要点労働施策総合推進法30条の5は、パワハラ紛争について都道府県労働局長が助言、指導、勧告を行う制度を定める。申出は無料で一方からでも可能だが、勧告に強制力はない。
Q · パワハラで会社が動いてくれないとき、労働局は何をしてくれるの?
無料で労働局に申し出られ、申出を理由とする報復は違法です
労働施策総合推進法30条の5により、パワハラ紛争の当事者は、都道府県労働局長に解決の援助を求めることができます。費用は無料、代理人も不要で、当事者の一方からの申出で足ります。局長は事業主に対し助言、指導、勧告を行いますが、これらは行政指導であり強制力や罰則はありません。ただし同法30条の2第2項の準用により、援助を求めたことを理由とする解雇その他の不利益な取扱いは禁止されます。助言等で解決しない場合は、30条の6の調停に進むことができます。
パワハラの相談窓口は社内だけではない。都道府県労働局長という、会社の外にいる公的な立場の人物に、あなたは直接動いてもらうことができる。費用はゼロ、弁護士も不要、申出は当事者の一方だけでよい。つまり会社の同意はいらない。局長は事業主に対して助言、指導、勧告を出せる。ここで多くの人が誤解する。これらに法的な強制力はなく、判決のように差押えができるわけでもない。それでも効く理由は別の場所にある。労働局が動いた事実は記録として残り、事業主にとっては行政の視界に入った案件になる。そして本当に重要なのは第2項だ。あなたが援助を求めたことを理由に解雇や配転をすれば、その報復自体が違法になる。動くこと自体が法で守られている、これが社内相談との決定的な差である。
労働施策総合推進法30条の5は、職場における優越的な関係を背景とした言動に関する紛争の解決援助を定める規定であり、都道府県労働局長が紛争当事者の双方または一方からの求めに応じ、必要な助言、指導または勧告を行う権限を定める。同法30条の2第2項の準用により、援助の申出を理由とする不利益取扱いは禁止される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
職場のパワハラ紛争について、都道府県労働局長が当事者の求めに応じて事業主に助言、指導、勧告を行う制度を定めた規定です。申出は無料で、当事者の一方だけでも足ります。
社内の相談窓口のほか、各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)があります。30条の5の援助を求める場合は、窓口で「援助の申出」であることを明示してください。
無料です。弁護士など代理人を立てる必要もありません。訴訟のように印紙代や予納郵券も不要で、紛争当事者の一方からの申出で手続が始まります。
できません。援助を求められるのは30条の4の紛争の当事者本人です。同僚や家族が代わりに申し出ることはできず、本人に窓口の存在を伝えるにとどまります。
退職勧奨や懲戒の話が出る前が有利です。援助を求めた事実が先にあれば、その後の不利益な処分は30条の2第2項の準用による報復として正面から検討されます。
雇用形態を問わず労働者であれば対象です。派遣労働者については、派遣先も事業主とみなしてパワハラ措置義務が及ぶ仕組みがあります(最新の改正状況をご確認ください)。
条文上、申出そのものに法定の期限はありません。ただし実務上、雇用関係が終了していると事業主の対応が消極的になりやすく、背後の損害賠償請求には時効があります。
30条の2第2項の準用により、援助の申出を理由とする解雇その他の不利益取扱いは禁止されています。時期と経緯を記録し、労働契約法や人事権濫用法理とあわせて争います。
30条の5の援助は事業主に助言、指導、勧告をする制度なので、申出をすれば性質上会社に伝わる。ただし援助を求めたことを理由とする解雇その他の不利益取扱いは、30条の2第2項の準用により禁止されている。業界裏話ヒント:総合労働相談コーナーでの一般的な相談と、この援助の申出は別物である。前者は会社に連絡が行かないまま助言だけ受け取れる。窓口で相談と言うか援助の申出と言うかで、その日の帰り道が変わる
本条の助言、指導、勧告に罰則も公表制度もない。一方、パワハラ防止措置義務(30条の2)の違反については、厚生労働大臣が報告を求め、勧告し、従わなければ企業名を公表しうる(同法 33条、最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:局長の援助ルートと大臣の指導監督ルートは別の線路である。うちの会社は指針が求める措置を何一つ講じていない、という申告は後者に乗せた方が事業主に効く
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の主体 | 30条の5:都道府県労働局長が助言、指導、勧告 | — |
| 使う場面 | 個別の紛争を早く動かしたいとき、費用をかけたくないとき | — |
| 効力の性質 | 行政指導。強制力も罰則もない | — |
| 申出者の保護 | 30条の2第2項の準用により、申出を理由とする不利益取扱いは禁止 | — |
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