要点法人税法 48 条は、保険金が滅失資産の簿価を超えた差益について、2 年以内の代替資産取得を条件に特別勘定として損金算入し、課税を繰り延べる制度を定める。ただし免除ではない。
Q · 火災保険で工場を建て直すお金なのに、なんで法人税がかかるの?先送りできないの?
免除ではなく、2 年以内の再取得を条件に課税を繰り延べられます
法人税法 48 条により、受け取った保険金等が滅失資産の帳簿価額を上回った差益(保険差益)は課税所得になります。ただし事業年度終了の日の翌日から 2 年以内に代替資産を取得・改良する見込みがあれば、その差益相当額を確定決算で特別勘定として経理し、損金算入して課税を繰り延べられます(1 項)。免除ではなく、再取得時に圧縮記帳(47 条)へ振り替えるか、期限切れで取り崩すときに益金に戻ります(3 項)。確定申告書に損金算入の明細を記載しなければ適用されません(4 項)。
火災で工場が全焼した。火災保険から建て替え費用が下りて、ひとまず胸をなでおろす。ところがそこに落とし穴がある。焼けた工場の帳簿価額が減価償却で低くなっていると、保険金がその簿価を上回った差額(保険差益)は、その事業年度の課税所得になる。何もしなければ、あなたの会社は被災した年にいきなり法人税を取られる。48条はこの理不尽を和らげる仕掛けだ。決算期末までに建て替えが間に合わなくても、事業年度終了の日の翌日から2年以内(災害なら税務署長の指定日まで延長)に再取得や改良をする見込みがあるなら、差益相当額を『特別勘定』として損金に落とし、課税を先送りできる。ただし免除ではない。再建して圧縮記帳(47条)に振り替えるか、期限切れで取り崩すときに益金に戻る。つまり、いつ課税されるかをあなたが選べる制度だ。
法人税法 48 条は保険差益に係る特別勘定を定める規定であり、災害等で滅失した資産の保険金等が帳簿価額を上回る差益について、事業年度終了の日の翌日から 2 年以内の代替資産取得を条件に、その差益相当額を損金算入して課税を繰り延べる制度を規律する。再取得時は圧縮記帳へ振り替え、期限切れ時は取り崩して益金に算入される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
受け取った保険金等が、滅失した資産の帳簿価額と関連経費の合計を上回った差額です。実現利益として課税所得になります。古く簿価の下がった資産ほど差益が大きくなります。
圧縮記帳(47 条)は同一年度に代替資産を取得できた場合、特別勘定(48 条)は取得が翌期以降にずれ込む場合の繰延手段です。特別勘定は再取得時に圧縮記帳へ振り替えます。
特別勘定を設けた事業年度終了の日の翌日から 2 年を経過した日の前日までです。災害等やむを得ない事由があれば、税務署長が指定日を定めて延長できます(1 項)。
特別勘定として経理した金額の損金算入に関する明細を確定申告書に記載する必要があります(4 項)。記載を欠くと原則として適用されません。
使えます。火災保険に限らず、地震・台風で損壊した資産の共済金・損害保険金でも、簿価を超える差益があれば法人税の課税対象となり、48 条の対象になります。
取り崩した金額は、その取り崩した日の属する事業年度の益金に算入されます(3 項)。繰り延べていた課税が復活するため、再取得の見込みが崩れると税負担が一気に戻ります。
適格合併なら特別勘定は合併法人に引き継がれます(8 項)。非適格合併で解散した場合は解散時に取り崩して益金算入されます(3 項)。再編スキームで税負担が動きます。
取得見込みがあれば特別勘定を設けて課税を止め、2 年内に再取得が難しくなりそうなら早めに税務署長へ指定日を申請して枠を延長します。期限切れ後には戻せません。
焼けた資産の帳簿価額を保険金が上回った差額(保険差益)が、実現した利益として課税所得になるからです。48条の特別勘定を設ければ、2年以内の再取得を条件に課税を繰り延べられます(47条の圧縮記帳とセット)。業界裏話ヒント:古い建物ほど減価償却で簿価が下がっており、同じ保険金でも差益が大きく課税も重い。被災直後、税理士が真っ先に確認するのは保険金額ではなく簿価のほうだ
期限までに再取得や改良ができなければ、特別勘定を取り崩し、その事業年度の益金に算入されます(3項)。つまり繰り延べていた課税が復活します。ただし災害等やむを得ない事由があれば、税務署長が指定日を定めて枠を延長できます(1項括弧書)。業界裏話ヒント:資材高騰や工期遅延は珍しくない。2年が危ういと感じたら、切れる前に指定日申請を出すのが実務の定石で、切れてからでは戻せない
原則として、確定申告書に損金算入の明細の記載がなければ48条は適用されません(4項)。ただし記載がなかったことにやむを得ない事情があると税務署長が認めれば、なお適用の余地があります(5項)。業界裏話ヒント:この『やむを得ない事情』のハードルは高く、単なる失念では通りにくい。当初申告での明細記載が命綱で、更正の請求で後から足せる性質のものではないと心得ておく
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用場面 | 48 条:保険差益、代替資産の取得が翌期以降にずれ込む場合の繰延 | — |
| 繰延の手段 | 特別勘定を設けて損金算入(後日 47 条へ振替) | — |
| 適用要件 | 確定決算での特別勘定経理 + 確定申告書への損金算入明細の記載(4 項) | — |
| 取崩し・戻入れ | 期限切れ・非適格合併解散等で取り崩し、益金算入(3 項) | — |
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