第三十条の二第一項及び第二項に定める事項についての労働者と事業主との間の紛争については、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(平成十三年法律第百十二号)第四条、第五条及び第十二条から第十九条までの規定は適用せず、次条から第三十条の八までに定めるところによる。
要点労働施策総合推進法30条の4は、パワハラ紛争を個別労働関係紛争解決促進法のあっせんの対象から除外し、30条の6の調停ルートに振り替える規定である。
Q · パワハラで労働局に相談したら、あっせんで解決してもらえますか?
使えるのはあっせんではなく、30条の6の調停です
労働施策総合推進法30条の4により、パワハラ(30条の2第1項の措置義務、第2項の不利益取扱い禁止)をめぐる労使紛争には、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律の助言・指導とあっせんが適用されません。代わりに、都道府県労働局長による助言・指導・勧告(30条の5)と、紛争調整委員会による調停(30条の6)を利用します。調停は均等法の手続を準用し、当事者以外の関係者からも意見を聴けるため、目撃者の存在が鍵となるパワハラに適した設計になっています。
パワハラで労働局に駆け込んだ人の多くが、窓口で「あっせんをお願いしたい」と口にする。だがそのレールは、パワハラ紛争には最初から敷かれていない。30条の4は、パワハラ防止措置義務(30条の2第1項)と、相談したことを理由とする不利益取扱いの禁止(同2項)をめぐる労使紛争について、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律の助言・指導(4条)とあっせん(5条、12条から19条)を丸ごと適用除外にする条文である。代わりに乗るのは、都道府県労働局長による助言・指導・勧告(30条の5)と、紛争調整委員会による「調停」(30条の6)だ。看板が違うだけに見えて、中身は違う。調停は雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の手続を準用し、当事者以外の関係者、つまり同僚や目撃者に出頭を求めて意見を聴くことができる。密室で起き、証人の有無が全てを決めるパワハラにおいて、この一点の差は小さくない。
労働施策総合推進法30条の4は、パワーハラスメントに関する労使紛争の解決手続について特例を定める規定である。30条の2第1項および第2項に定める事項をめぐる労働者と事業主の紛争には、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律の助言・指導およびあっせんの規定を適用せず、30条の5以下に定める労働局長の助言・指導・勧告および紛争調整委員会の調停により処理される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
パワハラ紛争の解決手続の特例を定めた条文です。30条の2第1項・第2項に関する労使紛争には個別労働関係紛争解決促進法の助言・指導とあっせんを適用せず、30条の5から30条の8までの手続によります。
30条の4があっせんを適用除外にしているためです。代わりに、当事者以外の関係者からも意見を聴ける調停(30条の6)に振り替え、密室で起きるハラスメントでも事実解明ができるよう設計されています。
都道府県労働局の雇用環境・均等部門に申請し、紛争調整委員会が調停を行います。総合労働相談コーナーは入口の窓口にすぎず、実際の担当部門は均等部門である点が実務上の分かれ目です。
都道府県労働局長による紛争解決の援助および紛争調整委員会の調停は、申請に手数料がかかりません。弁護士に依頼する場合の報酬は別途必要ですが、手続自体は無料で利用できます。
調停は打ち切られ、手続は終了します。その後は労働審判や民事訴訟で争うことになります。行政手続には合意を強制する力がないため、次の手段を早めに準備しておく必要があります。
対象です。中小事業主は令和4年(2022年)3月31日まで努力義務でしたが、同年4月1日から全面的に義務化されました。30条の4の紛争解決特例も同じように適用されます。
申請自体に法定の期限はありません。ただし背後にある損害賠償請求権は民法724条により3年(生命・身体を害する場合は5年)で時効消滅するため、事実上の時間制限が働きます。
できません。30条の4の特例が扱うのは事業主の措置義務と不利益取扱いをめぐる紛争です。加害者個人への慰謝料請求(民法709条)や安全配慮義務違反は裁判所でしか決着しません。
門前払いではない。30条の4がパワハラ紛争を個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律5条のあっせんの対象から外し、専用の調停(30条の6)と助言・指導・勧告(30条の5)に振り替えているだけである。相談窓口の機能自体は生きている。業界裏話ヒント:窓口で「あっせん」と言うと部署の振り分けで一往復遅れる。最初から「30条の6の調停」と言えば担当部門に直行できる
調停案の受諾は任意であり、判決のような強制力はない。ただし30条の5の助言・指導・勧告は行政としての働きかけであり、会社に事実確認と回答を促す効果がある。業界裏話ヒント:会社が労働局に提出した説明は、争点が固まる前の会社の言い分をその場で固定する。後の訴訟で主張が変わったとき、その食い違い自体が有力な攻撃材料になる
援助を求めたことや調停を申請したことを理由とする解雇その他の不利益取扱いは、30条の5第2項および30条の6第2項で明文で禁止されている。違反すれば解雇無効や不法行為の根拠になる。業界裏話ヒント:受付印のある申請書の控えを必ず手元に残す。不利益な人事が申請日より後だという時系列こそが、報復であることを推認させる決め手になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 根拠条文と手続名 | 30条の4:あっせんを適用除外し専用ルートへ振替 | — |
| 第三者の関与 | 振替を定めるのみで自ら手続を行わない | — |
| 関係者からの事情聴取 | あっせんの適用除外により調停ルートを確保 | — |
| 強制力 | 手続選択を決めるだけで実体的効力はない | — |
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