労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第30条の5(紛争の解決の援助)
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- 都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。
- 2.第三十条の二第二項の規定は、労働者が前項の援助を求めた場合について準用する。
この条文の基本情報
紛争の解決の援助とは何ですか?
定義紛争の解決の援助とは、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第30条の5に定められた規定で、「都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第30条の5(紛争の解決の援助)は、日本の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律に含まれる条文です。
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第30条の5の条文原文は「都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導…」で始まります。
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第30条の5は第十章に置かれています。
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律の公布日は昭和41年7月21日です。
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第30条の5の前の条は労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第30条の4です。
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第30条の5の次の条は労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第30条の6です。
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第30条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和四十一年法律第百三十二号)第30条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132 - 本サイト収録
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和四十一年法律第百三十二号)第30条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/341AC0000000132/30_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働施策総合推進法30条の5は、パワハラ紛争について都道府県労働局長が助言、指導、勧告を行う制度を定める。申出は無料で一方からでも可能だが、勧告に強制力はない。
Q · パワハラで会社が動いてくれないとき、労働局は何をしてくれるの?
無料で労働局に申し出られ、申出を理由とする報復は違法です
労働施策総合推進法30条の5により、パワハラ紛争の当事者は、都道府県労働局長に解決の援助を求めることができます。費用は無料、代理人も不要で、当事者の一方からの申出で足ります。局長は事業主に対し助言、指導、勧告を行いますが、これらは行政指導であり強制力や罰則はありません。ただし同法30条の2第2項の準用により、援助を求めたことを理由とする解雇その他の不利益な取扱いは禁止されます。助言等で解決しない場合は、30条の6の調停に進むことができます。
解説
パワハラの相談窓口は社内だけではない。都道府県労働局長という、会社の外にいる公的な立場の人物に、あなたは直接動いてもらうことができる。費用はゼロ、弁護士も不要、申出は当事者の一方だけでよい。つまり会社の同意はいらない。局長は事業主に対して助言、指導、勧告を出せる。ここで多くの人が誤解する。これらに法的な強制力はなく、判決のように差押えができるわけでもない。それでも効く理由は別の場所にある。労働局が動いた事実は記録として残り、事業主にとっては行政の視界に入った案件になる。そして本当に重要なのは第2項だ。あなたが援助を求めたことを理由に解雇や配転をすれば、その報復自体が違法になる。動くこと自体が法で守られている、これが社内相談との決定的な差である。
法的な位置づけ
労働施策総合推進法30条の5は、職場における優越的な関係を背景とした言動に関する紛争の解決援助を定める規定であり、都道府県労働局長が紛争当事者の双方または一方からの求めに応じ、必要な助言、指導または勧告を行う権限を定める。同法30条の2第2項の準用により、援助の申出を理由とする不利益取扱いは禁止される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.言動と社内対応の記録を先に固める パワハラ言動の日時、場所、発言内容、同席者をメモとスクリーンショットで残す。社内相談窓口へのメールと、その返信または無反応の事実も日付付きで保存する。受診していれば診断書と受診日も揃える
- 2.都道府県労働局に「援助の申出」として連絡する 勤務地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ連絡し、一般的な相談ではなく労働施策総合推進法30条の5に基づく援助の申出であることを明示する。費用は無料、当事者の一方からの申出で足りる
- 3.局長の助言、指導、勧告の内容と日付を保存する 労働局が事業主に対して行った助言、指導、勧告の内容と時期を控える。強制力はないが、行政が関与した事実と時期は、後の損害賠償請求や労災請求で会社の認識を示す資料として実務上使われる
- 4.解決しなければ調停へ進む 助言や勧告で事業主が動かない場合、同じ労働局内で30条の6の調停を申請する。調停でも解決しないときは、労働審判や民事訴訟(不法行為、安全配慮義務違反)へ移行する
- 5.申出後の不利益取扱いは即座に記録して争う 援助を求めた後に解雇、配転、評価下げ、懲戒などが行われた場合、30条の2第2項の準用違反として直ちに時系列を記録する。申出との時間的近接があれば、報復かどうかが正面から審理される
よくある質問 AI による整理
Q1労働施策総合推進法30条の5とは何ですか?
職場のパワハラ紛争について、都道府県労働局長が当事者の求めに応じて事業主に助言、指導、勧告を行う制度を定めた規定です。申出は無料で、当事者の一方だけでも足ります。
Q2パワハラの相談窓口はどこにありますか?
社内の相談窓口のほか、各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)があります。30条の5の援助を求める場合は、窓口で「援助の申出」であることを明示してください。
Q3労働局への申出に費用はかかりますか?
無料です。弁護士など代理人を立てる必要もありません。訴訟のように印紙代や予納郵券も不要で、紛争当事者の一方からの申出で手続が始まります。
Q4パワハラの援助は本人以外でも申し出られますか?
