要点法人税法 29 条は、期末棚卸資産の価額を法人が選定した評価方法で評価すると定める。評価方法を届け出なければ法定の最終仕入原価法が自動適用され、課税所得が変わる。
Q · 会社の在庫の値段の付け方って、自分で選べるんですか?
選べる。届け出ないと最終仕入原価法が自動適用される
法人税法 29 条により、内国法人は期末棚卸資産の価額を、総平均法・移動平均法・先入先出法・個別法など政令が定める複数の評価方法から自社に合う方法を選定して評価できます。ただし選定して届け出なかった場合や、届け出た方法で評価しなかった場合は、法定評価方法である最終仕入原価法が自動的に適用されます。仕入価格の上昇局面では、この法定方法は期末在庫を高く評価し売上原価を小さくするため、課税所得と法人税が膨らみやすくなります。
決算のたびに在庫を数える。その在庫に一個あたりいくらの値段を付けるかで、あなたの会社が払う法人税額が変わる。これを知らない経営者は驚くほど多い。法人税法29条は、期末に残った棚卸資産(在庫)をどう評価するかで、その事業年度の売上原価が決まり、結果として課税所得が決まると定める。核心は「あなたが方法を選べる」ことだ。総平均法、移動平均法、先入先出法、個別法など、政令が用意した複数の方法から自社に有利なものを選び、税務署に届け出る権利がある。だが届出をしなければ、自動的に「最終仕入原価法」が適用される。仕入価格が上がっている局面では、この法定方法は期末在庫の評価額を高く出し、売上原価を小さくし、課税所得を押し上げやすい。つまり届出書一枚を出さなかっただけで、余計な税金を払い続けている可能性がある(最新の改正状況をご確認ください)。
法人税法 29 条は棚卸資産の評価に関する規定であり、内国法人が事業年度末に有する棚卸資産(期末棚卸資産)の価額を、取得価額の平均額による方法その他政令が定める評価方法のうち法人が選定した方法により評価すると定める。評価方法を選定しなかった場合または選定した方法で評価しなかった場合は、政令の定める法定評価方法によることとされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
総平均法・移動平均法・先入先出法・個別法・売価還元法・低価法など、期末在庫の価額を算定するための計算方法です。法人税法 29 条と施行令が定め、法人が選定して届け出ます。
設立第 1 期の確定申告書の提出期限までに提出します。この期限を逃すと最終仕入原価法が自動適用され、以後の変更は承認申請が必要になります。
期末に最も近い時期の仕入単価で期末在庫全体を評価する方法です。評価方法を届け出なかった場合の法定評価方法で、仕入上昇局面では在庫評価が高く出て課税所得が膨らみます。
仕組みは同じです。法人は法人税法 29 条、個人事業主は所得税法 47 条が対応し、いずれも複数の方法から選定して届け出る構造になっています。
届け出た方法で評価しなかった場合、法人税法 29 条 1 項により法定評価方法(最終仕入原価法)で引き直されます。税務調査で追徴課税になるおそれがあります。
購入代金のほか、引取運賃・荷役費・関税など取得に要した付随費用が含まれます。範囲は政令で定められ、税務調査で争点になりやすい項目です。
値下がりリスクの高い在庫を扱う業種は低価法が有利です。期末時価が取得原価を下回った差額を評価損として当期の損金にできるためです。
変更できますが、変更しようとする事業年度開始の日の前日までに税務署長へ承認申請書を提出する必要があり、正当な理由なく頻繁には認められません。
何も届け出なければ、法人税法29条1項と法人税法施行令の定めにより、自動的に「最終仕入原価法」が適用されます。期末に最も近い仕入単価で在庫全体を評価する方法で、仕入価格が上昇している業種では期末在庫が高く出て、課税所得が膨らみやすい。業界裏話ヒント:税理士は依頼されなければ評価方法の届出を積極的に勧めないことがある。設立第1期の申告期限が唯一の届出チャンスなので、法人を作ったら自分から「うちの在庫、何法で届け出る?」と聞くのが差になる。(最新の改正状況をご確認ください)
変えられますが、税務署長への承認申請が必要で、原則としてその事業年度が始まる前に申請します(法人税法施行令の変更手続)。正当な理由なく頻繁には認められません。業界裏話ヒント:承認申請は「新しい方法の方が所得計算がより適正になる」という合理的理由を示せるかが勝負。単に「税金を減らしたいから」では通らない。だからこそ最初の届出で自社の仕入構造に合った方法を選んでおくことが、後々の自由度を決める。
期末在庫の時価が取得原価より下がったとき、その差額を評価損として当期の損金に算入できます(法人税法29条と施行令の低価法規定)。原価法だと、実際に売るか処分するまで値下がり分は税務上の損になりません。業界裏話ヒント:型落ち・季節商品・生鮮など値下がりリスクの高い在庫を扱う業種ほど低価法が効く。ただし時価の算定根拠(市場価格の資料)を残しておかないと、調査で評価損を否認されることがある。証憑をそろえる習慣がセットで必要。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象資産 | 法人税法 29 条:棚卸資産(在庫) | — |
| 損金化の仕組み | 選定した評価方法で期末在庫を評価し売上原価を確定 | — |
| 方法の届出 | 設立第 1 期の申告期限まで(なければ最終仕入原価法) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。