要点法人税法 142 条の 9 は、外国法人の恒久的施設と本店等の間で 138 条 1 項 3 号・5 号の資産が内部取引で動いた場合、直前の帳簿価額で行われたものとみなして課税所得を計算する。
Q · 外資系の日本支店が本店に資産を移したら、時価で税金がかかるんですか?
原則は時価だが、特定資産は簿価据置になる
2014 年(平成 26 年)改正で日本は帰属主義(AOA)を採用し、恒久的施設と本店等の間の資産の受け渡しは「内部取引」として課税計算に組み込まれます。原則は独立企業間価格(時価)ですが、法人税法 142 条の 9 は、138 条 1 項 3 号・5 号の国内源泉所得を生ずべき資産に限り、内部取引の直前の帳簿価額に相当する政令所定の金額で行われたものとみなします。含み益はその瞬間には課税されず、資産に張り付いたまま日本の課税網に残り、実際に第三者へ譲渡した時点でまとめて課税されます。
外資系企業の日本支店が、本店から機械や国内不動産に関わる資産を「社内で」受け取った。同じ会社の中の移動だから税金には関係ない。多くの経理担当はそう片付ける。ところが 2014 年(平成 26 年)の改正で日本が採用した AOA(OECD 承認アプローチ)の下では、恒久的施設(=日本支店)と本店等の間の資産のやり取りは「内部取引」として、あたかも別会社間の取引のように扱われ、課税所得の計算に組み込まれる。142 条の 9 が定めるのは、その中でも 138 条 1 項 3 号・5 号の資産(日本国内資産の譲渡や不動産関連で、日本の課税権が及ぶもの)についての特則だ。これらの資産が内部取引で動いたときは、時価ではなく「直前の帳簿価額」(政令で定める金額)で行われたものとみなす。つまり、社内移動の瞬間に含み益へ課税されない代わりに、含み益は資産に張り付いたまま日本の課税網に残る。あなたが時価で認識すべきか簿価で据え置くべきかを取り違えると、申告額が数千万円単位でずれる。
法人税法 142 条の 9 は、外国法人の恒久的施設帰属所得の計算における内部取引の評価特則である。恒久的施設と本店等との間で 138 条 1 項 3 号・5 号の資産の取得または譲渡に相当する内部取引があった場合、時価ではなく直前の帳簿価額に相当する政令所定の金額で行われたものとみなす。含み益は資産に留保され、実際の譲渡時まで課税が繰り延べられる。
外国法人の恒久的施設(日本支店)と本店等の間の資産移転や役務提供を、税務上は独立した企業間の取引とみなす概念です。法人税法 138 条 1 項 1 号が定義し、恒久的施設帰属所得の計算に組み込まれます。
恒久的施設を本店から分離した独立企業とみなし、そこに帰属する所得を計算する国際的な考え方です。日本は 2014 年(平成 26 年)改正でこれを採用し、従来の総合主義から帰属主義へ転換しました。
平成 26 年(2014 年)改正で導入され、平成 28 年(2016 年)4 月 1 日以後に開始する事業年度から適用されています。総合主義を前提とした古い実務書の記述は現行制度と食い違うため、施行年の確認が必要です。
支店・工場などの事業所、一定期間を超える建設工事現場、契約締結代理人などが該当します。法人税法 2 条 12 号の 19 が定義し、租税条約がある場合は条約上の定義が優先されます。
外国法人の確定申告において、恒久的施設帰属所得に係る所得金額の計算に関する別表へ反映します。様式や記載欄は改正で変わるため、申告する事業年度の国税庁の最新様式を確認してください。
恒久的施設帰属所得の計算根拠として、内部取引の内容と価額の算定資料を保存する必要があります。移転価格文書化と重なる部分も多く、税務調査では最初に提出を求められる資料になります。
国内にある資産の譲渡により生ずる所得や、国内不動産の譲渡等に係る所得を生ずべき資産です。日本の課税権が強く及ぶ資産群であり、142 条の 9 の簿価据置はこの範囲に限定されます。
更正処分により所得が加算され、過少申告加算税や延滞税が課されます。国外取引に関わるため更正の除斥期間が延びる場合もあり、数年後に遡って指摘されるリスクがあります。
2014 年改正で日本は「帰属主義」(AOA)に移り、恒久的施設と本店等の間の資産や役務のやり取りを「内部取引」として、別会社間の取引のように扱って所得を計算します(138 条 1 項 1 号、142 条)。業界裏話ヒント:改正前は「総合主義」で内部取引を認識しませんでした。古い実務書の記述は今の帰属主義と食い違うので、施行年をまず確認する
原則は独立企業間価格(時価)ですが、142 条の 9 は 138 条 1 項 3 号・5 号の資産に限り、直前の帳簿価額で行われたものとみなす例外を置いています。業界裏話ヒント:この例外を知らず全部を時価で組むと、動かしただけで含み益を過大計上し、本来払わなくてよい税を払う。特定資産だけは簿価据置、という切り分けが分岐点
内部取引の瞬間ではなく、その資産を実際に第三者へ譲渡した時に、含み益がまとめて日本で課税されます。含み益が資産に張り付いたまま日本の課税網に残る仕組みです(142 条の 9、138 条 1 項 3 号)。業界裏話ヒント:政令が定める簿価と取得価額の引継ぎ方が、将来の譲渡益の額そのものを決める。据置時の帳簿価額の詰めが、数年後の税額を左右する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 142 条の 9:特定資産の内部取引を簿価で行われたものとみなす評価特則 | — |
| 適用対象 | 138 条 1 項 3 号・5 号の国内源泉所得を生ずべき資産の内部取引に限定 | — |
| 評価基準 | 直前の帳簿価額に相当する政令で定める金額(簿価据置) | — |
| 含み益への課税時期 | 内部取引時は非課税、実際の第三者譲渡時に日本で課税 | — |
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