できません。援助を求められるのは30条の4の紛争の当事者本人です。同僚や家族が代わりに申し出ることはできず、本人に窓口の存在を伝えるにとどまります。
Q5労働局に申し出るタイミングはいつがいいですか?
退職勧奨や懲戒の話が出る前が有利です。援助を求めた事実が先にあれば、その後の不利益な処分は30条の2第2項の準用による報復として正面から検討されます。
Q6派遣社員やパートも援助を申し出られますか?
雇用形態を問わず労働者であれば対象です。派遣労働者については、派遣先も事業主とみなしてパワハラ措置義務が及ぶ仕組みがあります(最新の改正状況をご確認ください)。
Q7退職後でもパワハラの援助を申し出られますか?
条文上、申出そのものに法定の期限はありません。ただし実務上、雇用関係が終了していると事業主の対応が消極的になりやすく、背後の損害賠償請求には時効があります。
Q8労働局に申し出た後に配転されたらどうすればいいですか?
30条の2第2項の準用により、援助の申出を理由とする解雇その他の不利益取扱いは禁止されています。時期と経緯を記録し、労働契約法や人事権濫用法理とあわせて争います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1労働局に相談したら、会社にバレますか?
30条の5の援助は事業主に助言、指導、勧告をする制度なので、申出をすれば性質上会社に伝わる。ただし援助を求めたことを理由とする解雇その他の不利益取扱いは、30条の2第2項の準用により禁止されている。実務のポイント:総合労働相談コーナーでの一般的な相談と、この援助の申出は別物である。前者は会社に連絡が行かないまま助言だけ受け取れる。窓口で相談と言うか援助の申出と言うかで、その日の帰り道が変わる
Q2勧告に従わなかった会社に、ペナルティはあるんですか?
本条の助言、指導、勧告に罰則も公表制度もない。一方、パワハラ防止措置義務(30条の2)の違反については、厚生労働大臣が報告を求め、勧告し、従わなければ企業名を公表しうる(同法33条、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:局長の援助ルートと大臣の指導監督ルートは別の線路である。うちの会社は指針が求める措置を何一つ講じていない、という申告は後者に乗せた方が事業主に効く
間違えやすい点 AI による整理
- 勧告に強制力がないことは多くの人が知っている。知られていないのはその先だ。労働局が関与した事実と時期は、後の損害賠償請求や労災請求で、会社が問題を認識していたことを示す材料として実務上使われる。今日の効き目が薄いことと、二年後の効き目が薄いことは別問題である
- 労働局に行けば会社を罰してくれるはずだ、という問いの立て方そのものが誤っている。局長の助言、指導、勧告は行政指導であって行政処分(役所があなたや会社に直接下す法的効果を持つ決定)ではなく、取消訴訟の対象にもならない。罰する装置ではなく動かす装置だと理解した瞬間、正しい使い方が見えてくる。制裁を求めるなら、措置義務違反に対する厚生労働大臣の報告徴収と勧告、企業名公表という別の線路(労働施策総合推進法33条)に乗せるべきだ
- あなたから見れば相談しただけだが、法律から見ればそれは援助の申出という保護対象の行為である。会社が後日、勤務態度を理由に配転や評価下げを行っても、申出との時間的近接があれば報復かどうかが正面から審理される。この落差を知らない人は、別の理由をつけられた瞬間に自分から引き下がってしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の主体 | 30条の5:都道府県労働局長が助言、指導、勧告 | 30条の6:紛争調整委員会による調停 33条:厚生労働大臣による報告徴収、勧告、企業名公表(現行効力を要確認) |
| 使う場面 | 個別の紛争を早く動かしたいとき、費用をかけたくないとき | 助言等で解決せず、第三者を交えて条件をすり合わせたいとき 個別解決ではなく、会社が措置義務そのものを講じていないとき |
| 効力の性質 | 行政指導。強制力も罰則もない | 調停案の受諾は任意。成立すれば当事者間の合意となる 企業名公表という制裁的手段があり、事業主への圧力は最も強い |
| 申出者の保護 | 30条の2第2項の準用により、申出を理由とする不利益取扱いは禁止 | 調停の申請についても同様の不利益取扱い禁止が及ぶ構造 申告者個人の保護ではなく、事業主の体制整備を是正する線路 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は労資紛争を地方主管機関の調解に乗せる構造で、ハラスメントは性別平等工作法の申訴と地方主管機関の審議が中心。日本のように条文単位で行政指導権限と報復禁止をセットで書き込む形式ではない
韓国は職場内いじめについて使用者の調査・措置義務と不利益処遇禁止を労働基準法に置く。行政の関与は労働庁の監督が中心で、日本の局長援助のような独立した援助条文の形は取っていない
ドイツは苦情申立権と報復禁止(Maßregelungsverbot)を一般平等待遇法に置き、連邦差別禁止局が相談と支援を担う。ただし局が事業主に勧告する権限は日本の労働局長ほど条文上明確ではない
米国は EEOC への charge が訴訟の前置手続として制度化され、調停と提訴権通知が組み込まれている。報復禁止は明文だが、そもそも一般的な「パワハラ」を包括的に禁じる連邦法はなく、差別事由との結びつきが必要
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 返信のない社内相談窓口を、あと何日待つつもりだろうか。来週には退職勧奨の面談が設定されている。先に退職に同意してしまえば、その後の申出は元従業員からの持ち込みになり、事業主の対応温度は目に見えて下がる。残り五日、動く順番を逆にしてはいけない
