき資本の額に対する支店自己資本の不足分 | — |
| 制度の狙い | 支店の過少資本による内部利子の国外移転を防止 | — |
| 計算方式 | 資本配賦法・比準法(政令で規定) | — |
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