地方公共団体は、国の施策と相まつて、当該地域の実情に応じ、労働に関する必要な施策を講ずるように努めなければならない。
要点労働施策総合推進法 5 条は、地方公共団体が国の施策と相まって、地域の実情に応じた労働施策を講ずる努力義務を定める。自治体独自の就労支援や雇用対策の法的根拠となる。
Q · 労働政策って国がやるものですよね? 市役所や県庁も関係あるんですか?
国だけでなく自治体にも労働施策を行う努力義務があります
労働施策総合推進法 5 条は、地方公共団体が「国の施策と相まつて、当該地域の実情に応じ、労働に関する必要な施策を講ずるように努めなければならない」と定めています。国が同法 4 条・10 条で全国的な枠組みを作る一方、人手不足の深刻度や産業構造は地域ごとに異なるため、自治体が独自の就労支援・職業訓練補助・中小企業の人材確保支援を上乗せすることが法律上想定されています。努力義務のため罰則はありませんが、自治体が県単独・市単独事業を予算化する際の法的根拠として実際に機能しています。
国が労働政策を決める、そう思っている人がほとんどだろう。だがこの一文は、あなたが住む市や県にも労働に関する施策を講じる努力義務を課している。「地方公共団体は、国の施策と相まつて、当該地域の実情に応じ、労働に関する必要な施策を講ずるように努めなければならない」。ここで効いてくるのが「当該地域の実情に応じ」という七文字だ。人口減少地域の人手不足、外国人技能実習生が多い工業地帯、観光地の季節労働、育児と就労の両立が難しい地域。国の全国一律の制度では拾いきれない部分を、自治体が独自に埋めることが法律上想定されている。だからあなたの地元の市役所や労働局には、国の助成金とは別枠で、県単独・市単独の就労支援、職業訓練費補助、中小企業の人材確保支援が存在しうる。誰も教えてくれないが、探せばある。それを探す根拠が、この条文である。
労働施策総合推進法 5 条は、地方公共団体の労働施策に関する努力義務を定める規定である。地方公共団体は、国の施策と相まって、当該地域の実情に応じ、労働に関する必要な施策を講ずるよう努めるものとされる。国が定める全国的枠組み(同法 4 条・10 条)を前提に、自治体が地域独自の就労支援や雇用対策を実施する法的根拠として機能する。
労働政策の基本理念と国・地方公共団体の役割を定める法律です。旧・雇用対策法にあたり、雇用の安定や職業生活の充実に関する施策の全体枠組みを示します。
地方公共団体に対し、国の施策と相まって、地域の実情に応じた労働施策を講ずる努力義務を課しています。都道府県・市区町村の双方が対象です。
都道府県の産業労働部・雇用労政課、市区町村の商工労働担当課が窓口です。自治体サイトで「単独事業」「県単」「市単」の語とあわせて検索すると見つかりやすくなります。
国の交付金によらず自治体の一般財源で組む補助制度のことです。UIJターン就職支援金や資格取得補助などがあり、国の助成金とは別窓口・別要綱で運用されます。
職業訓練費の補助、中小企業の人材確保支援、労働相談・あっせん、外国人材の受入支援、離職者向け緊急雇用対策など、地域の産業構造に応じて幅広く設計されます。
2018 年の働き方改革関連法による改正で、旧・雇用対策法から現在の名称に変更されました。労働施策の総合的推進という目的規定も同時に整理されています。
同じ法律です。職場のパワーハラスメント防止措置義務は本法の中に置かれており、通称「パワハラ防止法」と呼ばれます。5 条はその中の総則部分にあたります。
本法 27 条により、事業主が一定規模以上の離職者を生じさせる場合に届出義務があります。届出を受けた行政が地域雇用対策につなげる起点になります。
そのとおり、本条違反で自治体が制裁を受けることはない。だが努力義務規定は自治体が条例・要綱・予算を組むときの法的根拠として使われる。国の法律に根拠がある施策と、根拠のない施策では庁内の予算査定の通りやすさが違う。業界裏話ヒント:自治体に新しい労働施策を要望するとき、本法 5 条と関連する国の基本方針を挙げると、担当課は「所管事務の範囲内」として検討テーブルに載せやすくなる
制度による。併給を明示的に禁じているもの、同一経費への重複を禁じるだけで対象経費が違えば可能なもの、国の制度の上乗せとして設計されているものがある。要綱の「他の助成との調整」条項を必ず読むこと。業界裏話ヒント:自治体側の担当者は国の制度の細部まで把握していないことが多い。国の助成金の支給決定通知を持参して「これと併給できるか」と具体的に確認すると、口頭の一般論ではなく要綱ベースの回答が返ってくる
そうではない。労働基準監督署は法違反の是正が仕事であり、金銭請求や解雇の当否といった民事紛争の解決は本来の役割ではない。都道府県労働委員会や自治体の労働相談窓口では、無料のあっせん制度を利用できる。業界裏話ヒント:あっせんは相手方が応じなければ打ち切りになるが、その事実自体が後の交渉や訴訟で「解決努力をした」記録として残る。時間と費用をかけずに一手打っておく価値がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 義務の名宛人 | 本法 5 条:地方公共団体(都道府県・市区町村) | — |
| 義務の強さ | 努力義務(講ずるように努めなければならない)、罰則なし | — |
| 施策の射程 | 当該地域の実情に応じた上乗せ・横出し(最低基準の切下げは不可) | — |
| 実務上の入口 | 都道府県産業労働部・市区町村商工労働課、県単/市単の補助制度 | — |
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