要点法人税法 144 条の 2 は、恒久的施設を有する外国法人が施設帰属の国外源泉所得に課された外国法人税を、控除限度額の範囲で日本の法人税額から控除できると定める。枠は前三年内で繰越可。
Q · 外国企業の日本支店が第三国で払った税金は、日本の法人税から取り戻せるの?
できます。控除限度額の枠内で日本の法人税から控除できます
法人税法 144 条の 2 により、恒久的施設を有する外国法人は、その施設に帰属する国外源泉所得に課された外国法人税を、日本の法人税額から控除できます。控除できるのは「日本の法人税額×国外所得割合」で算出する控除限度額の枠内までです。使い切れない枠と払いすぎた税額はそれぞれ前三年内事業年度で繰り越せます(第 2 項・第 3 項)。ただし高率負担部分や通常でない取引に基因する外国法人税は控除対象から除外され、申告書に明細書を添付しなければ控除は認められません(第 10 項が準用する 69 条)。
ドイツ本社の東京支店が、香港の関連会社への貸付けから利子を受け取ったとする。この利子は香港で源泉徴収され、同時に日本でも課税される。なぜなら東京支店(恒久的施設)に帰属する所得だからだ。一つの所得に二か国が同時に手を伸ばす、国際課税でいう三角ケースである。ここで多くの経理担当は「外国税額控除は内国法人の制度(69条)で、外国企業には使えない」と諦める。それが数百万円を捨てる判断になる。144条の2は、恒久的施設を持つ外国法人が、その施設に帰属する国外源泉所得について払った外国法人税を、日本の法人税から控除することを認める。あなたが握るべき鍵は三つ。控除できるのは控除限度額の枠内まで、使い切れない枠と払いすぎた税はそれぞれ3年繰り越せる、そして申告書に明細を付けなければ一円も認められない。
法人税法 144 条の 2 は、恒久的施設を有する外国法人に対する外国税額控除を定める規定である。恒久的施設帰属所得のうち国外源泉所得に課された外国法人税を、日本の法人税額に国外所得割合を乗じた控除限度額の枠内で日本の法人税額から控除することを認める。内国法人向けの 69 条に対応する外国法人版の特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
同一所得に外国と日本の双方が課税する国際的二重課税を、外国で払った税を日本の税額から差し引いて緩和する制度です。外国法人の日本支店については法人税法 144 条の 2 が根拠になります。
外国法人が日本国内で事業を行う支店・事務所・工場などの固定的な拠点や、契約締結代理人を指します。PE に帰属する所得が日本の課税対象となり、同時に 144 条の 2 の控除の前提にもなります。
日本の法人税額に、恒久的施設帰属所得のうち国外源泉所得が占める割合を乗じて算出します。計算式は政令(法人税法施行令)に依拠し、国外源泉所得の区分(第 4 項)を誤ると枠が伸縮します。
使い切れない繰越控除限度額(第 2 項)も、払いすぎた繰越控除対象外国法人税額(第 3 項)も、いずれも前三年内事業年度、つまり 3 年です。黒字化が遅れると枠は失効します。
控除は申告書に明細書を添付して初めて認められます(第 10 項が準用する 69 条 25 項)。添付を忘れると要件を満たしていても控除はゼロになるため、期限内申告での添付が唯一のスイッチです。
できません。所得に対する負担が高率な部分として政令で定める外国法人税は、そもそも控除対象外国法人税の額に含まれず、限度額計算の前にふるい落とされます(第 1 項括弧書き)。
PE 帰属の国外源泉所得が第三国と日本で二重課税された場合、144 条の 2 の外国税額控除で日本側の税額から差し引きます。租税条約があれば源泉地ルールが優先することもあります(第 5 項)。
一般に税額から直接引く外国税額控除の方が有利ですが、控除限度額を超える部分や高率負担部分など控除できない税は損金算入を検討します。個別の所得構成により有利判定が変わります。
それは内国法人向けの69条の話です。恒久的施設を持つ外国法人にも、その施設に帰属する国外源泉所得に課された外国税を日本の法人税から控除する道が144条の2で開かれています。業界裏話ヒント:日本に支店を置く外国企業が第三国の所得で二重課税される三角ケースは、内国法人の解説書には載らず、実際に申告を組む段になって初めて直面する。制度の存在を知らずに二重課税を丸呑みしている支店は少なくない
控除は控除限度額の枠内までだからです。限度額は日本の法人税額に国外所得の割合を乗じた金額で、日本の課税権が及ぶ範囲に控除を止める設計です(第1項)。超過分は3年繰り越せます(第2項)。業界裏話ヒント:さらに高率負担部分は最初から控除対象外国法人税の額に入りません。つまり限度額計算の前に、そもそも引けない税がふるい落とされる二段構え。この一段目を見落とすと控除見込みを過大に立ててしまう
本当です。第5項は、租税条約が国外源泉所得について第4項と異なる定めを置く場合、その異なる限りで条約の定めが優先すると規定します。業界裏話ヒント:条約の源泉地ルールは国内法の第4項各号と食い違うことがあり、どちらを当てるかで控除枠の分子が動く。適用条約の特典条項や源泉地規定を先に読み込んでいるかどうかで、控除額が変わる。実務上、条約の解釈が分かれる論点も残っている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用対象 | 144 条の 2:恒久的施設を有する外国法人(PE 帰属の国外源泉所得) | — |
| 控除の枠 | 日本の法人税額×国外所得割合(控除限度額、第 1 項) | — |
| 繰越 | 限度額・税額とも前三年内事業年度(第 2 項・第 3 項) | — |
| 手続要件 | 申告書への明細書添付(第 10 項が準用する 69 条 25 項) | — |
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