- 人事担当のあなたのもとに、都道府県労働局から一通の連絡が届く。社内窓口が様子見で止めていた案件だ。無視しても罰則はない。ただし調停(30条の6)、さらに訴訟へと進んだとき、行政から指摘を受けながら放置したという事実が安全配慮義務違反の主張に使われる。無視の代償は罰金ではなく、二年後の判決文に書かれる一行である
- 同僚が上司に詰められて休職した。援助を求められるのは紛争の当事者本人であり、あなたが代わりに申し出ることはできない。だが窓口の存在を伝える一言が、その人の選択肢を一つ増やす
取るべき行動
被害を受けた側:1. 言動の日時、場所、発言内容、同席者をメモとスクショで残す。診断書があれば受診日も記録2. 社内窓口への相談メールと、その返信(または無反応)の記録を確保3. 都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に、援助の申出であると明示して連絡。無料、一方からの申出で足りる4. 助言や勧告で会社が動かなければ、同じ労働局内で調停(30条の6)へ進む5. 申出後に解雇や配転をされたら、第2項準用違反として直ちに記録し、労働契約法16条とあわせて争う
訴えられた側:1. 労働局からの連絡は必ず期限内に応答する。無視に罰則はないが、後の訴訟で放置の事実が独り歩きする2. 社内調査を第三者的な体制でやり直し、聴取記録を残す3. 申出をした労働者への配転、評価、懲戒は当面凍結する。報復と評価されれば争点が一つ増える4. 助言や勧告に沿って講じた措置は日付入りで文書化する。これが後の安全配慮義務違反の反証材料になる5. 事実関係に争いがあるなら、調停の場で主張を整理する方が訴訟より安い
時効(請求できる期限):援助の申出そのものに法定の期限はない。ただし背後の請求権には時効がある。パワハラを理由とする慰謝料請求は損害および加害者を知った時から3年、人の生命または身体を害する場合は5年(民法724条、724条の2)。安全配慮義務違反(債務不履行)は権利を行使できることを知った時から5年(民法166条1項)。未払賃金は当面3年(労働基準法115条および附則)。加えて実務上、退職から年単位で時間が経つと、事業主が雇用関係の終了を理由に対応を渋る壁が現れる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:30条の5の助言、指導、勧告は行政指導であり行政処分ではないため、取消訴訟の対象とならず罰則も伴わない。実効性は制裁ではなく、第2項の準用による不利益取扱い禁止と、行政関与の記録が後続の民事責任追及で果たす機能に支えられていると理解される
実務的理解:本条の局長による援助と、33条の厚生労働大臣による報告徴収、勧告、企業名公表は別ルートである。個別紛争の解決を求めるなら前者、措置義務の未整備そのものを是正させたいなら後者に乗せるのが実務上の使い分けとされる(33条の現行効力は要確認)
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)改正 職場のパワーハラスメント防止法制の導入に伴い新設。大企業は令和2年(2020年)6月1日から、中小事業主は経過措置を経て令和4年(2022年)4月1日から適用された。その後のハラスメント法制の改正動向により条文構成が変動している可能性があり、人的検証を要する
改正の年表
- 1.令和元年(2019年) 新設:女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律により、職場のパワーハラスメント防止法制が導入され、30条の2から30条の8までとともに本条が新設された
- 2.令和2年・令和4年(2020年・2022年) 改正:大企業は令和2年6月1日から適用。中小事業主は経過措置を経て令和4年4月1日から適用され、全事業主に措置義務と本条の援助制度が及ぶこととなった
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第30条の2パワハラ防止措置義務と不利益取扱い禁止、本条が準用する条文
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第30条の4援助の対象となる紛争の範囲を画する前提規定
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第30条の6助言で解決しない場合の調停への移行ルート
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第30条の3国と事業主および労働者の責務、措置義務の理念的支柱
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第33条厚生労働大臣の報告徴収、勧告、企業名公表(現行効力を要確認)
- 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律 第4条一般法の助言指導制度、本法の特則により適用が排除される
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第17条セクハラ等について同一構造の紛争解決援助を定める(通称 男女雇用機会均等法)
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第52条の4育児介護分野で同一構造の紛争解決援助を定める
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